2014年1月12日

neuroeducation

今週Wellcome TrustEEF(Education Endowment Foundation)とのコラボで、神経科学のエビデンスに基づく教育を創出していくための助成金制度をアナウンスした(こちらも)。

これとシンクロするようにGuardianでも関連記事が掲載されたりと、社会としてのアウェアネスを上げようとしている。

こちらのWellcome Trustのブログでは、一流のサイエンス・ライターが現状を簡潔にまとめている(シリーズものになる雰囲気)。

アカデミックには、いくつか総説なりが出てはいるが(例えばこちらこちら)、分野としてはそこまで盛り上がっていない印象を持っている。

胡散臭さが漂う研究なり、関連ウェブサイトがあるから、なんとなく「ダークサイド」的な雰囲気さえあるのが現状。。。

ただ、個人的には、一神経科学者として、自分が関わっている学問がどう教育に役立つのかという問題には非常に興味がある。神経科学はこの数十年で爆発的に進んできて広がってきた一方で、世間での過去の常識なり俗説はほとんどアップデートされず、mythsとして定着しまっていることがよくある。右脳・左脳や男女脳はその典型として頻繁に挙げられる。その現状を踏まえて、しっかりしたエビデンスに基いて正しい教育の方向を探るのは非常に重要なことだと考える。

なので、今回のWellcome Trustの動きが一つの転換点になって、新しい(正しい)方向が生まれてくることに期待したい。

2014年1月5日

誘致

新年明けましておめでとうございます。

ツイッター経由で知った新聞記事が興味をひいたのでコメント。

文科省は世界レベルの研究者をラボごと誘致する試みをスタートするらしい。京都工繊大と北大で。

この記事以上の詳しい情報はフォローしていないけれど、おそらく世界大学ランキングを上げる実験の一貫だと思われる。個人的には、こういう戦略が一番手っ取り早い方法だと思っているので、動向に注目したい。

もちろん、世界レベルの研究者がホントに日本に来てくるのか(どんな美味しいオファーをしたらそれが実現するのか)、仮に来てくれたとしてそれが日本のアカデミアにどれくらいインパクトをもたらすのか、そもそも大学ランキグを上げることに税金をつぎ込むことがどれほど日本の成長に寄与するのか、などなど、よくわからないところではある。

が、外国人の割合を増やして国際力を高める、といった効果を見込めない戦略よりはマシな戦略。