2015年12月31日

2015年

今年印象に残っているメジャーなニュースは、ギリシャ財政危機、難民問題、パリのテロ事件、冥王星探査、COP21、そしてイングランド北部での洪水。多くは2016年中にも進展がいろいろありそうか。

エルニーニョ(+気候変動)の影響で来年は今年より暖かくなるらしく、UKでは、冬、強風・大雨でまた甚大な被害が出るのかも。実際、昨日、グラスゴーで降ったタイプの雨は、日本ではあっても、UKに来てから見たことなかったかも。おそらく世界的に大荒れの一年になるのだろう。経済に関しても、中国やオイル、そして新興国絡みでいろいろ荒れそう。

UKの研究に関しては、今後5年間はインフレーションに応じて研究予算を増やしてくれるようで、チャンスが減る、というリスクは回避でき期待。そのためには、結果が問われる2016年となりそう。

その研究、自身の研究について。
論文として出たのは3つ(これこれこれ)。年明けにもう一つ出て、もう一つは査読中。コラボでも何でも良いから、このペース+数報で最低出し続けたい。グラント獲得は、大き目のものを一つ、中型一つ、超小型一つゲットと次第点。数百Kのものを毎年1つは狙いつつ、2年に一個のペースで当てられるとラボがしっかり回ってくれる。(そうでないと厳しいマネージメントに・・・)
先日のシンポジウム開催は非常に良い経験になって、来年はFENSのシンポジウム。こういう経験を積めるのはありがたい。
ということで、研究については、アピールできる点も一応あり良い一年のように見える。が、足元は依然極めて厳しい。。。2016年は非常に重要な一年に。

研究以外の大学関連について。
ティーチングは手の抜き方がわかってきて、負担量・負担感が大幅に減ってきた。けど、これ以上頼まれたら、NOと言いたい。立場としては、4月にSenior Lecturerへ。同世代でReaderなりProfessorとしてバリバリ頑張ってる人たちはたくさんいてるので、もっと頑張らないといけません。

プライベートについて。
今年最大のイベントは永住権取得。ビザの心配をする必要がなくなり、子供手当て的な社会保障も普通にもらえるようになって、ようやく一人前に。ファイナンスに関しては、家や車絡みで細かい支出があって悩ましい。。VATがボディーブローとして家計の負担になってる感が強い。。。今年、ホリデーらしいホリデーは夏の数日だけだったけど、来年は、春一時帰国し、夏はFENSに絡めて北欧方面を旅行予定。今後、数年間の旅行プラン(希望)を練ってみたけど、お金と時間がとにかくいります。。。

2016年のテーマは「集中」。

NOというべきこと・時はしっかり言い(もしくは無視し)、やるべきこと・やりたいことに資源を集中投入していきます。

2015年12月13日

Leverhulme Trust

昨年から5連敗中のグラント申請。
何とかLeverhulme Trustからサポートいただけることになったので、その経過を備忘録的に。

Leverhulme Trustは90年前にWilliam Leverの遺書に基いて設立された財団。William LeverさんはLever Brothersという会社の創業者で家庭用石鹸を初めて製品化したらしい。

自然科学だけでなく、人文系や芸術系にも幅広くサポートをしているUKの財団。

いくつかスキームがある中、コアのスキームはResearch Project Grantというスキーム。

最大5年間、500Kのサポートが受けられる。が、過去の受賞者をチェックすると250K 前後が相場で、ポスドクの給料から計算するに3年間が妥当なラインだと思われ、実際、250Kを目安に3年間のサポートをお願いした。

申請手順は2段階制で、まずアウトラインプロポーザルを出し、OKなら2ヶ月以内にDetailedプロポーザルへの招待がある。

Detailedプロポーザルの申請書の分量は普通で、コアは5ページ、他の諸々のペーパーワークを入れると合計20ページほど。ただし、予算案はアウトラインプロポーザルから変更不可なので、アウトラインの時点で、Detailedが詰められてないとダメ。つまり、レディーになった時点で、アウトラインを出す必要がある。そのアウトラインのコアは2ページ。

年3ラウンドあって、9月締めのラウンドに提出し、12月1日に結果を受け取った。結果は、申請者へではなく、まずVice-Deanに文書で知らされ、僕に伝わった(後日、僕にも手紙が送られてきた)。

このスキームはいろいろユニークな点がある。まず、人への投資を重視している点。要求額の75%は人件費に使うという制約。

このスキーム、ストラスクライドで働き出した頃から知ってたけど、人は雇えても設備投資できないとプロジェクトが回らないと思い避けていた。今回は、設備投資はひとまず落ち付いてきて、今一緒に働いてもらってるポスドクとコラボを続けたかったので、ちょうど良いスキームだった。

他のユニークな点として、なぜLeverhulme?かをしっかり書く必要があったり、最終意思決定する人たちは科学者でなかったり、ピアレビューアーをこちらで指名できたり、いろいろユニークな点があった。

「なぜ?」というのがトリッキーで、例えば、BBSRCやMRCではいけない理由をしっかり説明しないといけない。もちろん病気の研究だとNG。つまり、他のグラントオプションの性質をしっかり理解しておいた上で書かないといけない。

過去の受賞対象研究を見てると、神経科学の受賞者はあまりおらず、やはりユニークな研究にサポートという傾向が感じられ、かなり厳しい戦になると思ってた。

ただ、Detailedプロポーザルの際、研究アウトラインを説明する項目があって、ここは意思決定時重要、とあったので、分野外の人にもわかるよう、できるだけ情報を簡潔化させるよう努力した。申請書書きのコツがウェブのいろんなページに散りばめられていたので、home workは必須。

ちなみに、ピアレビューは、レビューアーからのコメント(の一部?)が意思決定前に来て、1ページ以内でレスポンスせよ、という比較的軽めだった。レビューアーには仲の良い、かつプロポーザルの研究に近いことをしている海外の研究者お二人にお願いした。この人選も重要なポイントだったのかも。Conflict of Interestsは関係ないもよう。。。とにかくお忙しいところレビューしていただいたお二人には多謝です。

ちなみに、似たプロジェクトでMRCにもアプライしたけど、ピアレビューでボコボコにされ、最終審査にすら進めなかった。。。

改めて、グラントは敵を理解した上で数打てば当たる、と感じた。。。

ということで、これから3年間、しっかり頑張ろうと思います。

2015年12月12日

シンポジウム in 東京

一週間前になりますが、東京へ。今回は、シンポジウムのco-organizerとして。

イベントとしては、素晴らしいスピーカーの方々に来て頂き、進行そのものもうまく行って、非常に刺激的で良いイベントでした。ただ、質が高かった分、もっと多くの人たちと情報をシェアできると更に良かったのかな、という反省点もありますが、とにかく良い経験をさせてもらいました。

ノーベル賞受賞者の利根川先生や、おそらく近い将来ノーベル賞を取るであろうGeroさんとお話ができたのは良い思い出になりました。利根川先生とは一緒に写真も撮れたし。。

以下、詳細を。

2日朝にグラスゴーをたち、アムステルダム経由で成田へ。
3日昼過ぎに宿の庭のホテルにチェックイン。めちゃ良いホテルでした。ここの朝食の和定食、日本食に飢えてる自分には素晴らしく良かったです。

それはともかく、チェックイン後、郵便局へ行ったり、コンビニでお土産を買ったり、アマゾンで注文してた土鍋をピックアップしたりして、午後を過ごす。

この日の夜は、米国時代からの友人とChichukai Uomaruで食事。
外でタバコを吸う人は少なく、屋内はOKという、UKとは真反対なギャップに悩まされつつも、食事はまずまず、会話はいろいろ盛り上がった。メニューはウニをテーマに頼む。それにしても、2020年のオリンピックまでにレストランは禁煙、とした方が良いと思う。海外の人たちはちとがっかりすると思う。せっかくの日本での食事がぶち壊しになる。


翌朝、時差ボケからくる激しい頭痛のため、朝食はトライするも残す。1時間ほど仮眠を取り、9時半からの準備に間に合うように出かける。その時点では体調はほぼ通常の時差ボケモードに。

午前は会場準備で、午後からシンポジウムスタート。
開会の挨拶と利根川先生の紹介と、えらくプレッシャーのかかる仕事でしたが、何とかこなす。自分のトークの100倍緊張した。。。

夕方は懇親会。途中からGeroさん、Luisさんとお話を。やはり日本人中心のイベントだと、海外スピーカーの方が孤立しがち。。。2次会は、スピーカーとコミッティーのメンバーで近くの居酒屋へ。

翌5日、8時過ぎに宿を出て会場へ。
9時半スタートで、何とか全日程無事に終了。

夜は、8人ほどで呑み会へ。
おいしんぼというお店へ。隠れ家的な場所にあって、良いお店でした。
二次会は近くのパブ系のお店へ。
23時半頃までいてましたが、あっという間で、閉店とか気にしないなら、もう少し長くいても盛り上がってたかも。。

翌6日は8時頃チェックアウトして成田へ。JRの一部路線がストップしてた影響で成田エクスプレスに乗れず、ちょっと焦ったけど京成線で何とか成田へ着き、再渡英。

アムステルダムのトランジットは5時間。スキポール、セキュリティーのシステムが完全に変わってて、ヒースローというか他の多くの空港のように一箇所でのセキュリティーになってた。トランジットが短いと厳しいかも。

グラスゴーの自宅に着いたのは6日夜23時過ぎ。(翌日は4時起きで通常営業)

と、短くインテンスで、貴重な体験ができた屈指の一時帰国でした。
国内でいろいろ準備していただいた名大の山中さんに超感謝です。