2012年5月27日

7年


5月23日で海外生活も丸7年経過。

この間、家族が一人増え居住国をスイッチし、と公私共に大中小いろいろありました。グラスゴー生活も2年弱。UKや大学関連のシステムは、日本とも米国とも結構違うから、未だにいろいろ勉強中。研究という点では一応やりたいことが、自転車操業的な状態だろうがなんだろうが、なんとか回り始め、家族もグラスゴーにすっかり(ある意味僕以上に)馴染んで悪くない。これまでのところ。

7年前に今の状態なんて選択肢にすらなかったから、人生なんて何が起こるかわからない。

気になる英語に関してさらにコメントするならば、やはり7年というのは、変化を起こすのに十分な長さだと思う。

スコティッシュアクセントはもちろんのこと、「普通の英語」でも聞き取れないことは、情けないけど、今でも結構ある。。。それでも、コミュニケーションは最低限とれ、電話なりskypeでのコンファレンスも、やれ、と言われればできなくはない。こちらが言うことは、100%は無理でも、おおまかな意図は伝わる(と信じている)。発音はともかく、少なくとも文法は全く気にする必要はないことを学んだ。

読みに関しては、スピードはどうか知らないけれど、論文や新聞をできるだけたくさん読むよう心がけてきたおかげか、問題はほとんど感じない。今は日本語より英語を読む量の方が圧倒的に多いと思う。こんなブログでもやらないと、日本語で文章を書くということがメール以外なくなるんではないか、という気すらする。。

書きに関しては、スピードと正確性でかなりハンディを負ってるけれど、一応外部資金もいくつか調達でき、in progressという感じ。

これでも7年前と比べたら、大成長だと思う。聴けない・話せない・書けない、の3拍子揃ってたから。。。

米国時代は正直あまり英語を使わなかったけど、独立してからは研究関係で日本語を使う場面がほぼ皆無になり、そのおかげでいろいろ成長できたように思う。

もしも今の英語力で海外生活をスタートしてたなら、この7年間は全く違うものになっていたとは思う。だから、英語圏に住むなら絶対英語ができた方が良いに決まっている。けれども、はじめできなくても何とか生きていける。

次の7年、このままグラスゴーに留まるか、UK内のどこか、国へ移るのか、さらには日本に戻るのか、正直自分でも全くわからない。一応probationary periodは前倒しでクリアすることになりそうだから、visaの問題がなければ、グラスゴーで残りの人生を送ることは一応可能にはなりそう。それはそれで悪くない。むしろ、グラスゴーは思ってた以上に良い所だから、良い選択肢だと思う。

UK内、別の国への再移住の可能性もそれなりにあるとは思うし、気持ち的にそういう部分もある。

日本に関しては、年々、日本で生活する適応力が低下しているかもしれないから、実は、言葉を超えた部分で結構苦労するんでは、という気もする。。。そもそも日本でポストを得るチャンスすらないという話もあるが。。

とにかく、この7年間で価値観からいろんなものが大きく変化した。それについてきてくれた家族にとにかく感謝しつつ、次の7年間も人生勉強していきたいところです。

2012年5月13日

PDF管理ソフト


PDFファイル管理ソフト3つ、この週末試してみたので覚書。(他にも良いソフトがあったらぜひ教えて下さい)

1.Qiqqa
結論からいうと、これをしばらく使い続けてみることに(こちらから登録可能)。

<長所>

  • 多機能
  • PDFへのハイライト・メモ機能などあり
  • google scholarとの連携が良い
  • Android版あり
  • Mendeleyなど他のソフトからデータをインポート化


<短所>

  • 論文メタ情報を取り出しは"BibTex sniffer"経由での手作業(ただ、かなり簡単)
  • 一部PDFファイルからテキスト情報をうまいこと取り出せない
  • iPad, iPhoneアプリなし


iPad、Mac愛好家にとっては、現時点では使い物にならないけど、Androidに対応しているので、Android搭載タブレットが論文替わりになる。(タブレットがメチャ欲しくなってきた。。。)
iPadにも対応してくれるなら、ユーザー層も増えて将来性があるのではないか。


2.Mendeley
iPadを持ってる人にはこれがよさそう。

<長所>

  • PDFへのハイライト・メモ機能などあり
  • 論文メタ情報をほぼ自動で取得
  • iPad用アプリあり
*追記(5/14):コメント欄も御覧ください。

<短所>

  • 無料キャパ少
  • Androidに未対応


ソフト自体は非常に良い。ただ、iPadのみの対応なのでガジェットという点でも割高になる。

3.Papers
少しだけ試した。

<短所>

  • ソフト自体有料
  • PDFへの書き込み機能なし(これで魅力激減)



おそらく、どんなガジェットを持っているか、どんな論文の読み方をしているかによって、好みのソフトは変わってきそう。

コスト面を考えると、Android版タブレットはたくさんあってiPadより安い、それから無料機能キャパ、という点ではQiqqaが良さ気。この手のソフト初めて使ってみたけど、PDFファイルに簡単にハイライト・メモ+αを残せるのは非常にありがたい。ということで、今は300ポンドの出資でペーパーレス化が可能なもよう。

追記(5/14):勢い余って、タブレット注文。。。

2012年5月6日

選挙など


今週行われた選挙(統一地方選みたいな感じ?)では、労働党が議席を大幅に伸ばす。スコットランド内では、労働党とScottish National Partyは引き分け

注目されていたグラスゴーでは、労働党勢力維持。とりあえずめでたい。スコットランドはまだ黄色には染まらない。ただ2014年の国民投票までにどうなるかは気を抜けない。車で道を走っていると、SNPと書かれた紙やらポスターをよく見かける。

欧州全体では、今日行われているフランスとギリシャの選挙。フランスは下馬評通りいけば、socialistの大統領が誕生するとのこと。ギリシャの結果によっては、さらに不透明さ・混沌さが増していきそうな雰囲気。。。ユーロ解体への象徴的な一日になるのかもしれない。

先週話題に上げたアカデミック・スプリング関連では、wikipediaの創設者が加担することに。こちらはゆっくりだろうけど、ホント変わっていきそうな雰囲気。

日本の原発全停止はUKでももちろん報じられている。ドイツとUKの原発政策の対比が冷静に語られたりもしている。BBCニュースの読者コメント欄では、根拠のないrenewable推進コメントはネガティブ、交通事故の死亡者数と比較するコメントはポジティブ評価を集めていた。。死、というものだけを根拠に日本の非合理性を議論するなら、ガンやら心臓・脳の血管系のトラブルで亡くなる人の数を出すのが説得力があるとは思う。桁が違うから。ただ死だけではないいろんな問題が複雑に絡み合ってるから、日本語で情報を得てない外人さんには理解するのは難しい。。。とにかく、日本の政府は、中長期的な視点で議論をもっとして、どこへ行きたいかはっきりさせないと、日本はいろんなものを失っていくんだろう。少なくとも、原発全停止は、ドイツのような脱原発への意思表示とはまだ取られていないように思える。