2010年12月25日

BBSRCのdelivery plan

先日、UKの政府系研究機関の当面のストラテジーと予算案(?)が明らかになって、いくつかあるカウンシルからそれぞれdelivery planなる今後の方針が発表された。

生物学系研究をサポートしているBBSRCのそれを一通り読んでみた。

大きなチャレンジとして
1.食料
2.エネルギー
3.高齢化
を強調していて、神経科学とも強くリンクする高齢化に関してはよりファンダメンタルなレベルのコメントが多かった。

また、大規模データを扱うサイエンスの推進についてもコメントがあった。

印象的な表現は
from funding to investing

つまりは、インパクト重視の研究サポートということか。

このBBSRCも含め多くのカウンシルでは数年前からPathways to Impactなる、如何にアカデミア外へのインパクトを最大化させるか、それをしっかり考えないといけなくなっている。実際、グラント申請書にそのプランを書く項目があり、多くの研究者が頭を悩ませている。カウンシル曰く、インパクトの項目も増えたけど、良いサイエンスをやることが最重要であることに変わりない、と。が、今回のdelivery planを読むと、そのインパクトがこれからより重要視されるのだろう。借金まみれの財政を短期間で改善させるには、リターンの見込める研究に「投資」します、という戦略なのだろう。理解できる。まぁ、サイエンスという視点から考えると、ホントに良いのか?という気もするが、お金がないと研究はできないわけだから、その辺との折り合いをつけていかないとこれからは生き残っていけないのだろう。むしろ、多くの研究者は基礎・基礎と頑なだから、その辺にニッチを捜し求めていくことも重要なのかもしれない。

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