2008年9月8日

日米格差

最近、アメリカの良いところばかりが目に付いて、日本、頑張れよ!と思う機会が多くて腹が立つ。

まず政治。

大統領選の盛り上がり様はホント尋常じゃない。この2週間、民主党、共和党の党大会(convention)をCNNのテレビ放映として見た。

しかし、すごい。

民主党の党大会最終日にいたっては、歴史的瞬間を見たい、というのもあったのだろうけど、スーパーボールのハーフタイムショー並み(以上?)の大観衆。8万人だとか。さらに相当数の人が、オバマさんのスピーチの中継をテレビで見たはず。

そして、オバマさんのスピーチに限らず、演説者が何か言うと、聴衆は大いに盛り上がる。大したことを言ってなくても騒ぐ。ホントにロックスターみたい。

日本では絶対にありえない。

街頭演説で、それなりに多くの人が集まって耳を傾けることはあるだろうけど、世代を問わず、政治家をみんなで盛り上げようという様子は見たことない。

何をやりたいか、いっちょ聞いてやろう、と心理的にはむしろ見下した感じで見る聴衆が多いだろう。

もう一つ日本では絶対にないこと。
それは家族のアピール。

Palinさんのスピーチでは、もちろん自分の素性を明らかにする必要があったけど、家族一人ひとりをまず紹介して、スピーチの後、家族全員がステージに上って観衆の声援に応えた。これはオバマさんの時もそうだったし、マケインもそうだった。

日本の場合、家族が政治の表に出ることはない。これは日本の伝統的な部分があるのだろうけども、政治家の人柄を知るという意味では、非常に効果的な戦略でもあるし、戦略うんぬんをおいてもそうあるべきだな、と思う。政治に限らず、欧米人はこういう価値観を持っている、というのはしっかり知っておかないといけない。どちらが良いかは個々人の判断によるだろうけど、とにかく違うのは知っておかないといけない。

アメリカの政治家は夢を語る。

これは大いに励みになるし、アメリカ国民にポジティブ思考な人が多いこととも関係があるだろう。投票権も持たない自分でも政治のあの熱さに感化されるところがあるから、アメリカ人だったらなおさらだろう。オバマさんみたいな次の政治を担う人がどんどん出てくるのもよくわかる。

まさに、ポジティブフィードバック。

一方、日本はネガティブフィードバックが強すぎて、無駄に悲観的な思考に陥っている人が多い。そのネガティブフィードバックで、総理大臣までも「病める」。

政治家になろうという若者は現れにくいだろうから、二世、三世という世間知らずが政治を動かし続け、国民と政治がどんどん乖離していく。

この悪循環では、せっかくの日本、日本人のポテンシャルを台無しにする。

それにしても日本の政治はどうしたものか。

もし次の総理大臣が決まっても、今の状態なら、何も決まらないだろうから、大連立が成立するか、衆院選で民主党が第一党になるか、次の参院選まで待って自民が第一党にならない限り、このこう着状態は続くのだろう。

この閉塞感が国民心理に与える中長期的な効果は尋常ではないだろう。日本はダメ=自分もダメ、みたいに思う人がこれ以上増えるのは良くない。

---
それから経済。

世界第二位の日本、頑張れよ、と思う。

アメリカは、日本の失敗から学んだのかもしれないけど、行動が早い。2大モーゲージカンパニーを国有化するのだろう。自分には、これでもすでに遅いのか、それとも大きな一歩なのかは、判断できるだけの知識はない。

けど、少なくとも言えるのは、日本よりも圧倒的に早いスピードで意思決定が行われている。こういう行動は、また多くの人に心理的にプラスに働く気がする。

現代人はHomo Economicusとしては進化してない。だから、心理的な側面に如何に働きかけるか、そういう戦略がこういう時は特に大事なのだろう。たった600ドルのリベートで効果があった事実が如実に語っている。数字だけでは予測できないパラメーターが潜んでいる。

それにしても日本の経済政策がアメリカにいると見えてこない。政治が、経済、日本全体の信用の足を引っ張っている。

日本、頑張って欲しい。

0 コメント: