2010年1月23日

パリ

先週の12日火曜日夕方発、16日土曜日に米再入国の日程で、パリへ。ヨーロッパ本土上陸は昨年のベルギーに続き、人生二度目。目的はICMなるプライベートな研究所の「オーディション」を受けること。

以下、旅行の詳細を。

12日火曜日
在宅勤務でオーディションの準備をして、夕方前に家族全員でニューアーク空港へ(別に見送りというより、復路は嫁さんが運転して帰るから)。今回の飛行機はあこがれ?のエールフランス。チェックインをすませ、ドルをユーロに換金して(えらく高かった。。。)、セキュリティーチェック。クリスマスのテロ未遂の後だったけど、それほど変わってる感じではなかった。

ただし、最後に飛行機へ乗り込むまでの通路に犬がいた。おそらく爆薬探知が目的なのだろう。

機内は比較すいていて、隣は誰も座ってなかった。それでも、やっぱり飛行機で寝るのは大変。

機内食、さすがエール・フランス。オードブル、メイン、デザートに小さいフランスパンが一つの皿に乗っていて、メインはなかなかイケた。機内食の中では屈指のレベルかも。しかも、みんなワインを飲んでたから、調子こいてワインをいただく。

食事の前後、MJさんのThis Is Itを観る。ライブのメーキングビデオって感じだけど、MJさんってホントに超一流のエンターテイナーだったんだなぁ、と改めて感動。(実は、復路の飛行機でも観た)

13日水曜日
朝8時過ぎ、無事にパリのCDGに到着。8時なのに日が完全に明けきってなくてまだ薄暗く、しかも雪がうっすら積もっていた。入国審査は、スタンプをパスポートに押すだけ。質問一切なし。。。こんな先進国もあるんや。。。(鉄道で他の国とつながりあってるし、空港だけしっかりチェックしたところで無駄、みたいな意識があるのやもしれん)

空港からRERに乗ってパリ市内へ移動し、途中メトロ6番線に乗り換えて、Place d’Italieへ。(ちなみに、RERからメトロへの乗り換えは、空港でパリ市内行きのチケットを買っておけばタダ。)

ホテルはMercureというところで、外見はファンシーで、部屋はやや狭かった(日本のホテルよりは少し広めで、アメリカのそれよりは狭い)。

10時ごろにチェックインしたのに、部屋もしっかりあって、荷物を置いて早速観光へ。

まずはオーディション会場の確認。何となく、翌日に本番を控えた受験生が会場確認に行くような感覚。建設中の研究所は、黒ベースのガラス張りの建物で、なかなか威圧感があった。体積にしたら、僕が今いてるCMBNの4倍以上はありそう。なかなか立派な建物だった。

その研究所は歴史のある病院の敷地内にあって、その敷地は広大で、まさに大きな病院、という感じだった(日本で少し古びた建物がいくつかある大学病院をイメージするのにかなり近い)。

その後、すべて徒歩でセーヌ川ノートルダム大聖堂ルーブル美術館シャンゼリゼ通りエトワール凱旋門と、遠目にエッフェルタワーを見ながら移動(パリを知っている人ならわかるだろうけど、かなりの距離になる)。

セーヌ川では、川岸に雪が積もってて、それなりに趣があったけど、落書きがひどくて景観をかなり悪くしていると思った。パリ全体、落書きがたくさんあった。

ルーブル美術館、全部観るのは始めから諦めて、ミーハーとしては絶対外せないモナリザとミロのヴィーナスを拝んだ後、細かいアンティーク系を2時間くらいかけて観た。アンティーク系も結構楽しいかも。

ちなみに、モナリザは近くでは見れないようになってるし、絵を守るためか、照明もやや弱めだった。なんちゃって観覧って感じだった。いくら人類の貴重な財産とはいえ、あういう展示で果たして良いのだろうか。まぁ、悪いことをする人がいるのかもしれないけど、あの展示法は何となく残念な気がした。もっと近くで観てみたい。ミロのヴィーナスは、360度から観れるから(当たり前だけど)、新鮮だった。

美術館の後、1時間くらい歩いただろうか。公園、観覧車、シャンゼリゼ通りを歩き倒してようやくエトワール凱旋門へ。上まで昇れるようだけど昇らず、何点か写真を撮って、メトロでまたPlace d’Italieまで。

結局、パリ観光は今回の旅行中これだけだった。

ちなみに、地下鉄はニューヨークのサブウェーよりは客層は少しだけ良さげだった(たまたまかもしれんが)。あと、ドアの開閉のための小さいレバーがあって、そのレバーを操作しないと開かないことになっていた。これは良いシステムかも?と思った。エアコンの浪費防止につながりそう。

それは良いけど、チケットを買うとき、紙幣が使えないのは何とかして欲しい。。。

ホテルに戻って少し休んで夕食へ。一人なので、近くのイタリアンレストランへ。何とか食にありつく。ホテルに戻ってシャワーを浴び、トークの練習をして、爆睡。

---
14日木曜日

地階に朝食を食べに行ったらちょうどカムランがいてた。まだ少し作業が残っているらしく、朝食を済ませたらすぐに部屋に戻って行った。

歩いて会場まで行って、9時からオーディションスタート。カムランは2番手で、先日の練習とはまるで別人だった。。。(やられた)

僕は午後一。午前中のトークを聞いて、ちょっとスタイルの変更した方が良いと思って、ランチを早めに切り上げて、スライドを少し変更(ホントはこんなことは絶対やってはいけないのだが。。。)

トーク、やはり変更した部分はスムースではなかったけど、練習を100としたら70%くらいの出来だったのではないか。アンさん、レイさんから質問をいただき、何とかクリア。

外人のお世辞はあまり当てにしてはいけないけど、何人かから良いデキだったと一応言ってもらえはしたから、ひどくはなかったもよう。。。他の候補者のトークも聞いたけど、最低ではなかったはず。

コンファレンスは5時過ぎまで続いた。おそらく、こういう形式は非常にレアだと思うけど、候補者のトークを聞いていけば、誰が良い・悪いという客観的な評価は非常にしやすいのではないかという気がした。候補者の観点から言うと、今のジョブマーケットにどんなすごい連中がいて、どんな人と勝負しているかという厳しい現状も知れて非常に勉強になった。他の候補者のジョブトークのスタイルみたいなものを知ることもできたし。あと何よりも、あんな超一流のスーパースターの前で自分の研究を宣伝できただけでもかなり良い想い出になった気がする。ミラーニューロンで有名なあの人もいたしな。。。

一日目の日程が終わってカムランと一緒にホテルへ戻る。ホテルに戻った後、彼とフレンチレストランへ。

L’ourcineなるカジュアル・フレンチ。黒板にメニューがあって、オードブル、メイン、デザートのカテゴリーにそれぞれ5つくらいの選択肢があって、一つずつ選ぶというコース。

シーフード系で攻めてみたけど、どこかのファーストフード&シュガー大国とはえらく違って、激ウマだった。お値段は34ユーロで、安くはないけど、フレンチのコースを食べれるんだったらこんなもんなのだろう。

翌日もオーディションがあるということで、この日は二人ともノン・アルコールで過ごす。

---
15日金曜日

この日は午後にindividual interviewといって、3人のコミッティー相手に質問に答えるというものがあった。午前は、自由参加のコンファレンスには参加せず、インタビューの準備をする。

インタビューは結局15分くらいで、あらかじめ決まっていた質問に答えていくという形式。もっとチョークトークみたいなものを想定していたから、少し拍子抜け。と言いつつ、途中、英語でトラブったのでデキはよろしくなかった。。。日本語でもどう応えるか困る質問に英語で応えないといけないから、ダブル・トラブルになってしまう。。。この辺の壁はなんとしてクリアしていかないといけません。。。

ホテルに戻ったら、カムランと候補者のアレクサンダーさんがロビーのソファーにいて、少し会話を。何を基準に選考するのかわからんな、ということで意見が一致。

観光する時間がなくはなかったけど、疲れてたし、部屋でネットにつないでメールチェックしたり、少し仕事をしたり。

夕方、またカムランとディナーへ。電車で移動して、chez l’Ami Jeanなるこれまたカジュアル・フレンチレストランへ。

この店は前日の店よりメニューはたくさんあったけど、またコースを注文した。ステーキを食す。オードブルのスープ、いろんな味が混ざっていて、濃厚だけど飲みやすく、まるで旨いラーメンのスープを飲んでるようにいろんな味覚を味わった(例えはなんだが。。。)

厨房が少し見えて、日本人らしき女性が働いていた。シェフの修行なのかもしれない。カッコ良かったです。

それはともかく、一応打ち上げということで、1杯目はシャンパン、2杯目は赤ワインも呑む。ワインはお任せだったけど軽めのものだった。いろいろ会話も盛り上がってカムランとはすっかり仲良くなってしまった。彼はフランス語も話せるから、レストランではいろいろ助かった。

---
16日土曜日

8時半過ぎに朝食、9時半ごろチェックアウトでパリを後に。メトロ・RERと載って空港へ。セキュリティーチェックの後、残ったユーロでお土産を買って、搭乗ゲートへ。

飛行機に乗り込む直前にまたセキュリティーチェックがあって、これがひどかった。
全員、機内持ち込みの荷物を隅々までチェックされ、ボディーチェックを受けた。しかも飛行機まではバスで移動で、結局、離陸は1時間くらい遅れた。クリスマスのテロ未遂のおかげとはいえ、時間・人力などを浪費しているなぁ、と思った。。。

飛行機では、まずSurrogates(リンクは米国版DVD)を観る。BMIによって自分のコピーロボットを操作して、そのコピーロボットたちで、社会を作り変えた、という設定。B級SFとしてなかなか面白かった。avatarといい、BMIってやっぱりSFの格好のネタになるんだなぁ、と改めて感じた。

他には、ちと古いけどThe Inconvenient Truth (不都合な真実)を観る(途中寝てしもたが・・・)。もちろん、ゴアさんはリスペクトしてはいるけど、フェアに観ると、プロパガンダ的な香りがぷんぷんにおって、啓蒙としては逆効果なんではないかと思った。どうでも良いけど、ゴアさんのプレゼンスキルは、すごいなぁ、と思いながら、少し違う視点から見たりした。。。ただ、誰もが一度は観るべきものなのではないかという気はする。

ちなみに、機内食は復路もなかなかだった。ニューアークには少しだけ遅れて無事到着。入国審査も何の問題もなし。

---
パリ、さすがに魅力的な都市だった。文化という点でもかなりリッチだし、いろんな人種がいてるし、たくさんの日本人も住んでいるのはよくわかる。マンハッタンよりも何となくゆったり感があって、道なんかもきれいだった。ただ、数日だけの滞在とは言え、フランス語で話さないといけない、というプレッシャーは何となく感じた(話せないけど)。

旅行の準備としては、今回もすべてウェブで事足りた。日本語の情報も充実していた。ただ、レストランの良い情報をもう一つ見つけられなかったから、その辺は、地球の歩き方があった方がやっぱり良いかも。(今回はカムランに完全にお任せだった)

ちなみに、フランスのサイエンス、うわさには聞いてはいたけど、独特の雰囲気がありそうだなぁ、という気はした。今回、シニア研究者もオーディションに来てたけど、トークの形式が全然違ってたもんな。。。(その意味では、シニアな人たちのトークはひどかった。ストーリーもへったくれもない。。。)一応、今回の研究所はインターナショナルをウリにしようとしているけど、ホントにそうなるのかは、誰が採用されるか、フランスの既存の制度とどう関わるかで大きく変わっていくんだろうなぁ、という気はした。日本でジョブを探している外人さんは、もしかしたら今の僕と同じ感覚を持っているのかもしれない。言葉と制度の壁。

---
そんなことはともかく、オーディションから丸一週間たったけど、まだ何の連絡もなし。。。こういう時の結果は推して知るべしなのだろう。。。インターナショナルを目指すなら、日本人にもオファーを出したらえぇのに。。。(負け惜しみ)

次こそは頑張ります!


0 コメント: