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2015年5月30日

2014/15年 後期ティーチング まとめ

5月も終わりということで、今年度のティーチングも期末試験も終了。後期はレクチャーが1クラス分4コマ、卒論学生5+1人、でした。

レクチャーは、統合失調症と依存症について、2コマずつ。

卒論は、biomedicalの一人を除いて薬理系の5人。その5人は文献調査だったので、たまに原稿をチェックしては、最後に評価する、という比較的負担は少ないものでした。

一方、今シーズンはエッセイの採点量が大幅アップ。。
特にMP304という、レクチャーを担当したクラスの採点が大変でした。。

このクラスは、5人位のスタッフで分担レクチャーをし、試験は各スタッフが出題したエッセイ5問からの選択。

どういうわけか、過半数の生徒が自分の作成した問題を選択して、94人分のエッセイの採点が回ってくるハメに。。(質問が簡単過ぎたもよう。。ナメられた。。)

94部の採点、1部あたり5分で丸一日かかる単純計算だったので、かなり短時間で採点することに。

こういうエッセイを採点して初めて気付いたことは、採点者の立場に立つことが如何に大事かということ。

もちろん内容も大事だけど、体裁に少し気をつけるだけで、100点中5~10点くらい上乗せできるのではないか?という気がする。

つまり、内容だけでなく、印象も大事。

例えば、NGな典型は、なぶり書きで判読不明な解答用紙。
全く見当違いなことをなぶり書きし採点者をだます、という戦略はいけるかもしれないが、それはそれで、それなりの技術がいるのではないか?という気もする。。。

一方、良い例は、読みやすい字、段落を細かく分ける、小見出しをつける、といった解答用紙。ただし、NGの場合と逆で、全く見当違いなことをクリアに書いていると、それが簡単にバレてしまうので、逆効果も。。。

とにかく、何事も他人に評価されるモノは、自己中だとダメです。。。
今、来週締のグラント申請書を書いてますが、自己中にならないように心がけてます。。

2014年12月14日

一学期ティーチング まとめ

10月からスタートした一学期のティーチング、ほぼ終わったのでまとめます。

同僚教授のリタイアに伴い、彼女が担当していた分が降りかかってきて、如何に手抜き(良く言えば効率性アップ)するかが大きな課題でした。。

BM101(学生6人)
BMはbiomedical。三桁の最初が学年。なので、biomedicalの学部1年制向けのクラス。
論文の読み方からプレゼンの仕方などかなり一般的なことを身につけるのが目的らしい。
1スタッフあたり6人前後の学生が割り当てられ、お題を与えて学生さんたちが関連論文を読んでエッセイを書き、5分のプレゼンをする、というのが最終目標。

僕は20人くらい担当しているスタッフのうちの一人。今年から担当することに。

僕が与えたお題は「知性はどれくらい遺伝するか?」

負担としては、エッセイの初期の原稿を添削したり、プレゼンのフィードバックを与える、というもの。プレゼンのフィードバックは、one-on-oneでミーティングをする必要があって、1人20分と枠を決めて面接形式でやった(ら、かなりうまくいった)。

明日と明後日、学生さんたちはプレゼンをして採点される。

BM203(3レクチャー)
3年目。昨年度までは二学期だったけれど、今年から一学期へシフト。部門として、レクチャーの量を減らせ、というお達しがあり、2レクチャー減らしてもらう。ということで、2レクチャー+1復習という負担。スライドは使いまわしなので、レクチャーの時間だけの負担だった。

BM408(1レクチャー+2チュートリアル)
4年生向けで、6人位のスタッフで各3コマずつ担当。好きなトピックについて1コマレクチャーをして、論文を読ませながらのチュートリアルを2コマ、という内容。

ということで、僕はoptogeneticsを選んだ。レクチャーのためにスライドを一から用意する必要があったけど、内容が内容だけに負担感はかなり少なかったです。

チュートリアルの担当は初めな上、日本ではこの手の形式になじみがなかったけれど、そこそこ形にはできたか。学生さんたちがそれなりにまじめに取り組んでくれたので助かった。

BM409(4レクチャー)
脳の病気からエイズなどの感染症などいろんな病気をカバーするクラス。僕は統合失調症と依存症のレクチャーを引き継ぐ。もともと5コマだったところ、4コマにしてもらう。

教科書の該当章を一から読み直してスライドもほぼ作りなおしたため、それなりに時間はかかった。が、興味のあるトピックでもあったので、良い勉強になりました。

MP507(学生6人)
MPというのはMPharmつまり薬理。その学生さんの卒業研究。あらかじめ研究プロジェクトをアップして、希望学生さんが配属されるというもの。卒業研究といっても文献調査なので、負担は(比較的)少ない。

今回は5人の学生さんが配属され、もう一人後で移ってきた。トピックはelectroceuticals。MPharmの方がbiomedicalより入るのが難しい分、学生さんのレベルもやや高目で、先日添削した初期レポートもまずまずというものが多かった。

BM卒研(1人)
昨年まで4,5人担当してたけどMPの負担が来たということで、今年は一人だけ。この負担大幅減が実は最も大きかった。というのは、ラボプロジェクトの学生を3人なんか持つと、その指導でかなりの時間を取られていたけど、今年はそれがなかった。

レクチャー、チュートリアルや個別指導的なものまでいろんなスタイルがあって、見た目上の負担も増えたけれども、昨年の一学期より実は研究に費やせる時間が増えたと思われる。

卒研の負担減が一つ。

もう一つはレクチャーの準備の効率化。
今まで、レクチャーのためリハーサルをやってたけど、今年はほぼぶっつけ本番でもそこそこ流せた。あと、レクチャーのスライドも気合を入れて作らないようにしたので、準備時間も削減できた。良いか悪いかはともかく、30~50%のパワーで取り組むよう心がけました。

2014年3月30日

ティーチング2014

今年のティーチングが一段落したのでまとめます。
実は今年、去年の半分以下のdutyでした。

2年連続でサポート的な役割をしてた学生実習、今年は免除に(戦力外通告?)
さらに、去年5コマ任せられたクラスは、ネゴって4コマに。

ということで、今年は
1.細胞分子生物学 4コマ
2.生理学 4コマ
のみ。

1コマ45分なので、年間を通して計6時間。

どちらも学部2年生が対象。
細胞分子生物学では、顕微鏡関連と神経系を含む動物組織について、生理学では感覚系について(専門だから楽)講義。

前者は、5コマから4コマに少なくなった分、スライドを少し変更したけれど、生理学の方は今年で3年目だったからほとんど変更なし。ということで準備にかかった時間も短かったです。

あとは、卒論研究のサポートが5人分ということで、これはこれでそれなりの負担が。。。けど、こちらは、自分の意志で研究に貢献できるようなプロジェクトにできるので、こちらが多い分には何とかなるか。

レクチャーでの今年の変化は二つ。

まず、本年度から大学がPRS(personal response system)というシステムを導入したこと。
各学生が小さいリモコン端末を持っていて、スライドを使って学生に質問。そして、その回答をリアルタイムで集計するシステムのことをPRSと呼ぶ。学生さんもPRSの時間になると元気が出てきて、こちらもレクチャーをどれくらい理解してくれたか確認できるので、とても便利。使い方を工夫すれば、学生さんの集中力を途切れさせずに効果的にメッセージを伝えられそう。

もう一つの変化は英語。
今まで一回は通し練習してたけど、今年は直前にスライドの流れをざっと確認して、あとはぶっつけ本番。この1・2年でそれなりに英語力が上がった(気がする)。英語でトークすることへの抵抗感はかなり減った。英語がうまくなったというより、知ってる英語を引き出しやすくなった、という感覚。なので、小難しい英語は依然使えない。ということで、英語でのレクチャーも3年くらいやれば、それなりにできるようになるもよう。

ちなみに、同僚教授がこの3月でリタイアして「研究教授」という立場になるので、もしかすると、来年度は負担が増える恐れあり。。。

ちなみに、過去のティーチングのまとめは、2012分はこちら、2013分はこちら

2013年11月3日

大学院指導教官の選び方

The real Prize is enjoying doing science. This is a Prize that I have won. I want my student - and every aspiring young scientist - to win it too.
- Ben A. Barres

大学院に進学する時、右も左もわからない状態で、たまたま興味を惹かれた・もしくは門戸が開かれた研究室を選んで・・・というケースが、自分も含め、大多数だと思われる。

中には、ラボ選びを誤り、不幸な大学院生活・研究者生活を送るケースもある。。。

けど、大学院進学時、研究室選びの指針・マニュアル的なものを入手し、賢く研究室を選べば、研究人生は大きく変わるはず。良い方向に。

そんな指針を提供しているエッセイが2週間前のNeuronに掲載されていたので備忘録としてまとめます。

著者はスタンフォード大のBen A. Barres

このエッセイによると
1.良い科学者
2.良いメンター
を満たす指導教官を選ぶべしとのこと。

良い科学者
良い科学者とは、もちろん「良い科学」をしている研究者。

まず、良い大学の指導教官が良い科学者とは限らない、と釘を刺す。逆もしかりで、有名でない大学でも、優れた研究をしている研究者はたくさんいてる。

つまり、大学で選ぶなと。

一方で、大学院の課程を通して「良い科学」・「悪い科学」を学ぶわけだから、大学院進学時に「良い科学」をしてる指導教官を選ぶのは至難の業。

では良い科学者をどうやって見ぬくか?

幾つか指針が示されている。

一番目は抽象的だけれどもこう:
重要な問題に答えるための研究をしていて、その問題に対して新しいコンセプトを打ち出すような研究、その問題の内部・仕組みに迫るような研究を進めている科学者。

例えば、万物になぜ質量がある?という超本質的で重要な問題に、新しい素粒子の存在を提唱する理論を考えたり、その素粒子の存在を実験的に証明したり、その粒子の性質を調べるような研究をしてノーベル賞級の研究をしている人たちは良い科学者と言って良さそう。

第二に、良い科学者はいわゆるトップジャーナルに論文を出していると。
一方で、ラボの規模も考慮に入れて、ラボの生産性を評価せよとも。そして、もしも5年間良い論文が出ていないようなラボはNGだとも。。

第三に、H-indexを紹介している。それが高い研究者は良い研究者の証(一方で、若手研究者には当てはまらないこともある)。

第四に、大きなグラントを当てているか。米国だったら、NIHだったりHHMIだったり、UKならRCUK系やWelcome TrustやERCのグラントか。日本なら科研費の大き目のヤツだったり、CRESTとかになるのか?(日本の場合、反対意見、つまりお金持ってる科学者が良い科学者とは限らない、という意見も出そうだが。。。毒)

お金がないとやりたい研究が制限され、実際問題として大事なので、良い科学をする上では必要条件のような気がする。

良いメンター
このエッセイではまずメンターのあるべき姿が述べられている。

メンターの重要な仕事の一つは、
学生が良い問題かつ手の届く問題を公式化させるのを手助け、その問題に取り組むための研究・実験を確立させるのを優しく(gently)指導しつつ、学生を時間をかけながら徐々に独立させていくこと、とある。

逆に、良いメンターは、学生に科学的にどうでも良いような問題に取り組ませないと。

また、良いメンターは、学生の指導にとにかく時間をかけると。
その指導には、科学に関するディスカッション、良い実験のデザイン法、データ解析・解釈、論文・グラントの書き方、論文レビュー、トーク、そしてキャリア指導が含まれる。つまり、科学者として必要な全プロセス。

さらに、良いメンターは、科学者としての経験値を上げるような各種コース(サマーコースやカンファレンス)への積極的参加を許し・推奨すると。

では、そんな良いメンターをどうやって見つけるか、興味のあるラボのボスが良いメンターかどうかどう見抜くか?

第一に、その現・元ラボメンバーと話せと。
ボスは時間をかけてくれるか?
ラボ生活をエンジョイしているか?
ラボにチームスピリットがあるか?
みんな助けあっているか?
ラボミーティングは、みんなが考え・アイデアを出し合う場か、それとも、ボスから次の細かい指示を仰ぐ場になっているだけか?

第二に、ポスドクと大学院生の比率を知れと。
もしラボメンバーがすべてポスドクだったら、ボスは学生指導をエンジョイしていない、積極的にその時間を減らしているリスクがあると。(ただ、学生比が高すぎると、逆にボスからの指導時間が減るのでは?と思うのだが。。。)

異様に大きなラボには要注意とある。

最後に、ボスのメンターとしての記録を知れと。
つまり、在籍してたラボメンバーが将来どうなったかを調べよと。


このエッセイはさらに(ダラダラと)続く。。。

まず女性研究者へのコメントとして、ボスに女性としてのロールモデルを求めるのも悪くないけれど、男性のボスも見て、女性のラボメンバーが在籍して良いトラックレコードを残しているか調べよと。

次に、上述のことに関連するけれど、在籍している学生がハッピーか確認せよと。

中には、週60時間以上労働を期待してるボスがいてそれを明示的に伝えてくるボスがいるけど、そういう外部プレッシャーではなく、学生自ら進んでハードワークをしたくなるような環境かが大事だと。

さらに、「ブラックラボ」とも言うべきラボ・ボスの例も。。。
自分のキャリアだけを考えて、学生のキャリアを考えないボス。
ラボ内で学生を競い合わせるボス。
学生を奴隷のように使い、学生に論文を書かせないボス。
論文をずっと寝かせるボス。
移籍時にプロジェクトや試薬などを持って行かせないボス。


このエッセイでは、ラボ選びを越えて、ラボを去るタイミングについてもアドバイスしている。
夢を抱いてスタートした大学院生活も多くの人は壁にぶつかる。ハッピーな大学院生がブルーなものになることはよくある。

そんな時はこうせよと:
ボスと腹を割って話し合えと。
ボスにその問題を解決させるチャンスを与えよと。

そして、もしボスが同情的でなかったら、ラボを変えよと。

もしハッピーでいれるラボが見つからないなら、サイエンスは正しいキャリアでない可能性もあると。けど、多くの場合、単にメンターがひどかったり、何らかの理由でラボがあってないだけとのこと。

さらにこのエッセイでは、一旦良いラボを選んだら、どうサイエンスに向き合うか少しアドバイスしている。
重要な問題を選び、流行りを追うなと。
数ではなく1つの良い論文を書くのに集中せよと。


後半、著者はメンターシップ論について述べている。

良いメンターシップなるものは、学生が去って終わるのではなく、その後の面倒を見ることも含まれ、大きな責任が伴うものだと。

そして、メンターシップを測るM-indexなるものを提唱している。M-indexとは弟子のH-indexの平均値。

良いメンターになるための記述も少しある。
その中で、The Gates Foundationが進めているMeasures of Effective Teachingのことも紹介している。(実際、リンク先にある資料は役立ちそう)


最後に、メンタリングをもっと評価する制度の必要性を説いてこのエッセイは締めくくられている。

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科学のことをいろいろ学ぶ機会はあっても、メンタリングのことを系統立てて学ぶ機会は皆無。

結局のところ、数少ない自分のメンターを教師・反面教師として、あるいは知人から伝え聞いて学んだりと、実際にやってる科学とは対極的な方法で、体験していくしかないのが現状。

一方で、メンタリングは、チームとして科学を進める上では非常に大事な問題。

このエッセイ、全体としてはちょっと読みにくいけれども、重要なエッセンスが散りばめられていて、今後定期的に読みなおしては、自分のメンタリング力を少しずつ高める必要があると思った次第。

なので、これから大学院に進学する人だけでなく、ポスドク・PI含め、神経科学を越えて役に立つエッセイだと思いました。

2013年8月4日

世界大学ランキング

世界大学ランキングについて少し調べてみた。

3つ有名なランキングがあるもよう。
Times Higher Education(THE)のランキング
QS世界大学ランキング
Academic Ranking of World Universities(ARWU)

最初の二つは2009年まで同じだったらしく、THEは以降Thomson Reutersのデータも利用してランキングを算出している。

3つ目のARWUは上海ランキングともいわれてるらしく、ランキングのさきがけらしい。

ここでは、THEにとりあえず注目(理由はUKベースの雑誌が算出するランキングで、聞いたことがあったから)。

ただ、wikipediaには最新の情報が反映されていないので注意。

THEのランキングでは各大学を100点満点で評価してランキング。
以下そのブレークダウン。
詳細はこちらを。

まず以下の5つのカテゴリーごとに大学を評価
1. Industry Income
2. International outlook
3. Teaching
4. Research
5. Citations

各カテゴリーごとに、さらにいくつか評価基準があり、その各評価基準ごとに重みが付けられスコアを算出するもよう。

Industry Income
1つだけの評価基準。
企業からの研究資金収入をアカデミックスタッフの人数で割った値。

International diversity
3つ評価基準がある。
第一に、海外組・国内組スタッフの比
第二に、海外組・国内組学生の比
最後に、海外研究者との共著論文

Teaching
5つ。
第一に、reputation surveyなるものがあるもよう(重み高し)
第二に、アカデミックスタッフあたりの学生数
第三に、博士と学士取得者数の比
第四に、アカデミックスタッフあたりの博士取得者数
最後に、アカデミックスタッフあたりの大学総収入

Research
3つ。
第一に、Reputation survey(これまた重み高し)
第二に、研究費収入
第三に、スタッフあたりの論文数

Citations
Web of Scienceから算出される論文引用数インデックス

5大カテゴリーの重み付が興味深く、
Industry Income 2.5%
International diversity 7.5%
Teaching 30%
Research 30%
Citations 30%
という内訳。

これに基づき100点満点として評価するもよう。

ちなみに、Reputation survey、これはThomson Reutersが行うAcademic Reputation Surveyなる調査からの数字に基づいているらしい。

なんとなく胡散臭い。。。

ちなみに、最新のランキングでは
1.カルテク(米)
2.オックスフォード(英)
3.スタンフォード(米)
4.ハーバード(米)
5.MIT(米)
6.プリンストン(米)
7.ケンブリッジ(英)
8.インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)
9.UCバークレー(米)
10.シカゴ(米)
がトップ10。米英独占。

日本はというと、
27.東大
54.京大
128.東工大
137.東北大
147.阪大
の5大学がトップ200位圏内。

ちなみに、ストラスクライド大は、ぎりぎりランクが付く351-400位(このカテゴリーでは細かい順位はついていない)。慶応と早稲田が同じ圏内。意外。。。

確かに、このランキングだけみると、日本の大学は苦戦している。どの大学もその半分くらいの順位で良いように思う。

もしもランキングを上げたいなら、まずはインパクトを上げる方法を考えるのが賢明かつ堅実だと思われる。

が、すぐに変化するものでもなさそう。というのは、Citationsやreputationがかなり重視されているので、一朝一夕で変わるものではない。

が、メチャクチャ論文を引用されている超有名研究者をヘッドハントする、というトリックはアリ。つまり、ノーベル賞受賞者をたくさん雇えば良い。大金をはたいて。

一方、International Outlookの重みは低いので、そこをターゲットにしても、順位はなかなか上がらない。なぜなら、総合点数への貢献度(重み)は非常に低いから。

例えばストラスクライド。International Outlookは63と、トップ10大学と肩を並べてる。。。

もちろん、日本の大学のInternational Outlookの低さは異常のようにも見えるけれど、国籍問わず、良い研究者・科学者を如何に養成・増やすか、というのがほとんどの評価項目にポジティブな効果をもたらし、ひいては大学ランキング上昇に貢献すると思われる。

トップ10の大学がそうしてるんだから、そんなことは自明のようにも思える。

2013年5月26日

Curiosity

少し前、TEDに教育関連イベントのトークがたくさんアップされて勉強になりました。

中にはBill Gates氏サーKen Robinsonのトークも。

いくつか見ていて、一つのキーワードだと思ったのはcuriosity。

少し前のエントリーの文脈で考えると、「情熱」の部分と相性が良さそう。

例えば、PhDを目指して大学院に入ってきた人たちを見ていると、PhDそのものに興味がある人、純粋に科学に興味がある人、の少なくとも2タイプいてる。

問題は前者。

もちろん、PhD後の進路は多様であるべきなので、そいういうタイプはいて良いのだけれども、自身をドライブしているものが科学の問題そのものではないので、モチベーションなり研究・学習姿勢が、後者のタイプと本質的に異なる。

TEDのいくつかの関連ビデオを見ながら、メンターとしてはそういう人たちに対して如何にcuriosityを引き出すかが重要なんだろうなぁ、と目からウロコ(もちろん、言うは易しで、具体的にどう?と言われると難しいけれども)。

もちろんレクチャーでもその辺を刺激するスタイルにできると、学生さんたちの学習効果が上がり、テストの結果から超重要ポイントすら理解してくれてなかったことを知りショックを受ける、なんて機会も減るのかもしれない。。。

ちなみに、Bill Gates氏のトークでは、自分のクラスをビデオ撮影すると自作自演peer-reviewになって良い、と。おそらくそうなんだろう。

昔、自分のトークの練習を一度ビデオで撮ったことあるけど、実際役立った。明石家さんま氏も自分の番組をビデオで撮って後で見る、と聞いたことがある。教師だろうが科学者だろうが芸人だろうが、適切なフィードバックが重要なもよう。

2013年3月23日

ティーチング月間


今年度のティーチングはすべて3月に集中していて、今週木曜日にすべての義務を果たしました。

レクチャーだけならともかく、卒論10部の評価やら、グラント申請書や論文のレビューやら、新年度の大学院生のインタビューやら、4月の学会用のポスター作りやらが重なり、先日の一時帰国以降えらく大変でした。。。

今年度のティーチングは
・生理学(レクチャー 4時間)
・生物学実習(8時間)
・細胞・分子生物学(レクチャー 5時間)
すべて学部生向け。

最初の二つは昨年度と同じ。3番目のクラスは、今年度から一部を受け持つことになったクラス。前任者が僕の専門外のトピックも教えていたけど、そんなことはやってられないので、スライドを作りなおし、神経科学寄りレクチャーに改造(その分、準備に時間がかかるハメに。。。)。

レクチャーは1コマ1時間だけれども、僕の場合、基本的には30~40分で終わるようにした(手抜き)。

昨年と比較して、英語での変化が2つ:
まず、レクチャーの練習時間がかなり減った・減らした。昨年は、しっかり練習してたけど、今年はレクチャー当日スライドをざっと流した程度。英語でのプレゼンなりレクチャーに大分慣れてきたかも。第二に、英語でトラブル頻度が減って、アドリブ的なこともちっとは言えるようになってきた(それでもたまにトラブるけれど。。。)。

難しい表現を言えるようになった、というより、知ってる簡単な表現をすぐに引き出せるようになってきた感じ。データベースへのアクセスが良くなったというか何というか。ひどい文法で話すことはたくさんあるけれど、意図は伝わる(はず)。

レクチャーそのものの課題は、如何に学生さんを飽きさせないか。
飽きる飽きないは生徒の勝手なので、割り切れれば良いのだろうけど、飽きられるとそれが露骨に伝わってくるので、非常にレクチャーをやりにくい。途中で自信をなくしていく感じ。。。

インタラクティブなレクチャーをやったり、適度にYouTubeのコンテンツを流したりすると効果的なのはわかった。ただ、そういう要素を如何にすべてのレクチャーに取り入れるかが課題。特にインタラクティブな要素・ソーシャルな要素は、まだオンライン・コースでは難しい要素だと思うので、生き残るためにはその辺がポイントになるんだろうなぁ、と痛感する。(そもそも僕がやってる講義の内容そのものは、wikipediaやらYouTubeやらウェブのコンテンツだけですべてフォローできるし、時々レクチャーする意味あんのか?と虚しさを感じることはあるのだけれども。。)

あと、アクティブ・ラーニングという言葉は知ってるけど、実際に今の形式のレクチャーに取り入れられるのか、できるならどうするのか全然わからん。。。

ティーチングそのものは楽しいのは楽しいけど、どこまで時間をかけるべきなのか、バランスが難しいところです。

2012年3月31日

ティーチング終了


今年度のティーチング関連活動が終わったのでまとめます。

チュートリアル

10月に3週間担当。相手は2年生。
試薬濃度計算といった生化学?関連問題に関するチュートリアル。そのサポート役。

3週分だけれども4クラスあり、1.5時間x4クラスx3週分の合計18時間。

準備は、毎週学生さんたちが解く問題を予め把握しておくこと。答えを見ながら。
なので、週1~2時間もかければ大丈夫、という内容だった。
ということで、計24時間くらい。

関連エントリーはこちらこちら

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レクチャー

3月上旬に担当。相手は2年生。
生理学の中の感覚系について。2週間で3コマ講義。

推薦教科書というのがあったけど、退屈な内容だったのでかなり変えた。
そのおかげで、1コマあたり10時間以上準備にかけるハメに。。。
内容はストライクゾーンなので、楽しめてやれた、と強がれなくもない。

レクチャーそのものは、笑って欲しいところでは笑ってくれたりと、生徒たちのリスポンスは想定してたより良かった。

ただ、英語の発音が。。。彼らにとって初めて聞く専門用語が、ジャパニーズアクセントだったわけだから、記憶に残る効率性はさらに低下したんではないか。。。

3コマの授業に加え、もう1コマあって、それはPRSセッションなるもの。学生一人ひとりワイヤレス機器を持ち、質問に答えていくという、インタラクティブなフィードバックセッション。

3人のスタッフとの共同講義。一人10問ずつくらい用意し、学生さんの理解度を知れるなかなかいい機会だった。

ということで、4時間分の講義。準備はx10以上という時間。

関連エントリーはこちら

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実習

先々週、先週担当。2年生相手。
基本的にはサポート役。

3時間一コマの実習授業で、広い実験室に100人近くの学生さんがいて、解剖の実習を4グループくらいに別れて行う。

1週目は、ラット解剖。
2週目は、循環器解剖。

ラット解剖、普段の研究より下部になるので、言葉が全然わからんかった。。。「ラット脳解剖」とかに返させてもらえるなら、引き継げなくもないか。。。

循環器解剖は、さすがスコットランドというべきか、羊の心臓および肺部分の臓器が、学生2人につき1つ割り当てられ、解剖をし各部位の名称をメモっていく、という内容。

とにかく、英語の解剖ほどしんどいものはない。。。名称はわからん、読みもわからん、という状態。。

一方、準備はサポート役だったということもあり不要で、実習開始45分前に実習室にいって、解剖手順をひと通り教えてもらうだけ。しかも、3時間割り当てられてても、2時間で終わっていた。

ということで、拘束時間は計6時間弱。

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卒業研究

11月ごろに配属決定、2月末卒論提出、3月プレゼンおよび卒論評価。

9月頃だったか、研究要旨を提出し、それに基づいて学生さんたちが所属ラボを選ぶ。

プロジェクトのカテゴリーは、ラボ、文献調査、データ解析の3つ。
ラボプロジェクトは、文字通りラボで実験をし、卒論をまとめる。
文献調査プロジェクトは、お題となるトピックに関する文献を読みたおしレビューを書く。
データ解析は、これまた文字通りデータを解析し、卒論をまとめる。

今月あったプレゼンと卒論評価について。
プレゼン評価は、自分が指導してない、けどプロジェクトの分野が関連している(つまり神経科学)学生の10分間のプレゼンを聴き、質問し点数をつける、というもの。2人のスタッフにつき、5人の学生を評価。

卒論評価は、直接指導した学生と、他のスタッフが指導した学生5人の卒論評価。直接指導した学生に関しては、卒論だけでなく、期間中のパフォーマンスも評価する。ということで、指導学生に関しては学生一人につき2つの評価ファイル。それ以外は学生一人につき1つの評価ファイルがあり、それに点数とコメントをつける。

各卒論の長さは、標準的なアーティクル論文一報分。

僕は、5プロジェクトくらい提案し、4プロジェクト4学生受け持つことに。うち、3プロジェクトが文献調査、1プロジェクトはラボ。

結論から言うと、優秀な学生さんとのインタラクションは非常に刺激的で良い。実際、一人の学生さんは非常に優秀で大学院進学を薦めた。

それにしても、点数付けは難しかった。。。

一連の卒研関連にかかった時間の算出は難しいけど、指導学生については、ミーティング2,3回(1回30~1時間くらい)。ラボプロジェクトの学生さんには、実験期間中はほぼ毎日何らかのインタラクションがあり、それが8週くらいだったか。あとは、卒論原稿を読んでフィードバックを与えたり、メールでのやり取りなど。評価そのものはできるだけ時間はかけないようにはしたけど、9報分の簡略レビューだから、それなりには時間はかかる。プレゼンは1.5時間。

一方で、提案プロジェクトはラボのプロジェクトに限りなく近い、もしくはそれそのものの一部だったりするから、研究活動ともそれなりに重複はある。また、今回に関しては新しい人材発掘につながるというリターンもあった。

関連エントリーはこちら

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ということで、初のティーチング終了。

こちらに来た当初、英語でティーチングなんてできん、とかなりビビッてたけど、終わってみればこの規模のティーチング活動なら、何とかなりそう。

来年度以降へのフィードバックはたくさんあるので、効率を上げて、より良いものにしていきたいところ(どうかこれ以上増えませんように。。。)

それにしても、2-3月は、初レクチャー準備やら卒論評価やらが一気に来て、公私共にえらく大変だった。。。

4月からは研究に専念。まずは、明日からパリのユーロディズニーしばいてきます。。

2012年3月4日

レクチャー準備


1ヶ月以上ブランクがありますが生きてます。

ここのところ週末は、土曜日は娘が通ってる補習校関連、日曜日は今週からスタートするレクチャーの用意やらで、ブログのアップがおろそかになってました。

そのレクチャー、たった3時間のレクチャーでも、普段のプレゼンと違い自分のデータを話すわけではないので、全コンテンツを教科書やらウェブやらから拾ってはストーリーを作っていく必要があって、予想以上に時間がかかった。

文字の羅列的なスライドは配布資料としては良いのだろうけど、嫌いなので、できるだけ見た目の良い図やらYouTubeのビデオなどを探してはスライド作成。

教えるテーマは「感覚系」で、自分の分野でもあるので、それなりに楽しめて準備できたし、実は、いろいろと勉強になったりもした(逆に言えば、教科書レベルのこともしっかりわかってなかったことに。。。)。

来年も同じ内容を受け持つらしいので、今回投資した時間が無駄にならないことを祈るばかり。

レクチャーは火曜日から。薬理系学生さん相手だから、若干アウェー気味での勝負になるけど、果たしてレスポンスやいかに。。。

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前回のエントリーでエラスムスの学生さんがラボに来る、ということを書いてますが、1月下旬からチェコの学生さんが。6月末まで。

この制度は予想以上にグッド(来てくれる学生さんに依存するんだろうけど)。

この制度は、いわば欧州内短期留学制度で、選ばれる学生さんは優秀だと聞いてはいたけど、教えたことは一回でマスターしてくれ、モチベーションも高いし、良い戦力として働いてくれている。一方、「UKの一見さんに対する壁」のおかげで、やれるオプションが限られるのがちと痛いところ。。。

もしスコットランドが独立したら、この辺の障壁を国際平均レベルくらいにしてくれるとするなら、独立のメリットはあるやもしれない、と思う今日この頃。ちなみに、その独立を問う国民投票、2014年秋ということで邁進中。。。お願いだからやめて。。。

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MRCの方は、2週間くらい前から正式に口座ができ、実験部屋もひとつもらえることになって、規模拡張中。

上半期中に2件ほどコラボで大型グラントをアプライできそうな雰囲気で、こういう機会はホントにありがたい。

もちろん、難しい問題も複数抱えてるけど、こうタスクが多いと、全部がダメ、という状況はないから、その点は精神衛生上良いかもしれない。

それにしても時間管理が難しい。。。

2011年10月22日

チュートリアル終了、卒研、MRC、電話、新歓パーティー


10月前後から冷えこんできて、日照時間が大分短くなってきた。

チュートリアル
3週連続チュートリアル担当終了。
最終週は意外と難しく、質問にわかりやすく答えるのにえらく苦労した。。。

けど、チュートリアルには準備がほとんどいらなかったから良かった。ただ、生徒とのインタラクションは楽しいのは楽しいけど、エゴな視点にたつと、知的な刺激度がなく、終わった後何となくむなしさを感じる。。。実際、生徒たちにとっても、学ぶ内容がリアル世界で役立たないだろうから、余計に。。。教育機関としての大学というのは、根本的にリデザインしないといけないのがよくわかる。

セメスター1の教育義務は、2週間後の試験監督のみ(もしかしたら採点もあるか?)。セメスター2は、実習のサポート2コマ、あと生理学のレクチャーが。。

卒研
と、セメスター1の教育義務が一段落、と思ったら、今度は学部4年生の卒研?の割り当てが数日前に発表され、実験1人、論文調査3人割り当てられた。。。

2ヶ月くらい前に、project descriptorなる1ページの計画書をアップせよ、と言われ、学部生の研究だからと結構好き勝手に考えて計画書をいくつかアップ。希望者は少ないだろう、と思ってたら、無謀な学生さんたちがいてた。。

割り当て発表直後から、さっそく学生さんから連絡が立て続けに入り、来週、会ってプロジェクトを話し合うことに。。卒研だから、過剰な期待はNGなんだろうけど、割り当てられたリソース内でプロジェクトをカスタマイズ可能だから、できるだけ両者に利益をもたらすような方向に持っていきたいところ。

MRC
さらに忙しくなるな、と思っていたところに6月にアプライしてたMRCグラントのレフリーコメントが戻ってきた。。。

今回は5人からボコボコにされる。。。

BBSRCの時のように、フィードバックにはいくつかの項目があり、しっかりしたフィードバックが書かれていて、最後に6段階評価があった。それだけ見ると、かなりキビシメ。。。

論争の残ってるテーマで申請したから、レフリーの一人は完全に逆の立場で、完全否定的なコメントをいただく。なかなかエキサイティング。

他の人たちは、提案そのもののダメだしはないけど、多くの人からpreliminary dataの少なさを指摘された。

11月4日までに3ページ以内のリスポンスレターを提出することになっているので、先日のBBSRCの失敗を参考にベストを尽くして討ち死にしたいところ。

それにしても、BBSRCといい、MRCといい、なかなか良い勉強になった。グラント申請というのは、アイデアではなく、それプラスアルファの部分こそがクリティカルというのがよくわかった。良いアイデアなんて、誰でも持ってるわけだから、当り前といえば当り前か。

ちなみに、6月中旬に申請した後の経過としては、まずレフリーに回す前のチェックがあって(たぶん)、レフリーの締切は8月下旬となってる。その後、そのレフリーコメントをもとにshort listが決まるのに2ヶ月ほど(つまり10月下旬)。11月4日までにレスポンスし、それらを元に、11月末の会議で意思決定されるらしい。

半年弱の長丁場。。。

電話
グラスゴーにきてから大きく変わったことの一つは電話する機会が圧倒的に増えたこと。(NJにいた時は皆無だった。。)

今週、3件ばかしテレカンファレンス的なことをやる。

うち2件は、今取り組んでるグラント申請関連で、アメリカにいる共同研究者とのskypeが一件目。2件目は、研究所内の共同研究者と一緒に、グラント申請先の主要人物とテレカンファレンスを行い、質問をしたりする。UKの人たちも、積極的にコンタクトを取ってるから、こういうフロア活動的なことは大事なのだろう。

今回は、共同研究者がいてたから良いけど、一人で、となると、やはり躊躇するな。。。

新歓パーティー
10月からたくさん新しい大学院生が入ってきたということで、同じフロアにいてる人(20人ほど)で新歓パーティーが開催される。speed dating的な企画が設けられていて、この1年間話たことがなかった人とも少し話をすることができ、なかなか楽しかった。


チュートリアル、電話、パーティーなどなどと、英語で話す時間が圧倒的に増えていて、最近、英語で話すことに対するコンプレックスが減ってきてる。というか、開き直りに近い度胸みたいなものがついてきた気はする。

日本を離れて6年半でようやく。。。
NJ時代、いかに英語上達を怠っていたかを痛感中。。