2008年10月28日

もう一つのバブル

NYTのこの記事

yen carry tradeなる言葉、初めて聞いたぞ。

ゼロ金利政策がこんなバルブを作っていたとは。。。
やっぱり、円は強い、というわけではなかったのね。。。

それにしても、このバーストのダメージは大きそう。

どれくらい大きいか?

God knows。。。

インフルエンザ

昨日はインフルエンザ。

午前中のラボミーティング中、やけに寒く、またエアコンがバカになったんかと思っていたら、午後、悪寒に加え身体が痛くなった。

典型的なインフルエンザの症状。

5時ごろ帰って、安静に。

一時、39度近くまで熱が上がったけど、一晩寝たら何とか快復した。

インフルエンザ、8年くらい前だったか、以前もかかって死に掛けた。。。
40度以上まであがって、病院に行ったら、

あなたが今日の最高値です。

と、喜びたいけど、それどころではないくらいしんどかったのを覚えている。。。

インフルエンザはあなどれん。
それ以降、できるだけ予防接種は受けるようにしている。

今年の予防接種は来週に予定されていた。。。
もう少し早くに実施してくれ。。。

2008年10月27日

アメリカで七五三

神道の文化をアメリカでも体験できた。

土曜日、曇の中、朝から家族三人で国連ビルの近くのJapan Societyへでかけた。
七五三が開催された。

数ヶ月前から予約が始まって、子供の着物レンタルもあった。合計で70ドルほど。

僕はJapan Societyのビルがあることすら知らなかったけど、立派できれいなところだった。

ロビーにおしゃれな人工池というかなんというか、そういうものがあって、その前で着物姿の娘と家族写真を撮る。

七五三は、ビル内の中ホール的なところで行われ、ステージに神様が祭られていた。(かなり本格的)

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式は10時過ぎにスタート。

非常にしっかりした内容だった。(ホントに本格的だった)

国際結婚した家族の方も来られていたので、日本語のアナウンスに続いて、英語が続くという形式で式が進行。

斎主は意外にも女性だった。

式の中ほどで、各家族が名前を呼ばれてはステージに上がって二拝二拍手一拝をして千歳飴をもらう。

斎主さんも英語を使いこなし、なかなかレアな体験ができた。

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改めてこういう体験をして、日本人は意外とreligiousな環境に育ってきたんだなぁと感じた。

正月に始まり、七五三もあれば、神社にいけばお賽銭を投げてお祈りをしたりする。implicitに神様を信じて、superstitionをexplicitに信じる。

立派な宗教である。

けど、個人個人には「宗教」という感覚はない。
あくまでunconsciousな宗教である。

それが神道の真髄なのかもしれない。

神は森羅万象に宿る。

それはアメリカであっても良いわけだ。

なかなかpoliteな良い宗教である。

2008年10月24日

祝!

今日、同僚にPI職の採用連絡が来た!

彼は2年前、アトランタでの学会時に、ボチボチ職を探さなあかん、と言っていたから、かれこれ2年かかったことになる。

多くは書類選考で落とされ、ジョブトークに呼ばれても採用されず。。。

そして今日という日が来た。

彼がそのポジションのジョブトークに行ったのは2ヶ月くらい前だったか。

フォーマルトークの後、PI連中から受けた質問がかなりタフだったらしいけど(例えば、CVのことを露骨につっこまれたり、推薦者がらみのことでいやらしい質問をうけたり、、、)、無事採用されて良かった。

彼は勤勉かつ優秀だから、独立してもこの調子で頑張ってくれそう。

PIになったらなったでいろいろ大変だろうけども、彼が行くところは、バックにビッグネームがいてるから、大学院生やポスドクのリクルートもスムーズに行くかもしれない。

そういえば、彼は僕と同い年だったな。。。

ジョブ探し始めねば。。。

そのうち。。。

ビジネス日本語

アメリカに来る前、ビジネス英会話というラジオ講座を聴いては、英語を勉強している「フリ」をしていた。
(当時は大真面目で勉強していたけども、実際何の役にも立たなかった、という意味で「フリ」と表現した。)

最近、「ビジネス日本語」は奥が深い、ということを学ぶ機会があった。

僕は研究者だから、ビジネス上のマナーは何も知らない。だから、ビジネスマンとメールをやり取りすると、普段のメールよりはるかに書く時間がかかって仕方がない。。。

なぜなら、僕が普段使わない難しい謙譲語や丁寧語を先方が使ってくると、それに合わせなければいけない。

が、僕は使い方のノウハウを全然知らないから、

この使い方であってんのやろか???

などと思いながら、ググッたりして、ビジネス日本語によるメールを「捏造」しなければいけない。

しかしである。

このビジネス日本語、非常に違和感を覚える。

自分がチューリングテストを受けているかのような気持、同時にチューリングテストを実施しているかのような錯覚を覚える(それは言いすぎだが)

あまりにも丁寧語、謙譲語で埋め尽くされた文章をみると、相手の顔が全く見えてこない。

これではコミュニケーションに支障をきたす。

コミュニケーションは、書き言葉の場合はいわゆる行間で、面と向かったものなら表情や口調などで、エモーショナルな部分を察知しあって始めて成立すると、僕は理解している。

が、ビジネス日本語はフラットだから、いか様にもエモーションを解釈でき、返答に窮する。

相手は自分の行為に問題ないといっているが、本当に問題ないのか、それとも実は問題があるけど、見過ごしてやろうと思っているのか、全く行間を読めない。

相手が謝ってきているのに、自分が責められているかのような気持ちにさえなる。。。

コミュニケーションが成立していない。

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一方で、アメリカで研究していると、アメリカ企業(もちろん研究関連だから規模は知れている)のbusiness manとやり取りすることもある。

まぁ、とにかくフランクである。。。

Hi Shuzo!

で大抵始まる。(注意:ビックリマークは著者による)

Dr. Sakata
なんて書かれたことは生まれてこの方一度もない。(たまには呼べ)

だから、非常に返信しやすい。

もしかしたら、本件以外の話題もしやすくなって、別のビジネスに結びついたりしそうな気もする。。。。

もちろん、文脈をはき違うと、とんでもない大失態をしでかすリスクもあるのだろうけども、ビジネス日本語という逆の過激さも何か問題があるのではないか?という気がする。

もう少し口語的なメールを書いてもらうと、コミュニケーションがもう少しスムースになる気がするし、気楽にメールが書けるから、簡単なやり取りだけなのに、無駄に時間を浪費する必要もなくなる。

それにしても日本語は奥が深い。
35年学んできたつもりでも、使いこなせない。

この上、英語まで学ばなければいけないわけだから、頭の痛い話である。。。

2008年10月20日

グローバル・クライシス

今日、ラボメンバーと一緒にランチに行ったときの会話(*異なる色は異なる人物のコメント)。

お前のデータは良いから、良い論文になるよ

そうなんだけど、セクシーなストーリーにまとまらないんだよな。。。

確かにハイプロファイルなジャーナルに通すには、1つの良いパンチラインがいるもんな

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で、会話はハイプロファイルなジャーナルは必要か否か、という話題に。。。

ハイプロファイルジャーナル持ってても大したことないヤツ知ってるぞ

けど、ハイプロファイルジャーナル持ってると、ジョブをはるかにゲットしやすくなるぞ

と話していた時に、ボスのケンが登場

ハイプロファイルジャーナルはいらん、重要じゃない



あんた持ってんジャン。。。

イエス(苦笑)
けど、ハイプロファイルジャーナルをゲットするのホントに大変だし、マルチプルリジェクション喰らって論文は良くなるモンや

確かに数%は良くなるかも知れんけど、たまに悪くなることもあるぞ

少しのやり取りの後、議論が戻り

実際、ハイプロファイルジャーナルを持っていなくても有名な人はたくさんいてる

一方で、確かにxxラボからEJNにすごく良い論文出たのに、誰も読んでない論文もある。。。

俺はそれ読んだぞ。
と、ギューリー先生も参戦。。。

ケンの論文は、ネイチャー論文よりJNPの方がよく引用されてるだろう

とかで、議論は平行線。。。

はじめに話を始めた僕らはすでに食事を終了していたので、席を立った。。。

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本来、セクシーな論文は必ずしも必要ない、質の方が大事(なはず)。
けど、世の中うまくわたっていくには、いる。

ということなのだろう。。。
ダブルスタンダード的な問題がそこにある。

このあたり、みんなわかっているはずなのに、なぜそういう流れにならないのか。。。

まさに、CNSバブル、サイエンス業界のサブプライム問題(ちと意味が違っているがニュアンスは伝わるはず)である。。。

なんだか、世の中間違っている。はじけて欲しいものである。

CNSが捏造まみれになったら、バブルははじけるか?

とにかく、今のサイエンスの制度はおかしい。

脱線したけど、このエントリーの本当のメッセージは、この会話(ジョブを取るにはハイプロファイルジャーナルがいるかどうか、という議論)は日本ではなく、多国籍国家・米国で行われた「インターナショナル」な会話だ、ということ。

つまり、日本にいようが、アメリカに来ようが、繰り広げる会話はそうは変わらない。

当たり前であるが、good-to-knowな問題である。
グローバルな問題である。。。

2008年10月19日

なぜブログを二つやるか?

このLIFEcologyをはじめて1ヶ月強。

毎日のアクセス数は、The Swingy Brainより二桁少ない状態で低迷中。。。
けど、非常に心地よかったりもする。(いや、負け惜しみではなく)

ところで、なぜ僕はブログを二つやっているか?
もうすでに多くの人たちが議論している話題ではあるけれど、今回は、僕の視点からこのことについて書いてみる。

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最近、僕の情報源の大きな柱は、他の人たちのブログだったりする。

ブロガーは一種のジャーナリスト的な要素があると僕は思っているから、ニュースでは見つからない(見つけにくい)貴重な情報をブログでたくさん知ることができる。

ノーベル賞受賞者もブログをやっていたりするわけだし、ブログから多くを学べる。

ブログが貴重な情報源になってくると、自然とRSSリーダーの登録件数が膨れ上がって、「処理」しなければいけない情報も自然と増える。

そんな状況になって、いろんな人のブログを見ながら気づいたことがある。

それは、エントリーによって対象読者が大幅に変わるであろうエントリーを一つのブログの中でやるのは、他の人の時間を浪費しかねないな、ということ。

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このLIFEcologyをはじめるまでのThe Swingy Brain、を悪例として説明する。

例えば、こちらのエントリーやこちらのエントリー、明らかに対象読者が違う。

前者は神経科学者で、後者は「もしも僕の生活に興味を持つ人が一人でもいるなら・・・」、という想いでエントリーを立てている。

なので、後者の読者は「神経科学者」である必要は一切ない。

その意味では、二つのエントリーの対象読書は独立とも言える。

では今、とある神経科学者Aさんがいて、RSSリーダーに1000のブログが登録されていて、うち一つが僕のブログだったとする。

Aさんが僕のブログに期待していることは、読んでいない論文の情報を手に入れることだったりする(very likelyである)。

そうすると、神経科学者を対象としていないエントリーは、Aさんには完全に時間の浪費となる。

もちろん、Aさんは「おまえのプライベートには興味ないねん」と言って、そのエントリーを読まないだろう。
けど、新しいエントリーが立つとRSSは勝手に知らせてくれるから、「読み込み時間」という時間を浪費する。

それは非常に申し訳ない。。。

もちろん、他人が時間を浪費することなんて、知ったことではない、自分が立てたいエントリーを立てるのがブログだ、という意見もあって良いとは思う。

が、僕はそれはしたくない。

なので、二つに分けた。

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では、二つブログを持ったらブロガーの負担は増えるだろうか?

NO、である。
LIFEcologyをはじめてわかったが、初めのセットアップはもちろん手間だけども、その後は全く時間の浪費はない。

エントリーのネタを思いついて、エントリーを書いた後、どちらのブログにエントリーをアップするかチョイスするだけで良い。エントリーをアップする作業は全く同じだから時間の浪費はない。

しかも、対象読者が明確になるから、あるエントリーのネタを思いついたとして、それがブログAでは閾値を超えなくても、ブログBでは簡単に超えてアップできる。(その意味では、立てる総エントリー数が増えて、時間を使うことにはなるが、ブロガーとしては時間をかけたかったことなわけで、浪費ではない、とも解釈できる。)

ブログは自己満足的な部分が大きいけど、その自己満足を満たすには他人が少しでも満足してくれると、さらに満たされる。

つまりは、自己完結ではなく、自己と他者との相互作用で自己満足度が大きく変わる。少なくとも僕の場合はそうだから、こういう戦略に切替えた。

両方を読みたい人がもしもいたならば、その両方を読んでもらえば良いわけで、読者ごとに選択肢を用意できてよい気がする。

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実は、今のThe Swingy Brain自体、まだ心地悪い。

神経科学者が見ていれば、そうでない人も見ている。

プロも見ていると思うとエントリーの立て方に気を遣う(こう見えても気を遣っている。。。)。

将来的に、The Swingy Brainをさらに「暖簾分け」して、プロ用、一般用に完全に分けた方が良いのかな、とも思う。(そうしても「一般用」にプロがアクセスして、「アイツは物事を簡単に言いすぎてケシカラン」、という大人気ない人も出てくるのだろう。。。その意味では、両者のサポートを得ている池谷さんは偉大である。)

ブログを3つ以上持つのも良いけど、週にエントリーを作るのは、多くても合計3個程度にはしたいから(なぜなら研究をやってナンボだし)、そうすると、それぞれのブログの密度が低下して、どのブログも満足いくものにはならないリスクもある。

手を広げるのは、実力が伴ってからでないと破綻する。

それは避けたい。

そんなわけで、対象読者を明確に区別して、ブログをより自由にやりたかったから、僕はブログをとりあえず二つ持った。

2008年10月18日

ラトガーズのサブプライム

NYTに、ラトガーズ大記事が載っている。

2年前、フットボールチームが頑張って、予算やプライベートな寄付を一点集中的に使って発生したバブル、そして今の惨状について。

ポテンシャルのある科学者・研究施設にどんどんお金を使って、有名な研究をサポートして、世間的なvisibilityを増やした方が大学らしい気がする。優秀な学生も集まる。

McCormick(学長)は、体育大学化でもしたかったのだろうか。。。

ヴィジョンが疑われる。

彼からたまにアナウンスメールが来るけど、次からはスパム扱いしよう。。。(というか、すでに読んでないけど。。。)

大学アメフトチームの監督に2Mドルも払うのは、日本人の感覚では信じられん。
出来高制としてのボーナスならともかく、結局一発屋でしかなかった監督のサラリーとしては払いすぎ。

それより、CMBNの天井の水漏れや、無駄に効き過ぎるエアコンを何とかしろ。。。

電気代も浮くぞ。。。

スタジアム作りはまさにバブリーな発想。
今の状況では、負担がどんどん増える一方だろう。。。

ラトガーズがbankrupcyとかせんやろか。。。
テニュアのつもりがテニュアでなかったとか。。。
ケンはテニュアゲットできそうやけど、考え直した方が良いかも知れんな。。。

何事も報酬は適度が良い。
バブリーな熱狂は何かと異常をきたす。

研究モチベーションを自力で上げる七つの方法

しばらくの間、生産性が低下していた。
けど、ここ数日、モチベーションが上がってきた。

というのは、来週、ラボミーティングの当番になっているからでもある。
(意外とラボミーティングはカンフル剤になるんやな。。。)

モチベーションが下がった、もしくは生産性が低下中だな、と思った時の対策法を備忘録として以下まとめてみる。一般的なルールというよりは、とりあえず今回に特化した項目が多いか。。。

1.締め切りを設定せよ
Xデーを決めて、それまでにタスクを終わらせると決める。
Xデーは近すぎず、遠すぎず。
危機感を持たせる工夫をする。

2.己を知り、己をコントロールせよ
もし午前中にもっとも生産性が高いなら、そこに重要タスクを配置する。
メールなど優先順位の低いことは、ラボに来てすぐするのではなく、眠い時間帯、モチベーションが低下する時間に回す。

3.問題を明確化せよ
各ピースをロジカルにどうつなげるか考える。
何が空白か、何が問題かを明確にする。
パワーポイントで研究ストーリーを考える。(これはやはり効く!)
アウトラインを描くことがとにかく大事。

4.主体的に行え
ボスとの議論で問題を見つけるより、自分で問題を見つける。
その方がはるかにモチベーションが上がる。
ボスの言うことは聞くな。(いつもではなく。。。)
上の1-3を自分で自分に命令して実行する。

5.楽しめ
パワーポイントのスライド作りを楽しむ。(ネタを仕込むとか)
大小のrewardをうまく使う。

6.ライバルを作れ
スライドを作りながら、Aさんならこう来るだろうから、それに対応しよう、とか、Bさんのこのツッコミにあらかじめ対応しよう、とかターゲットを具体的に意識しながら戦略を練る。(これは結局のところ、他のオーディエンスに対応することにもつながる。はず。)

7.サイクルを作れ
上のことを定期的に行う。


とにかく、報酬(罰も含む)予測をうまいことモチベーション、そして行動に結びつける工夫をする、ということか。

2008年10月15日

Bronx Zoo

先週末のお話。

家族サービスとしてBronx Zooへ行った。
これで3回目。

今シーズンはWildlife Conservation Societyの会員になったから、基本的にただで入場できる。(NYC周辺の動物園・水族館に行き放題で、十分もとがとれ、しかも、動物を救える(かもしれない)。)

10月はハロウィーンシーズンということで、特別企画が開催されていて、キッズが喜びそうなネタがいろいろ用意されていた。

動物園のキッズ向けイベントなんてたかが知れてそうな気もするが、キッズでなくても喜べる企画だったのがface painting

ホントのプロが、顔全面にまさにアートを描いてくれる。

道を歩いていると、なかなかすごいface paintした子供から大人たちが歩いていたので、僕らの家族も行ってみた。

実質、1時間弱待った。

僕はさすがにパスしたけど(帰り誰かがスーパーで食材を買う必要があったし)、娘と嫁さんがトライ。

娘はラッキーにもボス的な人にあたって、非常にかわいらしくできた。

嫁さんは別の人に当たって、日本人ということで、日の丸をモチーフした歌舞伎調。。。
良い思い出にはなったようだ。。。

ちなみに、今調べたら、普段からやっているようで、1顔10ドルらしい。

確かにそれくらい価値のあるアーティスティックな本格face paintingだった。

それにしても、Bronx Zooはとにかく馬鹿でかいから朝から歩き回るとさすがに疲れた。

肝心の動物だけども、なかなか珍しい猿がいたりと、動物行動の観察はホントに研究者魂を刺激する。

が、娘はそそくさと次へ行きたがるので、あまりじっくり見れなかったりもする。。。

どっちが動物園に連れて行ってもらっているのか、よくわからなくなる瞬間である。。。

2008年10月12日

戦略

何事もリスクをとるには戦略がいる。

Economixに興味深いエントリーが立っている。
今の株価は安いか?ということについて、いわゆるP/Eを根拠に議論している。

そこのリンク先に過去(すべて?)のS&P500とそのP/Eのデータがあるのだけれども、10年以上前からバブル傾向になっていたのがよくわかる。

過去の歴史を見ると、バブルがはじけた後、peak2troughまでの時間ラグこそあれど、5近くまで下がっている。ということは、テクニカル的にはこのあたりまでいったら、さすがに「底」かな?と思って良いのだろう。

ちなみに、バフェットさんの戦略として、株価はケアしないと聞いたことがある。

確かに株価は実体を表す指標でもなんでもないから(言い過ぎ?)、そのあたりをしっかり理解した上で、投資タイミングを見計らった方が良いのだろう。

もっと勉強せねば!
授業料払ってるし!

2008年10月11日

最近の経済のまとめ

経済危機を非常によくまとめたエントリーラップ。(WBGO Blogより)

昔、何かを暗記するための歌ってあったけど、今の「若者」だったらこんな感じでラップにして覚えるのだろうか。。。

それにしてもよくまとまったエントリー集&ソングである。

2008年10月10日

今年のノーベル賞について語るときに僕の語ること

村上春樹氏、来年に期待です。

それはともかく、日本人がノーベル賞を取るとホントに鼓舞される。

せっかくなので、今回の受賞から僕は何を学ぶべきか?ちょっと考えて、後半、雑感的なことも少し。

まずはYahooニュースを中心にひろったquote集から。

下村博士
「研究は、やり始めたらやり遂げることが大事。難しいからといって、最初からあきらめてはいけない」。
「基礎知識の進歩がなくては応用面の画期的発展は望めない。発光機構解明のような基礎面の研究者がもっと現れるのを切望してやまない」

益川博士
「風呂から上がった瞬間に、ふっと頭に浮かんだ。」
「自然には理由がある」

小林博士
「ぼーっとしながら(思考を)反芻(はんすう)しているときに思いつく」

南部博士
「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆うし」(論語より)
「研究は汗と不満と甘い夢でなり立っている」

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これらのquoteや一連の記事などを読みながら思ったこと。

1.重要なら、とにかくやれ、続けろ、執念を燃やせ

自分が重要な問題だと思うなら、ゴチャゴチャネガティブファクターを考えて諦めるのではなく、とにかく始める。

そして、テクニカルな問題に直面しても、重要だと思うなら、その壁を何とかクリアできるように努力を続ける。

ネコの手を借りてでもクリアするくらいの執念を見せる。

とにかく四六時中研究に集中する。


2.周りのネガティブコメントは無視しろ

何かプロジェクトをスタートする時、周りが賛成しないことがある。けど、そんなことは無視してでも自分のやりたいことを貫かねばならない。ボスの言うことは無視!(すべて無視すると痛い目にあうだろうから、ケースバイケースで、ということか。)

逆のポジティブコメントでもそうかもしれない。
例えば、テーマを考える時、周りの人たちがやっているから、というポジティブ要因に引きづられることがある。それではホントに独創的なことはできない。そういう意味でのポジティブコメントも無視しないといけない。

研究では文脈付けは大事なわけだけども、もちろんその文脈を踏まえた上での創造というものをやらないといけない。

それから、疑うことの大事さ、を改めて感じた。1とも絡むけど、とにかく自分を信じて突き進む、という姿勢が大事なのだろう。

3.pricelessなモノの価値を肝に銘じろ

薬、治療法を見つけて金儲け、なんてことよりも、ホントに新しい価値を生み出すもののきっかけはpricelessで、人から馬鹿にされるようなもの。そういうものを創造あるいは見つけないといけない。

そして、何か見つけたら、無駄に特許をとるとか馬鹿げたことをせずに、研究者コミュニティーに使ってもらえるようにオープンにしておく。priceをつけるのは、違う価値観を持った人にやってもらえばよい。

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次に、雑感。
特に日本とアメリカの違いについて、僕が感じたこと。

1.日米のマスコミ

まずサイエンス部門のノーベル賞記事のリンク(NY Times)をはってみる。
生理学・医学賞(日本語だから医学生理学賞と書くべきか??)
物理学賞
化学賞

日本とアメリカのメディアの違いは、
・バイアス
・科学リテラシー
・ノーベル賞主義
という感じか。

今回、アメリカ人ももちろん受賞しているのに、NY Timesの記事は、日本のような「日本人バイアス」のないクールな記事だった。

受賞からもれた人の偉大な功績、どういう流れで受賞につながったかなどを知ることが出来て良い(化学賞の写真でBrainbowを使うなんてステキ。日本のメディアでこういう関連付けができる記者はいるのだろうか?)。

という感じで、温度差が非常にある。

もちろん、アメリカは今、ノーベル賞どころではないわけだけども(日本もそうは変わらないとは思うのだが。。。)、昨年もクールに扱っていたと思う。

というより、最近少し話題になったgenuis賞、他にもラスカー賞飯島博士が最初の受賞者となったKavli賞のことなど、科学関連の賞はそれなりのスペースを割いて常に記事を書いてくれている。

NatureやScienceなどに載った論文の比較的詳しい記事も頻繁に掲載される。

日本では、ノーベル賞以外の科学賞や一つの論文が、紙面の半分を割くなんてことはこれまで見たことがない。(実際はあるのだろうけども、主張を強くするために「ない」と書いてみる)

もちろん、アメリカでもノーベル賞の扱いは特別ではあるけれど、日本ほど他の賞との差別化は少ない。

このあたり、マスコミのサイエンスに対するリテラシーの違いを感じてしまう。自分たちで将来のノーベル賞受賞者を発掘、あるいは育てる、といった観点が感じられない。このあたりは国民にも反映されるだろう。
(といっても、アメリカは多様だから、リテラシーうんぬんを言うのははばかれる人たちも大勢いたりもする。。。その意味では、日本は正規分布的で良い?だからこそ、少しの努力で、日本全体の科学リテラシーを一気に上げられるのではないかという期待もあるわけだけども)

2.アメリカでの研究

南部博士、下村博士がなぜアメリカを生涯の研究場所として選んだのか、そのコメントをウェブ上で見つけることはまだできていない。僕としてはそのコメントをぜひとも聞いてみたい。これは利根川先生にもあてはまる。

なぜ日本ではなくアメリカか?

頭脳流出を危惧する野依博士の冷静なコメントはさすがだと思ったけども、では具体的にどういう考えをお持ちなのか、そのあたりはメディアを通して全く伝わってこない。おそらく、野依博士が何かコメントされたとしても、それはメディアのフィルターにかけられて、外には出てこないのだろう。

しかし、これは日本のことを考えると問題のようにも思える。

ひょっとしたら、数十年後の日本人ノーベル賞受賞者がアメリカで大学院生をしていたり、ポスドクをしていたり、ラボを持っていたりするかもしれない。

そういう人たちを振りかえらせるだけの魅力的なことを実行できるのか。

むしろ、今回の受賞はさらなる「流出」につながるだろう。

これだけインターネットで海外の情報が簡単に入手できるようになって、研究留学のための情報もたくさん手に入る。やる気のある優秀な人はどんどん海外で挑戦しよう、という気を後押しする環境はすでに完備されている。

それを食い止めたいなら、そういう政策を上の人たちが考えられるのだろうか。できなければ、喜べないノーベル賞受賞の年に、結果的になるやもしれない。

2008年10月7日

アメリカ人から見た今年のノーベル物理学賞

1 American, 2 Japanese Share Nobel Physics Prize (NY times)

1 Japanese-American, 2 Japanese...

と書かないところがアメリカらしい。。。

確かに間違ってないし、記事の内容はしっかりしているけど。。。

それはともかく、受賞おめでとうございます。

この調子で、化学(飯島氏)と文学賞(村上氏)もぜひ。。。

2008年10月6日

NJ日本人会

天気が心配されたけど、昨日、無事にBBQを開催できた。
今回は僕が幹事だった。

12時ごろにMitsuwaに行って、天野さんと豊泉さんと待ち合せ。
それから会場の公園へ行った。場所はいつものGW橋近くの公園。ここは眺めグッドなので、すっかり定番のBBQスポットになった。

その公園に着くと、

NJ日本人会

なる赤看板がたっていた。

嫁さんは悟一さんのネタと思い、悟一さんは僕のネタだと思ったらしい。
二人ともネタで言っていたのだろうけど。。。

とにかく、同じ公園内でたまたま「NJ日本人会」が開催されていた。

僕らのグループは子供もいれて15人くらいでBBQ。
こちらも

NJ(+NY)日本人会。

公園は広いから、お互いほとんどインタラクションすることなく過ごす。
(そもそも、本家?NJ日本人会は、僕らがBBQをやっていたことすら知らなかっただろう。。。)

それはともかく、明け方激しく雨が降ったらしいけど、雨も降らず、火もあっさりついて楽チンなBBQだった。

昼から夕方までやったからみんなといろんな話ができたし、(懸案だった?)家族サービスもできた。

今回はNYUの山田さんも参加する予定だったけど、あいにく都合がつかなかった。
残念。

BBQをするにはもう寒いから(実際、途中みんなで暖をとっていた)、次回のNJ日本人会は、SfN中にどこかのレストラン、あるいは誰かのうちでホームパーティーか。

2008年10月5日

プレーオフと日本人

MLBのプレーオフが盛り上がっている。シカゴは両チームとも進出して経済効果もあるとか。

リセッション中はNYの二チームも無条件でワイルドカード!、という八百長特典があっても良いのに、と思ったりもする。

というか、お互い最後のスタジアムだったから、エキストラ・サブウェーシリーズでもやれば良かったのに、とも思う。お金儲けが下手である。。。

とにかく、今回のプレーオフ、ヤンキースが出ていないからあまり興味はない。例え嫌いな松坂が活躍して、レッドックスに連覇されても何とも思わない。そもそも、うちのテレビで見れるチャンネルではプレーオフを見たくても見れない。。。

というか、最近、大家さんがチャンネル数を減らして、CNNすら見れなくなった。。。ショック。。。(タダで見てたから文句は言えないけど。。。それでも文句を言えれば、一人前のアメリカ人か?)

それはともかく、日本人プレーヤーをプレーオフの試合で見るのはもう当たり前のようになった感がある。が、だからといってみんなが活躍するわけでないから厳しい世界だな、とも改めて思う。

こうしてみると、4通りのプレーヤーがいるか?

1.日本で良い→米でも良い
2.日本で良い→米でダメ
3.日本で普通→米で良い
4.日本で普通→米でもダメ

1の筆頭はもちろんイチロー。松井と野茂も入れて良いと思うし、松坂はthreshold付近か。
2は福留。ヤンキースに来た二人のピッチャーは入れて良いだろう。
3は例えば岡島。
4は新庄。

おそらくそれぞれのタイプは、異なるファクターが絡んでくるような気がする。

1は、とにかくどんな環境にも適応でき、才能もある。

つまりfitnessが文字通り高い。イチローに関しては日本にいる頃から準備をしていた。そういうプレーヤーはなかなかいない。他のプレーヤーがもしイチローのように活躍したかったら、最低でもしっかり準備をして挑まないと話にならない。

2は、適応力の欠如。

福留はまさにそれに悩んでいる気がする。アメリカに来ると、言葉を代表格として多くの環境がガラッと変わる。だから、スランプにはまった時の脱出方法を見つけるくらいの適応力がないといけない。

3は、アメリカのこのオープンな雰囲気が余程なじんだのだろう。

岡島はよくわかる気がする。なぜなら、彼のフォームは日本の型にはめたがるコーチからしたら、なおしたくて仕方がないだろから、彼はそのアドバイスに迷って自分を見失っていたのかもしれない。その点、アメリカは何でもありだから水を得た魚でのびのびプレーできるのだろう。

個性はある一方で、メンタル面が強靭でない人はむしろアメリカが合う気がする。日本ではつぶれる、つぶされる。

4は、ノーコメント。

このタイプ分け、ある程度、研究者にも当てはまる気もする。
特に、2と3のタイプは多いのではないか。

僕は今のところ4。。。
新庄のような派手さもないから、タイプ5かもしれない。。。

自虐的エントリーになった。。。

2008年10月4日

Qualified exam

その公聴会が来週月曜日に控えているそうだ。
大学院生の最初の登竜門といったところか。

今週、ラボの学生さん、アロンとハリーがトークの練習をした。

二人とも若い。。。(トークのでき、という意味で)

アロンは、みんなから散々叩かれて、ようやくスライドのアウトラインが固まった程度。彼は英語が僕と同じくらいしかできないから、週末にトークそのものを洗練させないといけない。。。

良く言えば、肝がすわっているともいえるが。。。

---
同じく今週、アルフォンソ先生もトークの練習をした。彼はYale大に呼ばれているらしい。彼はいつ独立しても良いくらいの超優秀なポスドク。

トークそのものも良かった。
(理論素人の僕にはもう少しわかりやすく話して欲しかったけど。。。)

とにかく、さすが。

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(英語での)トークはホントに大事。
この業界で生き残るには絶対に必要なスキル。

多くの場合、論文発表前にトークを通して宣伝するから、トークの出来具合で、研究内容、研究者としての資質が評価される。うまく宣伝できれば、人脈も広がって、結果的に論文(将来の論文も含め)も通りやすくなる。

その意味で、日本人はホントにハンディを負っている。

多くの外人は、日本人は英語が下手、とわかっているから期待はしていないだろうけど、やはりひどい英語に加えて、ひどいプレゼンをされたら、さすがにそのネガティブインパクトは大きい気がする。日本人が過小評価される根源。

僕の場合、数十人を前にした英語のプレゼン経験は一度だけあるけど、そこで心がけたのは

自分の力に合わせたプレゼンをする

ということ。

英語が下手なら、それをカバーするように視覚的ファクターを重視したスライドをかなり前から用意して、多くを語らなくても良いようにしないといけない。スライドだけ見れば、言わんとするメッセージが伝わるようにしないといけない。

質疑応答は、普段から自分の研究の問題点をしっかり自覚して、それに備えておけば、最低限の回答はできる気もする。もちろん、リスニングという入力ができないとどうしようもないけど。。。とにかく、トークがあっての質疑応答なので、質疑応答よりもまずはトークの練習をしっかりやらないといけない。

頭の痛い問題だけども、とにかく場数を踏むしかないから、逃げていても始まらない。

2008年10月3日

too-big-to-reject, too-small-to-accept

サイエンス業界のルール。

世の常といえばそれまでだけども、サイエンスもなかなか大人の社会だなぁ、と最近思う。
でかいことを言うには、文字通りビッグにならないといけない。。。

ただ、他と違い、サイエンス業界は、真実だけが生き残る。

リジェクトされなくても、間違った論文は無視される、
あるいは、過去の悪いコンセプトの例として引用され続ける。

それがせめてもの救い。

副大統領候補のディベートをテレビで見る。

格が違う。

というのが感想。

Palinさん、かわいそうになるくらい的外れ回答が多かった。回答がワンパターンであまり知性を感じられなかった。エモーショナルな部分は好感は持てるけど(女性だし)、副大統領の器ではない。

一方、Bidenさんの外交やナショナルセキュリティーのコメントさすがに圧巻。(僕はよくわからないことが多かったけど。。。あと、Palinさんのコメント中の不敵な笑みも良かった。輝く歯!)

終盤、副大統領としての役割のコメントもBidenさんに軍配が上がった気がする。

結論として、格が違う。

経験が足りないと批判されるObamaさんを十二分に補うだけの経験を見せ付けた感がある。その意味では、Obamaさんの意思決定力はすばらしい。

一方で、マケインの意思決定力のなさがさらに露呈された気がする。
実際ディベート中、Bidenさんに過去の意思決定のミスをたびたび指摘され、Palinさんはなす術なしという感じだった。負の遺産をプラスにできなかった。

客観的に見てもObama-Biden組が圧倒している。

bailoutプランが最初リジェクトされたように、11月にマケインが大統領に選ばれるようなことがあったら、その失望感は世界に伝播し、さらにひどい世の中になるだろう。

言ってしまえば、マケイン組はエネルギー政策だけに尽力した方がアメリカのため、世のためだろう。というか、それ以外、どんな良いことをやりたいのか、ようわからん。

maverickな人は今はいらない。
協調性と先見性が必要だと思う。

そんなことを、ディベート見ながら思った。