2011年11月27日

Linlithgow Palace


今週末はセント・アンドリュース・デーの一環として、スコットランド内のお城・宮殿はじめとする史跡がフリー。

天気も良さそうだったので、近場でまだ行ったことのなかったLinlithgowへ行ってみた。

Linlithgow Palaceなる宮殿が目的。

ここは、James5世Maryが生まれたところとして、スコットランド史上重要らしい。

宮殿そのものは17世紀に燃やされたとかで、実際、廃墟状態だった。大広間などの主要箇所の屋根や窓などは残っておらず、強風が吹き荒れてメチャ寒かった。。。

1時間ほどでほとんど見て回れた。
展望台的なところからは、リンリスゴー湖を一望でき悪くない。
が、歴史を紹介する施設も特になく、宮殿の手前に駐車場があって、スペースがあれば停めれる雰囲気だった。

St. Michael’s Churchというこれまた古く立派な教会が併設されているのだけれども、こちらは時間外だったのか入れなかった。

Linlithgow、他にこれといって見るところがなく、ランチ後すぐグラスゴーへ戻ってショッピング。すっかりクリスマスモードに突入していた。

Lenovo G570


Lenovo G570 15.6 inch Notebook
USサイト
JPサイト

ラップトップを買い換えた。数日使っただけの感じでは、デザインにこだわらない限り、コストパフォーマンスは高そう。

CPUはCore i5-2410M、RAMは4GB、ハードディスク容量は500GB。バッテリーもしっかりしてる雰囲気。ということで、パフォーマンスという点では、申し分なし。

アマゾンで日曜日夜に注文し水曜日に届いた。

一方で、デザインはもう一つ。全面黒でシンプル過ぎ。キーボード操作に慣れるのに少し時間がかかるか:15.6インチサイズだからか、数字キーもあるのだけれども、returnキーが小さ目で、間違って他のボタンを押しそうになる。それから、15.6インチで作業効率は小画面より良いけど、モバイル用途には不向き。また、無駄なプレインストールソフトが、いくつか入っている。

ということで、お金はそれほどかけたくないけど、仕事にも使える良いラップトップが欲しいなら、悪くない選択かも。

ちなみに、ラップトップ人生は、学部学生の時、メーカーは忘れたけど、分厚いワープロのようなラップトップでスタート(といってもその当時、インターネットとパソコン通信の区別すらできてなかった。。。)。その後、Mac Powerbook G3、Vaio3台を経て、今回のLenovoへ。ブランドへのこだわりより、コストへのこだわりが強くなってきた。。。

それにしても、今回のラップトップがダントツで最安なのに性能は最高。ムーアーの法則恐るべし。

2011年11月20日

SfN


11月12日から16日まで学会で、17日にグラスゴーへ戻ってきました。

学会では、午前・午後共に、前半はトークを聞き、後半ポスター会場回りというのが、無理のない回り方か。一週間の疲れがたまってる状態で、日曜日、午前・午後共にポスター会場を歩き倒し、外食にもいったもんだから、ホント死にかけた。。。あと、朝食をしっかりとると、やはりというべきか、元気に終日広い会場を歩き回れた。年寄りの覚書みたいではあるが。。。

サイエンティフィックには、optogeneticsやconnectomicsやbrain-machine interfaceといったホットトピックは確実に広く深く進化していて、その情報にたくさん触れられるというのはやはりSfNならではだなぁ、と思った。個人的にはconnectomicsが非常に印象的で、取り組んでるのは小グループではあるけど、まだまだ遠い先だろうと思ってたことが、5~10年くらいで新しいフェーズに突入しそうな勢い。そしたら、システム神経科学の次なる革命期に突入したことを実感するようになるんだろう。メチャ刺激を受けた。

ナイトライフは、岡崎時代・NJ時代の友人と食事にいったり、コラボを検討してるポスドクの人と食事へ行ったり。

学会の演題数は減らしてもらって、ナイトライフの期間をもっと増やしてもらえるとちょうど良いのだが。。。

ちなみに、発表は月曜午後のポスター。たまに暇な時間帯もあったけど、いくつか出会いがあって、悪くなかったかも。学生・ポスドク時代と違うと思ったのは、「コラボ」という言葉が絡む機会が生まれたこと。独立したことの宣伝にもなったみたい。ポスターとしては聴覚系のセッションで出してけど、オーディエンスは聴覚系以外の人が過半数だったんではないか?これは良いことではあるが、今後どういう戦略でvisibilityを上げるべきか要検討。

来年はニューオリンズ会場が復活。2012年はFENSをターゲットにするのが良いか。

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帰り、水曜夕方発の飛行機だったけど、フライトが変わった。。。2回も。

まず、DCからニューアークへ行く飛行機が予定より1時間強遅れ、ニューアークに到着した時間はグラスゴー行きの飛行機の出発時間。。。ミスる。

何とかヒースロー経由の飛行機に替えてもらえた。

ヒースローまでの飛行機、3人がけのシートに僕しか座ってなくて、セミビジネス状態でしっかり寝れた。機内食は平均以下のエコノミー食だったけれど。

ヒースローからグラスゴーまでは、ブリティッシュ・エアウェーズの飛行機に切替えられていたけど、ヒースロー発ではなく、ガトウィック発の飛行機が押さえられていた。。。さすが、ニューアーク空港の職員。。。

その場で、ヒースロー発の飛行機に切替えてもらい、木曜昼過ぎにグラスゴーに到着。

預けていた荷物、さすがに届かんだろうと思ったら、しっかり付いて来てくれていた。ちと感動。

結局、6時間遅れで大学へ到着。
実験の準備をしたり、学生さんとディスカッションしたりと、意外と元気に働けた。

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ということで、これでここ最近のイベントも終わり、これからしばらくは研究に専念する時間を多く持てそう。

2011年11月12日

DC


木曜日からワシントンDC入り、今日からSfNの学会スタート。
今回は、昨日のAPANというサテライトシンポジウムと、月曜日午後にポスター発表するのが主な仕事。

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まず今週月曜日。昼ごろにlecturer meetingなる、lecturerと所長が集まって、いろんな問題を提起するというイベントが開催される。新所長は、こうやってみんなの意見を幅広く集め、組織をより良いものへ変えていこうという姿勢が伝わるから非常に良い。

火曜日午後、1時間ほど試験監督。200人くらいの生徒に対して4人の試験監督。僕は単に歩き回って、チーティングしないようプレッシャーをかけるだけだったけど、今回の試験問題には4つほどタイポが含まれていてた。。。クラス担当者は頭を抱えていた。。。

水曜日、隣の研究所にEPSRCの事務系の人がラボめぐりをするということで、コラボ相手の人に呼んでもらって一緒に話をする。こういう機会を持つと痛感するけど、1,2分でラボのミッションなりヴィジョンをまともな英語で語れるようにならんといかん。。。

木曜日、ニューアーク経由でDCを目指す。当日、予定フライトが突然キャンセルされ、ニューアークで6時間近く待ち惚け。フリーwifiもないから、結構苦痛だった。。。

昨日金曜日はAPAN。
昨日参加して改めて思ったけど、聴覚という枠組みにいながら、神経科学のボーダーを広げようとするタイプ、視覚研究や認知神経科学がすでに築き上げた枠組みとの対比で聴覚研究のボーダーを広げようするタイプの差が歴然としていて、後者の話は退屈極まりない。。。もちろん、後者は後者で新規性・価値はあるのだけれども、少なくとも僕は興奮しない。

ちなみに、今回のミーティングは、まずキーノート・スピーカーのトークでスタート。それから一人15分ずつのオーラルセッションと、史上初らしいポスター2セッション制。

実際、参加者数は数年前より多い印象だったし、ポスターセッションもかなり盛り上がっていた。ただ、オーラルセッションは、プログラム委員が選んだ、というより発表者のリクエストでトーク、という感じのものが半数くらいだったのではないか。なので、質に結構バラツキがあって、今回のオーラルセッションの発表すべてが、数年以内にトップジャーナルに載るという感じではなかった。

ちなみに、僕のポスター発表は、5,6組くらい話をして、予想してたよりは興味を持ってもらえた印象。その分、もっと頑張らんと、とも思った。。。(今回のポスター、発表していて、正直恥ずかしい。。。)。今回の発表は独立後初だから、どんな人が来るのか不安と期待が交錯してたけど、一番来て欲しいと思ってたラボの学生さんとポスドクや、それから顔と名前を知ってる若手PIの人にも来てもらったりと、まずまず。聴覚系の大御所の先生方は、目指してる方向性が根本的に違ってるというのもあるのかもしれないけど、基本的にスルー。。。こういうのは、将来のレフリー選考の良い情報になる。

ミーティング後は、メトロで2駅くらい離れたところにあるレストランのパーティールームを借り切ってのパーティー。形式は立食ではなく、椅子に座って食事するという形式。
食事はコストパフォーマンスが極めて悪いパーティーディナーだったけど、一緒に座った人とそれなりに会話も盛り上がって悪くはなかったか。

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ところで、久々にアメリカの都市のダウンタウンを歩いたわけだけど、UKというか少なくともグラスゴーとは、やっぱり全く違うな、と改めて実感。

強く感じたのは、そこにいる人たちの「分布」の大きさ。他に良い表現は思いつかないけど、危険な臭いのする人たちが圧倒的に多いし、夜、駅からホテルまで数ブロック歩くだけで、自然と警戒感が高まる。

アメリカに5年住んで慣れたつもりだったけど、1年強離れたら、その分布の大きさに対する違和感にも似た感覚が戻っていた。アメリカは良い意味でも悪い意味でもやっぱり大きい。。。

2011年11月6日

グラント申請、MRCレスポンス編などなど


グラント申請、MRCの申請書に対するレフリーコメントへ返答、という二つの山を何とかクリア。さらに、学会ポスターの準備やら、中間テスト採点やら、論文レビュー、、、となかなかタフだった。

久々に、嫁さんに非常事態宣言を発令して、先週末は自宅でも仕事をせざるを得ない、というなかなかのタイム・マネージメントぶり。。非常事態宣言発令は、就活時のジョブインタビュー直前以来。

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まず、グラント申請。

今回は4人によるコラボで、僕が一応PIを勤めるプロジェクト。キーパーソンのコラボ相手が、ちょうどハネムーン中だったりと、コミュニケーションが滞る。。。しかも、このグラントはちょっと変わっていて、9月下旬アナウンス、11月2日締切、というタイトなスケジュールだった(その分、結果がわかるのも早い)。

締切1週間前まで提案内容が固まってない状態で、直前数日は毎日コラボ相手と会ったり、skypeしたりしながら、締切30分前に何とか申請へたどり着いた。形式的には。

明らかに詰め切れてない部分がいくつかあるので、結果は推して知るべしなんだろう。けど、この申請に絡んで、関連分野だけどフォローしてなかった分野がかなりホットだとわかったことは収穫。あと、コラボの種植えができたのも大きいか。

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続いて、MRCの返答編。

5人のレフリーからのコメントに3ページ以内で答えよ、というルール。これは、現時点でのベストは尽くしはしたけど、正直自信は。。。今年BBSRCとMRC二つに申請して、かなり勉強になったので、今後につなげたいところ。

とにかく、
too ambitiousはNG。justificationが重要。

コスティングがメチャメチャ厳格。これは当り前なのだけれども、結果OK的な部分がなさそう、という点は特筆すべきか。もしかすると、この辺の厳格さが、UKの効率性につながっているのかもしれない。

お金を使うという点で自由度は少ないけど、コミットしたことはしっかりする、という感じ。プロといえばプロ。

コスティングに関して細かいことをさらに書くと、要求アイテムごとに必要性を正当化する必要がある。それも形式的なもの(つまり、フォームさえ埋めればOK)ではなく、レビューの段階で想像以上に細かいチェックが入る。

例えば、今回あった指摘では、microtome(7Kくらい)をhisotologyに使うから買いたい、と書いていたら、「神経科学をやってる研究所でmicrotomeがないとこなんてないやろ」とつっこまれた。。。つまり、他のラボから借りてやれ、と。。。確かに仰るとおり。。。

他には、「年3・4回も学会に行くなんてバブリーすぎちゃうか」とか、「サンプル数のパワー計算がないし、サンプルに必要な額がどれくらいreasonableかわからへん」とか、「ポスドクやなく、シニア・テクニシャンじゃあかんのか」などなど、なかなか手厳しい。。。

服を一枚一枚剥ぎ取られ、丸裸にされる感じ。。。実際、そんなことはされたことはないが。

それだけしっかり読んでもらっているというわけだから、非常にありがたいことでもある。一方で、この辺のチェックを申請前にできるようなシステムが研究所内にないといかんのだな、とも思った(この辺は、明日のlecturerミーティングでアピールすべきか)。

と、失敗して初めて学ぶ、という非効率性。

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中間テストの採点。

月曜日にテストがあって、50人分の採点を。
採点して思ったのは、テストの答案用紙でも「他人を思う気持ち」はnudgeとして確実に働く。グラント申請や論文もそうだけど、相手から評価を仰ぐものは何でも相手の立場に立つことが大事なんだなぁ、と改めて勉強になった。

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最後にSfNのポスター。

第一バージョンが一応出来上がった。が、過去最大級のショボさ。。。

それはともかく、今週木曜日からDC。今回の学会はある意味、リラックスの機会。

SfNから戻ってきたら、しばらく研究に割く時間を増やせそう。突然のチュートリアル代理依頼にも強引に理由をつけてノーと言ったし。

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ちなみに、時事ニュースとしては、ユーロ絡みがやはりメインを占めていた。
グリース>イタリー・スペイン>フランス
と連鎖反応が起こったら、いったい世の中どうなるんだろう。。

スコットランドにおける2020年までの再生可能エネルギー政策が批判されてるもよう。この批判がもっともだとしたら、独立なんて目指すなんて感情論以外の何ものでもない。風は一見「再生可能」という表現が相応しそうにみえるけど、climate changeという事実を踏まえると、不確実性は実際ある。

風が吹けば桶屋は儲ける。が、風が吹かなければ、スコットランドのエネルギー政策は破綻する(ロジックは単純)。

あと、TPPという名の日米自由貿易協定。アメリカの日本イジメにしか見えないけど、より大きな文脈で考えて交渉に加わるというのは、ありなんだろうか。消費者としては、メリットはあるようにみえるが、よくわからない。時代は変わったということを早く強く認識しないといかんのだろうけど、その辺を説くリーダーシップが全く見えてこないことこそが問題の本質なんではないか。と、何もわかってないのに、わかったような口を叩いてみたい今日この頃。