2011年5月28日

グラント、ネットワーキング、duty

3週間の出来事をカテゴリーごとに。

グラント関係
・3週間前、大学主催のグラント書きワークショップへ参加。UK政府系のEPSRCBBSRC、欧州のFP7がメインテーマでいろいろ教えてもらう。えらく勉強になった。

・アプライしていたFP7のひとつのレビューコメントが2週間くらい前に戻ってきた。足きりはクリアできたけど、かなりキビシメか。

FP7では、4つのカテゴリーごとにスコアを出して、合計点を計算する評価システムになってた。研究者、研究提案だけでなく、インパクトなどのカテゴリーも差をつける上で大事なもよう。次はその辺もまじめに書かないといけない。。。

・先週金曜日、二つのグラントの返事が戻ってきて、共にゲット!Deafness Research UKとTenovus Scotlandというチャリティー。
二つとも小グラントだけど、ありがたい。とりあえずシステムを拡張できて、新プロジェクトを開始できる。

自分の研究テーマからして、前者のようなチャリティーは、世の中とつながる数少ないリンクだから、それを強くしていくことが今後数年間の課題の一つ。

ネットワーキング
・2週間前、大学内の神経科学関連のイベントでトーク。
ストラスクライドに来てとれたデータを初めて喋った。
15分の持ち時間で、12分くらいで話終わって、質問もいくつかきて、ちょうど15分くらいで終わった。後でクリアだったと言ってもらえたりしたから、悪くなかったはず。

その分、準備はした。15分の10倍以上。。。当面の課題はこの時間を短くしていくこと。本来は
UK内でトークをしてvisibilityを上げていかんといかんけど、これは論文を出してからだろうからまだまだ時間がかかりそう。

ちなみに、そのイベントでは、うちの研究所とバイオエンジニアリングの人たちが主にトークしたけど、100人くらい参加して、成功だったのではないか。

・この一週間はジャネリアのカンファレンスに参加。土曜日、
NJ州に寄って、ラトガーズ時代仲良くしてもらった友人と会う。お互いの近況などを話せて充実のNJ滞在。

カンファレンスは、ストライクゾーンど真ん中のトークばかりで非常に濃かった。新しい知り合いも少しできたし、超有名人と食事を一緒にできたりした。

みんな興味が近いというのもあるけど、僕の論文のことを知ってくれていたり、トークで論文の図を引用してくれたりするとメチャうれしい。

ただ思ったのは、リソースの格差をどう克服するか?ということ。雑草研究者として生き残るのは難しいなぁと改めて痛感。ストライクゾーンに投げ込まれた直球をそのまま強振してたら、絶対駄目。どうするか?

その他大学関連
・試験監督なるものを体験。
でかい会場を歩き回って、質問に答えたり(俺に聞かれても。。)、トイレに連れて行ったり、回答冊子を回収したり。

今回は1,2時間の
dutyで済んだけど、数年後には問題を作って採点もするのかと思うと気重。。。英語のハンドライティングは読めんから、人一倍時間がかかるのは確実。

・そのdutyに関連して、来年度のティーチングdutyの宣告を受ける。。。前期は学部生の実習のチュートリアル、後期はレクチャーの分担と実習サポート。レクチャーは生理学の感覚系の講義を担当するとのこと。確かに研究分野つながりで適任なんだろうが。。。

・2週間くらい前に新研究所長と面談。
その新所長は4月に就任していて、もともと外部から来た人だから、すべてのスタッフと会っては、いろいろ話をしてはきいて、というのが今回の趣旨らしい。実は、新所長、その前までは副学長として大学のストラテジーを確立するのに働いていて、僕のメンター役になってる人。

僕の研究のことは知ってくれているので、組織としてアメリカと比べてどう?ということをきかれた。とりあえず、無駄だと思ってたことを伝えた。無駄なペーパーワークはとにかく減らして、みんなの効率を上げて欲しい。


2011年5月8日

スコットランド独立?

この一週間、bin Laden殺害ニュースの傍ら、選挙の話も盛り上がっている。

昨年連立与党の一角に加わったは良いけど、大して仕事できなかったLiberal Democratに厳しい審判が下され、主張していたAV(alternative voting)に国民がNOと言い切った。

一方、スコットランドでは、SNPことScottish National Partyが躍進しスコットランドの与党へ。おそらく油田なんかを人質にしながら、UKでのスコットランドの存在感を高めるよう要求するのはもちろん、UKから本気で独立するんでは?という話らしい。。(独立はともかく、ユーロ圏に加わるというアイデアはちょっと。。。)

Alex Salmondさん、注目。

そのスコットランド。連休中の天気は異常気象で、良く・暖かった。連休後はtypicalな天気という感じで、4日連続雨。April ShowersならぬMay Showers状態。

日照時間はどんどん長くなって、4,5時台から21,22時台まで明るい。天気が良いと、起きてから寝るまで外が明るい。この時期、電気代という点で家計にやさしい。。。

仕事関連では、今週、ようやく大学院生選考に目処がつき、新しく来るであろう大学院生と金曜日電話でプロジェクトについて少し話を。第一号の大学院生なので、こちらとしても非常に頑張りたいところです。on goingのプロジェクトは、SfNのアブスト締切に向けてデータ解析モード。とりあえず、発表はできそうな雰囲気か。6月末締のMRCのプロポーザルなどの書き物も同時進行中という状況。

最後に浜岡原発停止要請について。

賛否両論あるのだろうけど、最悪のケースと経済への短期的ダメージを比較したら、やはり今停止させてからしっかり安全性の議論をした方が良いのだろう。また原発事故が起って、放射能が関東地方へ流れるようなことは想像すらしたくない。。。

よくわからないのは、1000ガルという耐震性。強いように聞こえるけど、実際地震が起らないとどれくらい揺れるかわからなさそうだから、柏崎くらいの事故が起るのはlikelyな気がする。それにしっかり備えているのかよく知らない。とにかく、もし中部電力が要請に従わないなら、徹底した情報・データ開示で国民を納得させないといけない。

2011年5月7日

COSHH

COSHHとはThe Control of Substances Hazardous to Healthの略。危険物取扱いの一種。

2週間ほど前の連休の合間、そのCOSHHに関する講習会があって参加。リスク・アセスメント講習の化学・生物系マテリアル編。

UKでは、危険な試薬等(ドクロマークやら×マークやら火マークがついてるやつ)を扱う場合、しっかりリスク・アセスメントして、それを文書として記録し、それをラボに置くよう義務付けられている。

今回の講習会では、そのリスク・アセスメントの概要・手順などを説明してくれた。

その中で「リスク・コントロールの階層」なるものが登場し、リスク・コントロール10項目の優先順位の話が出てきた。いろんな場面で応用できるのかなぁと思った。

以下がその「階層」:
1.elimination
ようは、危険物は使わない、ということ。
危険な試薬は使わない。
原発なら、作らない。
生肉なら、食べない・売らない。
個人情報なら、ウェブサービスに一切登録しない・登録させない、サービスそのものをしない。
自動車事故なら、自動車をなくす・運転しない。
油料理による火事のリスク評価なら、油料理をしない。
ハードディスク破損のリスク評価なら、ハードディスクを使用しない。
PhD後の人生についてリスク評価するなら、そもそも大学院には進学しない。。。
そういうことか。
極端な発想ではあるけど、リスク要因を根絶できるならそれが手っ取り早い、ということ。

一方、安全だとわかっているものに代替できないか、ということも考えるもよう。

2.reduction
削減。低濃度のものを扱う。
原発なら、数を最小限に。
生肉なら、信頼できる店だけ(もしあれば)で食べる。一度に食べる量を減らす。
個人情報なら、登録サイトを最小限にする。
そんなところか。

3.engineering controls
装置などを導入してリスクをコントロールする、ということ。例えば、安全キャビネットを設置し、その中で化学・生物系危険物質を取り扱う、ということ。
原発なら、より安全なデザイン、防潮堤設置、耐震性向上、予備電源確保、そんな感じ?

4.general ventilation
これはCOSHHに特化してそうなのでパス。

5.good housekeeping
危険物を取り扱う場所のハウスキーピング。
原発なら、もろもろの設備の定期点検?
生肉を取り扱うなら、常に清潔な環境にしておくとかそんな感じか。

6.reducing time of exposure
危険物取り扱い時間の削減。
原発なら、稼働時間の削減?
個人情報なら、サービスを利用しなくなったら即情報を削除する、とか、新製品の発表会なんて待ってないで、ハッカーの攻撃が判明した時点で速やかに公表するとかも検討して良いか?

7.training
訓練。
事故を起こさないように、取り扱い者の教育・訓練を徹底する、ということ。
生肉なら、感染を最小限にするよう取扱者に徹底する、そんな感じか。

8.welfare facilities
ここでは、例えば手洗い場を設置して、取扱い後に手を清潔にして、危険物質が体内に入るのを防ぐ、とかそういうことだと思う。
生肉を扱うなら、手洗い・消毒を小まめにできるように設備を整える、そんな感じ?

9.PPE
personal protection equipmentの略だったと思う。これはマスクやラボ・コートやグラブなどのこと。
自転車に乗るなら、ヘルメットをかぶる、そんな感じか。

10.health surveillance
取扱者の定期的な健康診断。
これは事後審査的なものだから、優先度最低というのは納得。
PhD取得者に進路状況を確認し、今後の役に立てる、その類のリスク・コントロール。

以上、10項目。
このランキングがどこまで絶対的なものかは議論の余地があるとは思う。実際、講習会でも少し議論になった。けど、項目としては悪くないし、大まかな優先度は当たっているように思う。リスクに対して、こうしてシステマティックに評価するのはなかなか合理的な発想かなぁと思った。

講習会中、他に出てきたトピックとしては、リスクの数値化。
1.事故の程度
2.事故の起りやすさ
という二つのファクターで考え、それぞれ5段階評価し、リスクはその掛け算として数値化するらしい(掛け算はいかがなものか、とは思うが)。

1について。
原発の場合、かなりsevere。だから最大評価のレベル5。
PhD取得後のリスク評価の場合、ある意味生活・人生に直結するからsevereと言えなくはないけど、原発ほどではないか。レベル3か4くらい?

事故の程度は、何を扱っているか理解していれば、そこそこ客観的な判定ができる気はする。ただ、「即死」をレベル5とするなら、原発より自動車事故の方がリスクの程度は大きいと言えなくもない。結構、難しい。。。

さらに問題は2の判断。

原発なら、地震や津波の確率などを考慮にいれるのだろう。けど、経験・知識に依存する部分もあるから、客観的に評価するのは難しい。例えば、原発へのテロの確率なんてどう勘定したら良いんだ。。。自然災害の予測で完全なものはおそらくありえない。

より実際的な問題としては、大学院生が危険物質をラボで扱う場合、大学院生が違えば事故の起りやすさは違ってくる。

リスク評価は文脈に依存する。

日本やアメリカでもこういう発想はあったのだろうけど、そういう話を聞いたことがなかったし(覚えてないだけかもしれない)、時期が時期だけに、なるほど、と思いながら参加した講習会だった。

2011年5月1日

Whitelee

先週末、Whitelee windfarmへ。
グラスゴー南部にある風力発電所で、欧州最大らしい(wikipedia)。

実は、自宅から車で10分少々の距離にある。イースターイベントが開催されてたので行ってみた。

そこには、100基以上の風車(ウィンド・タービン)があり、敷地の西側にビジターセンターがある。広大な敷地を利用していて、そのビジターセンターからすべての風車は見えないくらい。

ビジターセンターは大きくはないけど、きれいで入場無料でミニ展示もあった。エネルギー関連の展示、風力発電所開発中の映像、そして風力発電に関するディベートなどの展示があった。

確かに、風力発電所には立地が重要なファクターなのだろう。風がコンスタントに吹くだけでなく、それなりのスペースがいる。そのスペースはやはりもともと人が住んでないところだから、自然を破壊しないといけない。実際、この風力発電所の開発中には、一部の木々をなぎ倒してスペースを確保している。

一方、一旦できた後は、一応ではあるけど、レンジャーさんたちがビジターにその土地の自然環境を啓蒙するように配置されていた。自家用車はビジターセンターの駐車場までしか乗り入れられず、敷地内は徒歩・自転車・ガイドツアー用電気バスしか入れない。それなりに環境への配慮はされていた。

景観に関しては、ビジターセンターから見れる範囲では、環境破壊の程度は割りと少ないように思った。巨大なウィンド・タービンがたくさん並んでくるくる回っている景観は、人工的とはいえ、それほど悪いものではないかな、というのが僕の印象。

ビジターセンターは多くの観光客で賑わっていて、週末のサイクリングとして訪れているグループも目立った。

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毎週のようにイベントが開催されているようで、その日はイースターイベントだった。

レンジャーさんが、キッズ用のイベントを開催してくれ(無料)、エッグレース、エッグハント、フェイスペイントなどを楽しめた。うちの娘たちには、エネルギーのことを考えるのはまだまだ早いけど、こうやって家族を対象にしたイベントを頻繁に開催してくれるのは良いのではないか。普通のブリティッシュアクセントも聞こえてきたから、もしかしたら、連休を利用して、イングランドからスコットランドまでの観光で訪れた人たちもいたのかもしれない。

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震災後、エネルギーのことを少しは考えたけど、やはり原発という選択肢を外すのはあまり現実的ではないのだろう。今回のことをきっかけに他のオプションも積極的に考えないと、原発反対だけではいけない。風力発電はやはり有力な候補の一つになるんだろう。Whiteleeを訪れて思ったのは、立地がすごく重要なファクターなんだろうということ。

風がコンスタントに吹く場所として、丘なり山なり高台は候補の一つか。けど、山なんかに作ると、木がたくさん生えているだろうから、木々をなぎ倒すという自然への負担は大きい(木々の間にウィンドタービンを設置しても、風は吹かない)。

あと、場所あたりの発電量は少なそうだから、敷地面積を相当確保しないといけない。それだけ自然への負担になる。

Whiteleeの場合、もともと草原的な敷地が多い印象だった。高台・風が吹く・草原、そんな条件が良い感じで揃ってる雰囲気だった。

高台以外の候補としては、海岸周辺か。実際、海水中にタービンを沈めて波の力で電力を作るというオプションもあるらしい。けど、海だけに技術的なコストとか高い気がする。

とにかく、エネルギー問題、まずは使用量削減が最優先されるべき。だけど、地球にも人にも優しい手段もいろいろ考えないといけない。温暖化ガスが問題なんだったら、それをエネルギーに換えるような技術開発にはどんどん投資して欲しい。

2011年4月24日

グラント申請:レスポンス編

この1ヶ月半、研究関連では、プロジェクトライセンスが正式に発行され、申請していたグラントにいくつか進展あり。

まず一つはリジェクト。。。
お金のリクエスト部分の問題が主な理由だったもよう。次回に活かそう。

他には、2つからレフリーのコメントが戻ってきて、それぞれにリスポンスする機会を与えられた。

うち1つでは、二人のレフリーは基本的に好意的だった。リスポンスでは、追加プロジェクトのsuggestionにどう対応するか?というのがポイントだった。研究所内でコラボしてクリアできそうだったので、同僚に相談してコラボの約束を取り付けレスポンスレターを送った。5月中には結果がわかるはず。

もう一つはBBSRC。

二人のレフリーのうち、一人は好意的、もう一人がやっかいで、とりあえず申請案のポイントを再強調してお茶を濁す。。。感触として、ボーダーからボーダー以下という感じか。厳しめ。結果は6月中旬ごろ。

それにしても、こうやってレフリーからフィードバックをもらえるのは非常に良い。実際、プロジェクト開始直後だったり、開始直前だから、今プロからフィードバックをもらえると早いうちに軌道修正できる。

研究関連、他にもいろいろあったけど、メジャーなところはそんなところか。

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プライベート関連でもいろいろあって、まず長女が6歳の誕生日を迎え、日本語補習校の卒園式・入学式を迎えた。

誕生日では、近くの施設を借りてクラスの子達を招待してパーティーをした。クラスのほとんどの子が参加してくれ、娘はみんなから誕生日プレゼントをもらっていた。。。(ちと、もらいすぎ)

一方で、実家の父親の前立腺がんが発覚。近年、日本でも増えているらしい。幸い、手術は無事に終わって元気に退院したもよう。

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ちなみに、UKでは、震災関連の新聞報道はここ数週間1,2記事/日に。

一方、the big day関連の記事が増えてきている。個人的には、Royal Weddingはあまり興味ないけど、これから1週間、さらに盛り上がるのだろう。こういう時代だからこそ、おめでたい話で盛り上がるのは良いこと。

娘の通う学校では、4月前半は春休みで、イースターがこの週末、来週末はthe big day関連でまた休み。ということで、ゴールデン・ウィークどころかゴールデン・マンスになってる。今月の登校日10日もない。。。共働きのところは非常に大変な月になっているのではないか。

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しばらくエントリーをアップしなかったことについて。

震災後しばらくは、ブログもtwitterも発信する気が起らなかった。twitterもRTばかり。普段からろくな情報をアップしてないことを改めて自覚した。

ブログは4月から再開しようと思っていたら、今度は自宅の電話回線・ブロードバンドが不通に。。。3週間くらいBTに振り回され、今週ようやく復旧(BTサイテー)。

と、この1ヵ月半いろんことがあって、思うこともたくさんあるけれど、とにかく、仕事を頑張るしかない。日本人の一人として。

2011年3月6日

王立協会

Royal SocietyのResearch Grantゲット!

これは11月上旬にアプライしてたグラントで、今週その返事が戻ってきた。

このグラントはいわゆるsmall grant。だけど、UKにきて初めてチャレンジしたグラントだったのでとにかく当たって良かったです。

このグラントにはポジションに就いて5年以内という条件があり、年2回募集がある。自然科学ならテーマは何でもOK。お金の使用は、equipmentかconsumableに限定されていて、旅費などには使えない(フィールドワークの場合は良いらしい)。

アプリケーションは非常に短く、本体のプロポーザルは1ページほど。おいしいと言えばおいしい。けどその分、情報を圧縮しないといけなかったので、一文一文どんなコンテンツにするかそれなりに気をつかった。ちょうどジャネリアへ行く時、ヒースローで結構な待ち時間があったので、その時に手書きでプランを練ったのをよく覚えている。

統計は知らないけど、おそらくsuccess rateもそれなりに高いのだろう。

ちょうどスタートアップとしての初期投資が一段落したところだったので、次の設備投資の予算として非常にありがたいグラントになった。よく考えて、効率の良い使い方をしないといけません。

ちなみに、現在申請中のグラントは4つ。月曜か火曜に申請予定のものがさらに一つ。結果は4,5,6月と次々にjudgmentが下される。できれば、この中からもう一つか二つはゲットしたいが果たして・・・(特にBBSRCを。。。)

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今週他には学生さん探しでいくつか対応。この辺は、一段落したら備忘録的まとめの意味も含めてちょっとエントリーを立てようと思います。

研究の方は、トライしてた実験が何とかいけそう、ということがわかったので、次は成功率を上げつつ、データ解析にもフォーカスしていかないといけません。それで何か見つけられるかは、また別のお話。。。

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プライベートの方では、3月に入って日本語補習校のイベントが目白押し。
2週間後に「学習発表会」という、各学年がみんなの前で出し物をするイベント、3週間後に卒業・卒園式が控えている。その学習発表会関連では、保護者によるサポート役の一員に加えていただいていて、昨日からそのリハーサルがスタート。

普段、娘が授業を受けてる間は、図書館で本を読んだりダラダラ過ごしているのだけれども、今週・来週はそのリハーサルのお手伝いを朝からすることに。

各クラス、それぞれ趣向が凝らされていてなかなか楽しい。その分、、子供たちのパフォーマンスがオーディエンスに伝わるようできるだけお手伝いをしないといけない。それほど大したお手伝いはできないけれど、こういうのは嫌いじゃない、というかむしろ好きかも。。。

2011年2月26日

ライティングコース、スタッフミーティング

今週火曜日に、アカデミック・ライティングのコースがスタート。隔週で開催され5月中旬頃まで。

英語能力の中で死活問題になるのはやはりライティングだから、その辺は藁にもすがる思いで何でも良いから役立つことは学びたい。

このコース、元ジャーナリストの人とライティング関連のPhDをとるために仕事をしている中年女性二人が教えてくれるコース。

学内からいろんな分野の人たちが生徒として参加していて、全体で15人くらいのコース。

基本的には、各自on goingの書き物を仕上げていく、というリーズナブルなアサインメントで、補足的なアサインメントも最小限で良い感じ。

一回目は、導入ということもあって、参加者の自己紹介、コースの概要説明に大半の時間が割かれた。参加者の中には、教科書執筆中という人もいてた。

後半、フリーライティングなるものをやった。

お題は「このコースで取り組みたい課題」で、5分間手書きで文字通りフリーに書いていくというもの。ちょうどブログを書くような感じか。

その後、フリーライティングに関するdiscussionになった。その逆のまずアウトラインをしっかり決めてから書いていく戦略との対比などが話題になった。ボトムアップとトップダウンという感じか。

フリーライティングは、全く筆が進まない時は良いかもしれないけど、グラント申請書や論文書きでどれくらい機能するんだろう?という気はした。まぁ、人にもよるところも大きそう。

同じ日の午後には研究所内のアカデミック・スタッフ・ミーティングなるものがあって参加。PIと言ってもかなりの数がいてるから、セミナー室がそこそこうまるくらいのミーティングだった。

研究所長だけでなくdeanさんも参加して大学の現状報告的なミーティング。

メイントピックはやはり財政関連か。

学内で100ポスト削減する必要があるらしく、僕がいてる学部でもそれなりの負担は不可避とのこと。。。定年退職で抜ける分もあるらしいけど、それ以外をどうするか協議中らしい。probationary periodの我々にも試練が待ってるのやもしれん。とにかく、クビをきられてもできるだけ早く次の職を見つけられるよう業績を残さないと生き残れん。なかなか厳しいけど、企業の場合、寝耳に水的に大量解雇とかあるだろうし、こういうご時世ではそういうものとして受け入れてfitnessを上げていくしかないのだろう。

今週他には、知らない間に来週火曜に来るお客さんのための紹介スケジュールに10分プレゼンを入れられていて、「それ聞いないし」という理由でnoと言ったり(noと言えた!)、今秋からの学生さんリクルート関連の仕事があったり、グラント申請書の仕上げフェーズに入ったり、花粉症か風邪かよくわからない状態になって体調が優れなかったりといろいろありました。

最近は日も長くなってきて、寒くない日が増え、二日実験・三日デスクワークというペースで働いてます。

それから、今日一応tax returnのfileを電子申請。もし問題なければ昨年アメリカで払いすぎてた分、戻ってくるはず。

2011年2月20日

UKの大学院

木曜日、大学院のヘッドの人から、大学院生リクルートに関していろいろ話を聞いた。この1,2ヶ月で大まかな流れがわかってきたのでちょっとまとめてみます。

UK
では、基本的には学生さん自らお金を当てて来るか、ボスがstudentshipを当てて、そこから学費・給料・一部の研究活動費をまかなう。

特徴は、studentshipの制限か。

一部の
studentshipはビザのいらないUK居住者のみ、UKEU居住者のみ、という制限があって、例えばインドや中国からアプライがあっても、そのstudentshipを使えない。それから学費の額も違ってくるので、結構やっかい。


学生の候補者を募集について。
大学なり研究所のウェブ、もしくはfindaphd.comで宣伝をするのが普通らしい。findaphdは、膨大な宣伝が掲載されているのに、検索機能が充実しているとは言い難いので、宣伝する側・ラボを探している側、両者にとって使い勝手が悪い。非常に。

ということで、僕の場合、
FENSでも宣伝してみた。そしたら一気にアプリケーションが増えた。しかも神経科学のバックグランドを持ってる人たちから。他にはUKの神経科学学会BNAでも宣伝できるらしい。が、まだBNAの会員になってないので、まだ載せてない。NeuroJobsなんかに載せても良いのかもしれないけど、お金がかかるし、とりあえずのところFENSは無登録のまま簡単に掲載できるので、これで十分な気もする。

宣伝してアプリケーションから候補者が絞れたら、うちの研究所の場合、エントリーサイトにサブミットしてもらい、スタッフが資格チェックをするらしい(ちゃんと修士を取ってるかどうかとか)。

そして、インタビュー、オファーという流れ。

大学院生活そのものは、基本的には10月1日スタート。

大学院に入ると、基本は
thesis提出が大きな目標だけれども、研究者として基本的なノウハウとなるトピック(プレゼンとかレポート書きとか)をいくつか学ぶもよう。

基本は3年。

studentship
は3年だったりするから、3年でPhD取れるよう、ボスとしてもいろいろ工面するのだろう。

ちなみに、その
studentshipは、アカデミアどっぷりというのももちろんあるけど、企業とのリンクを重視したものが結構多い。PhDのキャリアパスを多様化させる狙いもあるのだろう。そういったstudentshipでは、あらかじめ企業を特定して、その企業に負担金を一部お願いするケースもある。その場合、3年ではなく、4年、という場合もある。

UK
全体のものもあれば、スコットランド独自のstudentshipもある。

FENS
で宣伝し始めて1週間。想像以上にアプリケーションがきてる。みんな同時にたくさんアプリケーションを送っているとはいえ、ありがたい話。ぜひとも共に研究してくれる良い人材を発掘したいところ。

2011年2月12日

闘い

ここ2週間、UKの神経科学業界では暗いニュースが続いている。

まず、ファイザー工場閉鎖。

ヴァイアグラを開発した工場らしく、文字通り萎えるニュース。やっぱりこの手の製薬会社の研究所が閉鎖されると神経科学にもそれなりのインパクトがあるもよう。実際、製薬会社とコラボしているという人はいてるから、その辺とのリンクがなくなると、金銭的なサポートはもちろん、成果を薬開発などにつなげる道がさらに遠くなる。

二つ目はBBSRC(UKの生物系研究をサポートする政府機関の一つ)の神経科学予算削減のニュース。

BNA(UKの神経科学学会)を中心に、今週アピール活動が盛り上がり、昨日・一昨日は各種メディアでも取りあげられていた。僕はまだ学会メンバーになってなかったけど、一応アピール・メールを送った。こういうのは、とにかく一人でも多く参加しないといかん。ちなみに、ホントかどうかしらないけど、30強のラボが閉鎖されるインパクトがあるらしい。。。(一方で、もう一つのMRCの神経科学予算、実は増えはする)

とにかく、こういう厳しい時は、目的を見失わずしっかり仕事をしないといけません。

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ということで、火曜日にグラント申請。

今回のはスコットランド内のグラント。年2回公募があり、前回は研究所で少なくとも2人当てていた。額は少ない。

事務所はグラスゴー市内。歩いて事務所まで行って申請してきた。14部分の申請書が封筒に入らなかったので。。。

crossed fingers...

ちなみに、これで申請中グラントは4つに。
春までにあと2つ申請予定。
とにかく全滅だけは避けねば。

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火曜日午後、probationary periodに関するミーティング。

2週間前に自己評価的なペーパーワークをやって、それについて、メンターがコメントするという主旨。

半年しか経ってないのに一回目のレビューだから、レビューもへったくれもない。

とりあえず、頑張ろう、くらい。。。

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木曜日は二つ重要イベントが。

まず午前中、Wellcome Trustの人二人が研究所でトークしてくれた。とりあえずNew Investigator Awardsを目指さないといけないのだろうが、申請書を書く暇があったら、しっかりラボを軌道に乗せることに専念しないといけないな。

ちなみに、万が一当てられたら年間最大400k強、7年間というサポート。flexibilityを強調していたので、どんな目的にもお金を使え腰をすえた研究ができるもよう。とりあえず、独立して5年間チャレンジできるので、良い目標。

夕方前に、隣の研究所に行って人と会う。

相手は3人。

今回会った人たちの情報は、グラスゴーに来る直前、Deanさんから教えてもらいぜひとも会いたいと前々から思っていたグループ。数日前に僕からメールを書いたら、良い返事がきてついに会えた。(ナンパ成功!)

相手も僕のことをすでに知っていたようだった。短い時間だったけど良い会話ができた。

コラボに発展しそうな雰囲気。

モチベーション俄然アップ。

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昨日、ようやく学生募集広告がfindaphd.comなるサイトに掲載されたもよう。

UKかEUの学生なら学費全額支給のプロジェクト。スタートアップ資金の一部。

はじめてこういう立場になるわけだけど、ジョブ申請書は、公募に合わせてしっかりカスタマイズしないと駄目なんだろうな。。。空気を読んで答えるように。。。

2011年2月6日

viva

金曜日、その学位審査の内部審査員を体験したので備忘録として。

学位審査のことをUKではvivaと言う。

UKの他大学は知らないけど、僕がいてる大学では3人の役員?がまず指名された。

一人目はexternal examiner。他大学のその道のプロ。vivaでは中心的役割を果たす。

convenorはvivaの進行役。ベテランPIだったけど、分野は違っても良いもよう。質問をするとかではなく、とにかく進行役。

そしてinternal examiner。学内審査員。学位論文を読んで、viva中、external examinerの援護射撃?というか質問をPhD候補者にたくさん浴びせる。さらに、学位論文修正の監査役も勤めるもよう。今回このinternal examinerに指名された。

PhD候補者は、同世代PIのラボの学生さん。その同僚は3年くらい前に独立したばかりで、今回の候補者は記念すべき第一号の学生さんだった。

時系列としては、まず12月上旬頃だったか、同僚からinternal examinerしてくれない?と依頼を受ける。

おそらく数人のうちの一人なんだろうと思って、即答でOK。

いろいろ聞いていくうちに、上述のような構成でvivaが行われることが判明。

学位論文は、年末頃受け取れるだろうと聞いてたけど、実際受け取ったのは1月中旬。しかも270ページの長編論文。。。

毎日少しずつ読んで、2週間くらいで読み終わりプレレポートを提出。形式はよくわからなかったので、とりあえずpeer reviewみたいな感じでレポートを提出。

そしてviva当日。

まずvivaを仕切る上述3人が12時過ぎごろ集まった。

external examinerはUCLのPIで、わざわざ日帰りでロンドンから来てくれた。convenorの人はホントに司会だけが仕事みたいで、学位論文すら読んでなく、とりあえずexaminer二人でどうvivaを進めるか少しだけ打ち合わせ。

問題点はシェアできてたので、打ち合わせは5分くらいだったか。

それからconvenorの人が候補者を呼びに行って、vivaスタート。

はじめconvenorの人が、儀式として、「もしもbiologicalに駄目だと思ったらいつでも言って休憩して良いから」と。。。

あとはexternal examinerさんがリードしながら進んでいった。

まず大きな観点から質問を始めて、学位論文のコンテンツに踏み込んでいくという感じで進む。候補者は別にプレゼンするわけではなく、質問にとにかく答えるという形式。

2時間くらい続いたか。

一通り質疑応答が終わった後、候補者には一旦部屋から出てもらい、3人でどう意思決定を下すか話し合った。

あらかじめ用意されたチェック項目があって、それをパスしてたか答え、最終結論。

最終結論はいくつかカテゴリーがあって
1.ぶっ通し
2.minor revision
3.major revision
4以下はほぼreject
といった感じ。

2に。(お約束?)

examinerがフォームにサインして、候補者に結果を伝えられ、総括的なコメントを伝える。

最後に、候補者、そして候補者のPIも加わって少し話をする。同僚PIも喜んでいた。

新しいDr誕生。


ちなみに、external examinerさんと一致した感想としては、学位論文は穴が多かったけど、viva中の応答は非常に良く、そのギャップが大きかった、ということ。

なので、そのギャップを埋めるべく、学位論文をしっかり修正して、論文として発表すべき部分はしっかりして、良いサイエンティストの道を歩んで行って欲しいところ。4月からのポスドク先も決定しているもよう。

と、そんな感じのvivaでした。

USの時にいてたラトガーズでは、internalのコミッティーは3,4人。外部者が一人で、まずトークがあって、その後はcloseの”defense”だった。

一方、僕が体験した日本での学位審査は、一日に数人候補者がいてる状況だったので、スケジュールをこなす、という感じだった。一人あたりの時間も30分くらいだったか。日本の「博士」の重さと相関しているといえば相関している。。。

と、国によっていろいろ違うんだなぁ、と改めて思った。

USでは、候補者のご両親が当日来られ、結果がわかった後パーティー、という感じだったけど、UKではそこまで重くなく、viva後は、学生さん同士でちょっと騒いでるくらいでオフィシャルなパーティーは別に企画されてない。日本とUSの間、という感じ。

今回担当したinternal examinerはそれなりに負担があった。学位審査を引き受けた以上、いくら分野が少々違っても論文を完全に理解して質問を用意しないといけない。最後は、どう学位論文を手直しするか監督しないといけない。

今回読んだ学位論文、ホットな分野だけど僕はほとんど知識を持ち合わせてない分野だったので、えらく勉強になった。一方、質問が的を得てるか確信を得るため、わざわざpubmedで最近の文献もチェックしたりしたので、それなりの時間はかかった。

けど、これはサイエンスの活動の一環だし、意外とエンジョイできた。これなら、これからも引き受けて良いかも?

一方、external examinerになると、経験がいりそうだから、まだまだ僕には無理。。。