2012年6月24日

グラント申請、夏学生


ここ2週間ほどで、グラント申請を4件ほど。


4つ中2つはPIとして。
1つはco-investigator (Co-PI)。
もう一つは8人くらいの大型プロジェクトの文字通り末席。

PIとして申請した二つ中一つは、学内の少額グラント。
今週か7月早々には結果が判明するもよう。アプリケーションも短く、締切2日前に初稿の形ができ、コラボ相手に見てもらい申請。

もう一つは、昨年送ったグラントのresubmission(つまりは、前回はrejectされた)。こちらも直前にバタバタと仕上げる結果に。。。大丈夫か?

co-investigatorのものは、結構重要かつインパクトがありそうな大型プロジェクト。一員に入れさせてもらえるだけでもありたがい。

最後の大型プロジェクトは、英国再生医療プラットフォームなるスキームで、なぜか僕もプロジェクトに入ることに。。。(再生医療のさの字も知らんのだけれども。。。) 具体的に僕が何に貢献するかも実は不明。。。

とりあえずは、短いアプリケーションによる1次選抜があるようで、その締切が今週だった。先週末の段階では、アプリケーションは全然形になってなかったけど、締切1日前と締切日にそれなりの形になってた。。。

僕がしたことは、アプリケーション用に4行ぐらいの文章とCVを提供した程度。。。

fingers crossed。

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6月からsummer studentが各ラボにくる季節で、うちには2人の学生さんが来た。

一人は学内からで、少額研究費と学生さん用給料までついてる。

もう一人はグラスゴー大の学生さんがボランティアで働きたい、と言ってきたので少し働いてもらうことに。

最初の一週間くらいは一通りの仕事を教えるのに時間を費やす必要があるけど、期間全体を通して考えると生産性が上がるのでありがたい。

summer studentは学部3年生だけど、モチベーションも高いので、教える側としても非常にやりやすい。

「この論文、関係あるから読んどいて」、と渡したら、数日でしっかり読んでくれてた。

僕が学部3年の時、論文なんて全く読めなかった、というか読んだことすらなかった。。。論文を読む授業避けてたし。。。

それはともかく、この時期から研究経験を積めば、そうでない人と比べて、それなりの差はつくはず。その差は、例えばPhDのアプリケーションの時ですら、CVという形であらわれる。さらにホントに優秀な人材だったら、その差はスノーボール現象化するのだろう。

2012年6月17日

ギリシャ・送別会


Euro2012では決勝リーグに進んだことだし、その勢いで、今日の選挙もイイ方向へ(何が良いかはともかく)と願いところ。が、BBCのわかりやすいページによると、世論調査では相変わらず硬直状態とのこと。。。

連立政権樹立に失敗すれば、また第3ラウンドへ突入のリスクもあるとか。。。

選挙戦より、政治家で落とし所を協議し続けたほうが良いのではないか。。。

ギリシャの人たちの生活はすでにすごい状態みたいで、どちらの選択も短期的には希望を持てるものではないだろうから、投票はホントに難しいはず。政治家は良い側面だけ強調するだろうし、十分な情報を持って意思決定できてるとは思えない。

少なくともギリシャに関しては、随分前にtipping pointを超えてるだろうから、現実的にはもう一からやり直すしかないんではないか、という気もする。。。

ギリシャの外の人たちは、ギリシャがユーロに留まるのが一番良いんだろうけど、ギリシャ国民にとって中長期的にもホントにそうなのか、僕にはよくわからない。他の国も道連れ、的に投票する人もいるはず。

もしもギリシャがユーロを離脱する場合のシナリオとしては、今回の再選挙が決まった直後のブルームバーグの記事がある:こちらこちら

最近、中国も減速傾向が明らかになってきてるみたいだから、年末までにかけてすごいことになって、想像してたより悪い年がしばらく続くことに備えておいたほうが良いんだろう。。。

楽観的に考えられる要因・根拠がどこかにあるのだろうか。。。

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そんなグローバルな話はともかく、金曜夜、半年間働いてくれたエラスムス学生さんの送別会。
大学の近くのイタリアンカフェへ。

彼女には、実験手法の一つの確立に貢献してもらいました。教えたことは基本的に一回でマスターしてくれ、たくさんデータを出してもらって非常に助かりました。

同時期に、エラスムスの学生さんたちが欧州各国から集まり、別のラボに所属しつつも寝食共にし、たくさん友達ができたらしく、非常に良い経験ができたとのこと。うらやましい。。。

こちらとしては、初めての学部学生さんということで、どれくらいのレベルで教えれば良いかちょっと難しく、もう少しうまくやれば、彼女のポテンシャルをもっと活かせた気もする。。。このあたりは課題が大いに残る。

ディナーの最後に、この本をプレゼント。包装は彼女がジャーナルクラブとして紹介してくれた論文のコピーを。

チェコに戻っても頑張って欲しいです。

2012年6月10日

Jubilee、トーチなど


ここ数週間のUK内や比較的ローカルなトピックをまとめて。

Diamond Jubilee

スコットランドでもユニオンジャックを結構見れるイベントだった。コンサートは、前日のPageantとメリハリがついててなかなか素敵だった。コンサートだけならともかく、こういうコントラストは、アメリカでは体験できなかった演出ではないか。


トーチリレー

金・土とグラスゴーにトーチが来た。
ちょうど長女のダンスショーと重なって、イベントには何もいけなかったけど、ジョージスクエアはイベント会場として盛り上がってたもよう。


日本イベント
今日はグラスゴー大の近くで、日本イベントが開催され家族で行ってみた。

屋内イベントで、寿司などのお店、折り紙・習字等のイベントコーナー、さらには合気道・盆踊り体験まで、盛り沢山だった。

地元のスコティッシュの人たちも結構来ていて、エンジョイしてる雰囲気だった。日本の文化は強い。

こういうイベントは、娘たちにも「日本」を少しでも体験させられる良い機会だからホントありがたい。


David Livingstone Centre
Jubileeの先週日曜、近くのDavid Livingstone Centreへ行った。

National Trustの一施設で、スコットランド・UKを代表する探検家・アフリカ開拓者のDavid Livingstoneの観光施設。うちから車で15分くらいのところ。

この人のことは全然知らなかったので、良い歴史の勉強になりました。

National Trustの施設には大抵子供が楽しめる「仕掛け」があって非常に良い。親だけでなく子供も全展示を見るように工夫がされている。

このDavid Livingstone Centreでも「ライオン探し」が仕込まれてた。

ちなみに、今年からNational Trustの会員になったので、週末の選択肢が広がった。そんなに高いものではないので、これはお薦め。


海水浴とBBQ
少しさかのぼって5月末。

1週間くらい連日夏日を記録し(グラスゴーではありえない。。)、Troonの海水浴場へ行ってみた。

ここは超遠浅。干潮だったから、浜辺から海まで100m以上あったんではないか。
海水はさすがに冷たかったけど、子供、特に長女は、持参した砂遊びグッズでエンジョイしてたもよう。

早めに帰り、この日の夕食は、念願の、自宅でのBBQ。アイスまで外で食べれて、至福の時を過ごす。。。

が、これは一年に一度きり、と言わんばかりに、その「夏」の後、またグラスゴーの夏になった。。。

上着必須。早朝、吐く息が白い日すらあり。。。

2012年6月9日

Probationary period終了


今のポジションに就いた時、当初3年間というprobationary periodという見習い期間的な条件がついたけど、今年度をもってパスすることに。

probationary period、当初アメリカのテニュアトラックのUK版、と思っていたけれど、全くそんなものではなく、ホントに「見習い期間」と呼ぶのが相応しいものだった。

テニュアトラック制度のないUKでは、このprobationary periodがついてることが多いらしい。

審査プロセスは、
1.毎年恒例パフォーマンスレビューのペーパーワーク
2.所長によるインフォーマルインタビュー
3.申請書作成
4.学部レベルの審査委員によるインフォーマルインタビュー
5.審査会
6.結論
という流れだった。

ペーパーワークが2つあったけど、分厚いものを用意するのではなく、ウェブベースのフォームと3ページ程度のフォームだけ。前者は数時間、後者は数分で済む程度のものだった。

インフォーマルなインタビューは、文字通りインフォーマルで、所長とのそれは、簡単な確認と短・中期的なアドバイスをもらったり、同じ神経科学者だから研究の話も少し、というものだった。

学部の審査委員とのインタビューでは、一人の方のオフィスを訪れ、提出書類に関していくつか、これまた確認程度の、質問を受けてそれに答えるくらいだった。

そして、審査会の結論を、今週手紙として受け取った。

その文面では、4つの外部資金を獲得したことが評価されていた。フェアに言って、額としては全く大したことないのだけれども。。。

それから、ポジションとして研究重視というのがあったからか、教育面で一部プロセスは未経験だけど、問題なかったもよう。

ちなみに、
terms and conditionsはそのまま
とその手紙には明示されていた。。。

騙されてる気もするのは、気のせいか。

少なくとも、これによって特別給料が上がるわけではないし、visaが取れなくなったら意味がないから、実質的変化は基本的にゼロ。

むしろ、これを口実に、もっと大学に貢献するよう、教育やら雑用の量を増やされるリスクがある。。。

おそらく、probationary periodとは、働かない人を雇ってしまった人を解雇するための、雇用者側の都合の良い制度なのだろう。

一方で、この制度そのものからのプレッシャーは、例えばアメリカのテニュアトラック制度と比べると、限りなくゼロに近いだろうから、その点は僕にとっては非常に良いと思った。

が、みんな口を揃えて外部資金獲得はますます難しくなっていると言う。なので、その意味でのプレッシャーは今後増すのだろう。その点では、ポジションそのものはパーマネントといっても、研究費は時限的なわけで、お金が尽きたらそれで実質終わり。

その意味でも、何も変わらないし、むしろこれまで以上に頑張らないといけない。。。

そんなprobationary periodだった。

過去の関連エントリー
probation meeting
Work Loads Meeting