2012年11月11日

卒業研究、時事ネタ3件

今年も卒研生と一緒に働く季節に。
今年は5人配属:3人が文献調査、2人は実験研究。

文献調査は、配属が発表された直後に、簡単に個別ミーティングでアウトラインを説明。その後は基本的に学生さんで勝手に進めてくれる。

実験研究は、はじめの個別ミーティング後、今週から実質スタート。やはりはじめはかかりきりで指導の必要あり(大学院生にdelegateできれば楽なんだが。。。)

一過的に負担は増えるけれど、一旦実験をマスターしてくれたら、貴重な労働力になるのは悪くない。実験研究のプロジェクトは、学生さんが希望しても成績が良くないと希望プロジェクトを選べないようで、上位の学生さんが来ることになってはいる。ということで、指導する方もそれなりにはやりやすい。モチベーションもあって良い。

ただ、最大の問題は期間が短すぎる、ということ。
10月末にスタートし、来年1月末には実験は終了、2月は卒論仕上げ期間。しかも12月後半はクリスマス休暇だから、実験できる期間は実質10週間もない。。。戦力になってきたと思ったら、もうお別れ。。。

さらに、パーソナルライセンスが必要なプロジェクトとなると、10月末にライセンス申請し、届くのは1ヶ月後ということになるから、かなり厳しい。。。下手すると何もできない。ということで、研究を考える方もそれなりに戦略が必要。

今週、卒論の導入部分の原稿提出締切だった。5人分を添削。この時点で見込みのある学生さんかどうか一目瞭然というのはなかなか興味深い。

一部の学生さんなんかは、「俺にはこんなうまい英語の文章、絶対書けん。。。」と感動することも。。。もちろん、その逆も。。

今、第一印象と、実際のパフォーマンスとの相関性を高められないか個人的な課題として努力しているのだけれども、私、まだまだ修行が足りません。。。口に騙されます。。。

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話は変わって、今週気になったニュースは3件。

まずセルティック。
10月末の試合でも頑張ったけど、今回はホームで見事バルセロナに勝利。メッシがゴールシーンを見つつセルティックが勝つ、なんてこれ以上の展開はないのではないか。

次は大揺れのBBC
Space Diveみたいなすばらしく良い番組を作る一方、根幹機能は「読売化」してるもよう。。。

最後は、日本での大学新設関連の報道。今回の新設3大学をターゲットにするのは「横暴」だけれども、個人的には田中大臣がやろうとしたこと自体は支持したい(ただ、リーダーとしての素質ゼロだと思った)。

素人的な直感から言って、今の時代、従来型の大学をこれ以上増やす意味を見い出せない。全く。

今回ターゲットとなった大学で教えるコンテンツとは関係ないかもしれないけど、学生サイドから考えると、今はTEDやらMITやらを筆頭に、インターネットさえあれば、世界クラスの情報を高効率で得ることができる。タダで。インターネットにアクセスできるなら誰でも。4年通うといった時間の縛りもない。もちろん、ハク付けやらソーシャルな点で、リアルな大学に行く価値はまだ残っているとは思うけど、コストパフォーマンスという点でどうなんだろう。

運営サイドから見ると、大学ができるとおいしいことが多そう(だから形骸化してきたんだろうが)。詳しいことはよく知らないけど、交付金・補助金なんかが流れてくるだろうし、地元での社会的ステータスも上がることが期待できそう。地元も「大学」というと聞こえが良いから、積極的になるだろう。文科省的にも、財務省からもっとお金をもらうための良い口実にもなるのだろうか。win-winの関係を築きやすそう。

第三者的に見ると、定員割れするような大学のランニングコストとして、税金が使われるのは避けて欲しい。その投資に見合った結果が期待できないとすると、土木事業へのバラマキに感覚的に近くなっているんではないだろうか。土木工事のように目につく形で税金が使われるわけではないから、どう税金が使われているか外からは感覚的に気づきにくい。

大学を増やして自由競争させる、という議論もあって良いかもしれないけれど、今ある大学で競争させるだけで良いのでは?という気もする。新規参入させる大学は、その競争の台風の目になるだけの魅力があるの?と。自由競争させるなら、税金を流す量は変えない、という条件でやって欲しい。企業間のいわゆる「自由競争」とはちょっと違うのだから。

とにかく、今回の件がきっかけで、もう少し大局的な議論に結びついていって欲しい。日本にいる子供の数はどんどん減って、外国からの魅力が劇的に上がることは正直考えにくいから、もう少し賢くリソースを割り振ることを考えた方が良い。

将来の市場規模が縮小することが明らかな分野に、これからベンチャー企業を立ち上げることにどれだけ価値があるかを、常識的な感覚から考えて欲しい。

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