2011年5月1日

Whitelee

先週末、Whitelee windfarmへ。
グラスゴー南部にある風力発電所で、欧州最大らしい(wikipedia)。

実は、自宅から車で10分少々の距離にある。イースターイベントが開催されてたので行ってみた。

そこには、100基以上の風車(ウィンド・タービン)があり、敷地の西側にビジターセンターがある。広大な敷地を利用していて、そのビジターセンターからすべての風車は見えないくらい。

ビジターセンターは大きくはないけど、きれいで入場無料でミニ展示もあった。エネルギー関連の展示、風力発電所開発中の映像、そして風力発電に関するディベートなどの展示があった。

確かに、風力発電所には立地が重要なファクターなのだろう。風がコンスタントに吹くだけでなく、それなりのスペースがいる。そのスペースはやはりもともと人が住んでないところだから、自然を破壊しないといけない。実際、この風力発電所の開発中には、一部の木々をなぎ倒してスペースを確保している。

一方、一旦できた後は、一応ではあるけど、レンジャーさんたちがビジターにその土地の自然環境を啓蒙するように配置されていた。自家用車はビジターセンターの駐車場までしか乗り入れられず、敷地内は徒歩・自転車・ガイドツアー用電気バスしか入れない。それなりに環境への配慮はされていた。

景観に関しては、ビジターセンターから見れる範囲では、環境破壊の程度は割りと少ないように思った。巨大なウィンド・タービンがたくさん並んでくるくる回っている景観は、人工的とはいえ、それほど悪いものではないかな、というのが僕の印象。

ビジターセンターは多くの観光客で賑わっていて、週末のサイクリングとして訪れているグループも目立った。

---
毎週のようにイベントが開催されているようで、その日はイースターイベントだった。

レンジャーさんが、キッズ用のイベントを開催してくれ(無料)、エッグレース、エッグハント、フェイスペイントなどを楽しめた。うちの娘たちには、エネルギーのことを考えるのはまだまだ早いけど、こうやって家族を対象にしたイベントを頻繁に開催してくれるのは良いのではないか。普通のブリティッシュアクセントも聞こえてきたから、もしかしたら、連休を利用して、イングランドからスコットランドまでの観光で訪れた人たちもいたのかもしれない。

---
震災後、エネルギーのことを少しは考えたけど、やはり原発という選択肢を外すのはあまり現実的ではないのだろう。今回のことをきっかけに他のオプションも積極的に考えないと、原発反対だけではいけない。風力発電はやはり有力な候補の一つになるんだろう。Whiteleeを訪れて思ったのは、立地がすごく重要なファクターなんだろうということ。

風がコンスタントに吹く場所として、丘なり山なり高台は候補の一つか。けど、山なんかに作ると、木がたくさん生えているだろうから、木々をなぎ倒すという自然への負担は大きい(木々の間にウィンドタービンを設置しても、風は吹かない)。

あと、場所あたりの発電量は少なそうだから、敷地面積を相当確保しないといけない。それだけ自然への負担になる。

Whiteleeの場合、もともと草原的な敷地が多い印象だった。高台・風が吹く・草原、そんな条件が良い感じで揃ってる雰囲気だった。

高台以外の候補としては、海岸周辺か。実際、海水中にタービンを沈めて波の力で電力を作るというオプションもあるらしい。けど、海だけに技術的なコストとか高い気がする。

とにかく、エネルギー問題、まずは使用量削減が最優先されるべき。だけど、地球にも人にも優しい手段もいろいろ考えないといけない。温暖化ガスが問題なんだったら、それをエネルギーに換えるような技術開発にはどんどん投資して欲しい。

3 コメント:

匿名 さんのコメント...

日本は、第2次オイルショック以来、世界でもトップレベルの省エネ国。代替エネルギーに関する技術もトップレベルにあると思われる。では、日本でその技術が何故普及しないのか。
そこには、利権構造があるのでしょうか?
はたまた、技術開発、設備投資にcostが掛かるのでしょうか?
化石燃料 0 %を掲げていたIceLandはどうなっているでしょうか?
私には良く分かりません。
省エネ、代替エネルギーが必要なのは皆分かっているでしょう。
アメリカ、中国の偉い人達も。何故彼らは、それらに取り組まないのでしょうか?

Shuzo さんのコメント...

コメントありがとうございます。難しい問題ですね。。。

結局、今回の震災で、原発に対するリスク・アセスメントの評価が変わってしまったことに尽きるのではないかと思います。逆に言えば、これから代替エネルギー開発、省エネ技術の開発は少しスピードアップするかもしれません。

ただ、いろいろ開発は進められていても、いまだにこれという決定打がないと私は認識しています。ですから、どの国も原発という選択肢をしばらく捨てるわけにはいかない。代替エネルギーには、まずその開発という点で、コストがかかるでしょうし、不確定な要素がまだまだ多そうです。

しかも、今の経済状況を考えると、多くの先進国では技術開発にどんどんお金を注ぎこめるほど余力は残っていません(その点、中国にはぜひ頑張ってほしいと思っています)。

各論的ですが、風力発電に関しては、クリーンといいつつ、結局、発電所を作る時の自然への負担はそれなりのものだと思います。それに風力発電所を作れる場所も限られているように思います。

太陽光発電は日本では良いと思いますが、例えば、グラスゴーのようによく雨が降ったり(苦笑)、冬の日照時間がひどく短いところには向いていないようにも思います。

したがって、国や地域によって、最適解も変わってくるように思います。

私はIceLandのことは存じ上げませんが、もしかしたら、IceLandでうまくいくことが、日本などにも応用できるかはこれまた不確定な要素が入ってくるかもしれません。

とにかく、人類に突きつけられてる非常に難しい問題ですね。

匿名 さんのコメント...

坂田”先生”
コメント有り難うございます。
日本は火山国。地熱発電も良いでしょう。(それ故、震災もまた多し)。海に囲まれているので、潮力発電も良いでしょう。太平洋側であれば、太陽光発電もかなり有効でしょう。
何にしても、やはり原発は危険過ぎます。人が住めなくなってしまう。
中国人の気質はどうでしょうか。アメリカに渡っている中国人の事は知りませんが、日本に来ている中国人は、教えて貰えるのが当たり前だと思っている。そこに、originalityはあるのでしょうか?
国際ルールを知らない中国には、当分お金だけ出して貰うのが良いでしょう。知的財産という概念が、彼らには無いように思えます。。
自分に置き換えれば、省エネを心がける事?
少しは、家計の助けになりますかね。
問題提起は常にしなければなりませんが、自分が何が出来るかというと、中々難しいですね。

私は、決して”暇人”ではありません(^^)
それでは、また。