2012年12月31日

Qiqqaその後


今年最もアクセスの多かったエントリーは、PDF管理ソフトのエントリーでした。ここでは、Qiqqaを使い続けた後の状況を少しアップデートしてみます。使用歴は7ヶ月ほど。

まず、Qiqqa使用開始直後、タブレットとしてASUSのEee Pad Transformer を購入。結論から言うと、この組み合わせで、論文の読み方が劇的に変わった。

1.紙とプリンターランニングコスト大幅削減
これが最大の変化。
論文だけでなく、学位論文やグラントガイドラインなどもQiqqaで見るようにしたので、その手のプリントアウトも不要に。おかげで、プリンタのインク使用量も劇的に減り、プリンタのランニングコストが削減できた。
タブレットを買っているので、全体のコストはまだマイナスだとは思うけれど、タブレットは他の用途でも活躍するので良い。

2.論文の携帯性向上
タブレットにたくさんのPDFを入れておけるので、いつでもどこでも論文を読め便利。

3.アノテーション・メタデータによる論文管理
PDFへメモやハイライトを残すアノテーション機能や、タグやランキング付けをするメタデータ保存機能は、同一論文を読みなおす時に便利で、論文中のキーワードを探す時などの効率が向上したように思う。

PCとタブレットを同期すれば、どの端末からでも論文にアクセスもでき便利。ただ、タブレット版のアプリは機能がイマイチなので、タブレットでは、読んでメタデータなどを残すといった感じで紙+αの役割のみ(ただ、PC版・タブレット版、定期的にアップデートがされているので、機能は良くなってきています)。


論文の読み方は人それぞれだと思うので、これがベストだとは思わないけれど、少なくとも僕の場合、以前に比べたら大きな変化でした。ちなみに、Qiqqaの登録はこちらから可能です。

2013年の課題は、データベースを拡充させ、アノテーション・メタデータについて自分なりのやり方を確立させること。

2012年12月23日

Cafe Andaluz


昨日は結婚10周年ということで、シティ・センターのCafe Andaluzというスパニッシュレストランへ。

店内はスパニッシュな雰囲気で(外は雨でスコティッシュだったけれど)、音が反響しやすいのか、近くのお客さんの話し声は全く気にならない、けどやかましすぎない適度なノイズが自然と生み出されていた。子連れフレンドリーで、実際、子連れがたくさんいてた。

クリスマスシーズンで特別ディナーもあったけど、普通のメニューを頼む。
ガーリックトースト、イカの唐揚げ、ムール貝、そしてパエリアを注文。

ガーリックトーストは、チーズも焼いてあってめちゃイケた。
パエリアは、お焦げ少なめのしっとりしたなかなかのテースト。

最後にデザートを注文。
長女が注文したラズベリーPavlovaはインパクトがあった。
デザート類やや甘めだったけど美味しかったです。

ウェイターさんにスパニッシュな人もいて、場所はジョージ・スクエアからすぐの便利なところで、価格帯もリーズナブルな良いレストランでした。

エディンバラとグラスゴーのウェスト・エンドにもお店があるもよう。

2012年12月16日

北斎


札幌滞在時に寄った寿司屋さん

超絶寿司を頂く。あんな美味しい寿司を食べたのは生まれて初めてだし、これからもなかなかないはず。

まずはお通しとして、エイのエラが出てきて、まずやられる。あの軟骨の触感は独特。

寿司は、背伸びして「おまかせ」をいただく。

すべてのネタが何かしら味付けされていて、一部はネタによってシャリの形もカスタマイズされていた。例えば、トロには生姜が少し乗せられ、口の中に入れたらホントにとろけて調和した。。。ウニもとろけた。。。牡蠣は薄く柚子で味付されていて、生エビはシャリより大きかった。1貫ずつ出されてはいただき、寿司屋のご主人との会話を楽しみながら、「おまかせ」は玉でしめられた。

途中、福島のお酒「風が吹く」をいただく。これも最高。

海外から来たからか、開店と同時に入ったからか知らないけれど、いくつか付け出し系の料理をサービスで出して頂き、これがまた美味しい。八丁味噌につけた牡蠣が特に。

ご主人は40年間寿司を握られてこられたそうで、ご主人曰く、そのレベルではお客さんにカスタマイズさせた寿司を握るのがポイントとのこと。「おまかせ」ではじめてそのレベルを体験できるのかもしれない。

一つ一つの食器、小さいながらも綺麗な店内と葛飾北斎の小さな絵、そして会話中は忘れてしまうくらいの適度なボリュームのジャズ、そして気取らないご主人とそのご主人の美味しすぎる寿司、けどリーズナブルな価格。

札幌駅から徒歩数分の最高の寿司屋さんでした。

映画5本


飛行機で観た映画たち。

The Dark Knight Rises
個人的には期待はずれ。。。

同じマンハッタンを舞台にしたThe Avengersの方が映像や娯楽性という点で良かった。
Christopher Nolanの作品の割に、ストーリーの一部に無理があり、ちょっと残念な作品。一方、Anne Hathaway美しすぎ。。。

A Beautiful Mind
昔から気になっていた映画。John Nashの人生を描いた映画。泣いた。ノーベル賞受賞スピーチのシーン、映画用演出とわかっていても、まんまとハマる。。。

テンポも良く、ストリー性良しで、超お薦め。おそらく2回目見る時はストーリーがわかっているので、印象がまた変わると思われる。

Total Recall
意外と面白い。映像もなかなか。
シュワ氏の映画も見た記憶はあるけど、細かい部分の記憶は消去されていた。
ので、新鮮な気持ちで楽しめた。

The Bourne Legacy
まずまず。
人間の能力を高める軍事(?)機密プロジェクトが中止に追い込まれ、それに関わる人物たちの一悶着がテーマ。The Bourne Ultimatumの姉妹作、と言ったら良いみたい。マット・デイモンも写真で特別出演する。

結構、ハラハラするシーンが多くて、最後までしっかり観れた。

あなたへ
亡くなった妻の遺骨を妻の故郷の海へ流すべく、自家用車で各地を移動しながら、近い境遇を持つ人達と出会い、妻のことを回顧していくという展開。

高倉健氏をはじめ渋い仕上がり。ここ数年で、日本映画のこういう小さなストーリーの良さが、この歳になって少しずつわかってきた印象。

が、最後付近で、飛行機着陸となってしまったので、感動シーンが待っていたのかわからずじまい。。。かなり消化不足。。。

札幌


今週月曜日から昨日まで札幌へ。
目的は北大のシンポジウムへの参加。

月曜日
行き、トラブる。。

先週土曜日、風邪で寝込んで、病み上がりの状態で月曜日朝大学へ行き、いくつか予定をこなし、昼、空港へ。

が、ヒースロー行きの飛行機が、整備不良で他の機体調達に時間がかかるとかで2時間遅れる。

もともとトランジットは2時間しかなかったので、成田の便に間に合わず。。。

2時間遅れてる間に、ヒースロー行きの別の便があって、それは予定通り飛びそうだったので、チケットを替えてもらえないか頼んだけど、ダメだった。。。(というか、ピンポン式に使用機体を替えられんのか。。。)

ヒースローのカスタマーサービスで、翌日の便と近くのホテルを手配してもらう。

ホテルと送迎バスのチケット、夕食・朝食バウチャーもしっかり支給してくれ、無駄な出費は全くかからなかった。(というか、高いホテルやら食事やらタクシー代を後で請求される前に、先手を打っとけ、ということなのだろう。。。)

ちなみに、ホテルはPremier Inn。
ホテルに着いて、火曜日に予定していた約束をキャンセルするメールを送る。。。

火曜日
飛行機は昼発。

実は、グラスゴーで預けたバッグを月曜日のうちに受け取るのが難しかったので(「どれくらい時間がかかるかわからないけど、手配してみるよ」とは言われたが、夜だったので、諦めて早くホテルへ行くのを選んだ。。。)、この日の便にしっかり載せてもらうようカスタマーサービスで念を押す。

12時間フライトで成田へ。

飛行機を出ると、僕の名前が書かれたカードを持ってる女性が。。。

イヤな予感。。。

案の上、バッグは同じ便で飛んでなかったもよう。。。(ガックシ。。)

滞在先までできるだけ早く送るから、ということで、その手続をする。

対応した若い女性はBritish Airwaysに勤めてる日本人女性だったけれど、対応は英国対応で正直腹が立った。。。(英国人なら、もともと期待してないから何とも思わなかっただろうが。。。)

BAサイテー。。。

さらに、成田・札幌間の接続も非常に悪く、数時間成田で過ごす。

16時半過ぎ、新千歳空港に到着。
そこは、雪国だった。。。

この日夜、シンポジウムのレセプションがあるにも関わらず、服は、移動中着ていたみすぼらしい服しかなかった。。。

ので、千歳空港でMUJIを見つけ、最低限の服を調達。。。

札幌も激しく雪が積もってた。。。スコットランドなんて穏やかな北国。

ホテルに着いたのは18時前。
月曜日に大学を出てからだと、45時間くらいかかった。。。

19時から宿泊中のホテルでレセプションがあって、シンポジウムがスタート。

レセプションが終わって、部屋でウトウトしていたら、フロントから電話がかかってきて、バッグが無事到着と。JALが超特配で届けてくれた。

これで、ガジェット系の電源復旧。。(電源ケーブル系もすべてバッグ内だった)

水曜日・木曜日
シンポジウムそのものは、札幌の近くのガトーキングダムというリゾートホテルで開催。午前中、駅前のホテルから、皆で大きめのバスに乗って移動することになっていた。

バスは11時過ぎ発だったので、10時台に、駅前のビッグカメラと大丸へ行って、うちへのお土産を大量購入。

ガトーキングダムは、バブリーな雰囲気で、J字型のビルがあり、それに囲まれるようにレストランスペース、そして外はプールになっていた。Jの先には温泉・スパがあるもよう。

シンポジウムは、電子科学研究所のリトリートのような感じで、研究所で働いている学生さんも含めて、みんなでそのリゾートホテルに宿泊しながらサイエンスを楽しむという感じのイベントだった。

2日間で5つのオーラルセッションがあり、各セッション、海外招待者・国内招待者・学内スピーカーがトークをし、ポスターセッションもある、という形式。

リゾートホテルらしく、休憩時間はコーヒーだけでなく、シュークリームをはじめ、一個100円以上をするであろうデザートが4品くらい出てた。。。

そして、バンケットでは、北海道ならではの美味しい食材を使ったパーティー料理が出てきた。。。ミニいくら丼なるものもあった。。。

バンケット後は、スピーカーたちは最上階バーで呑んでよし、ということでバーへ。

客室もゆったり目でかなりビップな気分を味わうことができました。。。

ちなみに、僕のトークは2日目最終セッション。神経科学関連は、そのセッションだけで、僕も含め3人がトーク。他のお二人のトークは刺激的で、2日間通して人脈も広がりとても有意義な機会となりました。

そのセッション後、シンポジウムはお開き。直後に出るバスに乗り、再び駅前のホテルへ。

ホテルにチェックインしなおし、一人で大通り公園まで歩いて、クリスマスイルミネーションを見て、駅近くの寿司屋で極上寿司を食す。

土曜日
朝6時の電車で新千歳空港へ行き、成田・ヒースロー・(なぜか)ガトウィック経由でグラスゴーへ。


成田発の飛行機はJALだったけど、機内食のデザートにハーゲンダッツのアイスが出たり、着陸前の食事でKFCが出たり、客室乗務員の多くが若くてきれいだったり、、、と良い感じ。


が、ヒースローのイミグレーションに1時間近くかかって、ますますヒースローが嫌いになった。。。

ヒースロー・ガトウィックの移動は、25ポンドのバスで、第三ターミナルのバスセンターからなら1時間30分くらいで移動できた。

ガトウィックでは、これまたBAの対応がサイテーで、しかもセキュリティーで「ランダム」な追加スクリーニングに合い、別室へ連れて行かれ、壁にあるスキャンの前でゆっくり回る、というスキャンを受ける。ついでに、人種・宗教についてアンケート質問を受ける。「ランダム」スクリーニングと言っていたので、その結果を分析して、ホントにバイアスがかかってないことがアンケート結果から証明されることを祈りたい。


21時半に自宅に到着。
大きなトラブルがなくても、ドア・ドアで24時間強の旅だった。


ちなみに今回、日本であまり時差ボケで苦しむことがなかった。無理やり朝起きて、少ない睡眠時間でもできるだけまともなリズムで過ごすのが良いのかもしれない。意外なことに、シンポジウム中居眠りすることもなかった。

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最後に、旅行中感じた日本に対する印象などを:

・マスク文化
空港というのもあるのだろうけど、数年前の豚フル以来、すっかりマスク文化が根付いた印象を受けた。しかも、若い女性がしているのを見ると、何となく寂しい。。異様。

・女性労働者
米英ではいわゆる低所得者の人たちが支えている部分を、女性、しかも若い女性がそれなりの部分担ってる印象を受けた。良い・悪い点両方あると思うので、どちらが良いという意見はないのだけれども、違う、という感想をただ持った。

・均一性
良い点としては、例えば、空港内で、誰に尋ねてもそれなりの返答が期待できた。米英ではありえない。

一方で、多様性が少ない分、居心地が悪いと感じると、ニッチを探すのが非常に難しくなるんだろうなぁ、というのは、今回に限らずここ数年思う。その点、特にアメリカのキャパは偉大。

多様性という点では、数年前と比べると、アジア系の観光客がたくさん来てるなぁ、という印象を持った。やはり中国からだったりしてたので、彼らにたくさんお金を置いていってもらうためにも、彼らとは何とかうまくやっていかんといかんのだろう。

・マナー
いわずもがなだけれども、改めてすごい国だと思った。空港のカウンター、インフォメーションカウンター、お店のレジなどなど。徹底している。ハズレが限りなくゼロに近い。心がこもっているかどうかはともかく、対応が丁寧だと対応される方はストレスフリー。その点、米国はサイテー。アタリが限りなくゼロに近い。。。UKは、日本の足元にも及ばないけれど、米国よりは良い、かなり。

・食事
特に北海道は世界一。
海外ならセレブでないと食べれないものが普通に食べれる。一方で、その世界トップクラスの料理で生計を立てている人たちには、その認識が少ないというかゼロ。もちろん、海外で勝負する場合、食材という限界はあるのだろうけれど、食事の体験は味覚だけで決まるものではないので、他の感覚を刺激する部分でも日本の料理はすごい。その辺をぜひ知ってほしい。

・選挙
行き、成田で待っていたら、北朝鮮のミサイルのニュースの合間に、政見放送をやっていた。ひどい。。。時代遅れも甚だしい。。。維新も登場し、橋下氏も出てきたが、何も変わらないというのが伝わってきた。

ちなみに、都知事選の政見放送もやっていたが、マック赤坂はやばい。。。確かに、みんな笑えば良い世の中にはなるとは思うが、笑えん。。。

それはともかく、今回の衆院選、自民党は圧勝するほど支持は得ていないだろうに(投票率が低すぎて)圧勝してしまったのが本質なのだろう。そこに日本が変わることを期待できない原因があるのだろう。。。投票先がないなら、無記名票の山を作り上げないといけない。支持政党ナシとして投票するのも立派な意思表示だと思う。

政治家も国民もメディアも、まともな相互作用ができないままだと、システムは変わらない。

2012年12月9日

viva、Autumn Statement、選挙


viva
木曜日にお隣りbioengineeringの学生さんの学位審査(viva)へ。internal examinerとして。

まずconvener、external examinerの三人で簡単な打ち合わせ後、ランチ。その後、学位審査。

学生さんがすでに渡米しているということで、今回は米英間のビデオカンファレンス形式。大学内のビデオカンファレンス室で学位審査。驚くほど普通に進んだ。

internal examinerの仕事は楽なもんで、external examiner主導で進む審査に適宜追加質問をしたりする程度。

学生さんはすべての質問に対してしっかり答えていた。
知識量・ディベート力ともにPhDレベルで、学位論文もしっかり書けていたので、即サインでPhD誕生。

Autumn Statement
科学技術予算の拡充がアナウンスされた反面、借金減らしは1年先伸ばしということで、UKは厳しい状況が続くもよう。ただ、あと5年我慢しろ、というスケジュールがあるだけでもマシなのかもしれない。ホントに借金減らしが進むかどうかはともかく。

選挙
昨日、在外投票へ。今回はかなり悩んだ。。。

それにしても政党多すぎ。。。
即席政党に投票する場合、4年後にもその政党が残っているかよく考えて投票した方が良い。でないと、貴重な一票が、政治家の気まぐれで無駄にされる。

それから、海外にいてると、公職選挙法せいで、選挙公示後は橋下氏以外リアルタイムな情報がほとんど伝わってこなくなるのは何とかして欲しい。

選挙後、連立になるのは仕方ないとして、意思決定スピードが上がらず、さらなる混乱状態へ。。。なんてことだけにはならないと良いのだけれども。


明日から日本へ。
札幌は確実に今のスコットランドより寒そう。。

2012年11月24日

年末までのトーク


年内3つトークを控えてます。

まず11月27日にエディンバラ大にて。
これはちょっとした縁があってエディンバラ大へ行くついでに急遽(金曜日に)決まったミニトーク。理論系の人への営業が主な目的になりそう。

2つ目は12月5日に研究所内にて。
所内ミニシンポジウムで、in vivo研究をしてる人たちみんなで研究を紹介しあってコラボを促進しよう、というのが趣旨なもよう。持ち時間一人10分。

そして最後は、12月中旬に日本でトークさせていただけることに。
北大の電子科学研究所で毎年国際シンポジウムが開催されているそうで、そこでトークを。
12月14日の午後にトークします。プログラム等はこちら

「律」というお題をいただいていて、オーディエンスのバックグランドが多様そうなので、どうしたものかとトーク内容を思案中です。

ちなみに、日本は2年強ぶり、札幌の冬は人生初。スコットランドより寒そう。。。

2012年11月11日

卒業研究、時事ネタ3件

今年も卒研生と一緒に働く季節に。
今年は5人配属:3人が文献調査、2人は実験研究。

文献調査は、配属が発表された直後に、簡単に個別ミーティングでアウトラインを説明。その後は基本的に学生さんで勝手に進めてくれる。

実験研究は、はじめの個別ミーティング後、今週から実質スタート。やはりはじめはかかりきりで指導の必要あり(大学院生にdelegateできれば楽なんだが。。。)

一過的に負担は増えるけれど、一旦実験をマスターしてくれたら、貴重な労働力になるのは悪くない。実験研究のプロジェクトは、学生さんが希望しても成績が良くないと希望プロジェクトを選べないようで、上位の学生さんが来ることになってはいる。ということで、指導する方もそれなりにはやりやすい。モチベーションもあって良い。

ただ、最大の問題は期間が短すぎる、ということ。
10月末にスタートし、来年1月末には実験は終了、2月は卒論仕上げ期間。しかも12月後半はクリスマス休暇だから、実験できる期間は実質10週間もない。。。戦力になってきたと思ったら、もうお別れ。。。

さらに、パーソナルライセンスが必要なプロジェクトとなると、10月末にライセンス申請し、届くのは1ヶ月後ということになるから、かなり厳しい。。。下手すると何もできない。ということで、研究を考える方もそれなりに戦略が必要。

今週、卒論の導入部分の原稿提出締切だった。5人分を添削。この時点で見込みのある学生さんかどうか一目瞭然というのはなかなか興味深い。

一部の学生さんなんかは、「俺にはこんなうまい英語の文章、絶対書けん。。。」と感動することも。。。もちろん、その逆も。。

今、第一印象と、実際のパフォーマンスとの相関性を高められないか個人的な課題として努力しているのだけれども、私、まだまだ修行が足りません。。。口に騙されます。。。

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話は変わって、今週気になったニュースは3件。

まずセルティック。
10月末の試合でも頑張ったけど、今回はホームで見事バルセロナに勝利。メッシがゴールシーンを見つつセルティックが勝つ、なんてこれ以上の展開はないのではないか。

次は大揺れのBBC
Space Diveみたいなすばらしく良い番組を作る一方、根幹機能は「読売化」してるもよう。。。

最後は、日本での大学新設関連の報道。今回の新設3大学をターゲットにするのは「横暴」だけれども、個人的には田中大臣がやろうとしたこと自体は支持したい(ただ、リーダーとしての素質ゼロだと思った)。

素人的な直感から言って、今の時代、従来型の大学をこれ以上増やす意味を見い出せない。全く。

今回ターゲットとなった大学で教えるコンテンツとは関係ないかもしれないけど、学生サイドから考えると、今はTEDやらMITやらを筆頭に、インターネットさえあれば、世界クラスの情報を高効率で得ることができる。タダで。インターネットにアクセスできるなら誰でも。4年通うといった時間の縛りもない。もちろん、ハク付けやらソーシャルな点で、リアルな大学に行く価値はまだ残っているとは思うけど、コストパフォーマンスという点でどうなんだろう。

運営サイドから見ると、大学ができるとおいしいことが多そう(だから形骸化してきたんだろうが)。詳しいことはよく知らないけど、交付金・補助金なんかが流れてくるだろうし、地元での社会的ステータスも上がることが期待できそう。地元も「大学」というと聞こえが良いから、積極的になるだろう。文科省的にも、財務省からもっとお金をもらうための良い口実にもなるのだろうか。win-winの関係を築きやすそう。

第三者的に見ると、定員割れするような大学のランニングコストとして、税金が使われるのは避けて欲しい。その投資に見合った結果が期待できないとすると、土木事業へのバラマキに感覚的に近くなっているんではないだろうか。土木工事のように目につく形で税金が使われるわけではないから、どう税金が使われているか外からは感覚的に気づきにくい。

大学を増やして自由競争させる、という議論もあって良いかもしれないけれど、今ある大学で競争させるだけで良いのでは?という気もする。新規参入させる大学は、その競争の台風の目になるだけの魅力があるの?と。自由競争させるなら、税金を流す量は変えない、という条件でやって欲しい。企業間のいわゆる「自由競争」とはちょっと違うのだから。

とにかく、今回の件がきっかけで、もう少し大局的な議論に結びついていって欲しい。日本にいる子供の数はどんどん減って、外国からの魅力が劇的に上がることは正直考えにくいから、もう少し賢くリソースを割り振ることを考えた方が良い。

将来の市場規模が縮小することが明らかな分野に、これからベンチャー企業を立ち上げることにどれだけ価値があるかを、常識的な感覚から考えて欲しい。

2012年11月4日

バックアップ


今週一番気になったニュースはSandy関連。
知り合いのラボでも甚大な被害が出たそうで、かなりショッキングだった。研究リソースの復旧には、お金だけでなく、年単位の時間が必要なものがある。例えば大学院生の人たちなんて、研究人生が変わってしまったのではないかと思うと、ホントに気の毒。。

いろんな関連記事の中で、ロングアイランドのコールド・スプリング・センターでのバックアッププランを紹介した記事は興味深かった。ここでは、バックアップが機能し、被害は最小限だったとのこと。ただ、予備電源がどの程度「予備」として万全の対策を講じられていたか、この記事だけからはちょっと不明。

リスク対策は研究所レベルの話もあるけど、データのバックアップなど日常的な話でもあるので、しっかり考えておかないといけない。実際、1年くらい前、うちの大学でも火事があったし。。。

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今週のネイチャーのエディトリアルも、ショッキング。
森口という虚言者のウソを読売が裏も取らずに報じて事が大きくなり、山中教授のノーベル賞に泥を塗ってしまったことに対し、日本のメディアをバッシングしている。日本のメディアだけでなく、日本そのものをバカにしてるようにも思える。バッシングだけならともかく、報道のごくごく初歩的・基本的なことまで書かれている。。。

ここまで書かれる日本の科学技術メディアって、、、と思うが、これだけ書かれても、良くなると思えないところがさらに悲しい(そもそも新聞社の関連記者・編集者は、毎週ネイチャーを読んでるのか?)。しかも、多くの人達はその低レベルなメディア記事で科学技術の情報を手に入れることが多いわけだから、問題は根深い。一方、インターネットのおかげで良質な情報を得ることは可能だから、その意味では、二極化が加速しているのかも。

その記事で、iPS-cell maniaという言葉が出ている。今回のバブリーな盛り上がりは危険。reprogrammingというコンセプトがひっくり返ることはないけど、iPS細胞が病気の治療手段としてどれくらい役立つか、希望を超えたところでは誰も確定的なことは言えないのではないんだろうか(しっかり裏は取ってないけれど。。)。

日本ですごい研究をしている研究者は他にもいるんだから、もっとリスクと希望は分散させないと。。。バックアップとしても。。。

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最後は、またまたスコットランド独立関連ネタ。
最新の記事として、改めてEUからダメ出しをもらったもよう。。。まだ遅くないから国民投票やめたら、と思うが、Salmondは聞く耳持たんのだろう。。ノー・バックアップ。disaster気味。。。

2012年10月28日

overwhelming


1ヶ月半くらいブランクができましたが生きてます。
9月下旬から10月中旬は、ちょうど新年度の時期で、グラント申請や大学関連でいろいろ忙しかったのと、プライベートの方でも娘が通ってる補習校関連で大役を仰せつかって、かなりテンパってました。。。

前期はティーチングゼロなので、これから1月中旬頃までは研究フルモードでいけそうです。

今回のエントリーではまず、2週間前のSfNについて少し。

ニューオリンズ滞在は、ハリケーン後もちろん初。ダウンタウンは僕が見た限り、昔と全然変わってなかった。バーボンストリートは相変わらず賑やかで、昔より「いかがわしい」香りが増していた気もする。

学会は相変わらずoverwhelming。。。同じ興味を持っている人をあれだけたくさん見てしまうと、ホント人生と自分の能力についていろいろ考えてしまう。。。来年はサンディエゴとちょっと遠いし、スコットランドにコモっていろいろ考えたほうが良いのかな、と思う今日この頃。

ところで、今回は学会用アプリがなかなか充実していて、ついに紙に頼る必要がなくなった。ソート機能がもう少し充実してたらもっと便利だったか。

もう一つのネタは、スコットランド独立関連の続報。
学会中に入ってきたニュースとして、国民投票を行うことが正式に決まった。が、Salmond氏が、自動的にEUメンバーになる、と言ってたことがウソだったと最近報じられたりと、いろいろ盛り上がってる。国民投票を行うために、これから相当のお金が使われるのだろうけど、そのお金をもう少し世の中が良くなる方向に使って欲しいと心底思う。

2012年9月16日

ランク・プライズ・ファンド・シンポジウム


今週月曜から木曜まで、The Rank Prize Fund Symposiumに参加。

場所は湖水地方Windermereで、米・英・独の研究者を中心に20人ほど招待されていた(なぜ僕も招待されたか聞かれても困りますが。。。)。

トピックは、神経科学では今一番ホットなoptogenetics+周辺技術のトピック。
もしoptogeneticsがノーベル賞の対象になるなら、受賞候補者に間違いなくなるであろう方と直接少しお話する機会があったりと、良い体験ができました。Nagelさんはホント良い方でした。

ホテルだけでなく、食事も超充実。
水曜日、Trustee主催ドレスコード付きディナーは、結婚式クラスのフレンチディナー。
ゴチになりました。。。

2012年9月9日

近況


ここのところブログだけでなく、Twitterすらろくにできてないですが、以下のことに取り組んでました。

・学部・修士学生さん用のプロジェクト提案10件
・コラボのグラント申請書2件・PhD学生プロジェクト申請1件
・論文投稿
・予備データ取得(夏休みの自由研究?)
・トークの用意
・その他

実験もかなりやっていて、いまだにポスドクなのかPIなのかよくわからなくなる日が続いてます。。。

トークについては、明日から湖水地方で始まるThe Rank Prize FundsのSymposiumに招待していただいて、20分枠でトーク。all unpublishedのデータを話すので、いろいろフィードバックをもらえるととても良いのだけれども。。。

ビッグネームも数名いるし、いろいろネットワークを広げたいところ。
ちなみに、期間中ドレスコード付ディナーがあって、そのために、先日わざわざ安いスーツを購入。。。

ホテルもかなりファンシーな雰囲気

UK全般としては、パラリンピックや内閣改造などが大きなニュースだったか。もちろん、USオープンも。

サイエンスに関しては、今週ENCODE、その前はNASA、Higgsと、今年はこの手のエキサイティングな話題がUKメディアでしっかり紹介されてて良い感じ。UKメディアはこの辺のレベルが高いのか、分野外のニュースは特に勉強になる。ところで、ビッグサイエンスという点では、神経科学はまだ遅れてるか。競争だけ激しくなって、リソースをかなり浪費してる。

それはともかく、日々、昼の長さが短くなって、朝、吐く息が白い日もたまにあったりと、秋というより冬を感じ始めてる今日この頃。

2012年8月19日

オリンピック


閉幕してすでに1週間経ってますが。。

オリンピック期間前半、北朝鮮サッカーチームの紹介ビデオで韓国国旗を間違って流したり(しかもグラスゴーで。。。)、審判の判定が度々ひっくり返ったり、チームGBも全然メダルが取れなかったりと、UK大丈夫か?と思ったけど、終わってみれば、いろいろ盛り上がって記憶に残るオリンピックだった。

チームGBもたくさんメダルを取り、何人かのスターがうまれ、開会式・閉会式でUKを十分アピールし、僕が読んだ数少ない新聞記事で判断する限り、少なくともUK内では大成功と位置づけられてるもよう。

少なくとも短期的には、inspire a generationという合言葉も非常に意味のあるものになったように思う。

一方で気になるのは、スコットランド独立運動との関連。実は、今回のオリンピックは反独立の助けには全くなっていないもよう。。。Andy Murrayのメダルを独り占めしたい気持ちでもあるんだろうか。。。

そのスコットランド独立を決める住民投票は2014年だけれども、その年にはコモンウェルスゲームが開催予定。グラスゴーで

これも盛り上がるんだろうけど、今度はイングランドとスコットランドは別チームとして争うらしいので、このスポーツイベントが住民投票にどう影響を与えるか興味深いところ。

それはともかく、
個人的な思い出としては、グラスゴーでのサッカーを2試合家族で観戦。
一つ目は日本対スペイン。
試合結果を誇りに思ってたら、メダルが取れなかったので、かなり帳消し気味。。。

なでしこはメダルを取ったから凱旋帰国はビジネスクラスに格上げだったらしいので、男子は逆にエコノミーへ格下げ、とかすれば、彼らのハングリー精神に火がついて、気合で負けるような試合にはならなかったのかもしれない。。。(気合以前に、点が取れる気がしなかったけれど。。。)

もう一試合は、女子準々決勝、フランス対スウェーデン。なでしこにグラスゴーを避けられたけれど、この試合、前半点がたくさん入って、後半は退屈な試合展開ながらも、ウェーブが起こったりしてエンジョイできたか。

試合前などにオリンピックならでは企画があったりと、オリンピックをナマで体験することができ良い思い出に。ハンプデン・スタジアムは、雨が降っても観客席は濡れないので、良い感じ。そのうち、スコットランドのナショナルチームの試合でも観に行ってもいいやもしれない。

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オリンピックの開会式と閉会式はズルズルすべて観てしまった。

ブリティッシュ音楽の偉大さに圧倒。

開会式でのNHSのシーンは、これもネタ?と思ったけど、一応、世界に誇りたい制度ではあるのだろう。タダという点は誇って良いけど、制度的に綻びがたくさん出てるように思うのだけれども。。。

一方で、音楽に関しては、ジェラシーを覚えた。
ブライアン・メイのギタープレーをリアルタイムで観てる時は至福感さえ覚えた。。。

ということで、開会式と閉会式で印象に残ったシーンを以下に載せてエントリー終了。

開会式


閉会式




音楽メディアへのリンク
Music for the Closing Ceremony of the London 2012 A Symphony Of British Music - Music For The Closing Ceremony Of The London 2012 Olympic Games

2012年8月12日

Brave


Pixarの最新映画。設定はスコットランド。

先週末、家族で鑑賞。

ガーディアンの辛口レビューにあるように、どの世代がターゲットなのかよくわからなかったけれど、絵のきれいさ、軽めのスコティッシュアクセント、いくつかのネタは良かった。

ストーリーそのものはキッズ向け。

が、一部のシーン、7歳の長女は耐えたけど、3歳の次女にはやや厳し目だったもよう。

scary... という女の子の声がどこからか聞こえてきた。。。

この映画、スコットランドが舞台ではなかったら観てない可能性大なので、あまり人に薦められるものではないけれど、もしスコットランドに興味があれば観ても良いかもしれない(それでも薦めきれないが。。。)。

ちなみに、Alex Salmondは、ハリウッドまで行ってこれを政治利用しようとしていたけど、この映画を観てスコットランドへ行きたくなるかというと、アホか、と言いたい。

邦題は「メリダとおそろしの森」らしい。

タイトルからイケてないが、もし日本で観るなら、ぜひ字幕版でスコティッシュアクセントも楽しみたいところ。

グラスゴーでは、この100倍きついアクセントで話す人がたくさんいてるけれど。。。

アラン島


先週末、アラン島へ日帰りツアー。

Scotland in miniatureとして知られてる島で、確かに北側は、南側と比べ、ハイランド的なきれいな山の景色を楽しめた。

グラスゴーから1時間弱のArdrossanからフェリーが出ていて、朝一の便で車と一緒に島へ。フェリーチケットは数日前にウェブで購入していた。フェリーそのものも良い感じだった。

アラン島では、まず島を横断して西側へ行き、時計回りに、Lochranza城アラン蒸留所Brodick城と行き、南半分も周って島を一周。

Brodickでは、ちょうどハイランドダンスのイベントが開催されてて、スコットランドらしさを味わうことができた。

ちなみに、アラン蒸留所は1995年にできたばかりで、建物も小奇麗だった。ツアーに参加した時の説明では、場所を選ぶ時グラスゴー大に何箇所かの候補地の水質調査を依頼し、今のところに蒸留所を作ったらしい。確かに、カフェでランチを食べた時に飲んだ水はメチャ美味しかった。。

ツアーは、子供も一応参加可で、家族でツアーに参加でき、ウィスキーと最後にはチョコミルク系のリキュールの試飲もできた。

ショップの品揃えはなかなか充実していて、アラン島のおみやげ屋さんとして寄っても良い雰囲気。

アラン島、小さい島の割にスポットもいくつかあって、山登り・キャンプなんかにも良さそうな雰囲気。

2012年7月29日

マヨルカ


FENSの後、3泊4日でマヨルカ島へ。

1日目:7月18日
家族はグラスゴーから直接マヨルカ島へ。
僕はRyanairでバルセロナから。
離陸後30分くらいで着陸態勢へ。

Ryanairは初めて利用したけど、パスポートチェックと荷物預けのカウンターが違ったり、搭乗直前に手荷物のサイズチェックをしっかりしてきたりと、ちょっとイヤな感じ。
荷物預けのカウンターは目的地ごとにカウンターが設けられていた。これ自体は悪くないかも。
機内は、雑誌などを入れるポケットがないシンプルなデザイン。

空港で家族と合流し、Alamoというレンタカー屋で車を予約していて、その車で東海岸まで移動。この会社、安いだけあって、車の傷チェックなんかも自分でやれ、という状態だったけど、車そのものはきれいで、ついでに借りたチャイルドシートも新品同様だった。

ちなみに、車は、左ハンドル+マニュアル。何度、ギアチェンジをしようと左手で窓に手をぶつけたことか。。。

そのドライブ、前半は高速や比較的快適な道が続いた。小さな風車小屋があったりと良い感じだった。が途中、市街地を走る必要があって、えらく狭い一通だったり、roundaboutが左回りだったりとなかなか手ごわかった。。。一方、街並みはスペインという雰囲気で良い建物が並んでいて、良い感じだった(そんなもん楽しむ余裕はなかったけれど)。

1時間くらい運転しては、宿泊先のApartamentos Cala d’Or Playaに無事到着。

このホテルはファミリー向けのホテルで、泊まった部屋は1ベッドルームで、リビングのソファーがソファーベッド。キッチンもしっかりついてて、食器類やちょっとした家電が一通り揃ってた。
そのホテルにはプールがあり、海水浴場までは徒歩5分強。部屋にはベランダがあって、そのベランダから、プールと遠目に海も見えた。

この日のディナーは、ホテルから歩いて5~10分くらいのところに何軒かレストランがあり、その一つへ。パエリアをいただく。徒歩なので、ビールも。

2日目:7月19日
朝食はホテルのビュッフェ。
7時すぎに気合をいれて行ったら、オープンは8時過ぎだった。。。

朝食後、車でまず目指したのは、Cuevas del Drachなる鍾乳洞

鍾乳洞内をしばらく歩くと、洞窟内のちょっと広場にみんな座らせられた。そして、その広間の目の前にある大きな水たまり(?)に、クラシック音楽を奏でながら、光で装飾されたボートが3艘、岩陰から登場しては隠れ、そして再び現れては消えていった。

その後、希望者はボートに乗って、その水たまりを少しだけ移動できた。水は冷たく心地よかった。

その後は、出口までのルートを少し歩いで地上へ。

一連のボートの演出、音響的には素晴らしかったけど、観客席の目の前でしばらく演奏を続けてその音響をもっと楽しませて欲しかった。。あと、ボートに乗れるといっても、徒歩で移動する選択をするのと比べて、それほどヴァリューはなかったのが正直なところ。入場料も観光地価格だった。。。

ちなみに、洞窟内での写真撮影はNG。

写真を撮ってる人は、ルート内に立ってる係員に執拗に注意されてた。。。

おそらく、これは大渋滞防止のための措置なのだろう。
と解釈したので、ボートに乗った後はガラガラだったので、少し写真を撮った。。。(お咎め無し)

続いて目指したのは、Alcudiaという小さい街。

城壁みたいなものに囲まれたスポットがあり、その近くの無料駐車場に車を停めランチ。

そのスポット内は、レストランやいろんな店があって、ストリートの上に一面につけられた紙の飾りがえらく良い感じだった。

続いて、岬の展望台へ。
ビーチを横目に少し走ると山道になり、しばらく登ると展望台があった。眺めはなかなか良い感じだった。けど、暑かった。。。

その後は、娘たちのcomplaintsに応えるべく、ホテルに戻って近くのビーチへ。

開けたビーチではなく、岩場が削られてできたような小さなビーチで、その眺めそのものがまず良かった。水もメチャメチャきれいだった。海水はやや冷たかったけど、十分泳げる温度だった。長女は海に入って遊び、次女は海辺で砂遊び。それなりには混んでたけど、混みすぎということはなく、楽しめた。

夕方にホテルに戻って、ホテルのプールで少し遊ぶ。ホテルのプールは赤ちゃん用からそれなりの深さのプールまで、広くないスペースに一通りあった。

この日のディナーは前日の隣のレストラン。観光客だけを相手にできるようなレストランだった。。。

3日目:7月20日
前日スーパーで買ってきた朝食をベランダで食し、ホテルをチェックアウト。

まずこの日のホテルを目指す。ホテルはPetit Hotel Hostatgeria Sant Salvador

Sant Salvadorという教会に併設されたお洒落なホテル。

場所は、Felanitxという小さな町からすぐ近くにある山の頂上。車で、狭く手強い山道を登り倒したところにある。教会はとても立派で、ホテルも隠家的な良いところだった。朝9時過ぎに着いたけど、部屋はすでにavailableでチェックインできた。が、ここのホテル、今回の旅行で唯一英語が通じにくいところだった。

荷物を部屋に置いた後、再び山道を下って、空港方面へ。目指した場所は、Aqualandなるプール遊園地。

ここは、昔NJで行ったエルモランド系のアトラクションスポットで、各種滑り台系アトラクションや流れるプールやら波の出るプールなどがあった。基本、キッズ向けだけれども、夕方までエンジョイできたか。

ホテルに戻って、ホテルでビュッフェ形式のディナー。
岩に穴を掘って作ったようなレストランで、中はちょっと暑めだったけど、お洒落な雰囲気だった。ビュッフェには、シーフード系の料理もあっておいしかった。ワインがボトルでもれなく付いてきて、嫁さんと二人であける。。

食後は、部屋のベランダに座って、東側の街並みを見下ろしながら景色を楽しめた。部屋は2ベッドルーム・ベランダ付きだったけど、料金は普通のホテルより少しだけ高いだけで、なかなかコストパフォーマンスは高かった。

ちなみに、バスはシャワーのみで浴槽はなかった。

4日目:7月21日
朝食もこれまたビュッフェ。食後、荷物をまとめてチェックアウトし、山を降りて空港方面へ。Palmaへ。

さすがに栄えた都市で、La Seuを観光。
外も中もしっかりしたCathedralだった。Palmaの観光、実はこれだけ。その後、Palma Aquariumへ(結局今回は、この手のキッズ系アトラクションばかっりだった。。)


意外と充実した水族館で、いろんな海洋生物がいてて、結構楽しめた。

これでマヨルカ観光は終わりで、空港でレンタカーを返却。

レンタカーは5時半までに戻すことになっていて、フライトは夜。
ということで、空港内で数時間過ごす。空港は、それなりのサイズはあるけど、お店等も少なかった。けど、人はたくさんでかなり活気があった。

嫁さんたちはそのままグラスゴーへ。

僕はバルセロナへ行き、もう一泊し、翌日グラスゴーへ。

バルセロナでは、地下鉄でアメリカ時代の同僚と偶然会って少し話をする機会があった。

ヒースローでの乗り継ぎ、オリンピック直前で混んでないか心配だったけど、オリンピック用に係の人がたくさんいたり、入国審査場もセキュリティーチェックも待ち時間ゼロで、ヒースローとは思えないくらいストレスフリーだった。いつもこうなら良いのだけれども。。。

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マヨルカは、海もメチャクチャきれいで、大人から子供まで遊べるスポットはまだまだたくさんありそうで、もう数日過ごせると良かったかも。観光客は、ドイツを始めとした欧州系の人が大半で、アジア系の人を見る機会はほとんどなかった。言葉も英語が基本的には通じたし、レストランのメニューも複数の言語で併記されていて、言葉で困るということはほとんどなかったか。

今回のバルセロナとマヨルカ島のスペイン旅行、経済の影響がどれくらいあるのか興味があった。

確かにバルセロナ空港は、大きな空港の割に人がそれほどいてなくて、これは経済の影響なのかな、と思った。が、バルセロナ市内そのものは、観光客もたくさんいたし、特にデモを直接目撃することはなかったし、ニュースを見ない限り、もう一つピンと来なかった。

一方で、バルセロナで乗ったタクシーの運転手との会話が印象に残った。

彼はビーチの近くに住んでいるらしい。

「僕が働いてる間、妻と子供はビーチで遊んでるよ」とそのドライバー。

「良いお父さんじゃないですか」と僕。

「まぁ、仕事が終わったらビーチに行って、ビールを飲むんだけどな」とドライバー。

「一回の人生だし」と続けてドライバー。

僕が、僕はUKから来て、雨ばっかり、と言うと、

「仕事するにはそっちの方が良いよ。暑いと働く気がせん」とドライバー。

スペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガル。緯度は同じくらいだから気候も似てるのだろう。

このタクシーの運転手の言葉は、ある意味腑に落ちた。

2012年7月16日

バルセロナ


ヨーロッパの神経科学学会FENSの学会のため、バルセロナに来てます。
スペインはもちろん、FENSも初めて。

バルセロナは適度な暑さの都会で、非常に良い都市。観光はサグラダ・ファミリアに行ったくらいだけれど、普通のアパートのバルコニーも何となくおしゃれで良い感じ。

地下鉄が便利。泊まってる宿は、会場から距離があるけど、市内は均一料金で移動できるようで、一回乗り換えれば会場へ行ける。

バルセロナの空港から市街地までもアクセスが比較的良い。

ただ、ニュースをつけると、消費税アップの話題をはじめ、財政危機関連の話題を扱っていて、大変さが伝わってくる。何を喋ってるか全然わからないけれど。。

その言葉に関しては、ホテルのフロントはもちろん、レストランなどほとんどのところで英語が通じる。英語は使わないようにしたいけれど、「オラ」と言った後は、英語で要件を伝えないとどうしようもない。。。

気候は、数日過ごした印象では、海岸沿いの都市だからか、風がよく吹いて心地良い。気温は30度くらいで、湿度は高くなく快適な暑さ。

人種は、アメリカでいうところのヒスパニック系の人がやはりというべきかたくさん住んでいて、白人もUKの人たちとは顔が違ってる。キリッとしたきれさを持つ女性が目につく。。。

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FENSのミーティング。

初日は、テクニカルワークショップ、European Journal of Neuroscience主催のシンポジウムがあって、正式なオープニングセレモニーが開催された。

セレモニーは、地方特有のちょっとした見せ物があって、FENSのトップやバルセロナ市長(の代理)がスピーチして正式にキックオフ。このセレモニーはメイン会場で開催され、オーディエンスは椅子に座って、それを見て聴くだけ。

翌日からは、朝一、ビッグネームの招待講演、シンポジウムが並行していくつか走り、午前のポスター発表。午後はその逆で、ポスター発表、シンポジウム、招待講演の順番。

ポスターの張り出し時間は、午前なら、8時から1時過ぎまでだけれども、発表時間そのものはシンポジウムとはダブってない。みんなで移動しながらサイエンスを楽しむという、小規模の学会の形式が少し残っていて良い感じ。

ポスター会場もSfNのそれほど混んでなく、比較的ストレスは少ない。ただ、各セッション内のポスター演題はそれほどオーガナイズされていない印象を受けた。

量という点では、もちろんSfNには及ばないけれども、全体的な質は高く、USから招待されている人たちも多くて良い感じ。

まだ2日目が終わったばかりだけれども、今後は、FENSがある年はFENSへ、SfNは隔年、というのが良いのかもしれない。

FENSのもう一つ良い点は開催場所。2年に一度欧州のどこかの都市へ行ける。次回はイタリアらしい。

ちなみに、僕は昨日2日目の午前にポスター発表。意外と人の出入りがあったか。水曜日学会が終わったら、その足でマヨルカ島で家族と合流し、数日夏休みです。

2012年6月24日

グラント申請、夏学生


ここ2週間ほどで、グラント申請を4件ほど。


4つ中2つはPIとして。
1つはco-investigator (Co-PI)。
もう一つは8人くらいの大型プロジェクトの文字通り末席。

PIとして申請した二つ中一つは、学内の少額グラント。
今週か7月早々には結果が判明するもよう。アプリケーションも短く、締切2日前に初稿の形ができ、コラボ相手に見てもらい申請。

もう一つは、昨年送ったグラントのresubmission(つまりは、前回はrejectされた)。こちらも直前にバタバタと仕上げる結果に。。。大丈夫か?

co-investigatorのものは、結構重要かつインパクトがありそうな大型プロジェクト。一員に入れさせてもらえるだけでもありたがい。

最後の大型プロジェクトは、英国再生医療プラットフォームなるスキームで、なぜか僕もプロジェクトに入ることに。。。(再生医療のさの字も知らんのだけれども。。。) 具体的に僕が何に貢献するかも実は不明。。。

とりあえずは、短いアプリケーションによる1次選抜があるようで、その締切が今週だった。先週末の段階では、アプリケーションは全然形になってなかったけど、締切1日前と締切日にそれなりの形になってた。。。

僕がしたことは、アプリケーション用に4行ぐらいの文章とCVを提供した程度。。。

fingers crossed。

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6月からsummer studentが各ラボにくる季節で、うちには2人の学生さんが来た。

一人は学内からで、少額研究費と学生さん用給料までついてる。

もう一人はグラスゴー大の学生さんがボランティアで働きたい、と言ってきたので少し働いてもらうことに。

最初の一週間くらいは一通りの仕事を教えるのに時間を費やす必要があるけど、期間全体を通して考えると生産性が上がるのでありがたい。

summer studentは学部3年生だけど、モチベーションも高いので、教える側としても非常にやりやすい。

「この論文、関係あるから読んどいて」、と渡したら、数日でしっかり読んでくれてた。

僕が学部3年の時、論文なんて全く読めなかった、というか読んだことすらなかった。。。論文を読む授業避けてたし。。。

それはともかく、この時期から研究経験を積めば、そうでない人と比べて、それなりの差はつくはず。その差は、例えばPhDのアプリケーションの時ですら、CVという形であらわれる。さらにホントに優秀な人材だったら、その差はスノーボール現象化するのだろう。

2012年6月17日

ギリシャ・送別会


Euro2012では決勝リーグに進んだことだし、その勢いで、今日の選挙もイイ方向へ(何が良いかはともかく)と願いところ。が、BBCのわかりやすいページによると、世論調査では相変わらず硬直状態とのこと。。。

連立政権樹立に失敗すれば、また第3ラウンドへ突入のリスクもあるとか。。。

選挙戦より、政治家で落とし所を協議し続けたほうが良いのではないか。。。

ギリシャの人たちの生活はすでにすごい状態みたいで、どちらの選択も短期的には希望を持てるものではないだろうから、投票はホントに難しいはず。政治家は良い側面だけ強調するだろうし、十分な情報を持って意思決定できてるとは思えない。

少なくともギリシャに関しては、随分前にtipping pointを超えてるだろうから、現実的にはもう一からやり直すしかないんではないか、という気もする。。。

ギリシャの外の人たちは、ギリシャがユーロに留まるのが一番良いんだろうけど、ギリシャ国民にとって中長期的にもホントにそうなのか、僕にはよくわからない。他の国も道連れ、的に投票する人もいるはず。

もしもギリシャがユーロを離脱する場合のシナリオとしては、今回の再選挙が決まった直後のブルームバーグの記事がある:こちらこちら

最近、中国も減速傾向が明らかになってきてるみたいだから、年末までにかけてすごいことになって、想像してたより悪い年がしばらく続くことに備えておいたほうが良いんだろう。。。

楽観的に考えられる要因・根拠がどこかにあるのだろうか。。。

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そんなグローバルな話はともかく、金曜夜、半年間働いてくれたエラスムス学生さんの送別会。
大学の近くのイタリアンカフェへ。

彼女には、実験手法の一つの確立に貢献してもらいました。教えたことは基本的に一回でマスターしてくれ、たくさんデータを出してもらって非常に助かりました。

同時期に、エラスムスの学生さんたちが欧州各国から集まり、別のラボに所属しつつも寝食共にし、たくさん友達ができたらしく、非常に良い経験ができたとのこと。うらやましい。。。

こちらとしては、初めての学部学生さんということで、どれくらいのレベルで教えれば良いかちょっと難しく、もう少しうまくやれば、彼女のポテンシャルをもっと活かせた気もする。。。このあたりは課題が大いに残る。

ディナーの最後に、この本をプレゼント。包装は彼女がジャーナルクラブとして紹介してくれた論文のコピーを。

チェコに戻っても頑張って欲しいです。

2012年6月10日

Jubilee、トーチなど


ここ数週間のUK内や比較的ローカルなトピックをまとめて。

Diamond Jubilee

スコットランドでもユニオンジャックを結構見れるイベントだった。コンサートは、前日のPageantとメリハリがついててなかなか素敵だった。コンサートだけならともかく、こういうコントラストは、アメリカでは体験できなかった演出ではないか。


トーチリレー

金・土とグラスゴーにトーチが来た。
ちょうど長女のダンスショーと重なって、イベントには何もいけなかったけど、ジョージスクエアはイベント会場として盛り上がってたもよう。


日本イベント
今日はグラスゴー大の近くで、日本イベントが開催され家族で行ってみた。

屋内イベントで、寿司などのお店、折り紙・習字等のイベントコーナー、さらには合気道・盆踊り体験まで、盛り沢山だった。

地元のスコティッシュの人たちも結構来ていて、エンジョイしてる雰囲気だった。日本の文化は強い。

こういうイベントは、娘たちにも「日本」を少しでも体験させられる良い機会だからホントありがたい。


David Livingstone Centre
Jubileeの先週日曜、近くのDavid Livingstone Centreへ行った。

National Trustの一施設で、スコットランド・UKを代表する探検家・アフリカ開拓者のDavid Livingstoneの観光施設。うちから車で15分くらいのところ。

この人のことは全然知らなかったので、良い歴史の勉強になりました。

National Trustの施設には大抵子供が楽しめる「仕掛け」があって非常に良い。親だけでなく子供も全展示を見るように工夫がされている。

このDavid Livingstone Centreでも「ライオン探し」が仕込まれてた。

ちなみに、今年からNational Trustの会員になったので、週末の選択肢が広がった。そんなに高いものではないので、これはお薦め。


海水浴とBBQ
少しさかのぼって5月末。

1週間くらい連日夏日を記録し(グラスゴーではありえない。。)、Troonの海水浴場へ行ってみた。

ここは超遠浅。干潮だったから、浜辺から海まで100m以上あったんではないか。
海水はさすがに冷たかったけど、子供、特に長女は、持参した砂遊びグッズでエンジョイしてたもよう。

早めに帰り、この日の夕食は、念願の、自宅でのBBQ。アイスまで外で食べれて、至福の時を過ごす。。。

が、これは一年に一度きり、と言わんばかりに、その「夏」の後、またグラスゴーの夏になった。。。

上着必須。早朝、吐く息が白い日すらあり。。。

2012年6月9日

Probationary period終了


今のポジションに就いた時、当初3年間というprobationary periodという見習い期間的な条件がついたけど、今年度をもってパスすることに。

probationary period、当初アメリカのテニュアトラックのUK版、と思っていたけれど、全くそんなものではなく、ホントに「見習い期間」と呼ぶのが相応しいものだった。

テニュアトラック制度のないUKでは、このprobationary periodがついてることが多いらしい。

審査プロセスは、
1.毎年恒例パフォーマンスレビューのペーパーワーク
2.所長によるインフォーマルインタビュー
3.申請書作成
4.学部レベルの審査委員によるインフォーマルインタビュー
5.審査会
6.結論
という流れだった。

ペーパーワークが2つあったけど、分厚いものを用意するのではなく、ウェブベースのフォームと3ページ程度のフォームだけ。前者は数時間、後者は数分で済む程度のものだった。

インフォーマルなインタビューは、文字通りインフォーマルで、所長とのそれは、簡単な確認と短・中期的なアドバイスをもらったり、同じ神経科学者だから研究の話も少し、というものだった。

学部の審査委員とのインタビューでは、一人の方のオフィスを訪れ、提出書類に関していくつか、これまた確認程度の、質問を受けてそれに答えるくらいだった。

そして、審査会の結論を、今週手紙として受け取った。

その文面では、4つの外部資金を獲得したことが評価されていた。フェアに言って、額としては全く大したことないのだけれども。。。

それから、ポジションとして研究重視というのがあったからか、教育面で一部プロセスは未経験だけど、問題なかったもよう。

ちなみに、
terms and conditionsはそのまま
とその手紙には明示されていた。。。

騙されてる気もするのは、気のせいか。

少なくとも、これによって特別給料が上がるわけではないし、visaが取れなくなったら意味がないから、実質的変化は基本的にゼロ。

むしろ、これを口実に、もっと大学に貢献するよう、教育やら雑用の量を増やされるリスクがある。。。

おそらく、probationary periodとは、働かない人を雇ってしまった人を解雇するための、雇用者側の都合の良い制度なのだろう。

一方で、この制度そのものからのプレッシャーは、例えばアメリカのテニュアトラック制度と比べると、限りなくゼロに近いだろうから、その点は僕にとっては非常に良いと思った。

が、みんな口を揃えて外部資金獲得はますます難しくなっていると言う。なので、その意味でのプレッシャーは今後増すのだろう。その点では、ポジションそのものはパーマネントといっても、研究費は時限的なわけで、お金が尽きたらそれで実質終わり。

その意味でも、何も変わらないし、むしろこれまで以上に頑張らないといけない。。。

そんなprobationary periodだった。

過去の関連エントリー
probation meeting
Work Loads Meeting

2012年5月27日

7年


5月23日で海外生活も丸7年経過。

この間、家族が一人増え居住国をスイッチし、と公私共に大中小いろいろありました。グラスゴー生活も2年弱。UKや大学関連のシステムは、日本とも米国とも結構違うから、未だにいろいろ勉強中。研究という点では一応やりたいことが、自転車操業的な状態だろうがなんだろうが、なんとか回り始め、家族もグラスゴーにすっかり(ある意味僕以上に)馴染んで悪くない。これまでのところ。

7年前に今の状態なんて選択肢にすらなかったから、人生なんて何が起こるかわからない。

気になる英語に関してさらにコメントするならば、やはり7年というのは、変化を起こすのに十分な長さだと思う。

スコティッシュアクセントはもちろんのこと、「普通の英語」でも聞き取れないことは、情けないけど、今でも結構ある。。。それでも、コミュニケーションは最低限とれ、電話なりskypeでのコンファレンスも、やれ、と言われればできなくはない。こちらが言うことは、100%は無理でも、おおまかな意図は伝わる(と信じている)。発音はともかく、少なくとも文法は全く気にする必要はないことを学んだ。

読みに関しては、スピードはどうか知らないけれど、論文や新聞をできるだけたくさん読むよう心がけてきたおかげか、問題はほとんど感じない。今は日本語より英語を読む量の方が圧倒的に多いと思う。こんなブログでもやらないと、日本語で文章を書くということがメール以外なくなるんではないか、という気すらする。。

書きに関しては、スピードと正確性でかなりハンディを負ってるけれど、一応外部資金もいくつか調達でき、in progressという感じ。

これでも7年前と比べたら、大成長だと思う。聴けない・話せない・書けない、の3拍子揃ってたから。。。

米国時代は正直あまり英語を使わなかったけど、独立してからは研究関係で日本語を使う場面がほぼ皆無になり、そのおかげでいろいろ成長できたように思う。

もしも今の英語力で海外生活をスタートしてたなら、この7年間は全く違うものになっていたとは思う。だから、英語圏に住むなら絶対英語ができた方が良いに決まっている。けれども、はじめできなくても何とか生きていける。

次の7年、このままグラスゴーに留まるか、UK内のどこか、国へ移るのか、さらには日本に戻るのか、正直自分でも全くわからない。一応probationary periodは前倒しでクリアすることになりそうだから、visaの問題がなければ、グラスゴーで残りの人生を送ることは一応可能にはなりそう。それはそれで悪くない。むしろ、グラスゴーは思ってた以上に良い所だから、良い選択肢だと思う。

UK内、別の国への再移住の可能性もそれなりにあるとは思うし、気持ち的にそういう部分もある。

日本に関しては、年々、日本で生活する適応力が低下しているかもしれないから、実は、言葉を超えた部分で結構苦労するんでは、という気もする。。。そもそも日本でポストを得るチャンスすらないという話もあるが。。

とにかく、この7年間で価値観からいろんなものが大きく変化した。それについてきてくれた家族にとにかく感謝しつつ、次の7年間も人生勉強していきたいところです。

2012年5月13日

PDF管理ソフト


PDFファイル管理ソフト3つ、この週末試してみたので覚書。(他にも良いソフトがあったらぜひ教えて下さい)

1.Qiqqa
結論からいうと、これをしばらく使い続けてみることに(こちらから登録可能)。

<長所>

  • 多機能
  • PDFへのハイライト・メモ機能などあり
  • google scholarとの連携が良い
  • Android版あり
  • Mendeleyなど他のソフトからデータをインポート化


<短所>

  • 論文メタ情報を取り出しは"BibTex sniffer"経由での手作業(ただ、かなり簡単)
  • 一部PDFファイルからテキスト情報をうまいこと取り出せない
  • iPad, iPhoneアプリなし


iPad、Mac愛好家にとっては、現時点では使い物にならないけど、Androidに対応しているので、Android搭載タブレットが論文替わりになる。(タブレットがメチャ欲しくなってきた。。。)
iPadにも対応してくれるなら、ユーザー層も増えて将来性があるのではないか。


2.Mendeley
iPadを持ってる人にはこれがよさそう。

<長所>

  • PDFへのハイライト・メモ機能などあり
  • 論文メタ情報をほぼ自動で取得
  • iPad用アプリあり
*追記(5/14):コメント欄も御覧ください。

<短所>

  • 無料キャパ少
  • Androidに未対応


ソフト自体は非常に良い。ただ、iPadのみの対応なのでガジェットという点でも割高になる。

3.Papers
少しだけ試した。

<短所>

  • ソフト自体有料
  • PDFへの書き込み機能なし(これで魅力激減)



おそらく、どんなガジェットを持っているか、どんな論文の読み方をしているかによって、好みのソフトは変わってきそう。

コスト面を考えると、Android版タブレットはたくさんあってiPadより安い、それから無料機能キャパ、という点ではQiqqaが良さ気。この手のソフト初めて使ってみたけど、PDFファイルに簡単にハイライト・メモ+αを残せるのは非常にありがたい。ということで、今は300ポンドの出資でペーパーレス化が可能なもよう。

追記(5/14):勢い余って、タブレット注文。。。

2012年5月6日

選挙など


今週行われた選挙(統一地方選みたいな感じ?)では、労働党が議席を大幅に伸ばす。スコットランド内では、労働党とScottish National Partyは引き分け

注目されていたグラスゴーでは、労働党勢力維持。とりあえずめでたい。スコットランドはまだ黄色には染まらない。ただ2014年の国民投票までにどうなるかは気を抜けない。車で道を走っていると、SNPと書かれた紙やらポスターをよく見かける。

欧州全体では、今日行われているフランスとギリシャの選挙。フランスは下馬評通りいけば、socialistの大統領が誕生するとのこと。ギリシャの結果によっては、さらに不透明さ・混沌さが増していきそうな雰囲気。。。ユーロ解体への象徴的な一日になるのかもしれない。

先週話題に上げたアカデミック・スプリング関連では、wikipediaの創設者が加担することに。こちらはゆっくりだろうけど、ホント変わっていきそうな雰囲気。

日本の原発全停止はUKでももちろん報じられている。ドイツとUKの原発政策の対比が冷静に語られたりもしている。BBCニュースの読者コメント欄では、根拠のないrenewable推進コメントはネガティブ、交通事故の死亡者数と比較するコメントはポジティブ評価を集めていた。。死、というものだけを根拠に日本の非合理性を議論するなら、ガンやら心臓・脳の血管系のトラブルで亡くなる人の数を出すのが説得力があるとは思う。桁が違うから。ただ死だけではないいろんな問題が複雑に絡み合ってるから、日本語で情報を得てない外人さんには理解するのは難しい。。。とにかく、日本の政府は、中長期的な視点で議論をもっとして、どこへ行きたいかはっきりさせないと、日本はいろんなものを失っていくんだろう。少なくとも、原発全停止は、ドイツのような脱原発への意思表示とはまだ取られていないように思える。

2012年4月28日

アカデミック・スプリング


この一週間、UKでの注目ニュースは、フォンハッキング、それからダブルディップリセッション

前者では、今週The Leveson Inquiryなる公式調査会(?)の公聴会があり、BSkyB買収関連でトップクラスの政治家が関与してたことが判明したもよう。スコットランドのAlex Salmondも名前が挙がった(が、政治生命の危機ということではない雰囲気。。。ちと残念。。。)

後者は、この100年間で最低らしい。。。これまでのツケをどれくらいかけて精算しないといけないんだろう。。。

そんな中、個人的注目はAcademic Spring

何でもSpringを付けたら良いとは思わないけど、大学・研究業界にとっては奴隷解放運動的な歴史的イベントの一つになるかもしれない。

なぜ奴隷か?

研究者は、
論文を出す時に高額のお金を払わされ、
論文査読は無給しかも締切まで課せられ、
他人の論文を読む時も高額の購読料を払わされる。。。

同じ業界の「匿名奴隷」がNo、そしてエディターがNoと言う限り、仮にいくらお金を払いたくても、論文が世に出ることは、ない。。。

これだけ聞いたら、研究者は何てアホなんだ、と思うが、それはそれでシステムとしてsustainableだった。

が、時代なのか、元は税金でサポートを受けてる大学・図書館・研究者が雑誌社にボラれるのはおかしいんとちゃうか、というのが今回の一連のニュースの肝だと理解している。

数週間前ウェルカム・トラストが(実際、少し前から、いわゆるCNSに匹敵するopen accessの雑誌を立ち上げようとしている)、そして今週、論文市場最大手のハーバードがこのSpringに加担した。

おそらく図書館経営に困ってる他大学もこれに追随することは容易に想像できる。

連鎖反応が起こり始めてる。

この運動は、奴隷解放までは言わなくとも、オープンアクセスの流れをさらに強めるのは間違いなさそう。その点では、雑誌社への税金の流れが減り、その浮いた分、世の中をより良くするのに使えるかもしれない。

一方で、オープンアクセスそのこと自体で、税金を払っている人たちにどれくらい直接恩恵をもたらすかは、やや不透明。

というのは、同じ研究者でも、同じ神経科学者でも、自分の専門と違う論文全文を読むことは少ないし、読んでもそもそも理解できないことが多い。。。オープン・アクセスになったからといって、どれくらいの非研究者が論文を読むようになるのだろう。。。

その意味では、知識の壁を壊すSpringも必要。

もちろん、今回のSpringによって、サイエンスライターの人たちがオリジナル論文により簡単にアクセスできるようになる、という点では、そのSpringのための必須イベント、とも言える。ただ、その次のSpringには相当の時間がかかるか。

とにかく、雑誌社には、ペーパーレス化を進めて無駄を省き、より透明かつリーズナブルな料金設定をして、今の時代・テクノロジーにあったビジネスモデルを模索して欲しい。

研究者と雑誌社は共存共栄していかないといけない。

2012年4月15日

イースターホリデー


今年のイースターホリデーは、4月1日から4日まで家族でパリへ。
目的地は、€1.9Bもの負債を抱えているディズニーランド・パリへ。

1日(日)
飛行機は16時過ぎ発のeasyJet
子連れだとspeedy boardingのお客さんの次に案内してくれメチャお得。
前から5,6列目に座れた。

easyJetの利用、これで2回目だけど、ゲート・オープンからレディーになるまでなんとなく早い。

みんな、席は早い者勝ち、という心理があるだろうし、結果的にみんな早くゲートに来ては搭乗してくれるのかもしれない。だとすると、easyJetのこの戦略は革新的。

グラスゴーからパリCDGまでは1時間半。近い。その気になれば、日帰りもできるのではないか?

CDGからはTGVなる特急列車に乗って、Marne la val Ches駅まで。10分。

ホテルはMagic Circusで、駅前の54番バスのりばから無料シャトルバスに乗って行く。このホテルには、子供用2段ベッドがあって部屋そのものは快適。
朝食ビュッフェ、屋内プールもあり。

予約する時、ディズニーのホテルと比較した記憶があるけど、コストパフォーマンスはこちらが上、と判断して予約した気がする。もちろん、「ディズニーブランド」のヴァリューをどう評価するかによって、コストパフォーマンスは変わるのだろうけど。。

2日(月)
この日は、二つあるパークのうち、ディズニーランド・パークへ。中央のお城はsleeping beautyということで、ピンク。しっかり作りこんであった。

9時半過ぎにはパーク内に入れ、各エリアへのアクセスは10時から。
平日だったけど、イースターシーズン突入ということで、いろいろと並んだ。

一人のプリンセスと写真撮るのに75分も並んだり。。。

と、ファストパスを使っても思うようには回れなかったけど、娘たちはそれなりにエンジョイしてたもよう。

閉園間際のショーを待たずにホテルへ。

3日(火)
この日は、ディズニースタジオの方へ。
前日と同じチケットをプリントアウトしまってて、せっかく並んだのにゲートで文字通り門前払いされたけど(アホ)、何とかチケットを発行してもらい入場。。

一日2回スケジュールされてるカースタントのショーは文句なしですごかった。。

夕食は、Rainforest Cafeにて(なぜかアメリカン。。)

4日(水)
フライトは12時台だったので、朝、娘たちはホテル内の屋内プールで遊んで、空港へ向かう。
14時頃には入国審査を済ませ、無事グラスゴーへ。

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パリは就活で一回訪問して以来だったけど、今回はパリ市街へは行かなかったので、あまりパリへ行ったという感じではなかった。フレンチも食べるチャンスがなかったし。。

ディズニー関係、日本のディズニーリゾート、フロリダのディズニーワールドディズニークルーズ、そして今回と、えらくお金を使ってきたけれども、比較でいうと、今回のディズニーリゾートがいろんな点で最もコストパフォーマンスは低かった気がする。そりゃ負債もたくさん抱えてるわけだ。。

まず、以下のテクニカルプロブレムに遭遇
1.カリブの海賊
10分くらい並んで、搭乗までもう一息というところで、アトラクション中断。。。

2.バズの射撃アトラクション
何回も途中で止まるは、シューティング音痴のはずの嫁さんのスコアがありえないくらい大スコアになったりと、アトラクションになってなかった。止まった時、的狙い放題だったのは良かったが。。

3.ゴーカートのアトラクション
幸い登場した車は大丈夫だったけど、一部途中でエンストして、渋滞が発生してた。。。

4.アラジンのマジックカーペット
直前のサイクル中、停止。。。

5.スタジオ・トラム・ツアー
ディズニースタジオで長いバスに乗るアトラクション。
これまた搭乗直前、テクニカルプロブレムでバスが出発できず。

6.一部のアトラクション休止中
いくつかアトラクションが休止中だった。

とりあえず覚えてる範囲でこれだけ。
2日だけで。アメリカの二流リゾートでもここまではなかったように思う。

それから、夕食を食べれるところがパーク内にはほとんどなかった。
基本、ランチのみというレストランばかりだった。
営業すると赤字になるのだろうか。。。
せっかくのフランスワインを振る舞える店はどこにもないそうで、パリで営業してる意味があまりないといえばない。。。

ということで、ディナーは
初日はファーストフード。2日目はディズニーヴィレッジのRainforest Cafe
とかなり不本意なディナーだった。。。

と、残念なところは多いけど、やはりディズニーはディズニーで、プロフェッショナルなところのクオリティーはやはり高い。

キャラクターの対応(態度?)、一部アトラクションの演出、ショー関連はすごい。プリンセスも美人だったかも。。。

言葉に関しては、まずフランス語、続いて英語、という具合にアナウンスしてくれ、食べ物を買ったりするときもすべて英語でいけ、フランス語は不要だった。

お客さんは、欧州のいろんな国から来てる感じで、アジア系はかなりマイノリティー。わざわざアジアから来るくらいだったら、本場アメリカを目指した方が賢いといえばそうか。

ということで、プロフェッショナルさ、フランスらしさに若干欠け、ディズニーというブランドとフランス・パリという利点をあまり活かしきれてない感じでちょっと残念だった。

ちょうど20周年記念のイベントがあってたけど、次行きたくても行けない、なんてことがないように、経営を頑張って欲しい。

2012年4月1日

脳の中のウソ

脳の中は毎日がエイプリルフール。。。


大画面でぜひ。


AとB、どちらが明るい?
AとB以外を隠して比べてみるとホントの答えがわかります。

次は動画二つ。




聴覚だってウソをつく。
The Continuity Illusion
(リンク先ページの下にあるmp3を再生してください)
途切れてるはずの音がつながる。。

tritone paradox
いわばネッカーキューブの聴覚版


次の二つの動画は、複数の感覚の合わせ技

ba?ga? da?
音だけ聞くとba
口の動きはga
両方合わせるとda


脳は幽体離脱体験だって作り出す。

脳の中は毎日がエイプリルフール。。。

2012年3月31日

ティーチング終了


今年度のティーチング関連活動が終わったのでまとめます。

チュートリアル

10月に3週間担当。相手は2年生。
試薬濃度計算といった生化学?関連問題に関するチュートリアル。そのサポート役。

3週分だけれども4クラスあり、1.5時間x4クラスx3週分の合計18時間。

準備は、毎週学生さんたちが解く問題を予め把握しておくこと。答えを見ながら。
なので、週1~2時間もかければ大丈夫、という内容だった。
ということで、計24時間くらい。

関連エントリーはこちらこちら

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レクチャー

3月上旬に担当。相手は2年生。
生理学の中の感覚系について。2週間で3コマ講義。

推薦教科書というのがあったけど、退屈な内容だったのでかなり変えた。
そのおかげで、1コマあたり10時間以上準備にかけるハメに。。。
内容はストライクゾーンなので、楽しめてやれた、と強がれなくもない。

レクチャーそのものは、笑って欲しいところでは笑ってくれたりと、生徒たちのリスポンスは想定してたより良かった。

ただ、英語の発音が。。。彼らにとって初めて聞く専門用語が、ジャパニーズアクセントだったわけだから、記憶に残る効率性はさらに低下したんではないか。。。

3コマの授業に加え、もう1コマあって、それはPRSセッションなるもの。学生一人ひとりワイヤレス機器を持ち、質問に答えていくという、インタラクティブなフィードバックセッション。

3人のスタッフとの共同講義。一人10問ずつくらい用意し、学生さんの理解度を知れるなかなかいい機会だった。

ということで、4時間分の講義。準備はx10以上という時間。

関連エントリーはこちら

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実習

先々週、先週担当。2年生相手。
基本的にはサポート役。

3時間一コマの実習授業で、広い実験室に100人近くの学生さんがいて、解剖の実習を4グループくらいに別れて行う。

1週目は、ラット解剖。
2週目は、循環器解剖。

ラット解剖、普段の研究より下部になるので、言葉が全然わからんかった。。。「ラット脳解剖」とかに返させてもらえるなら、引き継げなくもないか。。。

循環器解剖は、さすがスコットランドというべきか、羊の心臓および肺部分の臓器が、学生2人につき1つ割り当てられ、解剖をし各部位の名称をメモっていく、という内容。

とにかく、英語の解剖ほどしんどいものはない。。。名称はわからん、読みもわからん、という状態。。

一方、準備はサポート役だったということもあり不要で、実習開始45分前に実習室にいって、解剖手順をひと通り教えてもらうだけ。しかも、3時間割り当てられてても、2時間で終わっていた。

ということで、拘束時間は計6時間弱。

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卒業研究

11月ごろに配属決定、2月末卒論提出、3月プレゼンおよび卒論評価。

9月頃だったか、研究要旨を提出し、それに基づいて学生さんたちが所属ラボを選ぶ。

プロジェクトのカテゴリーは、ラボ、文献調査、データ解析の3つ。
ラボプロジェクトは、文字通りラボで実験をし、卒論をまとめる。
文献調査プロジェクトは、お題となるトピックに関する文献を読みたおしレビューを書く。
データ解析は、これまた文字通りデータを解析し、卒論をまとめる。

今月あったプレゼンと卒論評価について。
プレゼン評価は、自分が指導してない、けどプロジェクトの分野が関連している(つまり神経科学)学生の10分間のプレゼンを聴き、質問し点数をつける、というもの。2人のスタッフにつき、5人の学生を評価。

卒論評価は、直接指導した学生と、他のスタッフが指導した学生5人の卒論評価。直接指導した学生に関しては、卒論だけでなく、期間中のパフォーマンスも評価する。ということで、指導学生に関しては学生一人につき2つの評価ファイル。それ以外は学生一人につき1つの評価ファイルがあり、それに点数とコメントをつける。

各卒論の長さは、標準的なアーティクル論文一報分。

僕は、5プロジェクトくらい提案し、4プロジェクト4学生受け持つことに。うち、3プロジェクトが文献調査、1プロジェクトはラボ。

結論から言うと、優秀な学生さんとのインタラクションは非常に刺激的で良い。実際、一人の学生さんは非常に優秀で大学院進学を薦めた。

それにしても、点数付けは難しかった。。。

一連の卒研関連にかかった時間の算出は難しいけど、指導学生については、ミーティング2,3回(1回30~1時間くらい)。ラボプロジェクトの学生さんには、実験期間中はほぼ毎日何らかのインタラクションがあり、それが8週くらいだったか。あとは、卒論原稿を読んでフィードバックを与えたり、メールでのやり取りなど。評価そのものはできるだけ時間はかけないようにはしたけど、9報分の簡略レビューだから、それなりには時間はかかる。プレゼンは1.5時間。

一方で、提案プロジェクトはラボのプロジェクトに限りなく近い、もしくはそれそのものの一部だったりするから、研究活動ともそれなりに重複はある。また、今回に関しては新しい人材発掘につながるというリターンもあった。

関連エントリーはこちら

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ということで、初のティーチング終了。

こちらに来た当初、英語でティーチングなんてできん、とかなりビビッてたけど、終わってみればこの規模のティーチング活動なら、何とかなりそう。

来年度以降へのフィードバックはたくさんあるので、効率を上げて、より良いものにしていきたいところ(どうかこれ以上増えませんように。。。)

それにしても、2-3月は、初レクチャー準備やら卒論評価やらが一気に来て、公私共にえらく大変だった。。。

4月からは研究に専念。まずは、明日からパリのユーロディズニーしばいてきます。。

2012年3月4日

レクチャー準備


1ヶ月以上ブランクがありますが生きてます。

ここのところ週末は、土曜日は娘が通ってる補習校関連、日曜日は今週からスタートするレクチャーの用意やらで、ブログのアップがおろそかになってました。

そのレクチャー、たった3時間のレクチャーでも、普段のプレゼンと違い自分のデータを話すわけではないので、全コンテンツを教科書やらウェブやらから拾ってはストーリーを作っていく必要があって、予想以上に時間がかかった。

文字の羅列的なスライドは配布資料としては良いのだろうけど、嫌いなので、できるだけ見た目の良い図やらYouTubeのビデオなどを探してはスライド作成。

教えるテーマは「感覚系」で、自分の分野でもあるので、それなりに楽しめて準備できたし、実は、いろいろと勉強になったりもした(逆に言えば、教科書レベルのこともしっかりわかってなかったことに。。。)。

来年も同じ内容を受け持つらしいので、今回投資した時間が無駄にならないことを祈るばかり。

レクチャーは火曜日から。薬理系学生さん相手だから、若干アウェー気味での勝負になるけど、果たしてレスポンスやいかに。。。

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前回のエントリーでエラスムスの学生さんがラボに来る、ということを書いてますが、1月下旬からチェコの学生さんが。6月末まで。

この制度は予想以上にグッド(来てくれる学生さんに依存するんだろうけど)。

この制度は、いわば欧州内短期留学制度で、選ばれる学生さんは優秀だと聞いてはいたけど、教えたことは一回でマスターしてくれ、モチベーションも高いし、良い戦力として働いてくれている。一方、「UKの一見さんに対する壁」のおかげで、やれるオプションが限られるのがちと痛いところ。。。

もしスコットランドが独立したら、この辺の障壁を国際平均レベルくらいにしてくれるとするなら、独立のメリットはあるやもしれない、と思う今日この頃。ちなみに、その独立を問う国民投票、2014年秋ということで邁進中。。。お願いだからやめて。。。

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MRCの方は、2週間くらい前から正式に口座ができ、実験部屋もひとつもらえることになって、規模拡張中。

上半期中に2件ほどコラボで大型グラントをアプライできそうな雰囲気で、こういう機会はホントにありがたい。

もちろん、難しい問題も複数抱えてるけど、こうタスクが多いと、全部がダメ、という状況はないから、その点は精神衛生上良いかもしれない。

それにしても時間管理が難しい。。。

2012年1月22日

初めから破綻してるシステムたち


2012年の初ブログ。1月ももう下旬。

まず、今年の仕事始めは3日。強風が吹き荒れ、ジョージスクエアの巨大クリスマスツリーが倒れたもよう。。。

右手前のクリスマスツリーに注目。

こちらはネタ



それはともかく、
仕事は、年末の予定通り順調に滑りだしたものの、週を重ねるにつれ、いろんな予定が小刻みに入って、時間管理が難しい。。(早くも破綻気味。。。)

ちょっとした空き時間の使い方と短期集中、が当面の課題。

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仕事関連の出来事としては、欧州にはErasmus ProgrammeなるEU内交換留学的な制度があり、その学生さんが今週から6月末まで一緒に働いてくれることになった。

EU内はvisaなしで国を移れるから、この辺はアメリカと比べると違う。こういう流動化促進制度があると、いろんな点で良いように思う。

と、未だに制度的な新しいことをいろいろ学習中。。
この制度がはじめから破綻してるかは、これから半年で身をもって体験するだろう。

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MRCグラントは、早く契約をして口座を開いて欲しいのだけれども、MRCのシステムが年末ダウンし、今週ようやくシステムさんからメールが来た。が、数字を見てみたら、明らかにケアレスミスと思えるものがあり、問い合わせ中&時間を浪費中。システムダウン中の仕事をカバーしようとした結果のケアレスミスなんだろうけど、ちとアンラッキーだった。。。

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UK内のニュースで気になったのは、やはりスコットランド独立ネタ

年明けキャメロンさんが、住民投票して独立するかUKに留まるかはよ決めろや、とSNPを脅す。そしたら、サルモンドさんが、なら2014年にやったろやないか、と窮鼠猫を噛む的に宣言したもよう。

ということで、住民投票する時期が具体的にセットされ、今後それに向けた動きがより活発化していくもよう。

年明け後、この独立ネタがメディアを賑わせている。個人的には、独立には強く反対だけれども、選挙権はもちろんないし、動向を見守るしかない。。。独立したらユーロに加わる、的な話もあるようだけど、住民投票後、数年かけて独立した頃にはユーロはなくなってるんではないだろうか。。。このSNPの独立のアジェンダ、初めから破綻してる。住民投票の結果がどっちに転ぼうが。。。

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他には先週のクルーズ船のニュースは、いろんな意味でイタリーを含め今の欧州を象徴してるなぁと思いながら見た。

立派なものは作ったは良いけど、いい加減な舵取りで沈み、その責任者はさっさと逃げ出す。一方、責任とは無縁の人たちが亡くなったりひどい思いをする。あとにはメスだけが残る。。。

アナロジーがいろいろ成り立つ。

あと驚いたのは、クルーズ船に積んでる脱出ボートは収容キャパの75%しかカバーしてないらしいこと。キャプテンはそんなこと知ってただろうし、そりゃ逃げ出すバカも出てくる。キャプテンが人としてサイテーということだけでなく、クルーズ船というシステムそのものが、元からおかしいということにもなる。

そういう人工物はいくらでもありそう。。。
その意味では、欧州だけでなく、ヒトのテキトーさも象徴してる事故だった。。。

と、2012年もなかなかエキサイティングな滑り出し。