研究者もプレゼン能力が人生を左右することがある。ジョブトークがその典型例か。ポスドクや独立職(PI)のポストをゲットする時、プレゼン能力が問われる。結構頭が痛い。。。
それだけでなく、普段のセミナー、学会で自分の研究を相手にアピールする時も重要なのはいわずもがな。
これまでいろんな人のプレゼンを見聞きしてきて、良いプレゼン、悪いプレゼン、感覚としてはそれなりに身についてきた気はするけど(だからといって実践できてるかは別問題だが・・・)、もうちょっとシステマティックにノウハウを学ぶチャンスはないかと思っていたところ、The Presentation Secrets of Steve Jobsなる本があったので読んでみた。
スティーブ・ジョブズのプレゼン秘儀?
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コンテンツ
タイトルの通り、Steve Jobsのプレゼンの舞台裏を詳しく説明している本で、3部構成になっている。
1部はCreate the storyで、どうやって「ストーリー」としてのプレゼンを作っていくか、2部はDeliver the experienceで、ストーリーの肉付け・演出的な部分、3部はRefine and rehearseで、如何に発表に磨きをかけるか、という内容。
もちろん、ビジネス向けプレゼンを意識しているから、2部とかはそれほど役に立たないといえばそう。これを研究のプレゼンでやると逆効果やな、とか、それはどう考えてもやれんぞ、とか、そういうところもあったので、その辺は読み飛ばした。
けど、この本、少なくとも1部と3部は非常に良いブレーンストーミングになる。
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何を学んだ?
僕がこの本から学んだことをいくつかピックアップしてみると、まず、パワーポイントをオープンする前にアナログで考えよ、という冒頭でのアドバイス。
確かに、パワーポイントでスライドを作りながら考えがまとまることはある。けど、ここでは、その上のレベルのことを言っていて、まずアナログレベルでメッセージを伝えるための「ストーリー」を考えよ、ということがポイント。
今、たまたまプレゼンの準備をしてたから、アナログで実践してみたけど、「ストーリーを作る」とはどういうことか、何となくわかる気がした。スライドをいきなり一枚一枚作りながら考えるのとはちょっと違って、これはお薦め。
他には、3部。
例えば、スライドじゃなくてオーディエンスに向かってプレゼンせよ、とか、プレゼン原稿を数回の練習を通してどう圧縮していくか、とか、you know、ahといった(日本語だったら「えーと」、「えー」)、無駄な言葉を如何に出さないようにするか、とか、予測不能な質疑応答をより予測的なものにするためのアドバイス、などなど、この3部はあらゆるプレゼンに役立ちそうなアドバイスとして参考になると思う。
他にも、Steve Jobsのプレゼン極意がいくつか紹介されていて、この本を読んだあとにウェブ上にある彼のプレゼンを見直してみたけど、アハ、的な発見があった。
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もちろん、読んで実行しなければ、この手の本は役に立たないわけだけれど、研究者は歳をとればプレゼンをするチャンスは増えていくわけで、人生の分岐点で大失敗する前にこういう本でプレゼンなるものを系統立てて勉強しておくのは非常に有用だなと思った。
Kindle版なら定価の半額以下9.99ドル(洋書版へのリンク)。円高中だから、円建てで買うならかなりお買い得かも。
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