2015年12月13日

Leverhulme Trust

昨年から5連敗中のグラント申請。
何とかLeverhulme Trustからサポートいただけることになったので、その経過を備忘録的に。

Leverhulme Trustは90年前にWilliam Leverの遺書に基いて設立された財団。William LeverさんはLever Brothersという会社の創業者で家庭用石鹸を初めて製品化したらしい。

自然科学だけでなく、人文系や芸術系にも幅広くサポートをしているUKの財団。

いくつかスキームがある中、コアのスキームはResearch Project Grantというスキーム。

最大5年間、500Kのサポートが受けられる。が、過去の受賞者をチェックすると250K 前後が相場で、ポスドクの給料から計算するに3年間が妥当なラインだと思われ、実際、250Kを目安に3年間のサポートをお願いした。

申請手順は2段階制で、まずアウトラインプロポーザルを出し、OKなら2ヶ月以内にDetailedプロポーザルへの招待がある。

Detailedプロポーザルの申請書の分量は普通で、コアは5ページ、他の諸々のペーパーワークを入れると合計20ページほど。ただし、予算案はアウトラインプロポーザルから変更不可なので、アウトラインの時点で、Detailedが詰められてないとダメ。つまり、レディーになった時点で、アウトラインを出す必要がある。そのアウトラインのコアは2ページ。

年3ラウンドあって、9月締めのラウンドに提出し、12月1日に結果を受け取った。結果は、申請者へではなく、まずVice-Deanに文書で知らされ、僕に伝わった(後日、僕にも手紙が送られてきた)。

このスキームはいろいろユニークな点がある。まず、人への投資を重視している点。要求額の75%は人件費に使うという制約。

このスキーム、ストラスクライドで働き出した頃から知ってたけど、人は雇えても設備投資できないとプロジェクトが回らないと思い避けていた。今回は、設備投資はひとまず落ち付いてきて、今一緒に働いてもらってるポスドクとコラボを続けたかったので、ちょうど良いスキームだった。

他のユニークな点として、なぜLeverhulme?かをしっかり書く必要があったり、最終意思決定する人たちは科学者でなかったり、ピアレビューアーをこちらで指名できたり、いろいろユニークな点があった。

「なぜ?」というのがトリッキーで、例えば、BBSRCやMRCではいけない理由をしっかり説明しないといけない。もちろん病気の研究だとNG。つまり、他のグラントオプションの性質をしっかり理解しておいた上で書かないといけない。

過去の受賞対象研究を見てると、神経科学の受賞者はあまりおらず、やはりユニークな研究にサポートという傾向が感じられ、かなり厳しい戦になると思ってた。

ただ、Detailedプロポーザルの際、研究アウトラインを説明する項目があって、ここは意思決定時重要、とあったので、分野外の人にもわかるよう、できるだけ情報を簡潔化させるよう努力した。申請書書きのコツがウェブのいろんなページに散りばめられていたので、home workは必須。

ちなみに、ピアレビューは、レビューアーからのコメント(の一部?)が意思決定前に来て、1ページ以内でレスポンスせよ、という比較的軽めだった。レビューアーには仲の良い、かつプロポーザルの研究に近いことをしている海外の研究者お二人にお願いした。この人選も重要なポイントだったのかも。Conflict of Interestsは関係ないもよう。。。とにかくお忙しいところレビューしていただいたお二人には多謝です。

ちなみに、似たプロジェクトでMRCにもアプライしたけど、ピアレビューでボコボコにされ、最終審査にすら進めなかった。。。

改めて、グラントは敵を理解した上で数打てば当たる、と感じた。。。

ということで、これから3年間、しっかり頑張ろうと思います。

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