2011年12月11日

MRCまとめ


MRCグラント申請から結果判定まで。

申請まで
締め切りは6月15日だった。年3回締め切りが設定されている。(ただ、一回rejectを喰らうと一年休み。)

まず、申請書ガイドライン等をしっかり読んで、申請内容を具体的に練り始めた。締め切り2ヶ月前くらいだったか。けど、締め切り直前まで全く筆が進まず。。。さらに、締め切りを1週間後の24日頃だと誤認してたので(アホ)、直前1,2週間で急いで書くはめに。

内容はもちろん、native speakerによる英語チェックすらしてもらう時間を取れなかった。。。予算の事務チェック時、一定額以上のequipment申請には研究所からの許可か何かが必要と指摘され、そのequipmentは断念。。。ぎりぎり15日朝に申請完了。こんなこと絶対してはいけない。。。

ちなみに、提案書のコンテンツは、まずCase for Supportなる申請書のコア部分がreferencesもいれ8ページ。少なめ。予算申請額や、分野外のコミッティーメンバー向けのまとめなどを書く書類が12ページ前後(予算申請部分は、大学のシステムではじき出された数字を入力していくだけといえばそれだけだから、実質、英語文章で埋めるのはその4,5ページ分)。他には、申請額を正当化させる理由書的なもの2ページ、動物実験をする場合はその理由書を1ページ、あとは僕が申請したスキームでは研究所所長の推薦書、といった具合。

一から文章を書くとなるとそれなりに時間はかかる。

フィードバックとレスポンス
申請から4ヵ月後10月21日頃、5人のレフリーからフィードバックをもらう。
そのフィードバックは、
Declaration of Interests
Research Quality
Research Environment and People
Impact
Ethics
Resources Requested
Overall Assessment
という構成。

最後のoverall assessmentは6段階評価。6点が最高。それ以外の項目ではコメントが残されていて、どのレフリーからのフィードバックも2.5ページ前後のボリューム。海外(米国)研究者と思われるレフリーもいた。

ちなみに、僕がもらった5人のoverall assessmentは、5・4・4・3・1点。

良くない。
こりゃダメだな、と正直諦めた。。。

そのフィードバックに対し、3ページ以内で反論する機会が設けられていて、それにはしっかり対応。英語も同僚教授と研究所長にチェックしてもらった。

そのレスポンスレターでは、すべてのレフリーが指摘してきた共通問題に対し図付きで1ページで答えた。残りページを使って、各コメントすべてに答え、特に1点をつけて完全否定してきたレフリーには徹底的(けど感情的にはならず)に反論。

判決(コミッティーミーティング)
レフリーコメント・レスポンスレター・プロポーザルそのものに基づき、11月24・25日(申請から5ヵ月後)、コミッティーミーティングが開催されたもよう。そして、その翌週月曜朝、メールが届いた。

さらに、その翌週フォローアップのメールが届いた。そこでは、コミッティーミーティングでのフィードバック、最終評価(10段階)、そしてどれくらいサポートしてもらえるか大まかに書かれていた。

最終評価は10段階中9で、レスポンスレターが良かった(robust)、と書かれていた。

メールで問い合わせたところ、現在MRCのサーバーがトラブル中で事務処理が遅れているとのことで、年明けに正式契約し、プロジェクトをスタートできるもよう。

感想
レフリーのoverall assessmentそのものは、最終的な結果に直結するわけではなさそう。同僚教授も、無理だ、と思ってたみたいだけど、レスポンスレターでどうレスポンスするかもかなり重要なファクターなのだろう。点数に一喜一憂するより、レフリーのコメントをしっかり解釈するのが重要か。

レスポンスレターの答え方は、基本的には論文のレフリーに答えるのと同じ。論文では、エディターが気に入れば通ることがあると思うけど、それに近いのかもしれない。つまり、コミッティーミーティングの空気が良い方向へ向かえば、レフリーの評価(特にoverall assessment)を引っくり返す事は可能なもよう。コネなんてものは皆無だし、表面的なものではなく、しっかり提案書等の中身を吟味してくれた雰囲気。システムとして、論文の査読以上にしっかりしてる印象を受けた。。。

それから、気になる英語ライティングについて。
申請直後にケアレスミスを見つけたりしたけど、そんな細かいことはどうでも良さそう。日本人的にはありがたい。しゃれた表現なんかより、とにかくメッセージをロジカルに伝えることだけ集中し、極力簡単な英語表現を心がけるのが、とりあえず今の僕のレベルにはあっていそう。

仮説・研究の重要性を説いて、それにどのスキル(preliminary dataも含む)でどういう戦略で臨み、挫折しそうになったらどうするか、そして、何が・どれくらい・なぜ欲しいかしっかりアピールするのが基本でやはり重要なのだろう。

ただ、僕はtoo ambitiousなプランを書きがちなので、その辺をもう少しリーズナブルかつwowと言わせる提案書を如何に書くかが今後の大きな課題。これはpublication listとも相関するだろうから、時間はかかるな。。

それから、今回はPathways to Impactなる、社会との接点をコメントする部分に関しては特にフィードバックがなかった。MRCではそれほど問われないのか、もしかしたら、提案内容そのものにも依存するかもしれない。

気になるsuccess rateは、過去15%前後。来年、もう一つまともな額のグラントを当てたい。

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