2014年4月13日

大学院生キャリアを考える際の5要素

たまに大学院生とキャリアの話になることがあるのですが、今の大学院生たちは非常に難しい立場にあると思います。経済的にも、精神的にも非常に不安定で、とにかく将来が見えない。

そんな中でも、科学への情熱を燃やして頑張っている人たちも確かにいれば、一方で、先の見えない状況の中、文字通り暗中模索で苦しんでいる人たちがたくさんいて、後者のタイプがどんどん増えてきているように思います。日本に限らず、UKでもそう。

以下、そんな大学院生たちと接しながら、重要かも?と日頃思ってることを5つ。

目標
何事もどこに行くか決めその準備を早く始めるのが大事。
まずはゴールを設定したい。できるだけ早く。

もちろん、それができないから悩んでいる人たちが多いのだけれども、ゴールがないと、ランダムウォークで人生という時空間を彷徨い続けることになる。ゴールを決めなくて成功した人たちもいるとは思うけれど、成功している人たちの多くは明確なゴールなり夢なりを持っているように思う。

ゴールは無謀なものでも簡単なものでも何でも良い。とにかく持ちたい。
ゴールは後で変わって良い。柔軟性も大事。
ゴールは長期でも中期でも短期なものでも何でも良い。
ゴールがすぐに決まらなくても、そのゴールを決めるための準備をできるだけ早く始めたい。

例えば、大学院が3年という期限付きなら、遅くとも1年目から「大学院後」のことを考え始めた方が良い。気が付いたら、手遅れ、という状況を避けるためにも。

仮に「手遅れ」だと気がついても、気が付かないよりマシ。そこから動き出せば、人生を変えられる(と信じる)。

知識
意思決定をする時、どんな情報を持っているかは重要。

ここでの知識はいろんな意味を含む。自分と敵についての知識に集約されるかもしれない。「敵」は多義的。科学のことだったり、目指しているキャリアのことだったりする。

例えば、アカデミア志望なら、科学そのものの知識量は生き残る上で重要なのはいわずもがな。論文や教科書などをむさぼり読むくらいでないといけない。プロにはなれない。

それに加え、アカデミアで求められるスキルもあるので、そのスキル向上のための知識も必要。そのスキルとは、「コミュニケーションスキル」として集約できるかもしれない。プレゼン力だったり、文章表現力だったり、日々の会話能力だったり。日本人の場合、英語力も重要。トレーニングで向上できる面も多々ある。

他にはcritical thinkingもサイエンスでは非常に重要。で、ないと研究を自分で進められない。知識を身に付けていくうちに自然と身に付いていったりもする。

オールラウンド・プレーヤーになれないなら、自分の強みを見つけて、そこに資源を投入する。自分を徹底的に分析して、アカデミア向きの強みを見つけられないなら、アカデミア志望の理由を自分で問い直す。もしかするとアカデミア以外のキャリアが向いているのかもしれない。信頼できるアカデミアの先輩に、自分は向いているのか、腹を割って話し合ってみるのも良いかもしれない。

非アカデミア志望なら、どんな選択肢があって、選択肢ごとにどんな人材が求められているか、それが自分にあっているか早めに見極める必要がある。

「孫子」ではないけれども、敵と自分を知れば、戦(就活)で生き残れる確率が上がる。

そんな情報をどこから集めるかという情報入手先の同定・選定というプロセスも非常に重要。

キャリア相談については、大学に特別の部署みたいなものがあるかもしれない。
とにかく、自分と敵を知ること。その知識を身に付けるには時間はかかる。

均衡
バランス。ワーク・ライフバランスのこと。

大学院生の場合の「ワーク」はもちろん研究。

「ライフ」はワーク以外。大学院生で結婚している人はまだ少ないけれども、趣味などの時間や、非アカデミア希望の場合、そちらに進むための「ライフ」もある。

どこを均衡点ととるかは人によるので、一概には言えない。けれども、次の「結果」・「過程」もやはり重要なので、「ワーク」に最低限の時間をつぎ込むことは必要なのでは?と思う。そこにコミットできないなら、なぜ大学院に進学しているのか、根本を問い直して欲しい。

UKの場合、とにかく3年在籍してthesisを提出すればPhDが取れる専門学校なので、「ワーク」をとことん減らすという戦略も人によっては最適解であったりもするが。。

結果
大学院での結果は、論文を筆頭に、CVに書けるトピック。
少なくともアカデミアを目指す場合、例えば、ポスドクのポジションにアプライする時に最初に見られるのはCVなので、CVがダメだと苦労する。

ただ、大学院生の場合、仮に論文の数が少なかったり、質が良くなかったりしても、ポスドクになってからでも挽回可能。その場合、次の「過程」がものをいう。

アカデミア外の場合、もし研究関連キャリアなら、大学院の時に何を身につけたかはやはり重要な気がする。

完全に違うキャリアを目指す場合でも、表面的な結果はインタビューで何をやったかアピールする上で重要かも。

過程
大学院3年間なら3年間をどう過ごすか?何を学ぶか?ということ。これは2番目の「知識」とも関わる。

結局、大学院3年間は、その後の人生につながっていくわけだから、その後の人生を左右する。

何を学ぶか、というのは多義的で、研究関連のことはもちろん、将来につながる何かを身につけること。人生経験的なことも含まれる。

後で点と点がつながることも多い。一見結果に直結しないようなことでも、5・10年後に役立つこともある。なので、過程を疎かにしてはいけない。

結局のところ、これは最初のゴール設定とも大いにリンクしてくると思う。ゴールに関わると思って何かを学んだなら、かなりの確率でそれは役に立ってくる。

この「過程」は、いわゆるreference letterの内容になったりもするので、人生を直接左右しうる。手を抜くと、良いreference letterを書いてもらえず、仮に良いCVでも就活に苦労するかもしれない。

以上5つ。

人生は人それぞれなので、おそらく人によってアドバイスする点が違ってくるだろうし、ピンと来ない人も多いと思う。とにかく、自分の人生なので、自分で考えて行動に移さないと、解決策を見いだせない。

2014年4月5日

最近の外食まとめ

ここ一ヶ月ほどプライベート(家族)以外で外食することが多かったので、備忘録として。

BONSAI(3月11日)
エディンバラにあるジャパニーズレストラン。2軒あるうちBroughton Street店へ。平日だったけれどもなかなかの盛況ぶり。メニューも豊富で良い感じでした。

ちなみに、この食事会は、補習校の運営引継呑み会で、アルコールもそれなりに入って、かなり盛り上がりました。グラスゴーでの終バスをミスるほどに。。。(ただのアホ)

総領事公邸(3月19日)
レストランではないですが、在エディンバラ日本国総領事閣下からのご招待で、公邸にてお食事をいただく機会がありました。日本からシェフを連れて来られているそうで、お品書き付き懐石料理でさすがの料理でした。スコットランドであんな日本料理を食べれるなんて夢みたい。。総領事閣下はとても気さくな方で、食事会そのものも非常に盛り上がり、美味しい日本酒もすすみました。

ちなみに、こちらの食事会も補習校関係で、補習校の運営スタッフと先生方への労いという主旨での食事会でした。ありがたいお話です。嫁が妬んだのは言わずもがな。。。

Chaophraya(3月22日)
こちらもエディンバラ。お洒落なタイレストラン。ガラス張りの大テーブルがある個室の窓からは、エディンバラ城を見ることができて素晴らしい。料理も非常に良い感じ。が、デザートとして頼んだココナッツミルク入りバナナは甘すぎて、膨満感が促進されすぎ吐き気すら催した。。レストラン自体はとても良かったです。(一応、フォロー)

ちなみに、こちらも補習校関連の食事会で、卒業式後に、運営関係の皆さんと昼過ぎから打ち上げ食事会。早めに始めて早めに終わったため、グラスゴーには子供たちが寝る前に帰りつけました。

このレストランはグラスゴーにも支店があるもよう。

Mother India(3月24日)
ウェストエンドにあるインド料理屋。2階建てで小奇麗。料理は可もなく不可もなく、という感じ。

今、製薬会社がスポンサーになっている大学院生がいてて、その製薬会社から二人ボストンから来て、あとはうちの研究所とグラスゴー大の関係者での食事会。なぜか、その大学院生は誘われてなかった。。。

Barony Hall(3月31日)
レストランではなく、ストラスクライド大が誇る(?)教会みたいな建物の名前。ホールにはパイプオルガンもあり、ホールの奥は、簡単なパブもあって、かなり豪華。

SU2Pという、スコットランドの一部の大学とスタンフォードとの連携を促進するスキームがあり、その日は関連のシンポジウムがストラスクライド大で開催。チェアでもないのに、僕がスタンフォード大からLuisさんとオックスフォード大からJuanさんを招待することになって、その絡みでシンポジウムに参加。初日、そのバロニーというところで晩餐会。

料理もまずまずで会話も盛り上がり楽しめました。最後に、コモンウェルスゲームのオーガナイザーの人がスピーチした。学長も参加の晩餐会だったので、大学としてかなり気合を入れていたもよう。

ちなみに、そのバロニーは、普段アクセスするのは、試験監督としてだったりするので、その大きなギャップが興味深かった。

Mussel Inn(4月1日)
ファミリーフレンドリーなシーフード・レストラン。ムール貝の鍋を食べれる。味はまずまず。プレシアターのコースを頼めたので、なかなかコストパフォーマンスは高かった。

ちなみに、Luisさんご一家とJuanさん、それから所長Philさんと食事。翌日のワークショップのスピーカー5人のうち4人での食事会。

The Pot Still(4月1日)
たまたま入ったところだったけど、ここは超おすすめのパブ。スコティッシュなパブ。

たくさんのシングルモルトを呑めて、お店の雰囲気は、会話を楽しみやすいノイズレベルと明るめの照明。火曜日の夜遅くだったので、一応テーブルに座ってゆっくり会話とアルコールを楽しめた。

ちなみに、LuisさんとJuanさんとのディナーの2次会として入店し、二人とも気に入ってくれてた。Luisさんは翌日Obanへ家族旅行ということで、Obanのシングルモルトを3人でいただく。

大学からやや遠目ではあるけれど、ディナー前後のお店としてこれからも使えそう。というか、いつも使ってるバス停が近くにあるから、一人でフラッと入るのもあり。。(ホントにやりそうで怖い。。)

Blackfriars(4月4日)
Marchant Cityの近くにあるパブ。店内は広くはなく、金曜日5時過ぎということで、メチャ混んでた。ビールをハーフパイントで2銘柄いただく。

これは、ラボメンバーでのディナーの前座。こちらの人たちは、食前酒(?)として普通にビールをたくさん呑む。もともとビールが安いから、コストパフォーマンスがメチャクチャ高い。。。パブにいくといつもわけのわからん銘柄のビールを呑めるのは良いのだけれども、一夜限り、という感じで、どの銘柄のビールを呑んだのか覚えられない。。

Dakhin(4月4日)
インド出身の大学院生お薦めのインド料理屋ということで、確かに良かった。店は、マーチャントシティの近くで、店構えは安っぽいけれど、2階にあるレストランそのものは小奇麗で、カジュアルなレストラン。インド料理も含め、この辺の見た目に対する感覚は日本人とは違っていて、非常に興味深い。

それはともかく、インド南部の料理が振る舞われ、なかなかスパイシー。大学院生曰く、かなり忠実に再現しているらしい。調子に乗って、スパイスマーク1つ付きの料理を頼んだら、舌が麻痺した。。。

ワインはボトル2本、みんな料理を残すくらいお腹いっぱい食べたけど、プレシアターということで、値段もリーズナブルなレンジでおさまる。

ちなみに、推薦者の大学院生によると、CharcoalsはNGらしい。確かにスパイスという点で物足りないのかもしれない。インド料理恐るべし。。

ちなみに、このディナーは、ラボメンバーでのディナー。3ヶ月間一緒に働いてくれたエラスムス学生の送別会、日本からの二人の新メンバーの歓迎会、そして、大学院生候補者の面接ディナー、すべてが重なったディナー。

2年前だったら、ラボメンバーのディナーというと3人とかだったけれど、今回は2人不参加でも7人と良い感じで盛り上がってきてます。パーティーモードへの閾値は超えたと思われるので、何かにつけて呑み会等を開催するとラボメンバーの交流促進につながって良いかも。今のラボメンバーは、日本、スペイン、インド、スコットランド、イングランド、ドイツと多様性も増してきた。

ちなみに、最近、アルコールが入ると、かなりの確率でスコットランド独立ネタになってます。。。こちらも盛り上がってきました。。。