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2015年10月4日

THE 世界大学ランキング 2015-16年版

THEの世界大学ランキングが発表された。
今回の得点算出法はこちらに詳しい。

算出法のアウトラインは2年前のエントリーでまとめている。
その2年前と比べ、今回の大きな変化は、ElsevierのScopusのデータベースをCitationsの算出に使用している点か。

ランキングを見ると、トップの顔ぶれは、ランキングこそ微妙に上下してるようだけど、基本同じ。つまり、どう測ろうが強い大学は強い。

日本のニュースでも取り上げられていたように、日本の大学のランキングは。。。
100位以内に10大学、という目標と逆方向へ行ってる。。。

アジアトップ3は
National University of Singapore (26位)
Peking University (42位)
University of Tokyo (43位)
という顔ぶれ。

「研究は強い」と言われる東大。が、実際のスコアを見ると、ResearchのスコアはNational University of Singaporeより低く、Citationsのスコアはトップ2大学に負けてる。つまり、「研究は強い」という言い訳が通用しない状況。。。

もちろん、International Outlookのスコアが異常に低いから、そこを高める、というロジックはわからないでもない。

が、この項目は、合計スコアへの貢献度は低い。なので、仮にそこを補強してもランキングアップにはそれほど効いてこない。

むしろ、スコアへの貢献度が高く、しかも今まで強かった研究を最優先課題とし、そこをもっと強める戦略を採る方がどう考えても賢い。完全に戦略ミス。

オリンピックの騒動を見てても思うけど、文科省で意思決定している人たちは数字に弱いのでは?という気がする。。。(辛口)

ちなみに、僕がいてるストラスクライド大。今年は401-500位と、北大、九大、東京医科歯科大、首都大学東京、筑波大と同じカテゴリー。

この辺りのカテゴリーになると、100位前後の誤差はありそうなので、ストラスクライドは北大・九大と同レベル、なんてとても言えない。。。

ランキングはマーケティングに使われ、カスタマーでもある学生は、できるだけランキングの高い大学に行こうとするだろうから、高いに越したことはない。

2013年8月4日

世界大学ランキング

世界大学ランキングについて少し調べてみた。

3つ有名なランキングがあるもよう。
Times Higher Education(THE)のランキング
QS世界大学ランキング
Academic Ranking of World Universities(ARWU)

最初の二つは2009年まで同じだったらしく、THEは以降Thomson Reutersのデータも利用してランキングを算出している。

3つ目のARWUは上海ランキングともいわれてるらしく、ランキングのさきがけらしい。

ここでは、THEにとりあえず注目(理由はUKベースの雑誌が算出するランキングで、聞いたことがあったから)。

ただ、wikipediaには最新の情報が反映されていないので注意。

THEのランキングでは各大学を100点満点で評価してランキング。
以下そのブレークダウン。
詳細はこちらを。

まず以下の5つのカテゴリーごとに大学を評価
1. Industry Income
2. International outlook
3. Teaching
4. Research
5. Citations

各カテゴリーごとに、さらにいくつか評価基準があり、その各評価基準ごとに重みが付けられスコアを算出するもよう。

Industry Income
1つだけの評価基準。
企業からの研究資金収入をアカデミックスタッフの人数で割った値。

International diversity
3つ評価基準がある。
第一に、海外組・国内組スタッフの比
第二に、海外組・国内組学生の比
最後に、海外研究者との共著論文

Teaching
5つ。
第一に、reputation surveyなるものがあるもよう(重み高し)
第二に、アカデミックスタッフあたりの学生数
第三に、博士と学士取得者数の比
第四に、アカデミックスタッフあたりの博士取得者数
最後に、アカデミックスタッフあたりの大学総収入

Research
3つ。
第一に、Reputation survey(これまた重み高し)
第二に、研究費収入
第三に、スタッフあたりの論文数

Citations
Web of Scienceから算出される論文引用数インデックス

5大カテゴリーの重み付が興味深く、
Industry Income 2.5%
International diversity 7.5%
Teaching 30%
Research 30%
Citations 30%
という内訳。

これに基づき100点満点として評価するもよう。

ちなみに、Reputation survey、これはThomson Reutersが行うAcademic Reputation Surveyなる調査からの数字に基づいているらしい。

なんとなく胡散臭い。。。

ちなみに、最新のランキングでは
1.カルテク(米)
2.オックスフォード(英)
3.スタンフォード(米)
4.ハーバード(米)
5.MIT(米)
6.プリンストン(米)
7.ケンブリッジ(英)
8.インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)
9.UCバークレー(米)
10.シカゴ(米)
がトップ10。米英独占。

日本はというと、
27.東大
54.京大
128.東工大
137.東北大
147.阪大
の5大学がトップ200位圏内。

ちなみに、ストラスクライド大は、ぎりぎりランクが付く351-400位(このカテゴリーでは細かい順位はついていない)。慶応と早稲田が同じ圏内。意外。。。

確かに、このランキングだけみると、日本の大学は苦戦している。どの大学もその半分くらいの順位で良いように思う。

もしもランキングを上げたいなら、まずはインパクトを上げる方法を考えるのが賢明かつ堅実だと思われる。

が、すぐに変化するものでもなさそう。というのは、Citationsやreputationがかなり重視されているので、一朝一夕で変わるものではない。

が、メチャクチャ論文を引用されている超有名研究者をヘッドハントする、というトリックはアリ。つまり、ノーベル賞受賞者をたくさん雇えば良い。大金をはたいて。

一方、International Outlookの重みは低いので、そこをターゲットにしても、順位はなかなか上がらない。なぜなら、総合点数への貢献度(重み)は非常に低いから。

例えばストラスクライド。International Outlookは63と、トップ10大学と肩を並べてる。。。

もちろん、日本の大学のInternational Outlookの低さは異常のようにも見えるけれど、国籍問わず、良い研究者・科学者を如何に養成・増やすか、というのがほとんどの評価項目にポジティブな効果をもたらし、ひいては大学ランキング上昇に貢献すると思われる。

トップ10の大学がそうしてるんだから、そんなことは自明のようにも思える。

2011年7月24日

大ニュース続々

この一週間は、なでしこジャパンのW杯優勝で始まり、ウィークデーはphone hacking続編、週末はノルウェーの事件、中国の高速鉄道の事故、アメリカデフォルト危機(マジ版)、とインパクトの強いニュースが目白押しだった。

ノルウェーの事件、金曜夕方前、爆弾テロのbreaking newsに釘付けになっていたら、銃撃事件の知らせが飛び込んできた。今回もTwitterとBBCが良い情報源になった。当初、イスラム過激派絡みだろうという憶測だったけど、結局、極右翼の国内レベルのテロらしいと。少し違うけど、オウム事件を思い出した。テロというと、アルカイダとかイスラム過激派が枕言葉になってたけど、人はクレイジーになるといつでも・どこでもとんでもないことをやらかす。今回も、犯人は事前にそれらしい情報をウェブに流していたみたいだから、こういう悲劇を防ぐテクノロジーをもっともっと洗練させていってほしい。

反政府の人間が多くの人命を奪う一方で、他方では政府・国家レベルのシステムエラーが人命を奪う。。。中国の鉄道、故障が連発した直後の大惨事だから、なかなかすごい。中国における人命の価値、とはどういうものなんだろう。。。中国はここ最近、どんどん原発を作ってるけど、大丈夫なんだろうかと心配になった。黄砂のように放射能が日本に大飛来することは想像したくない。世界中の多くの人たちが中国には一目置き始めてるわけだから、欠陥コピーばかり量産するのはもうやめて、もう少し足元を固めながらしっかり発展していかないと、数十年・百年というスケールで見ると、中国はまたこけるだろう。

アメリカのデフォルト危機。win-loseをお互い意識した結果、lose-loseになるというのはこういうことを言うのだろうか、と思った。ただ、Republican的にはデフォルトが起ると、中間選挙でオバマさんを辞めさせられて、自分たちの候補を大統領にできるだろうから、立場的には彼らが強いのかもしれない(経済という点では、それどころではないことが起ると思うんだが)。Republicanからの大統領なんか、それこそ世も末という気がする。。。科学技術という点では、Republicanがアメリカを牛耳りだすと、研究費を大幅に削る。アメリカの研究力が低迷すると、サイエンス全体が低迷する。ライフサイエンスが低迷すると、治る病気が治らなくなってそれで困る人たちがさらに増え続ける。オバマさんにはぜひ頑張って欲しい。

一方、英国はphone hackingでスタック中。。。財政危機の順番が回ってくるのは時間の問題だというのに、政治家が揚足をとり、足を引っ張り合うのはどの国も同じ。。。

スコットランドのGDPの成長率は0.1%くらいしかなかったらしく、SNPは独立とか無謀なこと言ってないで足元をしっかり見て欲しい。そのスコットランドの、しかもグラスゴーでは、16-64歳でqualification(大卒のこと?)を持ってない人の割合がUK内ワースト・トップクラスらしい。一方、エディンバラは良く、スコットランド2大都市で大きな格差があるもよう。グラスゴーは経済規模という点ではエディンバラより大きいのに、この数字。この問題は、非常に根の深い問題なのではないか。ちなみに、今住んでいるEast Renfreshireを調べてみたら、エディンバラ地区と同等だった。だからどう、というわけではないのだけれども、子供のことを考えると少し希望を持てたし、昨年の今頃、NJにいながら、嫁さんと一緒に教育水準をいろいろ調査して住む場所を決めた判断は間違ってはなかったのかな、と思った。それにしても、グラスゴーの北東地区、ウワサではいろいろ聞いていたけど、ホントにまずい。。。

なでしこジャパンの試合は、一部始終観戦。スコッチを呑みながら一人でえらく盛り上がる。。。オリンピック予選ではすごいプレッシャーだろうけど、つぶれず頑張って、また日本人にパワーを与えて欲しい。日本を離れて以来、「日本人の誇り」というのをいろんな場面で意識する機会が増えたけど、やっぱりスポーツのそれは特別のものがある。特に松井がワールドシリーズでMVPになった時と、今回。もちろん、自分は単に試合を見てただけだけど、あの感情的なものは非常に独特の感覚がある。論文アクセプトの通知を受けた時よりも、感情的な高揚は大きいのは、どうかしているのだろうか。。。ちなみに、僕はこれまで女子サッカーのことは一切注目したことがなかった口だけれど、女子サッカーは良いと思った。BBCの中継では、イングランドの主将がゲスト出演してて、結構美人だったし、アメリカにも日本にも華のある選手が数人いてた(Soloは性格悪そうだからNG)。今回のドイツ大会は、メディアの扱いという点でも、過去最高らしいから、日本はもちろんのこと、女子サッカーの注目度が全世界的にこれから少しずつ高まっていくんだろう。もちろん、迫力と歴史という点で男子を上回ることはないだろうけど、試合展開では、今回の決勝みたいなことはあるわけで、みんな十分盛り上がれて、美味しいお酒が呑めたりする。おそらくビジネスという点でもいろいろ魅力的なスポーツなんではないか?ということで、娘二人が日本から戻ってきたら、サッカーやらせても面白いかも?とミーハーな人間としては本気で思ったりした。スコットランドでも、サッカーをやらせるチャンスはいろいろありそうだし。。。

最後に、仕事の方では、問題が解決したと思ったら、また次の問題が発生したりと、頭痛の種が減る気配なし。。。一方、8月から来る大学院生と一緒に始める新規プロジェクトの準備の準備がほぼ整ったので、今週か来週、仕込み実験ができそうな雰囲気。

2009年9月23日

アジアの国際化

シンガポール、マレーシア、香港の大学が国際化しているよ(正確には中国から人が流れている)、というNYTの記事

こういう国際化の成否は、言語の占めるウェイトが大きいんだろうなぁ。

この記事は学生レベルの話だったけど、少なくともシンガポールに関しては、もう一つ上のファカルティーレベルで国際化が進んでいるし、これからさらに進んでいくと思う。やはりもともと英語の国だしGDPも高いし、何よりも科学技術の政策がすばらしい(と言ってもごく一部しか知らんけど)。

若手で優秀な人に莫大なお金を投資して、アジアでインターナショナルな研究コアをこれから創るという意気込みが鮮明に出ている。

一方日本をアメリカから見ていると、研究の多様性よりは選択と集中を加速させ、ヒエラルキーの壁をより強固にし、若手の芽を摘む意気込みが鮮明に出ている。

というと言い過ぎか。。。

どちらが良い戦略か?、と言われると客観的には正直わからないけど、一応僕も若手だとすれば、前者の方が良いに決まってる、とバイアスをかけて見ている。

若手にはブログなんかで「ノイズ」を作るしかできないところが歯痒いところではある。けど、みんなでノイズを作ってそれがシグナルになったりすると面白いなぁ、と妄想したりする今日この頃。。。

2009年8月22日

同僚と話す最近のネタ

昨日、同僚アルフォンソと少し話をする。

EU各国のアカデミックなシステムについて少し教えてもらった。
やはり国によっていろいろ違うらしく、メリット・デメリットがあるみたい。

単純な例として、例えばドイツはピラミッド、スペインはフラットらしい。
けど、スペインにアメリカと等価なテニュアトラックはなく、少し前の日本をフラットにした感じか、という印象を受けた。

スペインではラボを持った時のスタートアップマネーはほとんどないそうだが、スペインのシステムもそれほど悪くない様子。

数年後、神経科学の勢力図は少し変わる気がしてるからEUそのものには最近魅力を感じている。

例えば、新設研究所で、インターナショナルな色を全面に出して、世界レベルの一流研究者がコミッティーとして名を連ねてたりする。情熱が伝わるというかなんというか。

nudgeだな。

数年後、日本からEUに行くポスドクが今以上に増えるかも。

日本で研究所を作るというと、また箱にお金を使って、となりそうだけど、やっぱり箱がないと新しい職は作れないわけで、、、それだけ若い人のチャンスは増えないままだから元気のない若者は増えていく。。。箱への投資が人を元気付けることもある。日本みたいに住むには良い国だったら、田舎と言ってもアメリカのそれと比べたらたかが知れてるし、そこそこ便利なところにRIKENクラスか、特定の分野に特化した神経科学関連の国際色を全面に出した研究所を作って、さらに大学院生の育成をもっとしていかないと、アメリカ、EUにどんどん差を広げられていくのかもしれない。もうそういうことが制度的に難しいとすると、将来は推して知るべしなのかもしれない。

それから、もちろんオンリーワンを目指すのは良いけど、ナンバーワンなり、追従する方向もないと、気づいた時には重要なところでとんでもない差ができてしまって、そこで小手先の勝負を強いられるリスクもあるような気がする。数がものをいったりもするから難しいところではあるのだろうけど。。。

ついでに、神経科学って、応用を全面に出せるほどに成熟した学問だったか。。。(もちろん、「応用」を謳うだけならいろんな詐欺まがいなことをしてお金儲けを目指せるのは確かだとは思うが、それは必ずしも世の中を良くする方向とは思えない。応用に走る科学者サイドはこういうこともリスクとして知っておくべきか。)

と、たまってるフラストレーションを少しぶちまけ。。。

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それはともかく、アルフォンソとは、サイエンティフィックな興味は近いけど、持ってるバックグランドがホント違う。彼がブレインだとしたら、こちらは手(ノーブレインとも言う)、と例えたら良いか。。。

僕は彼の持ってるようなバックグランドには昔からあこがれてるのだけれども、彼は彼でこちらのバックグランドに興味があるらしい。意外と。

脳ナシはもちろん、脳だけでもシステムとしては機能せん、ということか。。。

もし将来、近くで独立できたりしたら、うまく協調してコラボできるな、などとそれなりに有意義で絵に描いたモチ的な会話をした。。。

現実逃避なだけか。。。

2009年8月15日

小ネタ集

アメリカから中国へ向かいだした就職の流れ。こちらこちら

ビジネスでは(も)これから統計学者が求められる模様

ニューヨークタイムズ紙が伝える自民党の衰退

リジェクトされた数学論文なら掲載条件を満たすオンライン雑誌

レス・ポールさん死去
The only reason I invented these things was because I didn’t have them and neither did anyone else. I had no choice, really.
- Les Paul

ご冥福をお祈りします。

2009年8月1日

気になるリンク

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日本携帯のガラパゴス化事情

中国にいる中国人の将来は紙切れで決まる!?

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競馬業界に転向した神経科学者。