2013年5月26日

Curiosity

少し前、TEDに教育関連イベントのトークがたくさんアップされて勉強になりました。

中にはBill Gates氏サーKen Robinsonのトークも。

いくつか見ていて、一つのキーワードだと思ったのはcuriosity。

少し前のエントリーの文脈で考えると、「情熱」の部分と相性が良さそう。

例えば、PhDを目指して大学院に入ってきた人たちを見ていると、PhDそのものに興味がある人、純粋に科学に興味がある人、の少なくとも2タイプいてる。

問題は前者。

もちろん、PhD後の進路は多様であるべきなので、そいういうタイプはいて良いのだけれども、自身をドライブしているものが科学の問題そのものではないので、モチベーションなり研究・学習姿勢が、後者のタイプと本質的に異なる。

TEDのいくつかの関連ビデオを見ながら、メンターとしてはそういう人たちに対して如何にcuriosityを引き出すかが重要なんだろうなぁ、と目からウロコ(もちろん、言うは易しで、具体的にどう?と言われると難しいけれども)。

もちろんレクチャーでもその辺を刺激するスタイルにできると、学生さんたちの学習効果が上がり、テストの結果から超重要ポイントすら理解してくれてなかったことを知りショックを受ける、なんて機会も減るのかもしれない。。。

ちなみに、Bill Gates氏のトークでは、自分のクラスをビデオ撮影すると自作自演peer-reviewになって良い、と。おそらくそうなんだろう。

昔、自分のトークの練習を一度ビデオで撮ったことあるけど、実際役立った。明石家さんま氏も自分の番組をビデオで撮って後で見る、と聞いたことがある。教師だろうが科学者だろうが芸人だろうが、適切なフィードバックが重要なもよう。

2013年5月19日

オックスフォード


先週2日ほどオックスフォードへ。

14日火曜の晩、まずThe Turf Tavernというパブへ行く。

オックスフォードで最古のパブと言われているらしい。小道を入ったところにあり、屋根がコケに覆われていたりと、ブリティッシュな良い雰囲気を醸し出していた。入り口は狭くても中は意外と広く、たくさんの人で賑わっていた。

An Education In Intoxicationというのが合言葉らしい。。。
Titanicなるビールを呑みながら、ホストの方と彼のコラボ相手の3人で、サイエンス関連+アルファで盛り上がる。

A Science In Intoxication?

その後、図書館などを紹介してもらいながら、10分強歩いて、Brownsという綺麗なレストランへ。
Belly of Porkを頂く。メチャうまかった。

今回は3人ともUK外出身ということもあってか、いろいろ共通点もあったりと、会話も盛り上がった(英語でのディナーは結構辛いことが多いのだけれども。。)。

宿はThe Club

翌日朝一でトークをし、何人かと話をし、水曜日23時頃グラスゴーへ戻ってきました。

やっぱりオックスフォードは良い所です。

2013年5月18日

BBSRC 2012秋 まとめ


昨年9月末に申請したBBSRCのグラント。
ようやくそのプロセスが一通りが終わったのでまとめます。

結論から先に言うと、一部予算を減らされたりしましたが、successfulでこれから3年間サポートしていただけることになりました。ありがたい話です。

<申請編>
申請締切は2012年9月26日。

アイデア練りは数ヶ月前から。
予備データ収集は夏休みの宿題と位置づけた。
が、申請書書きにはあまり時間を使えず。。。締切直前、日曜日にもオフィスへ出向くはめに。。。

フィードバックとして、知り合いに見てもらい、ダメ出しをもらって、締切1週間前くらいに大幅に書きなおし始め、締切一日前に何とか提出。

<レスポンス編>
こちらに詳しい。

1月10日 レフリー3人のコメントが戻ってきて、16日までにリスポンス。

論文と同じく、ここは明暗を分ける(ような印象を持っている)ので、慎重にレスポンス。英語は、大学院生にチェックしてもらう。

<結果編>
3月26日 結果メール
「とりあえず、君の申請書はsuccessfulだった。けど、まだお金は使いはじめるな」「額など詳細は追って連絡する」とあった。

<交渉編>
交渉というより、先方のクレームをすべて飲み・対応し、承認、というプロセス。以下、細かいですが、備忘録として。

4月12日 2点クレームがつく。
第一に、申請書類の一つPathways to Impactを書きなおせ、と。
第二に、一部の申請予算について見積書を送れ、と。
それらを1週間以内に返せ、と。
4月17日 返信。

4月23日 全く同じクレームを再びいただく。。。(ダメだったもよう。。)
4月26日 対応戦略を変え、送り返す。

同日 これからオファーレターを作成する、という定型メールが届く。(何とか受け入れられたもよう)

4月29日 PIのサポート額を減らせ、とメールが来る。。。
具体的には、週10時間労働を5時間へ減らせと。
このメールは、大学のグラント申請担当部署へ送られた。CCとして僕にも。
うちの大学では、外部資金を当てても、給料は増えないので、痛くも痒くもない、ということで鵜呑み。
5月2日 担当者が返信
他の予算に対しては、さらにクレームはなかったので、ポスドク募集をスタート。

5月15日 正式なオファーレターが届く。サポート額など詳細情報が明記されていた。
論文出版費はもはやサポートしないことにしてるからカット、と。。。
5月16日 オファーを担当部署経由で受け入れ、ファイナンス部署にアカウント作成依頼。
 
ということで、イースターホリデー直前の結果メールから2ヶ月弱のプロセスを経てようやく正式承認。

今後、3年間で間接経費込みで300K強。

感想
今回、奏功したと思われることは2点。

第一に、敵を知る。
BBSRCが好きなポイントを理解した上で、それを最大限アピール。実際、この点はレフリーにも評価された。おそらく当落ボーダー付近の場合、コミッティーミーティングの時にこの辺が明暗を分けると疑っている(証拠は得られていないけれど)。

第二に、己を知る。
申請内容をリーズナブルなサイズにおさめた。おそらくこれは超重要。本音は研究提案・予算ともに、もう少し膨らませたかった。が、コスト・ベネフィットの計算を相手にされると、ambitiousと叩かれる。ので、提案内容も申請額もリーズナブルな範囲に調整。お金がもっと欲しいなら、しっかり結果を出し、次を狙えば良い。ゼロだけは避けないといけない。

一応、前回のMRCと今回のBBSRCと、UKでラボを回していく上で必須な大型グラント二つを当てられたことにはなる。が、beginner's luck的なファクターや米国時代の仕事の評価の部分が多分にあると思われるので、これからは如何に結果を出し、継続的にお金を当てていくかが問われてます。

その上で、人材発掘・育成は一つの鍵を握ってます。

2013年5月12日

Charcoals


グラスゴー・シティセンターにあるインド料理レストランCharcoals

シティセンターで一番交通量の多い通り沿いにあり、店構えはインドっぽくはないけれど(何をもって「インドっぽい」というかは知らんが)、丸い看板にCharcoalsと書いてあってすぐわかった。

店内、広くはなく、ゆったり目の4人用テーブルが10個くらいあっただろうか。インド系の音楽が会話にかき消されるくらいの音量で流れていた。金曜日の昼12時に行って、一応予約していたけど、予約していない人もOKだった。

ランチメニューは£6.95で、スターターとメインをそれぞれひと品ずつ選ぶ。
スターターにChicken Wings、メインにKormaとnan。
ついでにCobraなるインドビールも。

ビールは癖もなく、非常に飲みやすくて美味しかった。

まず、Chicken Wings。ようはスパイスの効いた手羽先。
お焦げはあったけれども、美味しかった。

そしてメイン。Korma激うま。nanとの相性も抜群(どんなスープでも合うんだろうけど)。
nanの量は多すぎず少なすぎずで、おかわりを頼む必要もなかった。

店員はインド人で、こまめに様子をうかがいに来てはと、こちらから呼ぶ必要もなく、気の利いたサービスで、10%のサービス料に見合ったサービスだった。

この店は賞ももらってるようで、ランチに関しては非常にリーズナブルな価格で味も良く、インド料理を食べたくなったらまた行きそう。

ちなみに、今回は高校時代の旧友がエディンバラでの学会ついでにグラスゴーまで来てくれ、ランチとしてここへ。20年弱ぶりの再会で、この間のギャップを埋めるべくお互いの話や懐かしいメンバーの会話でえらく盛り上がった。

Facebookがなかったら、おそらく今回の再会はなかっただろうから、Facebookは偉大。

2013年5月5日

UKIP


今週、UKIPがニュースを賑わせていました。UKIPとはUK独立党。
イングランドとウェールズでLocal elections(統一地方選?)が今週行われ、Euroscepticismで右寄りなUKIPが大躍進。イングランドでは、少なくともcouncilレベルに関しては、4大政党のフェーズに入ったもよう。

来年のEuropean Elections、そして2015年のGeneral ElectionsでUKIPがどれくらい議席を獲得するかが注目らしい。

これに合わせて、EU脱退の国民投票ネタがまた盛り上がってきて、今回の結果はDavid Cameronさんを、この文脈では、後押しするものだし、UKはホントにEU脱退を目指していくのかも。。。

スコットランドといい、イングランドといい、この独立心の強さというかなんというか、もう一つ理解しきれない。。。今の微妙なバランスが良いように思うのだが。。。

一方で、スコットランド独立の準備(?)を進めてるSNPはpro-EUと理解している(が、最近の通貨論争では、通貨に関してはどっちつかず?)。

ちなみに、スコットランドから見たシナリオとしては、
スコットランド独立、EU脱退
スコットランド独立、EUメンバー維持(できるかはともかく)
スコットランドはUKのまま、EU脱退
スコットランドはUKのまま、EUメンバー維持
の4択か。

1番目だと、国家破綻はかなり近い気も。。

2番目。スコットランドが独立すると、EUに加盟できるかもまだ確定していないと理解しているから、順番的には、まず来年の国民投票で独立が決まり、残りのUKとは別に、EU再加盟交渉ということになるのか?残りのUKは別個にEU脱退を国民に問う、ということになるか。

3番目は、イングランド次第という感じか。EUから脱退すると、いくつかの問題は解決するのかもしれないけど、肝心の経済の部分でどうなのかよくわからん。少なくとも、科学研究の分野へのダメージはかなり大きい。EUの優秀な人材への門戸を閉じるし、グラントへのアクセスもなくなる(はず)。

4番目は、現状維持で、個人的には最もサポートしたい選択肢。