2009年12月30日

systemic failureを起こしている

溯ることクリスマス・イヴ。この日もいつもより早めに帰宅して、いつもより豪華なディナー。翌朝5時、起きてサンタになったつもりで、プレゼントのセッティング。思うに、こういうのをいつまでバレずにできるのだろう。できれば小学生高学年、あるいはそれ以上までウソを貫き通したい気もする。

ちなみに今年は、家族全員にプレゼントを用意した。長女にはScooter(外で遊んで身体を鍛えてもらうため)。次女にはPlay and Sound Mat(ぼちぼちハイハイしだすから)。嫁さんには腰を伸ばすマット(先日、腰を痛めたから)。自分にもワイヤレス・ポインターを(前からあこがれてたから)。こっそり。

26日土曜日は忘年会。場所はイースト・ヴィレッジにある焼肉ウェスト。値段はなかなかだったけど、美味い肉とお酒、そしていつものメンバーでいろいろ盛り上がった。外は暴風雨で行き帰り大変だったけど、楽しい忘年会となった。みんな、「次」のために動き出してたり、ボチボチ動き出しそう、というフェーズに差し掛かっていて、来年の今頃はどのようなメンバーで忘年会するのか、全く予想不能。

翌日、二日酔い。。。久々に日本酒を呑んだけど、ちと調子に乗りすぎたか。朝食後、気分が悪くなって昼過ぎまでベッドで死んでた。この日は、娘とどうしてもスクーター初乗りに行きたかったので、2時ごろ起きては近くの運動公園へ。前の週の雪が、前日の大雨で完全に溶けて、水溜りが手強かったけど、気候も良く、程好いエクササイズになった。

夕方前にうちに戻ったら、ジャイアンツがひどい負け方をしていることを知り、観戦しなくて良かったと思った。ジャイアンツ・スタジアム最後の試合で、これだけ負けたら、みんな悔いが残って仕方ないだろう。夜に、カウボーイズが家って、プレーオフのチャンスがゼロに。今シーズンのプレーオフ、コルツとヴァイキングスのスーパーボウルに期待して、二つのチームを応援することにしよう。

昨日、朝オフィスに着いたら、アロンがいた。徹夜実験をしてたらしい。理由を聞いたら、この日からupstateに遊びに行くかららしかった。バケーションには行かん、とつい先日言ってたやないか。。。彼は午前中にオフィスを去り、僕は一人だけになった。

昨日と今日の午後、デスクの大掃除をした。論文の山を大量に仕分けしたけど、面白そうな論文が次々に発掘された。こういうのはたまにやると面白い。が、半年以上熟成された論文たちに、読まれるチャンスは果たして訪れるのだろうか。

今日はさらに、タイムマネージメントについて再検討。そういえば昨年の今日も同じことをやっている。。。全然進歩していない。。。この国のセキュリティーチェックのように”systemic failure”を起こしている。

システムを再構築すべく、過去数年間の反省を踏まえ、今度こそはworkするであろうシステムを構築してみた。昨年の今頃もこれはworkすると考えていたが、version 2010は果たして。。。

ところで、もしかしたらこれが2009年最後のエントリーになるやもしれない。今年を振り返ると、とにかくローラーコースターのようにup&downが激しかった。1月の当て逃げ未遂に始まり、4月のボス電撃移籍発表。ここまではとにかくdown。そして、5月の日本帰国(で美味いものをたらふく食べて)あたりからupもたまにあって、7月次女出産、9月論文受理、秋以降の就活(これはupかdownかは依然不明)、と。未体験のことをたくさんできた。2010年、どんな一年になるのか、とりあえず2月以降から完全に予測不能。けど、仕事に関してはbestとworstなケースは予測できそうだから、そのレンジの間のどこかには収まるのだろう。とにかく、やるべきこと・やるべきでないことを頻繁に確認しながら、前に進むしかないです。。。


2009年12月23日

confidentの裏返しになる

昨日、メールをチェックしたら二つの重要なメールが届いていた。一つはすでに20以上はもらってきた種の、表面的には後悔を表しているメール。そして、もう一通は招待状だった。こういうのは電話だと聞いていたので、驚いた。

そのあと、師匠とスカイプで話をしてアドバイスを乞う。Be Confidentというのが彼のメッセージらしい。確かに、ウソでも良いから自信たっぷりに自分を売り込まんといかんのだろう。また彼はこうもいった。日本人はpoliteで良いが、too politeなのはconfidentの裏返しととられることがあるので気を付けろ、と。

確かに言わんとするところはよくわかる。謙虚だとこの業界では生き残れないだろうことは想像できる。てことは、日本人は言語だけでなく、礼儀・行動的な部分でもある意味ハンディを負ってるのかもしれない。もちろん、それが役に立っているところもあるとは思うが。

例えばこんな感じか?

日本人:私のつたない英語を聴いていただきありがとうございました
自信家:オレ様の英語がわからんのか

日本人:今回はあくまでプレリミナリーなデータとしてお話させていただきます
自信家:オレがこれから言うことは絶対正しいからよく聞け

日本人:例外的な値もありましたが、統計値として見ればこの結論を引き出すことは可能かと思っております
自信家:多くのサンプルで一貫した結果が得られたので、我々の解釈は正しい

日本人:いえいえ、私の研究など大したことございませんよ
自信家:オレ様の研究は、世界中探してもトップクラス。そんなこと言わんでもわかるやろ

という具合でいけば良いのか。。。(たぶん、その間が良いのだろう)

もしかしたら、日本人の書く論文には、こういう謙虚な姿勢が出てしまって、それでアンフェアにリジェクトを喰らったりしてないのだろうか、という気もしてきた。確かにネガティブな印象を与えるようなことは絶対に避けるべきなのだろう。先日の提案書書きでもそれを一部指摘された。

それにしても、なぜ日本では謙虚さをよしとする風習が根付いたのだろうか。クリスマス・イブにKFCを食べることのように不思議な気がしてきた。何かしらfitnessが上がる方向に働いたのではないかとは思うが、それは日本国内で通じてそれが国内だけで増幅されていったのか、それとも世界を相手にしても何かしら強みがあったのか、宗教的なものが関係するのか、これ以上深く考えるスベを持ち合わせてはいない。

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話は変わって、昨日の昼前、H1N1の予防接種を受けた。H1N1にはすでにかかった気もするが、タダだし、優先順位の高い受けるべき人はもうすでに受けただろうし、一応、6ヶ月未満の子供もいるので、受けた。ヴァクチンは、僕も実験で動物に打つ麻酔薬と同じタイプのビンに入っていた。そして、2種類の液(一つは生食?)をシリンジの中で混ぜてはブスっと打っていた。まるで動物に麻酔をかけるような感覚で。

さらに、僕の前まで肩のアルコール消毒もせずに打っていて、たまたま僕の番が来た時に、一旦狭い診察室のドアをクローズして何かをセットアップしたようだった。その後、僕の番では、確かに肩をアルコール消毒してから打っていた。(良いんか?)

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ちなみに昨日は、7回目の結婚記念日だった。少し早めに帰ってディナー。といっても、子連れの外食は大変そうだから、と嫁さんが言うので、うちでいつもより豪華な食事を食べた。だからといって、僕が何かを手伝うわけでもなく、何かを外から買ってくるわけでもなく、嫁さんが頑張って豪華な料理を作ってくれた。

それにしても、7年、あっという間だった。これまで数多くの紛争を経験してきたおかげか、この半年くらいはそう悪くない気もする。お互い「妥協点」が見えてきて、瞬間的な状況は前とは全く変わっていなくても、お互いの中での文脈が変わったから、その「瞬間」の結果が違ってきているのかもしれない。比較的平和な家庭になってきたのかもしれない。

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今日、台本を作った。アナログで考える、ということを今回は本気で採用した。確かに、作るであろう、あるいは作るべきスライドをイメージしながら台本を作っていくのは、面倒な作業のように思っていたが、実は非常に効率の良い、そして、結果的にも非常に効果的なやり方かもしれない。もう少しブラッシュアップしたら、次はスライドつくりになるが、台本ができてしまえば、何を作るべきか、すでに明確になっている気もする。

2009年12月21日

前から意志を貫いている

今週からみんな本格的に冬休みモードになり、ラボメンバーで営業していたのは僕だけだった。

ハイメは土曜日から。アルフォンソ・ファミリーは昼過ぎちょっと顔を出してスペインへ帰っていった。
残るステファンは冬休みかどうかわからないような感じ。昼過ぎ顔を出したと思ったら、しばらくいなくなって、また少しオフィスへ戻る。このリズムは数ヶ月前とほとんど変わっていない。

同じオフィスには、別のラボに移ったアロンが通常営業で働いていて、彼に今日尋ねたら、「論文が出るまでは休まん」、と前から意志を貫いている。関心関心。ケンのオフィスのカウチでよく寝てはいるが。

僕は、週末に一つ課題をクリアしたが、今日から本格的に次の課題へ。元旦と日曜日はさすがに休むとしても、結局それ以外は営業を続けそう。

2009年12月20日

スノーストーム

昨日の夕方前くらいからデカ雪

一晩で30センチくらい積もったんではないか。

ということで朝、雪に埋没した車の救出作業。
良いエクサーサイズにはなったか。。。

救出前後の写真:












1時間ほどで雪製ガレージの出来上がり。

過去の教訓から、車通りの少ない小道に非難させておいて正解だった。

ベスト?

大学院はアメリカ、欧州、日本??

柳田先生のブログに、大学院は日本か海外かという話題があったので私見を。
あくまで神経科学という狭い分野に限っての意見ではある。

結論から言うと、神経科学に関しては、圧倒的に米国が上。

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日本の大学院、何が一番弱いかと言うと、その教育システム。
日本で学位を取った人は、自分も含め、概して視野が狭い。一方、アメリカで学位を取った人は、視野・知識の幅が広い人が多い。それはDNAとかの差ではなく、単に博士養成法が違う、という環境の差によるところが大きい。

上で神経科学は「狭い」と表現はしたが、とらえ方によっては生命科学より広い。例えば、心理学、経済学、認知科学と強く絡んでいる。工学系の知識もあった方が強い。つまり、独学だけでフォローするにはかなり広い学問分野になっている。

米国の大学院(と言ってもラトガーズ大くらいしか知らんが)は、はじめの数年、授業の負担がとにかく大きい。その分、神経科学を幅広く学べる。そして、後半で各研究室で最先端の研究に専念する。

良い研究室ほど、文字通り世界トップクラスの研究をすることになる。なので、大学院生の期間に、広く、かつ一つのことは徹底的に深く、知識を身につけられる。また、研究室ごとの学生数は日本ほど多くはないから、一人ひとりボスの目が行き届いて、「カスタムメード」されていく。

一方、日本の大学院は、はじめから研究室に所属して研究を進める(場合がほとんどだと思う)。研究室によっては、たくさんいる奴隷の一要員としか扱われない場合もあると聞く。しかも授業料を払いながら。。。

系統だった授業がなければ、視野を広くするには独学に頼らざるを得ない。が、上述のように、神経科学は独学の範疇を超えてきている。

食事、確かに日本がアメリカを圧倒している。が、場所を選べばアメリカでも最低限の食事はできて、治安もかなり良い。

それに、数十年前ならともかく、今の時代、日本人だからといってサイエンスまで日本でやる必要はないわけで(しかも日本では、どんどん若手研究者に対する世間の評価は悪くなっている、ように見える)。

しかも、日本ではポストの数そのものが少ないわけだから、ポストを探す場合、日本以外も視野に入れた方が良いのは多分フェアな考えだと思う。とすると、アメリカなり世界のどこかで生きていく準備は、早く始めた方が、中長期的にはサバイバルできる確率も上がる(たぶん)。

あと、アメリカ人が海外にいかないのは、それはホントにワールドクラスの研究・教育が自国にあるから。PI、ポスドクが世界中から集まってるわけだから、コンテンツが自然と「セリエA」のようなレベルになっている。自国にセリエAがあるのに、優秀な人だったらわざわざJリーグに行こうとは思わない。

日本人が海外へ移る時に考えるであろう心配事の一つは、英語か。

個人的な体験だと、僕は謙遜抜きで、アメリカに来た時はホントにしゃべれんかった。4年半いる今でもまだ多くの問題を抱えているが、それなりのレベルにはなる。特に努力をしなくても(その分苦労はしてきた)。

それに、科学者として生きていくなら、遅かれ早かれ英語のコミュニケーション能力は必要なわけで、逃げてたら、少なくとも神経科学では、世界レベルにはずっとなれない。

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神経科学は、日本の大学院での教育システムが根本的に変わらない限り、アメリカの方が圧倒的に恵まれている。日本は研究者養成の場としては「ベスト」ではない。

欧州も良いはずだけど、個人的に知らないので、アメリカと日本の比較に絞ってみました。もっと日本人(研究人生にコミットする覚悟がある人)は、アメリカか欧州で大学院生生活を送った方が良い、というのが僕の意見です。おそらく今の日本国内ではいろいろ「追い風」は吹いている気がします。

2009年12月19日

同僚パワー

今週はバケーション返上で(意図しない返上だったけど)仕事。
結果的には、バケーションどころではなかったことがよくわかった。。。

ここ数週間、10ページの提案書を英語で書いていて、今日ようやく提出完了。
改めて思ったけど、同僚のフィードバックはホントありがたい。英語の手直しはもちろん、もっと本質的な穴を指摘してくれる。今のラボに来た最大のメリットは何か、と言われたら、結局のところそこに尽きる気がする。つまりは、良い同僚に巡り会えたこと。

向こうも忙しいだろうに数時間かけて読んでくれたわけだから、ありがたい話。こういうのは頼まれたらしっかり対応したいなぁ、と思った。

とりあえず、今回の文章を下地にすればいろいろ使いまわせそう。

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ところで昨日、カナダで独立中のアーターがバケーションでNJに戻ってきた。

研究室にも少し寄ってくれて、ポスドク衆で近況などを話す。興味だけでなく、歳も近いから、lifeネタでも良い情報交換になった。今の研究分野にいる限り、彼らとは長い付き合いになっていくんだろう。

彼の話によると、週3時間でも授業の準備はやっぱり大変らしい。授業の負担がもっと大きいところだと良い研究は断念せざるを得ないというのは、確かにそうなんだろうなぁ。少なくとも自分で実験なんてできないんではないか。研究をバリバリできる同世代の連中とは差が開いていくばかりだろうし。。。なかなか厳しい。。。

あと、彼は当初のプランと全然違うプロジェクトを今やってるらしい。。。まぁ、そういうもんなんだろう。

て、ことは今日出した提案書も・・・。
それが研究の醍醐味といえばそうだが。

2009年12月13日

No Break

Indefinite Breakならぬ、No Break。

プライベートな問題が仮にあったとしても、金がなかったら休んでる暇はない。
(タイガー・ウッズにはかなり同情しているが)

貧乏暇なし、とも言う。

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実は、今日からヴァケーションで、今頃は寒いNJ州を脱出してTシャツ+半パンでくつろいでいるはずだった。

が、わけあって、痛恨のキャンセル。。。

事故を起こしたり、浮気が発覚したり、夫婦仲が悪くなったり、はしてない(はず)

しかも当日キャンセルだから全額すった。。。

行けなくなった事実より捨てたお金の方がかなり痛いかも。。。

ヴァケーションのために、ここしばらく週末も休まず働いたけど、報われんかった。。。

腹いせに、観れない予定だったらNFLの試合観てやる!テレビで。
(こういう時はジャイアンツも負けるのだろうが)

That’s life...

2009年12月11日

トーク反省会

20分トーク+30分強の質疑応答(日本語)を火曜日に終える。

それなりに準備をして臨んだ。研究人生の中で、それほど多いとは言えないトークたちの中では、そこそこ良いデキだったのではないかという気はする。少なくともメッセージは伝わっていた様子。先日読んだ本のおかげか(ありがとう、Steve Jobsさん!)

が、まずい点があったので、今後の改善点を:
1.スライドへのトーク
2.練習と違うトーク
3.セクシーさに欠けるスライドたち

1.全てのスライドを頭にいれていたけど、結局、スクリーンに向かってトークする時間が長かった。もっとオーディエンスにトークしないとダメ。

2.正確にオーディエンスを予測できてなかったから、途中トークのコンテンツを少し変えた。仕方ないといえばそうだけど、こういうことをやると、軌道が変わりうるリスクがある。アドリブが利く人は良いが、僕の場合は、練習の段階でもっとしっかりシミュレーションしておいて、柔軟に切替えながらコントロールしないといけないか。(そこまで徹底する必要があるのかはわからんが)

3.いろいろ考えようとしたけど、セクシーなスライドを用意するのは非常に難しい。。。思うに、スライド一枚一枚にもクリエイティビティみたいな能力が問われている・あらわれる気がする。。。(てことは、スライドで研究者の能力を測ることも可能ということにも。。。)

ちなみに、質疑応答に関しては、日本語だとホントに楽。逆に、英語だと同レベルにいけないわけで、何とかせんとな。少なくとも倍の時間をかけて準備しないとダメか。ちなみに今朝、1月の少し細かいスケジュールの連絡が来た。

2009年12月6日

帰国

今年は暖かい日が続いてたけど、ついに初雪&積雪。
深夜にはやむらしい。
また、雪かきして車を救出する日が来るのかと思うと気が滅入る。。。

ところで、明日から帰国。
2泊4日の愛知県ツアー。

入出国は成田だけど、それ以外はセントレアで愛知県入りし、東、西と移動。

うまいもん食べるぞ!(目的が違う。。)