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2016年2月21日

EU referendum キックオフ

EUとUKの交渉が成立し、David CameronさんがEU referendumは6月23日と正式にアナウンス

閣僚レベルですら立場が分かれていて、文字通り国を二分した議論で盛り上がるもよう。

こちらにポイントがまとまってます。

個人的にはEUに留まって欲しい。

ビジネスサイドはよくわからないけど、少なくとも大学は、EUからの人たちをはじめ移民にかなり支えられている。スタッフはもちろん、ポスドク、大学院生、多くのレベルで移民に支えられている。ビザの煩わしさなしで優秀な人材がEUから集まっている。

Brexitの場合、中長期的に大学の質が悪くなることはあっても、良くなる状況を想像できない。中国のように、海外で活躍している国民を呼び戻すような戦略をとれない限り。そもそも海外の大学へ行くような人たちは少なそうだから無理。

自分の研究室のレベルでは、メンバーの多くはEU国民で、もし将来、そういう人たちが来にくくなると、ラボ運営が非常に難しくなる。

研究費に関して。EUのグラントはまだもらったことがないけど、スイスやイスラエルなどの例を考えれば、Brexitの場合でも、アクセスできないことはないはず。が、UKは一番お金を獲得しているので、他のEUの国は黙っていないだろう。キャップがつくなどのリスクはあるのか?

研究関連の物流については、むしろUSから物を買ったりしてることが多いので、個人的にはあまり影響はないような印象。

プライベートに関しては、もともと英国民ではないし、何も変わらない。

と、スコットランド独立の時より、2択の差は微妙な気がしている。なので、いくらDavid Cameronさん自らEUに留まるキャンペーンをはっても、これから4ヶ月、状況次第では、Brexitのリスクも多々あるように思う。

ちなみに、スコットランドでは5月5日が議会の総選挙なので、スコットランド内、いろんなキャンペーンの情報が錯綜して盛り上がりそうです。

2015年5月9日

総選挙2015

事前のすべての世論調査で、労働党と保守党の支持は共に35%くらいだった。そして、選挙後の連立政権の交渉が注目トピックで、いわゆるhung parliamentの状態が続く、と保守党の人たちすら思ってたはず。

が、蓋を開けてみれば、保守党が331議席と過半数確保で安定政権に。。。これでEU離脱の国民投票実施、さらなる緊縮財政は確実に。

一方、ほぼ世論調査通りだったのはSNPの強さ。この確実な予想が予想外の結果に影響したのかもしれない。

選挙1~2週間前から、保守党は、労働党バッシング戦略として、労働党が政権をとるとSNPと連立を組み、UKを分断させてしまう、とキャンペーンをはった。Ed Milibandは、SNPとは組まん、と火消しに。。。もしかすると、これが保守党成功の鍵だったのかもしれない。

とすれば、今回の選挙結果、保守党を支持、というより、イングランドの人たちがスコットランドの躍進にはっきりNOと言いたかった、と解釈できるのかも。

それにしても、どの政党が議席を確保したかを示すUK地図を見ると、UKが完全に分断されているのがはっきりわかる。。。

スコットランドは黄色一色。。。(北アイルランドはユニークな混合色)

次の注目はやはり来年のスコットランド議会選挙。

SNPが圧勝しようものなら、再び国民投票を、ということになるだろうから、UKの終焉がかなり現実味を帯びると思われる。。。

EUからの離脱はないと信じたいけど、スコットランド独立は予想より早く実現するのかもしれない。。

SNP議員をWestminsterには送るけど、独立は別モノ、とスコットランドの人たちがどれくらい思ってくれているかは不明。。。

とにかく、英国の長い議会制度の中でも、確実に歴史に刻まれることが起こっていると思われる。

2015年4月11日

総選挙など

前回から丸3ヶ月のブランクですが、生きてます。

今、イースターホリデーシーズン中で、今週は天気も素晴らしく、すっかり春(といってもまだひんやり)です。

UKでは連日、5月の総選挙のことがニュースの中心ネタで、テレビ討論もあったりと盛り上がってます。SNP昨年の国民投票後、大躍進中で、スコットランド内の労働党の議席をことごとく奪い、議席数でいうと第三の党になりそうな勢い。(UK全体の人気ではUKIPが3番らしいけど)

個人的注目は、労働党と保守党どっちが第一党でどんな連立政権になるのか、そして、2016年のスコットランド議会選挙で次の国民投票実施への議論がどれくらい盛り上がっていくか、ということ。

先週の7党首テレビ討論で、Nicola Sturgeon は、国民投票はonce in a generationやし、と明言してたのに、今週、2016年の選挙で勝ったらまたプッシュするし、と口ばっかりです。。。

SNPは相変わらず数字に弱かったりと、しっかり政策の実現性や結果を吟味する必要がありそう。。。

でも、今回に関しては、もっとSNPにパワーを持たせて、どうなるか見てみるのは悪くないと個人的には思ってます。Liberal Democraticみたいに、選挙後サポート急落、ということもありうる。もしもしっかり仕事ができるなら、独立OK、ということにもなる。けど、経済をどう回すか、という根本的な問題はどう頑張っても限界があるように思える。。。

とにかく、選挙キャンペーンの動向を見ていると、今のUK内の問題がたくさん議論されてて非常に良い勉強になってます。

財政や経済の問題はもちろん、NHS、移民とEU、世代間格差、Tridentなど。

日本で例えたら、財政から外交や沖縄基地問題までたくさんの問題を争点にして、次を決める、という感じ?

仕事関係に話を移すと、論文が1つ出て、1つaccept、1つはin revision、1つはreject後再投稿、という状況。グラントは昨年のBBSRC以降、残ってた二つは撃沈。Co-Investigatorのプロポーザルもあっさりreject。

ということで、次のプロポーザル書き中と、相変わらずの自転車操業状態です。。新しいネタをしっかり考える、という点ではプロポーザル書きは刺激的で良いけれど、もう少しじっくりプロジェクトに取り組ませて、というのが正直なところです。。。RCUKでいうと、2~2.5プロジェクト分維持できるともう少し楽なのに、、、という感じ。

他には、今のポストに就いてぼちぼち5年目ということで、senior lecturerに昇進することになりました。「年寄り講師」?お金獲得というインプットはOK、論文というアウトプットは全然ダメダメですが、昇進できました。が、給料という点では、lecturerのままだったとしても額はおそらく変わらないと思われ、しかも「senior lecturerだから、もっとティーチングしろ、アドミン系の仕事をしろ」と要求されるリスクが高く、正直喜べません。。。

明日からエディンバラで神経科学学会。明日初日に、全5つのポスター発表となってます。

2014年12月7日

選挙

今日、衆議院議員選挙の在外投票へ。
自民党は「国民をバカにしてる」みたいなことが言われてても、その怒りの受け口として準備ができてない野党はもっと国民をバカにしてる、と思いながら投票。。。日本の政治のロジック、凄すぎます。。。

一方、UKの政治も来年5月の総選挙に向け盛り上がってきてます。
スコットランドに関しては、referendum直後、Alex SalmondはSNPの党首をやめたと思ったら、次の総選挙で出馬するらしい。引退したGordon Brownのシートを奪うべく。おそらくSNP支持者に限らず、多くのスコットランドの人達から彼は支持を集めるだろうから、非常に面白いことになると思われる。彼からはまだ目が離せません。

2週間ほど前にあったもう一つ大きな動きとしては、referendum直前に約束してくれたスコットランドへのパワーの内容がSmith Reportとして明らかに。どう評価すべきか僕にはよくわからないけれど、スコットランドとしては、お金という点で確かにパワーを得ることができ、良い前進なのでは?と思ってます。

政治以外に関して。
米国では黒人への人種差別の問題が大きな話題になっている一方、UKでは、生まれる前の赤ちゃんの人権を問う裁判の結果が少し話題になってました。判決をそのまま解釈すれば、生まれるまで赤ちゃんには人権はなく、母親がヘビー・ドリンカーで赤ちゃんに障害を負わせても責任は問われないらしい。。。どこまでを人と見なすかのボーダーについて生物学的な根拠は法廷でどこまで議論されたんだろう。。。先進国といえどもすごいロジックがまかりとおってます。。。

プライベート関連では、来週16日から日本に一時帰国します。
前半は大学院生を連れての仕事ですが、途中からは家族も合流しプライベートモードに。実は、日本での年越しは国外に住み始めてから初めてで、実に10年ぶり。超ベタに日本らしい正月を満喫したいと思ってます。

ちなみに、今回は19日に名大でトークします。

2014年9月14日

人の意思決定について思ふ

スコットランド独立ネタです(また)

先週末のYouGovの世論調査ではじめてYes派がリードし、No派はパニックモードに。

この一週間、Cameronさんをはじめ、各党の党首が立て続けにスコットランドを訪れ、UKを維持することの重要性を主張。

さらに、独立が決まったらRoyal Bank of Scotland(RBS)を含むスコットランドの金融大手は本社をロンドンへ移すプランを持っていることがリークされ、RBSはそれを認める。

そして、Asdaなどの大手スーパーなどの多くも、独立後は価格を上げることになりそうだとわかる。

その結果、YouGovの世論調査ではNo派が逆転して盛り返したけれども、他の世論調査の結果を見ると依然拮抗状態で、ナショナリズムのムーブメントはもう止まらない。

決めていない人たちの動向次第でホントにYesが過半数を占めるリスクはある。。。
つまり、残り数日、両陣営ミスは許されないし、18日の国民投票の開票結果を待つまでどうなるかホントわからない、という状況。。。

僕の立場は、変わらず絶対NO。
スコットランドの人たちのためにも絶対NO。

---
Yes派の人たちは独立することでパワーを持てる、とよく主張する。

ホントか?

パワーを行使するにはリソースが必要。NHSはもちろん、世の中、お金がないと希望通りに回らないことがたくさんある。なので、結局、経済問題に目を瞑っていては話が進まない。

その経済。以下のリスクがこないことをYes派は保証できるだろうか?

通貨はポンドを使うとYes派は頑なに主張している。最終的にどういう形態に落ち着くか現時点では不透明だけれども、仮にユーロみたいな形態をとるとする(つまり、通貨は共通、政府は独立)。

Yes派はお金のあてもないのにNHSを予算カットから守るとか謳っている。

それを実現するには、借金するかタックスを増やすといったことが有力な手段なのではないか。北海油田の「ボーナス」が継続的に入ってくることが保証されない限り。。

増税はすぐには難しいだろうから借金が現実的。

それから金融大手がロンドンへ逃げることの意味も考える必要がありそう。例えば、住宅バブルの兆候が見え出すと、おそらくWestminsterサイドから圧力がかかり、スコットランドの人たちへお金を貸さなくなるかもしれない。

それでもバブルが発生し、それが弾けたり、国が借金し続けて臨界期を超えるたりするとどうなるか?

金融危機になると、スコットランドとrUK(the rest of the UK)は、少し前のギリシャとドイツみたいな関係になって、「独立」なんて名ばかりの状態になる。

つまり、rUKから「もっと緊縮財政をひかんとサポートせん」と言われ、スコットランド国民がどんなに文句を言おうが政治家はそのリクエストを飲まざるを得ない状態になる。つまり、今よりひどい状態になる。

若者のジョブを増やすどころか、失業率は数十%にすらなりうる。

せめて、その被害を少しでも軽減するために、自国の通貨は自分でコントロールできるようにしないといけないが、そういう方向ではなさそう。

遠い話ではなく、5~10年単位でこういう状況になってもおかしくないのでは?

住民投票直後はもちろん、通貨形態や借金分配のネゴシエーションの情報が伝わってくるにつれ、マーケットはまずUKに、そして2016年独立した後もさらに無言のプレッシャーをかけてくるだろう。

が、Yes派の恐ろしいところは、そういうつい最近近くの国で起こった出来事から想像できるようなことに聞く耳持たずで、超楽観・ポジティブ思考に陥っていること。まさにナショナリズム。

現実的なリスクより、希望をもたらすことに人は惹かれるから、Yes派はその点強い。

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Yes派曰く、NHSを守る。ジョブを増やす。

すべてお金の話。お金もないのにどうやって?

Yes派曰く、お金への行使権を持つ。

お金もないのに、パワーもへったくれもない。
しかもお金に関してはrUKに依存することを公然と認める「独立」を主張している。

さらに、No派がそれを指摘しても、その話はもう十分、みたいなブーイング。。。

現状のスコットランドを守るためにNoが最適解だと思うし、独立性の高い経済を回すしっかりしたプランBを持たない限りYesと言うべきではない。

---
とにかく、ヒトの意思決定は合理性から程遠いなぁ、と痛感する今日このごろ。
ヒトは感情でドライブされる。。。

さらに、スコットランド内がYesとNoで二分されてしまったから、無事にNoが勝っても国民感情という点で大変な状況は続くだろう。。。

一方で、多くの人がスコットランドの将来を真剣に考えたという点で、この国民投票は偉大だし、他国の人たちに誇るべき歴史的出来事だと思う。それを、UKに留まったままでWestminsterと闘いポジティブな方向に変えていって欲しい。

2014年8月10日

No plan B?

Commonwealth gamesも終わり、スコットランドは独立すべきか?を問う住民投票ネタがさらに盛り上がってきた。

今週、Yes派とNo派それぞれの旗頭Alex SalmondAlistair Darlingがグラスゴーでテレビ討論を行った。

結果的には、Salmondのパフォーマンスが期待されてたほど良くなく、直後の調査でもDarlingが良かったと評価されている。

この討論から数日間話題になっているのは、独立後の通貨について。Salmondはポンドを使い続けることにかなりこだわっていて、plan Bはないらしい。。。

僕は投票権はないけれど、一貫してNo派。個人的な印象は、Yes派の独立というのは精神論が先走っていて、実装的な部分・合理的な部分というかなんというか、独立国としてのスコットランドをどう回していくのか全く伝わってこない。机上の空論ではなく、もう少し説得力のある合理的なプランも提示してくれたら、多くの人がYes派になると思うのだけれども、それができない、ということはそういうことなのだろう。。UKのままでスコットランドの存在感を増す方が合理的のように思えるがどうか。

人を動かすには、特に感情論を味方に出来る場合、合理的な部分でどう肉付けするか、ということが重要なのだろう。

ちなみに、個人的に最も関わりのある科学・技術についても、独立後もRCUKのお金に依存し、「世界クラス」のレベルを維持する、とか言っている。が、独立後、残りのUKがNoといったら、そのプランは破綻するわけで、「独立」ではなく依存以外何ものでもない。。

しかもEUにもすぐ加盟できないとすると、資金源が枯渇するわけで研究難民が続出するのは確実。。。(なので人ごとではない。。)

世論調査は、一時期No派のネガティブキャンペーンが裏目に出て、Yes派が若干盛り返してしまったけれども、これまでのところ一貫してNo派が多い。が、態度を決めてない人たちも依然かなりの割合いてて、残り1ヶ月でNo派が大失態をしようものなら、ひっくり返らないこともない。

次のdebateは8月末にあるらしく、Yes派のリベンジに警戒。
とにかく、9月18日まで祈るばかり。

2014年3月2日

スコットランド独立について

一時帰国した時、よく聞かれた質問:
「スコットランドって独立するんですか??」

もちろん、現時点ではどっちに転ぶかわからないけれど、約半年後の9月18日の国民投票で結論が下され、もし過半数が”Yes”と言ったら、2016年3月24日にホントに独立してしまう。。。

こちらがオフィシャルな情報。
よくある質問と答えについては、こちらにまとめられている。あくまでスコットランド政府の見解なので、鵜呑みにしてはいけない。。。

wikipediaもある。日本語訳はないから、日本人にとってはほとんど関心のないことだと思われる。

ガーディアンの特設ページのRSSを登録しておけば、常に最新のニュースを知れる。

以下、もう少し具体的に。

誰が投票できる?

こちらにあって、基本、スコットランドに住んでる人たちが対象。今回は16歳以上が対象になる。しかし、CommonwealthやEUとも関係ない僕のような第三国からの移民は対象外。

現在の世論は?

最近の世論調査の結果はこちらこちら
UK全体で見ればもちろんNoが圧倒しているけれど、問題はスコットランド内。

一貫してNoが多いけれど、態度を決めていない人たちもまだたくさんいるので、半年後どうなっているか微妙な情勢。一番怖いのは、8・9月にAlex Salmondが今ある問題点への明確なビジョンなり回答を用意して、世論が大きく動くこと。

つまり、独立するのはunlikelyだけれども余談を許さない。

ヴィジョンの詳細
現時点のビジョンについては、こちらに分厚い冊子がある。ダウンロード可能だし、頼めばタダで送ってくれる。

ディベートネタ
いろんな問題が連日のように議論されていて、僕が理解している限り、以下の初歩的なことすら明確ではない:
・通貨はどうなる?(ポンド?それとも・・・)
・EUに即加盟できる?
・北海油田は誰のもの?
・BBCは?
・科学技術予算は?
などなどなどなど。

通貨については、最近、ジョージ・オズボーンが、ポンド使えるわけねぇじゃん、とcurrency union案を一蹴。pro-unionの人たちも加わってAlex Salmondいじめがスタート。

もしも独立するとしたら、残りのUKとスコットランドで、少なくとも短期的にはloose-looseのdealになるのは確実。

科学関連では、僕の理解が正しければRCUKのお金を当てにしてるらしい。。「独立」とは程遠いプラン。スコットランドは基本的に「応用」関連の投資ばかりしてきているので、独立したら多くの科学者がスコットランドを離れ、ただでさえ乏しい経済の原動力をさらに失うことになると思われる。

僕の立場は、100%No。
が、投票できないのが移民の悲しい性。。。

2013年8月4日

世界大学ランキング

世界大学ランキングについて少し調べてみた。

3つ有名なランキングがあるもよう。
Times Higher Education(THE)のランキング
QS世界大学ランキング
Academic Ranking of World Universities(ARWU)

最初の二つは2009年まで同じだったらしく、THEは以降Thomson Reutersのデータも利用してランキングを算出している。

3つ目のARWUは上海ランキングともいわれてるらしく、ランキングのさきがけらしい。

ここでは、THEにとりあえず注目(理由はUKベースの雑誌が算出するランキングで、聞いたことがあったから)。

ただ、wikipediaには最新の情報が反映されていないので注意。

THEのランキングでは各大学を100点満点で評価してランキング。
以下そのブレークダウン。
詳細はこちらを。

まず以下の5つのカテゴリーごとに大学を評価
1. Industry Income
2. International outlook
3. Teaching
4. Research
5. Citations

各カテゴリーごとに、さらにいくつか評価基準があり、その各評価基準ごとに重みが付けられスコアを算出するもよう。

Industry Income
1つだけの評価基準。
企業からの研究資金収入をアカデミックスタッフの人数で割った値。

International diversity
3つ評価基準がある。
第一に、海外組・国内組スタッフの比
第二に、海外組・国内組学生の比
最後に、海外研究者との共著論文

Teaching
5つ。
第一に、reputation surveyなるものがあるもよう(重み高し)
第二に、アカデミックスタッフあたりの学生数
第三に、博士と学士取得者数の比
第四に、アカデミックスタッフあたりの博士取得者数
最後に、アカデミックスタッフあたりの大学総収入

Research
3つ。
第一に、Reputation survey(これまた重み高し)
第二に、研究費収入
第三に、スタッフあたりの論文数

Citations
Web of Scienceから算出される論文引用数インデックス

5大カテゴリーの重み付が興味深く、
Industry Income 2.5%
International diversity 7.5%
Teaching 30%
Research 30%
Citations 30%
という内訳。

これに基づき100点満点として評価するもよう。

ちなみに、Reputation survey、これはThomson Reutersが行うAcademic Reputation Surveyなる調査からの数字に基づいているらしい。

なんとなく胡散臭い。。。

ちなみに、最新のランキングでは
1.カルテク(米)
2.オックスフォード(英)
3.スタンフォード(米)
4.ハーバード(米)
5.MIT(米)
6.プリンストン(米)
7.ケンブリッジ(英)
8.インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)
9.UCバークレー(米)
10.シカゴ(米)
がトップ10。米英独占。

日本はというと、
27.東大
54.京大
128.東工大
137.東北大
147.阪大
の5大学がトップ200位圏内。

ちなみに、ストラスクライド大は、ぎりぎりランクが付く351-400位(このカテゴリーでは細かい順位はついていない)。慶応と早稲田が同じ圏内。意外。。。

確かに、このランキングだけみると、日本の大学は苦戦している。どの大学もその半分くらいの順位で良いように思う。

もしもランキングを上げたいなら、まずはインパクトを上げる方法を考えるのが賢明かつ堅実だと思われる。

が、すぐに変化するものでもなさそう。というのは、Citationsやreputationがかなり重視されているので、一朝一夕で変わるものではない。

が、メチャクチャ論文を引用されている超有名研究者をヘッドハントする、というトリックはアリ。つまり、ノーベル賞受賞者をたくさん雇えば良い。大金をはたいて。

一方、International Outlookの重みは低いので、そこをターゲットにしても、順位はなかなか上がらない。なぜなら、総合点数への貢献度(重み)は非常に低いから。

例えばストラスクライド。International Outlookは63と、トップ10大学と肩を並べてる。。。

もちろん、日本の大学のInternational Outlookの低さは異常のようにも見えるけれど、国籍問わず、良い研究者・科学者を如何に養成・増やすか、というのがほとんどの評価項目にポジティブな効果をもたらし、ひいては大学ランキング上昇に貢献すると思われる。

トップ10の大学がそうしてるんだから、そんなことは自明のようにも思える。

2013年5月5日

UKIP


今週、UKIPがニュースを賑わせていました。UKIPとはUK独立党。
イングランドとウェールズでLocal elections(統一地方選?)が今週行われ、Euroscepticismで右寄りなUKIPが大躍進。イングランドでは、少なくともcouncilレベルに関しては、4大政党のフェーズに入ったもよう。

来年のEuropean Elections、そして2015年のGeneral ElectionsでUKIPがどれくらい議席を獲得するかが注目らしい。

これに合わせて、EU脱退の国民投票ネタがまた盛り上がってきて、今回の結果はDavid Cameronさんを、この文脈では、後押しするものだし、UKはホントにEU脱退を目指していくのかも。。。

スコットランドといい、イングランドといい、この独立心の強さというかなんというか、もう一つ理解しきれない。。。今の微妙なバランスが良いように思うのだが。。。

一方で、スコットランド独立の準備(?)を進めてるSNPはpro-EUと理解している(が、最近の通貨論争では、通貨に関してはどっちつかず?)。

ちなみに、スコットランドから見たシナリオとしては、
スコットランド独立、EU脱退
スコットランド独立、EUメンバー維持(できるかはともかく)
スコットランドはUKのまま、EU脱退
スコットランドはUKのまま、EUメンバー維持
の4択か。

1番目だと、国家破綻はかなり近い気も。。

2番目。スコットランドが独立すると、EUに加盟できるかもまだ確定していないと理解しているから、順番的には、まず来年の国民投票で独立が決まり、残りのUKとは別に、EU再加盟交渉ということになるのか?残りのUKは別個にEU脱退を国民に問う、ということになるか。

3番目は、イングランド次第という感じか。EUから脱退すると、いくつかの問題は解決するのかもしれないけど、肝心の経済の部分でどうなのかよくわからん。少なくとも、科学研究の分野へのダメージはかなり大きい。EUの優秀な人材への門戸を閉じるし、グラントへのアクセスもなくなる(はず)。

4番目は、現状維持で、個人的には最もサポートしたい選択肢。

2012年12月16日

札幌


今週月曜日から昨日まで札幌へ。
目的は北大のシンポジウムへの参加。

月曜日
行き、トラブる。。

先週土曜日、風邪で寝込んで、病み上がりの状態で月曜日朝大学へ行き、いくつか予定をこなし、昼、空港へ。

が、ヒースロー行きの飛行機が、整備不良で他の機体調達に時間がかかるとかで2時間遅れる。

もともとトランジットは2時間しかなかったので、成田の便に間に合わず。。。

2時間遅れてる間に、ヒースロー行きの別の便があって、それは予定通り飛びそうだったので、チケットを替えてもらえないか頼んだけど、ダメだった。。。(というか、ピンポン式に使用機体を替えられんのか。。。)

ヒースローのカスタマーサービスで、翌日の便と近くのホテルを手配してもらう。

ホテルと送迎バスのチケット、夕食・朝食バウチャーもしっかり支給してくれ、無駄な出費は全くかからなかった。(というか、高いホテルやら食事やらタクシー代を後で請求される前に、先手を打っとけ、ということなのだろう。。。)

ちなみに、ホテルはPremier Inn。
ホテルに着いて、火曜日に予定していた約束をキャンセルするメールを送る。。。

火曜日
飛行機は昼発。

実は、グラスゴーで預けたバッグを月曜日のうちに受け取るのが難しかったので(「どれくらい時間がかかるかわからないけど、手配してみるよ」とは言われたが、夜だったので、諦めて早くホテルへ行くのを選んだ。。。)、この日の便にしっかり載せてもらうようカスタマーサービスで念を押す。

12時間フライトで成田へ。

飛行機を出ると、僕の名前が書かれたカードを持ってる女性が。。。

イヤな予感。。。

案の上、バッグは同じ便で飛んでなかったもよう。。。(ガックシ。。)

滞在先までできるだけ早く送るから、ということで、その手続をする。

対応した若い女性はBritish Airwaysに勤めてる日本人女性だったけれど、対応は英国対応で正直腹が立った。。。(英国人なら、もともと期待してないから何とも思わなかっただろうが。。。)

BAサイテー。。。

さらに、成田・札幌間の接続も非常に悪く、数時間成田で過ごす。

16時半過ぎ、新千歳空港に到着。
そこは、雪国だった。。。

この日夜、シンポジウムのレセプションがあるにも関わらず、服は、移動中着ていたみすぼらしい服しかなかった。。。

ので、千歳空港でMUJIを見つけ、最低限の服を調達。。。

札幌も激しく雪が積もってた。。。スコットランドなんて穏やかな北国。

ホテルに着いたのは18時前。
月曜日に大学を出てからだと、45時間くらいかかった。。。

19時から宿泊中のホテルでレセプションがあって、シンポジウムがスタート。

レセプションが終わって、部屋でウトウトしていたら、フロントから電話がかかってきて、バッグが無事到着と。JALが超特配で届けてくれた。

これで、ガジェット系の電源復旧。。(電源ケーブル系もすべてバッグ内だった)

水曜日・木曜日
シンポジウムそのものは、札幌の近くのガトーキングダムというリゾートホテルで開催。午前中、駅前のホテルから、皆で大きめのバスに乗って移動することになっていた。

バスは11時過ぎ発だったので、10時台に、駅前のビッグカメラと大丸へ行って、うちへのお土産を大量購入。

ガトーキングダムは、バブリーな雰囲気で、J字型のビルがあり、それに囲まれるようにレストランスペース、そして外はプールになっていた。Jの先には温泉・スパがあるもよう。

シンポジウムは、電子科学研究所のリトリートのような感じで、研究所で働いている学生さんも含めて、みんなでそのリゾートホテルに宿泊しながらサイエンスを楽しむという感じのイベントだった。

2日間で5つのオーラルセッションがあり、各セッション、海外招待者・国内招待者・学内スピーカーがトークをし、ポスターセッションもある、という形式。

リゾートホテルらしく、休憩時間はコーヒーだけでなく、シュークリームをはじめ、一個100円以上をするであろうデザートが4品くらい出てた。。。

そして、バンケットでは、北海道ならではの美味しい食材を使ったパーティー料理が出てきた。。。ミニいくら丼なるものもあった。。。

バンケット後は、スピーカーたちは最上階バーで呑んでよし、ということでバーへ。

客室もゆったり目でかなりビップな気分を味わうことができました。。。

ちなみに、僕のトークは2日目最終セッション。神経科学関連は、そのセッションだけで、僕も含め3人がトーク。他のお二人のトークは刺激的で、2日間通して人脈も広がりとても有意義な機会となりました。

そのセッション後、シンポジウムはお開き。直後に出るバスに乗り、再び駅前のホテルへ。

ホテルにチェックインしなおし、一人で大通り公園まで歩いて、クリスマスイルミネーションを見て、駅近くの寿司屋で極上寿司を食す。

土曜日
朝6時の電車で新千歳空港へ行き、成田・ヒースロー・(なぜか)ガトウィック経由でグラスゴーへ。


成田発の飛行機はJALだったけど、機内食のデザートにハーゲンダッツのアイスが出たり、着陸前の食事でKFCが出たり、客室乗務員の多くが若くてきれいだったり、、、と良い感じ。


が、ヒースローのイミグレーションに1時間近くかかって、ますますヒースローが嫌いになった。。。

ヒースロー・ガトウィックの移動は、25ポンドのバスで、第三ターミナルのバスセンターからなら1時間30分くらいで移動できた。

ガトウィックでは、これまたBAの対応がサイテーで、しかもセキュリティーで「ランダム」な追加スクリーニングに合い、別室へ連れて行かれ、壁にあるスキャンの前でゆっくり回る、というスキャンを受ける。ついでに、人種・宗教についてアンケート質問を受ける。「ランダム」スクリーニングと言っていたので、その結果を分析して、ホントにバイアスがかかってないことがアンケート結果から証明されることを祈りたい。


21時半に自宅に到着。
大きなトラブルがなくても、ドア・ドアで24時間強の旅だった。


ちなみに今回、日本であまり時差ボケで苦しむことがなかった。無理やり朝起きて、少ない睡眠時間でもできるだけまともなリズムで過ごすのが良いのかもしれない。意外なことに、シンポジウム中居眠りすることもなかった。

---
最後に、旅行中感じた日本に対する印象などを:

・マスク文化
空港というのもあるのだろうけど、数年前の豚フル以来、すっかりマスク文化が根付いた印象を受けた。しかも、若い女性がしているのを見ると、何となく寂しい。。異様。

・女性労働者
米英ではいわゆる低所得者の人たちが支えている部分を、女性、しかも若い女性がそれなりの部分担ってる印象を受けた。良い・悪い点両方あると思うので、どちらが良いという意見はないのだけれども、違う、という感想をただ持った。

・均一性
良い点としては、例えば、空港内で、誰に尋ねてもそれなりの返答が期待できた。米英ではありえない。

一方で、多様性が少ない分、居心地が悪いと感じると、ニッチを探すのが非常に難しくなるんだろうなぁ、というのは、今回に限らずここ数年思う。その点、特にアメリカのキャパは偉大。

多様性という点では、数年前と比べると、アジア系の観光客がたくさん来てるなぁ、という印象を持った。やはり中国からだったりしてたので、彼らにたくさんお金を置いていってもらうためにも、彼らとは何とかうまくやっていかんといかんのだろう。

・マナー
いわずもがなだけれども、改めてすごい国だと思った。空港のカウンター、インフォメーションカウンター、お店のレジなどなど。徹底している。ハズレが限りなくゼロに近い。心がこもっているかどうかはともかく、対応が丁寧だと対応される方はストレスフリー。その点、米国はサイテー。アタリが限りなくゼロに近い。。。UKは、日本の足元にも及ばないけれど、米国よりは良い、かなり。

・食事
特に北海道は世界一。
海外ならセレブでないと食べれないものが普通に食べれる。一方で、その世界トップクラスの料理で生計を立てている人たちには、その認識が少ないというかゼロ。もちろん、海外で勝負する場合、食材という限界はあるのだろうけれど、食事の体験は味覚だけで決まるものではないので、他の感覚を刺激する部分でも日本の料理はすごい。その辺をぜひ知ってほしい。

・選挙
行き、成田で待っていたら、北朝鮮のミサイルのニュースの合間に、政見放送をやっていた。ひどい。。。時代遅れも甚だしい。。。維新も登場し、橋下氏も出てきたが、何も変わらないというのが伝わってきた。

ちなみに、都知事選の政見放送もやっていたが、マック赤坂はやばい。。。確かに、みんな笑えば良い世の中にはなるとは思うが、笑えん。。。

それはともかく、今回の衆院選、自民党は圧勝するほど支持は得ていないだろうに(投票率が低すぎて)圧勝してしまったのが本質なのだろう。そこに日本が変わることを期待できない原因があるのだろう。。。投票先がないなら、無記名票の山を作り上げないといけない。支持政党ナシとして投票するのも立派な意思表示だと思う。

政治家も国民もメディアも、まともな相互作用ができないままだと、システムは変わらない。

2012年12月9日

viva、Autumn Statement、選挙


viva
木曜日にお隣りbioengineeringの学生さんの学位審査(viva)へ。internal examinerとして。

まずconvener、external examinerの三人で簡単な打ち合わせ後、ランチ。その後、学位審査。

学生さんがすでに渡米しているということで、今回は米英間のビデオカンファレンス形式。大学内のビデオカンファレンス室で学位審査。驚くほど普通に進んだ。

internal examinerの仕事は楽なもんで、external examiner主導で進む審査に適宜追加質問をしたりする程度。

学生さんはすべての質問に対してしっかり答えていた。
知識量・ディベート力ともにPhDレベルで、学位論文もしっかり書けていたので、即サインでPhD誕生。

Autumn Statement
科学技術予算の拡充がアナウンスされた反面、借金減らしは1年先伸ばしということで、UKは厳しい状況が続くもよう。ただ、あと5年我慢しろ、というスケジュールがあるだけでもマシなのかもしれない。ホントに借金減らしが進むかどうかはともかく。

選挙
昨日、在外投票へ。今回はかなり悩んだ。。。

それにしても政党多すぎ。。。
即席政党に投票する場合、4年後にもその政党が残っているかよく考えて投票した方が良い。でないと、貴重な一票が、政治家の気まぐれで無駄にされる。

それから、海外にいてると、公職選挙法せいで、選挙公示後は橋下氏以外リアルタイムな情報がほとんど伝わってこなくなるのは何とかして欲しい。

選挙後、連立になるのは仕方ないとして、意思決定スピードが上がらず、さらなる混乱状態へ。。。なんてことだけにはならないと良いのだけれども。


明日から日本へ。
札幌は確実に今のスコットランドより寒そう。。

2012年6月17日

ギリシャ・送別会


Euro2012では決勝リーグに進んだことだし、その勢いで、今日の選挙もイイ方向へ(何が良いかはともかく)と願いところ。が、BBCのわかりやすいページによると、世論調査では相変わらず硬直状態とのこと。。。

連立政権樹立に失敗すれば、また第3ラウンドへ突入のリスクもあるとか。。。

選挙戦より、政治家で落とし所を協議し続けたほうが良いのではないか。。。

ギリシャの人たちの生活はすでにすごい状態みたいで、どちらの選択も短期的には希望を持てるものではないだろうから、投票はホントに難しいはず。政治家は良い側面だけ強調するだろうし、十分な情報を持って意思決定できてるとは思えない。

少なくともギリシャに関しては、随分前にtipping pointを超えてるだろうから、現実的にはもう一からやり直すしかないんではないか、という気もする。。。

ギリシャの外の人たちは、ギリシャがユーロに留まるのが一番良いんだろうけど、ギリシャ国民にとって中長期的にもホントにそうなのか、僕にはよくわからない。他の国も道連れ、的に投票する人もいるはず。

もしもギリシャがユーロを離脱する場合のシナリオとしては、今回の再選挙が決まった直後のブルームバーグの記事がある:こちらこちら

最近、中国も減速傾向が明らかになってきてるみたいだから、年末までにかけてすごいことになって、想像してたより悪い年がしばらく続くことに備えておいたほうが良いんだろう。。。

楽観的に考えられる要因・根拠がどこかにあるのだろうか。。。

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そんなグローバルな話はともかく、金曜夜、半年間働いてくれたエラスムス学生さんの送別会。
大学の近くのイタリアンカフェへ。

彼女には、実験手法の一つの確立に貢献してもらいました。教えたことは基本的に一回でマスターしてくれ、たくさんデータを出してもらって非常に助かりました。

同時期に、エラスムスの学生さんたちが欧州各国から集まり、別のラボに所属しつつも寝食共にし、たくさん友達ができたらしく、非常に良い経験ができたとのこと。うらやましい。。。

こちらとしては、初めての学部学生さんということで、どれくらいのレベルで教えれば良いかちょっと難しく、もう少しうまくやれば、彼女のポテンシャルをもっと活かせた気もする。。。このあたりは課題が大いに残る。

ディナーの最後に、この本をプレゼント。包装は彼女がジャーナルクラブとして紹介してくれた論文のコピーを。

チェコに戻っても頑張って欲しいです。

2012年5月6日

選挙など


今週行われた選挙(統一地方選みたいな感じ?)では、労働党が議席を大幅に伸ばす。スコットランド内では、労働党とScottish National Partyは引き分け

注目されていたグラスゴーでは、労働党勢力維持。とりあえずめでたい。スコットランドはまだ黄色には染まらない。ただ2014年の国民投票までにどうなるかは気を抜けない。車で道を走っていると、SNPと書かれた紙やらポスターをよく見かける。

欧州全体では、今日行われているフランスとギリシャの選挙。フランスは下馬評通りいけば、socialistの大統領が誕生するとのこと。ギリシャの結果によっては、さらに不透明さ・混沌さが増していきそうな雰囲気。。。ユーロ解体への象徴的な一日になるのかもしれない。

先週話題に上げたアカデミック・スプリング関連では、wikipediaの創設者が加担することに。こちらはゆっくりだろうけど、ホント変わっていきそうな雰囲気。

日本の原発全停止はUKでももちろん報じられている。ドイツとUKの原発政策の対比が冷静に語られたりもしている。BBCニュースの読者コメント欄では、根拠のないrenewable推進コメントはネガティブ、交通事故の死亡者数と比較するコメントはポジティブ評価を集めていた。。死、というものだけを根拠に日本の非合理性を議論するなら、ガンやら心臓・脳の血管系のトラブルで亡くなる人の数を出すのが説得力があるとは思う。桁が違うから。ただ死だけではないいろんな問題が複雑に絡み合ってるから、日本語で情報を得てない外人さんには理解するのは難しい。。。とにかく、日本の政府は、中長期的な視点で議論をもっとして、どこへ行きたいかはっきりさせないと、日本はいろんなものを失っていくんだろう。少なくとも、原発全停止は、ドイツのような脱原発への意思表示とはまだ取られていないように思える。

2011年10月16日

格差社会 何が問題なのか


格差社会―何が問題なのか (岩波新書)

たまたまタイムリーなタイミングで読んだ。

この本は、2006年に出版された橘木俊詔氏による啓蒙書。
日本における格差社会の現状と原因、そしてその将来について非常にコンパクトにまとめられている。

OECDが発表したデータなどをもとに、欧米先進国と日本を比較しながら、日本はすでにアメリカ的な「低福祉・低負担の国」だということを力説。いくつかの具体例も挙げながら、現状を改善するための政策も提案している。

この手の話、僕は全然ナイーブなので、第一章でいきなりテクニカルな話が出たときは、途中で挫折するだろうと思った。けど、もう少し読み進めてみると、マスコミでも度々話題になる諸問題にメスが入れられ、非常に興味深い議論に引き込まれ、一気に読めた。

お薦め。

あとがきにあるように、著者は
・機会の平等・不平等
・結果の平等・不平等
・効率性と公平性の関係
・政府の役割
・企業と人々の意識と行動の変化
が、格差社会を議論する上で重要だとし、これらに基づいたトピックが比較的わかりやすく扱われている。

2006年の本なので、リーマンショック後の今となっては、やや「絵に描いたモチ」的な部分もあるのかもしれないが、基本的な知識を身につける上では非常に役立った。

この本を読むと、格差社会の問題は、最適解を導き出すのが難しい問題を複数同時に扱う複雑な問題だというのがホントによくわかる。最終的に日本はどういう方向を目指すかは、政治の判断によるところが大きいのだろうけど、今もしデモをするなら、政治を動かすくらいのデモをしておかないと、数十年後、格差のさらなる拡大が顕在化してからでは手遅れなのだろう。一方で、デモをする前には、この本を読むか、それに相当する情報を得て、何が問題か絞り込んだ上で、デモのターゲットを決めた方が良いのかもしれない。とにかく、格差社会の問題は、非常に不都合な現実だと思う。

2011年9月25日

原発のウソ


原発のウソ (扶桑社新書)

小出裕章氏による本。嫁さんが帰国中に買ってきたので読んでみた。

この本は、今年6月に出版されている。
なので、その時点での福島第一の話も盛り込まれ、原発に関わるネガティブな側面が満載されている。

センシティブなトピックなので、この本を読んだ後の感想は人によってかなり違うのではないだろうか。例えば、一方では、マスコミなどでは書かれてこなかった情報満載、と歓迎する人も大勢いるだろう。他方では、バイアスがかかりすぎていて受け入れられない、と思う人もいるだろう。この本に書かれていることをどう自分の考えに取り入れるかは、読んだ人それぞれに委ねられている。

この本の編集過程に興味があるが、少なくともこの本では、僕は後者の立場を取りたくなった。もちろん、知らなかった側面を知る・原発の最大リスクを評価するという意味ではこの本はすばらしいし、最大限支持したい。ただ、情報の伝え方は非科学的だ。

科学では、二つの対立する意見があって、その結論がわからない問題を議論する時、両者の主張をできるだけフェアに触れながら議論を展開しないといけない。特に、両極端の意見が存在する場合、それは重要になる。

が、この本ではその配慮が若干欠けている印象を持った。本を一般向けにわかりやすくするため、敢えてそういう戦略を取ったのなら、それはそれでわかる。が、僕個人としてはそのような戦略は、アンフェアで受け入れられない。

また、主張の展開に若干問題を感じる部分があった。
例えば、原発は海をあたためる、すべての原発をすぐに止めて大丈夫、といった部分に関する記載は、根拠・ロジックに飛躍があるように思った。

実際の原発事故で深刻になるのは、ガンのリスクだけでなく、心理的な側面もある。チェルノブイリの事故では、その心理的な部分が大きく現れていると聞く(それ自体がウソかどうか判断するスベを僕は持ち合わせてはいないが)。しかも、その心理的な部分は、ガンより先に現れるだろう。

この点において、この本は不要に不安・パニックをあおっている印象を持った。もしそうなら、この本は負の効果をもたらすリスクさえある、と言えなくもない。

もちろん、原発の問題は科学・非科学云々を超えた問題だと思うから、できるだけ多くの人がここに書かれている意見をできるだけ早く知る必要はある。実際事故が発生したら、最大リスクを評価しながら行動した方が良いとも思う。

が同時に、しっかりした知識を持っている人たちが、バランスの取れた議論をして、それをオープンにして欲しいとも思う。

2011年5月8日

スコットランド独立?

この一週間、bin Laden殺害ニュースの傍ら、選挙の話も盛り上がっている。

昨年連立与党の一角に加わったは良いけど、大して仕事できなかったLiberal Democratに厳しい審判が下され、主張していたAV(alternative voting)に国民がNOと言い切った。

一方、スコットランドでは、SNPことScottish National Partyが躍進しスコットランドの与党へ。おそらく油田なんかを人質にしながら、UKでのスコットランドの存在感を高めるよう要求するのはもちろん、UKから本気で独立するんでは?という話らしい。。(独立はともかく、ユーロ圏に加わるというアイデアはちょっと。。。)

Alex Salmondさん、注目。

そのスコットランド。連休中の天気は異常気象で、良く・暖かった。連休後はtypicalな天気という感じで、4日連続雨。April ShowersならぬMay Showers状態。

日照時間はどんどん長くなって、4,5時台から21,22時台まで明るい。天気が良いと、起きてから寝るまで外が明るい。この時期、電気代という点で家計にやさしい。。。

仕事関連では、今週、ようやく大学院生選考に目処がつき、新しく来るであろう大学院生と金曜日電話でプロジェクトについて少し話を。第一号の大学院生なので、こちらとしても非常に頑張りたいところです。on goingのプロジェクトは、SfNのアブスト締切に向けてデータ解析モード。とりあえず、発表はできそうな雰囲気か。6月末締のMRCのプロポーザルなどの書き物も同時進行中という状況。

最後に浜岡原発停止要請について。

賛否両論あるのだろうけど、最悪のケースと経済への短期的ダメージを比較したら、やはり今停止させてからしっかり安全性の議論をした方が良いのだろう。また原発事故が起って、放射能が関東地方へ流れるようなことは想像すらしたくない。。。

よくわからないのは、1000ガルという耐震性。強いように聞こえるけど、実際地震が起らないとどれくらい揺れるかわからなさそうだから、柏崎くらいの事故が起るのはlikelyな気がする。それにしっかり備えているのかよく知らない。とにかく、もし中部電力が要請に従わないなら、徹底した情報・データ開示で国民を納得させないといけない。

2011年2月26日

ライティングコース、スタッフミーティング

今週火曜日に、アカデミック・ライティングのコースがスタート。隔週で開催され5月中旬頃まで。

英語能力の中で死活問題になるのはやはりライティングだから、その辺は藁にもすがる思いで何でも良いから役立つことは学びたい。

このコース、元ジャーナリストの人とライティング関連のPhDをとるために仕事をしている中年女性二人が教えてくれるコース。

学内からいろんな分野の人たちが生徒として参加していて、全体で15人くらいのコース。

基本的には、各自on goingの書き物を仕上げていく、というリーズナブルなアサインメントで、補足的なアサインメントも最小限で良い感じ。

一回目は、導入ということもあって、参加者の自己紹介、コースの概要説明に大半の時間が割かれた。参加者の中には、教科書執筆中という人もいてた。

後半、フリーライティングなるものをやった。

お題は「このコースで取り組みたい課題」で、5分間手書きで文字通りフリーに書いていくというもの。ちょうどブログを書くような感じか。

その後、フリーライティングに関するdiscussionになった。その逆のまずアウトラインをしっかり決めてから書いていく戦略との対比などが話題になった。ボトムアップとトップダウンという感じか。

フリーライティングは、全く筆が進まない時は良いかもしれないけど、グラント申請書や論文書きでどれくらい機能するんだろう?という気はした。まぁ、人にもよるところも大きそう。

同じ日の午後には研究所内のアカデミック・スタッフ・ミーティングなるものがあって参加。PIと言ってもかなりの数がいてるから、セミナー室がそこそこうまるくらいのミーティングだった。

研究所長だけでなくdeanさんも参加して大学の現状報告的なミーティング。

メイントピックはやはり財政関連か。

学内で100ポスト削減する必要があるらしく、僕がいてる学部でもそれなりの負担は不可避とのこと。。。定年退職で抜ける分もあるらしいけど、それ以外をどうするか協議中らしい。probationary periodの我々にも試練が待ってるのやもしれん。とにかく、クビをきられてもできるだけ早く次の職を見つけられるよう業績を残さないと生き残れん。なかなか厳しいけど、企業の場合、寝耳に水的に大量解雇とかあるだろうし、こういうご時世ではそういうものとして受け入れてfitnessを上げていくしかないのだろう。

今週他には、知らない間に来週火曜に来るお客さんのための紹介スケジュールに10分プレゼンを入れられていて、「それ聞いないし」という理由でnoと言ったり(noと言えた!)、今秋からの学生さんリクルート関連の仕事があったり、グラント申請書の仕上げフェーズに入ったり、花粉症か風邪かよくわからない状態になって体調が優れなかったりといろいろありました。

最近は日も長くなってきて、寒くない日が増え、二日実験・三日デスクワークというペースで働いてます。

それから、今日一応tax returnのfileを電子申請。もし問題なければ昨年アメリカで払いすぎてた分、戻ってくるはず。

2011年2月12日

闘い

ここ2週間、UKの神経科学業界では暗いニュースが続いている。

まず、ファイザー工場閉鎖。

ヴァイアグラを開発した工場らしく、文字通り萎えるニュース。やっぱりこの手の製薬会社の研究所が閉鎖されると神経科学にもそれなりのインパクトがあるもよう。実際、製薬会社とコラボしているという人はいてるから、その辺とのリンクがなくなると、金銭的なサポートはもちろん、成果を薬開発などにつなげる道がさらに遠くなる。

二つ目はBBSRC(UKの生物系研究をサポートする政府機関の一つ)の神経科学予算削減のニュース。

BNA(UKの神経科学学会)を中心に、今週アピール活動が盛り上がり、昨日・一昨日は各種メディアでも取りあげられていた。僕はまだ学会メンバーになってなかったけど、一応アピール・メールを送った。こういうのは、とにかく一人でも多く参加しないといかん。ちなみに、ホントかどうかしらないけど、30強のラボが閉鎖されるインパクトがあるらしい。。。(一方で、もう一つのMRCの神経科学予算、実は増えはする)

とにかく、こういう厳しい時は、目的を見失わずしっかり仕事をしないといけません。

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ということで、火曜日にグラント申請。

今回のはスコットランド内のグラント。年2回公募があり、前回は研究所で少なくとも2人当てていた。額は少ない。

事務所はグラスゴー市内。歩いて事務所まで行って申請してきた。14部分の申請書が封筒に入らなかったので。。。

crossed fingers...

ちなみに、これで申請中グラントは4つに。
春までにあと2つ申請予定。
とにかく全滅だけは避けねば。

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火曜日午後、probationary periodに関するミーティング。

2週間前に自己評価的なペーパーワークをやって、それについて、メンターがコメントするという主旨。

半年しか経ってないのに一回目のレビューだから、レビューもへったくれもない。

とりあえず、頑張ろう、くらい。。。

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木曜日は二つ重要イベントが。

まず午前中、Wellcome Trustの人二人が研究所でトークしてくれた。とりあえずNew Investigator Awardsを目指さないといけないのだろうが、申請書を書く暇があったら、しっかりラボを軌道に乗せることに専念しないといけないな。

ちなみに、万が一当てられたら年間最大400k強、7年間というサポート。flexibilityを強調していたので、どんな目的にもお金を使え腰をすえた研究ができるもよう。とりあえず、独立して5年間チャレンジできるので、良い目標。

夕方前に、隣の研究所に行って人と会う。

相手は3人。

今回会った人たちの情報は、グラスゴーに来る直前、Deanさんから教えてもらいぜひとも会いたいと前々から思っていたグループ。数日前に僕からメールを書いたら、良い返事がきてついに会えた。(ナンパ成功!)

相手も僕のことをすでに知っていたようだった。短い時間だったけど良い会話ができた。

コラボに発展しそうな雰囲気。

モチベーション俄然アップ。

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昨日、ようやく学生募集広告がfindaphd.comなるサイトに掲載されたもよう。

UKかEUの学生なら学費全額支給のプロジェクト。スタートアップ資金の一部。

はじめてこういう立場になるわけだけど、ジョブ申請書は、公募に合わせてしっかりカスタマイズしないと駄目なんだろうな。。。空気を読んで答えるように。。。

2010年12月25日

BBSRCのdelivery plan

先日、UKの政府系研究機関の当面のストラテジーと予算案(?)が明らかになって、いくつかあるカウンシルからそれぞれdelivery planなる今後の方針が発表された。

生物学系研究をサポートしているBBSRCのそれを一通り読んでみた。

大きなチャレンジとして
1.食料
2.エネルギー
3.高齢化
を強調していて、神経科学とも強くリンクする高齢化に関してはよりファンダメンタルなレベルのコメントが多かった。

また、大規模データを扱うサイエンスの推進についてもコメントがあった。

印象的な表現は
from funding to investing

つまりは、インパクト重視の研究サポートということか。

このBBSRCも含め多くのカウンシルでは数年前からPathways to Impactなる、如何にアカデミア外へのインパクトを最大化させるか、それをしっかり考えないといけなくなっている。実際、グラント申請書にそのプランを書く項目があり、多くの研究者が頭を悩ませている。カウンシル曰く、インパクトの項目も増えたけど、良いサイエンスをやることが最重要であることに変わりない、と。が、今回のdelivery planを読むと、そのインパクトがこれからより重要視されるのだろう。借金まみれの財政を短期間で改善させるには、リターンの見込める研究に「投資」します、という戦略なのだろう。理解できる。まぁ、サイエンスという視点から考えると、ホントに良いのか?という気もするが、お金がないと研究はできないわけだから、その辺との折り合いをつけていかないとこれからは生き残っていけないのだろう。むしろ、多くの研究者は基礎・基礎と頑なだから、その辺にニッチを捜し求めていくことも重要なのかもしれない。

2010年7月26日

UKビザ取得

UKビザが無事発行されました。なかなか手間のいるプロセスだったので、備忘録的にまとめます(*僕は米国内で取得したので、日本で取得する場合は若干違ってくると思いますのでご注意を)。

まずビザに関する政府提供情報はこちら。そのリンク先の左コラムやQ&A形式で書いてあるページを何度もしっかり読めば何とか取れるようになっていた。

発行されたビザはPBS Tier2 General。嫁さんと娘二人は、それぞれPartner、Childというカテゴリーになった。

PBSとはpoint based systemの略で、ビザ申請の資格を得るのにのに必要な点数が決めれらているビザカテゴリーらしい。その点数の内訳として、
1.職場の確保
2.給料
3.学歴
4.英語力
5.初期の生活費(maintenance)
がありなかなか手強い。

その点数をゲットする資格があることを示す証拠書類をアプリケーションフォームやパスポートなどと一緒に提出する必要があった(以下詳述)。

UKビザゲットまでの大まかなプロセスは
1.UKでジョブをゲット
2.証拠文書をかき集める
3.オンラインでアプライする(同時に申請費を払い、バイオメトリックスキャンの予約をする)
4.バイオメトリックスキャンを受けに行く
5.証拠文書・必要書類が揃った時点でUK大使館へ郵送する
6.UK大使館から処理スタートのメールを受け取る
7.UK大使館からビザ発行のメールを受け取る
8.ビザとパスポートがUPSで送られる

僕の場合、5月上旬からビザ取得に動き出し、3ヶ月弱かかった。一番時間がかかったのは証拠文書の確保で、2ヶ月くらいは見ておくべきな気がする。

ちなみに、書類がすべて受理されてからビザが発行されるまでのプロセス時間はここで最近の状況を統計値として確認でき、PBS Tier2 Generalの場合、大抵5ビジネスデー以内には発行されるようで、僕の場合もそうだった。

ただ、前後の書類郵送期間があるので、UK大使館に書類を送ってからビザを手元にゲットするまで10日は見ておいた方が良さそう。

各論について:
まず、各カテゴリーでポイントをゲットする証拠に何を提出したか?
1.職場の確保
大学に発行してもらったレター
*certificate of sponsorship numberなる番号の明記が必要。

2.給料
大学からのレター(1のレターと同じ)

3.学歴
UK NARICのレター
学位記(筒に入ってる日本語のでかい学位授与証)
学位記の英訳(卒業大学から発行してもらったレターとUSビザ取得時に得た翻訳会社の翻訳文)

4.英語力
TOEIC speaking & writingの結果
TOEIC listening & readingの結果

5.初期の生活費
大学からのレター(1,2と同一)
*migrantに対して800ポンド、家族に対して各533ポンド必要。家族の名前、サポート額などが明記されている必要あり。

家族分は、ポイント制ではないけど、証拠文書として、
・婚姻証明書
・出生証明書
つまりは、migrantとの関係を明らかにできる公的文書が必要だった。

以上の証拠文書を集めたら、migrantに関しては、
1.パスポート
2.オンラインアプリケーションしたら後にダウンロードできるファイルのコピー(サインも)
3. Appendix5(手書きで記入)
4.顔写真(自分でデジカメで撮ってそれをプリントアウトした。こちらに詳細な規定。)
5.バイオメトリックスキャンの予約用紙(事務所でスキャンするとハンコを押してくれた)
6.証拠文書たち(そのコピーも)

partnerに関しては、
1.パスポート
2.オンラインアプリケーションのハードコピー
3.顔写真
4.バイオメトリックスキャンの予約用紙
5.婚姻証明書(そのコピーも)

childに関しては、
1.パスポート
2.オンラインアプリケーションのハードコピー
3.顔写真
4.バイオメトリックスキャンの予約用紙(5歳の長女は必要で、1歳の次女は不要だった)
5.出生証明書(そのコピーも)
を、指定されたUK大使館へ郵送。

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もっと詳しく:

おそらく英語力証明と初期の生活費が難関(?)になると思う。

英語力証明について
僕の場合、英語力証明のためTOEICを受けた。

設定点数は非常に低いから受けさえすればOKなレベルだけど、TOEICは毎日開催されてるわけではないから、試験予約から成績証明を受け取るまで1ヶ月はかかる(あとお金も。。。)。日本にいてたら、他にも選択肢があるもよう。

試験関連の過去エントリーはこちらこちらこちら

初期の生活費について
これは、貧乏人が入国してUK政府からの生活補助を使ってくれるな、という意図があるようだ。なので、リーズナブルな条件だとは思うけど、家族が増えるとこれがいやらしい問題になる。migrantは800ポンド、さらに家族一人につき533ポンド必要だから、僕の場合、約2.4Kポンド(約3.6Kドル)必要だった。

その証拠を示す選択肢はいくつかあるようだけれども、僕の場合、
1.大学のレターでそのサポートを明記してもらう
2.自分の銀行口座のオフィシャルな残高証明を3ヶ月分提出する
が考えられた。

2の条件がこれまたやっかいで、一つの口座で過去3ヶ月そのリミットを下回ってはいけない、という基準を確実には満たしてなかったので(それはそれでウチの財政に問題があるわけだけれども。。。汗)、1の選択肢で行くことにして、大学にお願いした。

ちなみに、学歴証明に関しては、UK NARICなるところに、日本の博士号はUKのPhDと同等だ、という証明書を発行してもらった(あくまで形式的な評価であって、日本の博士号ホントは大した事ない、といった質的な評価はしないから安心して良い)。

ウェブで審査依頼をすると、ファックスで必要書類を送るように指定され、それらを送ると1ヶ月くらいでレターがうちまで送られてきた。この申請時、日本語の学位記を出さなかったら、そのレターの但し書きとして、オリジナルの学位記がいる、とあった。なので、ビザ申請時には、でかい学位記をレターサイズになるよう折り曲げて送った。

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最後に、ビザアプリケーションプロセスの詳細情報を、自分のケースについてまとめると:
まず、証拠文書がほぼ手に入ることが確実になった6月下旬に、オンラインで必要項目を記入しては申請費を払い、バイオメトリックスキャンの予約を入れた(この辺は申請国によって違うみたいなので要注意)。

バイオメトリックスキャンは近場のハッケンサックでやってもらった(他にもいくつか選択肢があって、いろんなところでやっているもよう)

パスポートと予約用紙を持って家族で事務所へ行くと、指紋スキャンと顔写真撮影があり、予約用紙にスタンプとサインをしてくれた。待ち時間はほぼゼロで、担当者も手際と愛想もよくストレスフリーだった。一人5分くらいのプロセス。約1歳の次女はこのプロセスは免除。

必要書類は、家族分まとめてuspsのexpress mailでマンハッタンのUK大使館へ送ったら、数日後に申請書類を受け取ってプロセスに入ったとのメールが来た。さらに数日後、ビザを発行してUPSで送ったとトラッキング番号付きのメールが送られてきた。

そして今日、無事ビザが届いた。パスポートの査証ページにビザが貼られていた(この辺はUSビザと似た感じ)。

USビザと比べると、お金がかかったり、ウェブで見つかる情報が政府提供のものだけだったり、バイオメトリックスキャン以外はオンライン・郵送での処理だったりと、人と接する時間が設定されておらずいろいろ不安な点はあったけど、結果的には政府提供の情報通りプロセスすれば、プロのコンサルタントサービスなしでビザを得ることは可能だった。

ちなみに、ビザの期間は3年間。もう一度更新して5年以上滞在すればグリーンカードの申請資格を得ることができるもよう。