2009年5月12日

レディー

今朝、アーターが来た。
彼は数ヶ月前からカナダでPIとして独立してる。

今回は、彼女に会うついでに、ラボミーティングで最新のデータをしゃべるのが目的だった。

朝、ラボには僕しかいなかったら、お互いの近況をしばらく話した。
ラボの立ち上げはどうかとか、お互いの研究の進捗はどうかとか、ライフはどうかとか。

けど、スタートはswine fluネタだった。。。

日本では感染疑いの人でも監禁される

と話したら(もちろん、もう少し正確に伝えましたが)えらくウケていた。。。

が、明日帰国する僕としては、他人事ではない。。。

ということで今日は、「停留対策」を練った。

監禁に備えて、機内持ち込みの荷物に何をいれるべきかとか。。。

とりあえず、たまってる論文などをしこたま持っていって、勉強したり、考えごとをしたりするのに、こういう望みもしない、文字通りカンヅメの時間は、むしろ良いのではないかと。。。

24時間、自分のためだけに時間を使えるのって、めったにないしな。

ニュートンは確か、伝染病から田舎に逃れている時に万有引力の法則などを確立したとか聞いたことあるし、脳から何か絞りだせるかもしれん。何も出ないかもしれないが。。。

これくらいポジティブに考えないと精神的にやってられないだろう。

今年は例年以上に勝負弱いから、停留されるリスクが高い気が非常にしている。
(停留だけはホントに勘弁して欲しいのだが)

とにかく、何が起きようが、どんな脅し、冷たい仕打ちを霞ヶ関幕府から受けようが、その覚悟はできました。

絶対に口は割りません。(それは違う)

ウィルスではなく、「日本」にぶつかる準備レディーです!

2009年5月11日

母の日

午前から街へ。

帰国のための買い物を少々して、母の日ということで、ランチには嫁さんのリクエストの「いろは」というレストランへ。

何度か呑みに行ったことのある萩の上で、店内はきれいな感じ。

寿司とてんぷら定食を頼む。

寿司はあらかじめワサビを入れるか確認をとってくれた。

味はまずまず。

量はもう少しあっても良い気はしたけど、値段は日本の観光地価格とほぼ同じだし、観光地といえば観光地だから仕方なしか。。。

定員さんの対応も良く、庶民でもたまに行ける価格設定の日本食レストランとしては良いんではないかと思った。

ちなみに、新聞によると、母の日は一年のうち一番みんなが外食に出かける日らしい。

確かに、嫁さんを休ませる、という意味では、
1.外食
2.旦那が料理
の意思決定を迫られたら、自分だけでなく、子供も1を選ぶ気がするな。。。

あと昨日、散髪に行ったついでに白の花束を買った。普段はとてもコッ恥ずかしくて、花なんて買えないけど、この時ばかりはみんな買うし、メチャ買いやすい。

昨日、今日と、花束を抱えている人をたくさん見かけた。

人種問わず。

母はやはり偉大です。

2009年5月10日

デラックス

kindleがファミリーになるそうで、、、

Kindle
Kindle DX

ニューヨークタイムズでの情報はこちら

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デラックスは、PDFファイルをそのまま読めるらしい。。。
大きい分、アカデミックな用途として非常に良いのではないでしょうか。
実際、アメリカのいくつかの大学で試験的に導入するらしい。

従来のサイズだと、教科書をkindleで読むのは想像しにくかったけど(実際、メチャメチャ読みにくい)、現実的になる気もする。

ただ、今のkindleで足りない部分はたくさんあるので、アマゾンに付入る隙はたぶんたくさんある。

kindle2を数ヶ月使っての不満を4つ。
1.カラー
2.サイズ
3.コンテンツの値段
4.コンテンツ管理

まず1について:
今のバージョン、スクリーンはめちゃくちゃ見やすい。なので、カラー版が出て、今のバッテリー時間を維持できるなら、付加価値を与えそう。(切り替えられたりした方が良いかも。)

2について:
今回のDXがこの問題を克服することになるから、DXはその点でかなり魅力的。
新聞や雑誌、教科書類を随分読みやすくなりそう。やはり一画面で文章と図表を見れたほうが絶対に良い。

ちなみに、DXでは、ハードを回転すると自動的に画面が切り替わるらしい。大きいからこそ便利なのか、何となく無駄な機能な気もする。それより値段を安くして欲しい。

3について:
大抵の本は9.99ドルなので高くはない。
確かに定価と比べると得した気分になるけど、アマゾンでは多くの本をすでに割引していたりして、kindle版との差は数ドルしかないことがある。ということで、ハードウェア分のもとを取りたいと思った場合、相当数の本を買う必要がある。

こういう普及を狙ってる場合、ホントに閾値を超えるような値段設定があった方が良いのではないか、という気がする。実際、紙の本と比べて劣っている点がいくつかあるのが現状なんだし。。。

4について:
DXは数千冊分の本を溜め込めるとか。。。1000冊なんて、個人で持つ本としては天文学的数字になるので、何冊持てるとかを売り込むのはナンセンス。

それよりは、ためた本なりファイル、あと、自分で残したメモ、ページ、文章の情報を効率的に管理できるソフトが絶対に必要になる。

DXでどれくらい改善されるのか詳しく知らないけど、kindleでは、その辺が全然なってなくて、ソフトという点では原始時代。

あと、ページ切り替えももっと速くして欲しい。

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その他雑感

買う数ヶ月前までは電子ブックには正直かなり否定的だったけど、実際持ってみるとそのポテンシャルは非常に感じるので、アマゾンがこれだけ気合を入れているのはわかる。

ソニー以外の日系企業がうまい戦略で参入すると良いのにと思う。ハード・ソフト(コンテンツというよりOS的な部分)でかなり良いものを作ってくれそうだし。

けど、アマゾンは英語圏を相手にして市場を開拓してる分、ハードなどが少々ショボくても有利かもしれない。

あと、もともとアマゾンはオンライン書店でスタートしたわけだから、そのブランド力もかなり効いているのかもしれない。ソニーをもってしても厳しそうだし。。。

それから、こうやって新機種をすぐに発表されると、すでに持ってる人は裏切られた気になるので、そういうユーザーをキープできるように、安く買い替えできるとか、そういうサービスがあると非常に良いのではないか、という気がする。でないと、様子見の人はますます様子見ということになるだろう。

最後に、ベータとVHS、ブルーレイとHD―DVDのようなユーザーを無視した企業の醜い争いは絶対に避けて欲しい。


2009年5月5日

実験

昨日から久々に実験。

よく考えたら昨年夏頃に一線を退いて以来な気がする。

その間、何やってたんだか。。。
時間を浪費してただけのようにも思えるな。。。

で、実験をしたといっても、新プロジェクトをスタート、とかエキサイティングなものではなく、ラボを離れざるを得なくなった大学院生アロンに、実験のテクを教える、という目的。

聞こえはとても良いのだけれども、ブランクの影響がモロに出て、うまくいかんこと、いかんこと。。。

細かい部分を忘れてたりしたから、自分で思い出しながら教えるというかなりテキトーなデモンストレーションになった。

1日のデモでかっこ良く終わるはずが、今日ももう一つで、結局、明日再トライすることになり3日目に突入。。。他にやるべきことたくさんあんのに。。。

こうしてまた時間を浪費中。

That’s life.

2009年5月4日

フル情報源

日本語のニュース(yahooで見てるだけですが)はホントにひどいので、swine fluの良い情報ソースを二つ。

日本の政府やマスコミに惑わされて、不必要にイベントや旅行などをキャンセルするのは、あまり冷静とは思えない。。。

ニューヨークタイムズの特集ページ

現在状況から最新記事へのリンクなど、良い感じでまとめられてる。冷静な対応、パニック気味な行動、それぞれをバランスよく伝えていると思う。

例えば、今朝の新聞記事のこちらは、SARSのアウトブレークと比較していたりと興味深い。特にマスクをつけることに対する否定的な意見が面白かった。

あと、一回収束しても、2回目のウェーブがあるらしいので、現在のアウトブレークが収まった後にもケアしておく必要がありそう。

それから、こういうアウトブレークが起こると必ずスケープゴート的な行動が起こるらしい。ウィルスが悪いのであって、例えば今回は、メキシコ人が悪いわけではない。

あと、豚ちゃんも悪くない。食べてあげましょう。ブー、ブー。

ScienceInsiderのswine fluのカテゴリー

新聞などよりも速く最新情報が更新されるので、RSSリーダーに登録しておくと非常に便利です。


とにかく、今回はできるだけ英語の情報でバイアスの少ないより正確な情報をいち早く手に入れて、正しい対応を取るのが絶対的に良いというのを痛感中。

日本のマスコミがここまでそのひどさを露呈したとすると、ホントに危険なウィルスが発生した時、狼少年的なことにならないか、逆に心配したくなる。というか、次のアウトブレークに対する良い教訓になった気がする。

日本語より英語!

なので、その英語の良いソースをできるだけ早く日本語に翻訳して公開してくれるような、そういうサイトなりサービスが絶対必要な気がする。

ちなみに今回はホントにマイルドな症状というのがコンセンサスのようにも思えるから、もしもアメリカなどに来て感染してしまったら、これ以上感染者を増やさないことだけ(特に子供)をケアすれば良い。
(今回は、感染しても呼吸器系に症状が出る程度の非常にマイルドなケースが多いらしい。なので、アメリカでの感染者数というのは、想像以上に氷山の一角でしかない、とも言えるか。。。てことは大感染国やな。。。)

とにかく、手洗いをこまめにして、感染してしまったら感染者は増やさない、といったごくごく常識的な対応で十分というのが、現時点でのH1N1なのだろう。。。

2009年5月3日

ハッピーフィート

Happy Feet、DVDを借りて観る。

南極にいる皇帝ペンギンのストーリー。
普通は歌で求愛をするのだけれども、新しく生まれた子供マンブルは歌は歌えない。けど、ダンスに特別な才能があって、その子が皇帝ペンギンの社会をどうハッピーにするか?
そういう映画。

2006年のアニメ映画で、アカデミー賞も受賞している。

確かにCGはすばらしい出来で、前半の映像はPlanet Earthを彷彿とさせながら、他と違うペンギンがどうポジティブに生きていくか描いていて、悪くないスタート。

が、結局のメッセージは何とも単純で、終盤の展開はかなり。。。

と、後味はもう一つな映画で、子供にはダンスといったそういう部分は伝わっても、映画が狙ってたホントのメッセージはこれで伝わるのか、非常に疑問。

メッセージそのものは良いのだけれども、声優にはスーパースターを使っていたり、プリンスが曲を提供していたりと、派手なお金の使い方をするなら、もう少しましな使い方があった気がする。

というか、ありのままの事実をそのまま伝えるのが良いのではないか。

と、ちといただけない映画でした。(辛口ですが、、、)

プラネットアース Episode1 生きている地球 [DVD]

ハッピー フィート 特別版(2枚組) [DVD]


2009年5月2日

H1N1

日本の報道とアメリカの報道、両方を見てるけど、日本のマスコミはすばらしすぎる。。。。

おそらく、あおるだけあおって、政府を操作し、国民を惑わせ、結局、政府は過剰に反応しすぎ!とかいって、後で政府をバッシングするネタにしたいという意図もあるんではないかという気さえする。。。
(最近、麻生の支持率上がって面白くないし。。。)

だとすると、なかなか奥の深い国だなと改めて思う。

ちょうど日本はGWだから、せっかくの海外旅行をキャンセルした人がいたとしたら、かわいそう。

少なくとも元気な大人だけだったら、アメリカに来るのは、それほど危険にはとても思えない。(実際、感染国に住んでてそう思ってるし。。。)

今回のH1N1の流行から学ぶべきことは(まだ収束してないけど)、季節性インフルエンザなどの恐ろしさを改めて認識しなければなぁ、というのが個人的な意見です。

けど、だからといって、毎年冬とかになると、国境越えや普段の生活に対する制限が厳しくなるのもどうかとは思うので、その辺は冷静に・柔軟に対応する制度をしっかり作って欲しい。何でもかんでも鳥インフルエンザといった猛毒性の「新型ウィルス」と同じ基準で行動するのは、単なるパニックにしか見えない。

不確かな部分が多い、それだけの理由でパニックになるのは、逆に悪い結果を引き起こしかねない。

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それにしても、ウェブの情報ってすごい(良い意味で)。

特にwikipedia(英語版)は、下手な新聞記事、ニュース(特に日本語)から情報を得るより、しっかり根拠(参照情報)に基づいた情報を得られるので、個人レベルでどう行動したら良いか冷静な判断のための良い情報源になる。

あと、
H1N1のHNって何?
とか
swine fluインフルエンザA型の名前も出てくるけど、何が違う?
とか、素朴な疑問を知るのにも役立つ。
(たぶんすぐ忘れるだろうから、一々リンクをはってみた)


一方、「下手な」情報だと、例えば、
感染の疑いの人が季節性インフルエンザでした、めでたし、めでたし
といったニュアンス。。。。

季節性インフルエンザは、毎年多くの人を殺してるのに。。。

アホか。。。

あと行政機関を謳っている信頼性が高そうなページも少しみたけど、今回のH1N1そのものの最新情報というよりは、猛毒性新型インフルエンザが発生してもうた!かのような誤解を持つに十分なページ構成になっていてエキサイティングである。

リスクに備えよ、というより、まるで意図的にパニックを煽っているようにすら思える。(確かに煽られた。。。)

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それはともかく、いくらインターネットが普及して、信頼性のある情報を自分で手に入れられても、例えば、
新型インフルエンザの検査キットをダウンロード!
みたいな日が来ないと、こういう「備え」と「パニック」の両方のバランスが難しい事態がこれからも起き続けるのだろうなぁ、とも思う。

妊娠検査キットみたいにインフルエンザ検査キットとか検査ビジネスとか作れんのやろか?

新型ウィルスの塩基配列情報とかはすぐウェブで公開されたりするわけだし、ツバとか鼻水を採取して、自宅でDNA(RNA?)をチェックできないまでも、それを厳封して企業に受け取りに来てもらって、その結果を例えば24時間以内にemailで知らせるとか。で、もし感染してたら、しっかり情報提供やアドバイスなどをして、不安をできるだけ抑えるとか。

セットアップは大変そうだけど、良いビジネスができる気がする。毎年インフルエンザの季節はあるわけだし、稼ぎ時は新型ウィルスが出なくてもある。

まぁ、一緒に自分のDNA情報まで送ることになりそうだから、プライバシーとかの問題はあるか。。。

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ところで、僕がいるラトガーズ大の対応は、
もしインフルエンザ様症状が出たら、最低7日間か症状が治まるまで自宅待機して、大学のHealth Servicesからアドバイスを受けながら仕事復帰してね、給料はもらって良いから
と、冷静でリーズナブルな対応。

健康な人たちの通常の活動まで自粛せよとか、感染もしていない人まで感染者扱いして、毎日体温チェックしろ、書類提出しろ、最近メキシコに行ったなら速やかに連絡しろ、とかそういう全体の生産性まで落とすようなパニック的な対応は決してしない。

むしろ、元気な大人なら、ウィルスのパワーがmildなうちに積極的に感染して、将来のホントに危険なリスクに備える方が長期的には良いのではないか、というかなり乱暴なことさえ脳裏をよぎったりもする。。。(語弊はあるが)

と、悲観的(超まじめ)、楽観的(テキトー)な国民性がこうもはっきり違いとして出るのはなかなか興味深い。

それにしても、ウィルスって、大不況やテロリストなんかよりも、いろんな意味で、もっとすごいリスクを持った存在なんだなぁ、と今更ながら感じた。

恐るべし。。。