2011年8月7日

リソースとしての電力

日本の電力不足がもたらしている研究へのインパクトについて、サイエンスが記事を掲載している。日本国内にいればもっと詳しい情報があるのだろうけど、この短い記事だけからでも、深刻な様子が伝わってくる。

この記事の最後にもあるけど、このまま原発が5月までにすべて止まって、来年の夏になったらどうなるんだろう。

一部の研究はもう諦めざるを得ない状況になるのではないか。なぜなら原発の替わりになるものが短期間で出てくるとは思えないから。電力というリソースがものをいう研究はもうできない。

今は円高だから化石燃料を安く買えるのだろうけど、円安にシフトしてきたら電気代としてしわ寄せがきて、お金というリソースも減る(これは個人の生活レベルでもインパクトがある)。

電力を使いそうな研究は不確定だからといって、人も集まらなくなる。

それでも研究費のある範囲で研究を続けるのはありだけど、競争が激しい分野だと、少ないリソースで独自性を出すのは極めて困難な状況になる。

トヨタの社長が日本でのものづくりの限界を感じはじめているといっていたけど、一部の研究分野はその状況なのかもしれない。しかも、簡単に研究場所をシフトするわけにはいかない。

来年夏、電力供給量がホントに不足し始めたら、電力会社は本気で計画停電に踏み切るだろうから、電力にそこまで依存していない分野も影響を受け出し、生産性が低下する(リスクがある)。

そんな中から日本独自の何かがまた生まれてくると期待はしたいけど、それはそれで不確実かつ大きなリスクの伴う選択だというのは確か。このジレンマは何とかならないものか。。。

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