2013年11月10日

REF2014

Research Excellence Framework、略してREF。UK内の大学の研究力を測って資金分配を決める独特の制度。大学への資金配分を決める制度だから、大学としては死活問題の超重要なイベント。

その申請締切が近づいてきて、ガーディアンネイチャーにも関連記事が出て盛り上がってる。

このREF、以前はResearch Assessment Exercise(RAE)という名称だったそうだ。RAEでは5年毎にUK内の大学の研究レベルを評価し、それに基いてお金の配分を決めていたもよう。

wikipediaによるとRAEはサッチャー政権時代の1986年からスタートしたみたいだからそれなりに歴史がある。

2008年のRAEを最後に、今回からREFと衣替えをしたらしい。その第一回目の申請締切が11月末で、一年かけて審査され、2014年末評価が下される。

このREF、簡単に言うと、個々の研究スタッフのアウトプットの総和を学部なり研究所ごとに測って、今後数年間のお金配分の根拠にする。

個々のスタッフのアウトプット情報は、最大4つまでの論文、支出額(過去エントリー参照)。そして「インパクト」なるものが今回から新しく付け加えられたもよう。そのインパクトがよくわからなくて、僕が理解しているところでは、社会貢献度的なもの。例えば、会社を興して・・・など。そういう時代だから、そういうものも測られる。。。

REFは大学にとって死活問題だから、露骨な戦略に出るところがある。
例えば、
・このREFの締切に合わせて有名研究者を外部から雇う。複数。。
・一部スタッフをティーチングスタッフにし(つまり戦力外通告)研究スタッフとしてカウントしない。。

倫理感を評価するとは明示されていないので、高得点を稼ぐためになんでもする。。。

REF申請のために、トップの人達や事務系の人たちはかなり時間を費やしている。そのためのスタッフを雇ったりもしているらしい。。。

何となく馬鹿馬鹿しいが、他に代替案を思いつくかというとそれはそれで非常に難しい。。。

結局のところ、良い研究をする、というのが本質なのに、余計なことでリソースを浪費しているのは確実。

RAEなりREFをモデルに似た制度を導入している国がいくつかあるもよう

とにかく、ベストではないけれど、UKらしい制度の一つ。

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