2010年12月30日

パーティー、50(以上)の夢

ここ数日の天気は曇時々雨、気温は0~5度くらいのレンジ。なので、これが「平年並み」なのだろう。けど、温暖化の影響でこれからも寒波は度々訪れてそれが「平年並み」になるんではないかと危惧し始めた今日この頃。

月曜日、同僚宅のパーティーに家族で参加。

2時スタートで8時ごろまでお邪魔した。大人は7人いて、うち6人がアジア人。うち一人はご両親は日本人だけどブラジル国籍という方だった。

招待してくれた夫婦が中華料理をご馳走してくれ、これがメチャうまかった。招待してくれたヒュイさんとは働いてるビルが同じで、次男さん(くん?)とうちの長女が同じ学校・学年・クラスという縁。

みんな英語は母国語ではなかったからか、会話も意外とやりやすかった。途中、日本の話になって、知人などを介して日本の「典型的な研究室」のいいイメージを持っていた。。。
・学生でラボに所属しても、面倒見るのはボスではなくその下で働いてる人
・勝手に休むとボスから携帯に電話が入る
など。

こういうイメージをみんな持っているとすると、この認識はそう簡単には変わらないだろう。。。

それはともかく、パーティーそのものは楽しかった。

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ここ数日はというと、仕事もしつつ、2011年のto-do listなどを考えたり。あと、「50の夢」なるものもつらつらと書き出してみた。これが結構楽しい。

公私含めた夢なり目標を一応50以上書き出したあと、スプレッドシートで整理してみた。カテゴリー分けして達成年を設定したり、難易度と重要度を主観的に定量化してみた(採らぬ狸の・・・である)。これをやると優先順位みたいなものがしっかり見えてくることを発見。特に重要度は優先順位と直結するから、重要度が高くて難易度が低いやつはそれだけ実現可能性が高いことになる。

その50以上のリストの中には、「スコッチウィスキーのウンチクを語る」とか「ジャズのウンチクを語る」とか入ってるくらいなので、残りは推して知るべしといえばそうだが。。。

とにかく、これらのリストを一つの行動指針にしたいところ。

とりあえず、2011年はウィスキーの蒸留所に3軒いったる。

2010年12月26日

クリスマス

グラスゴーで初めてのクリスマス。

アメリカではイルミネーションに気合をいてる家が結構あって派手だった。グラスゴーの場合、中心街のジョージスクエアやブキャナン・ストリートはさすがに派手。けど、家庭レベルでは、屋内に大きなツリーを飾って、それが通りから見えるくらい。UK的ワビサビ?

大学ではみんな23日で仕事納め。イヴの日、通常モードで行ったら、結局二人くらいにしか会わなかった。研究所全体で。。。

事務系の人たちは(早くても)1月5日まで戻ってこない。ので、他人頼りの仕事は完全にスタック。11日にグラント申請のdeadlineで、最後の承認プロセスがいるのだけれども、間に合うんだろうか?と、一抹の不安を残したまま年越し。

注文して年内に届くかも?と思ってた荷物も年越し以降に。。。いたい。。。

昨日25日。
昼過ぎ、食料品を買いに出かけたら、大型店ですら休み。Tesco, Asda, Sainsbury’sというメジャーな店をハシゴしたがことごとく休み。。。ジーザス様のバースデーに働くなんてけしからん、といわんばかりに。アメリカではそこまで徹底してなかった気がする。

今日はBoxing Dayで祝日&日曜。
さすがに今日は営業してるだろうと思って、午前近くのショッピングセンターに行った。休みだった。。。

午後、同じ系列の店に行ったらやってたから、「昨日元旦、翌日午後から初売り」的な感じなのかも。それでも、やっぱり一部の店は休みだった。儲けより伝統をそのまま引き継いでるのを久々に体験できた。

今日は2010年最後の日曜日だから、一応今日のうちに今年を振り返ってみる。

今年はとにかくいろんなことがあった。
1月 パリでオーディション
2月 大雪の合間、ペン大でインタビュー
3月 グラスゴーでインタビュー
4月 バケーション
5月 グラスゴー行き決心。USビザ取得でカナダに行ったらトラブる。。
6月 一時帰国して食い倒れ
7月 UKビザ取得、引越
8月 グラスゴー生活スタート
9月 日本一時帰国(2回も)
10月 生活が軌道に
11月 トークダブルヘッダー、寒波
12月 寒波、寒波
後半はどちらかというとこれからもありそうだけど、8月まではレアな体験をいろいろできた。英語のトークもとりあえず準備さえすれば、何とかなりそう(伝えられる)とわかった。

グラスゴーで独立してから決定的に変わったのは、時間管理能力のデマンド。もちろん、国を変わった分、制度的な違いもかなりあって、それを学ぶのにえらく時間がかかった。いままでの自分の中の「常識」が通じずストレスフルな日が増え、時間を相当浪費した。プロジェクトライセンスやらで、論文以外の書き物をする「量」もかなり増した。一方で、仮に国を変わらなくても時間管理能力に対するデマンドの質的変化は起ってた気がする。量が増えて質が問われだした、と言った方が良いのかもしれない。例えば、日々のメール量がえらく増えた。たかがメール、されどメール。電話の機会も増えた。アメリカに5年いて、電話する機会はほとんどなかった、というか避けてたけど、避けるわけにはいかず、企業やら事務系の人と電話することが増えた(と言っても多いというわけではないのだけれども)。電話すると、メール書きの時間を節約できるというメリットもある。けど、メールじゃないといけないケースもあるからメールも書かざるをえない。僕は日本語で書くのにもそれなりに時間かかるから、英語だとさらに時間がかかる。

問題、というか課題は、その辺をどうunder controlの状態にして、時間を有効に使うか、ということ。

ゴールを常に意識した優先順位付け、がとにかく重要なのだろう。実際、一見優先順位が高そうなことを一気に落として先送りにしてる。それより大事なことが他にあるから。ゴールに近づかない仕事にnoと言うことを学習していかないといかない。一方でソーシャルな部分(特にアドミニストレーション的に必要なもの)もあるから、その辺、見極めが難しい。

2011年はその辺の時間管理能力を磨いていかないといけない。

2010年12月25日

BBSRCのdelivery plan

先日、UKの政府系研究機関の当面のストラテジーと予算案(?)が明らかになって、いくつかあるカウンシルからそれぞれdelivery planなる今後の方針が発表された。

生物学系研究をサポートしているBBSRCのそれを一通り読んでみた。

大きなチャレンジとして
1.食料
2.エネルギー
3.高齢化
を強調していて、神経科学とも強くリンクする高齢化に関してはよりファンダメンタルなレベルのコメントが多かった。

また、大規模データを扱うサイエンスの推進についてもコメントがあった。

印象的な表現は
from funding to investing

つまりは、インパクト重視の研究サポートということか。

このBBSRCも含め多くのカウンシルでは数年前からPathways to Impactなる、如何にアカデミア外へのインパクトを最大化させるか、それをしっかり考えないといけなくなっている。実際、グラント申請書にそのプランを書く項目があり、多くの研究者が頭を悩ませている。カウンシル曰く、インパクトの項目も増えたけど、良いサイエンスをやることが最重要であることに変わりない、と。が、今回のdelivery planを読むと、そのインパクトがこれからより重要視されるのだろう。借金まみれの財政を短期間で改善させるには、リターンの見込める研究に「投資」します、という戦略なのだろう。理解できる。まぁ、サイエンスという視点から考えると、ホントに良いのか?という気もするが、お金がないと研究はできないわけだから、その辺との折り合いをつけていかないとこれからは生き残っていけないのだろう。むしろ、多くの研究者は基礎・基礎と頑なだから、その辺にニッチを捜し求めていくことも重要なのかもしれない。

2010年12月19日

見学、パーティーなど

氷点下の日が続き、今日まとまった雪が降りました。。。(また)

今週あった主なイベントを。
月曜。渡英時のお金を大学から取り返せた。キャップが設けられてたけど、一応、上限一杯もらえた。

火曜。メンターの勧めで、とあるクラスを見学させてもらう。そのクラスは、PhD1年生のコースで、いくつか挙げられてるトピックを各学生さんが選んでは、それについて文献調査・レポート作成・プレゼンをこなすというそれなりに実践的な内容。トピックには、赤ワインは良いか?とか、リューマチ用の薬Xはホントに効くか?といったディベートネタ。

その日僕が見学したのは、そのコースの最後のプレゼン。
各学生が5分トークして質疑応答するという形式。5分といえど学生さんによって出来栄えが全然違ってた、

質疑応答中、質問する学生さんはごく一部に限られていて、それとプレゼンのできとの間には良い相関があったように思う。学生さんの研究者としての(もちろん「現時点での」ということではあるけれど)能力の違いを短時間に見れる機会になった。

5分で何がわかる?と思いがちだけど、5分は短いようで実はそうではないんだなぁと思った。もちろん、アセスメントをする側を誤魔化すことも可能だろうけど、それはそれで才能がいるとは思う。

ちなみに、もしもこのクラスを担当することになった場合、チューター的に学生さんの対応をし、レポートとプレゼンのアセスメントをすることになるもよう。これくらいなら手始めとしては良いかもしれない。(それでもそれなりの負担はありそうだが)

水曜。夕方前に新人スタッフ歓迎会。
学部長主催で、新人と学部長や副学部長と関連スタッフが参加するというレセプション。ワインとスナックが振舞われ、規模的には15人くらいのパーティー。メールでやり取りしたことはあったけど、お互い会ったことがなかったという人と実際話ができて良かった。新人さんは僕も入れて4人くらいだったか。

その新人さんの中に化学系の人がいて、話が少し弾んで今度お互いの研究の話をしよう、ということになった。化学との接点はますます重要になるだろうから、こういう人脈は大事にしたい。

木曜。研究所の神経科学グループのクリスマスランチ。近くのモンゴル料理屋へ。
合計30人くらいは参加してたか。昼からアルコールが入って、3時間のランチの後、1/3くらいの人は二次会でパブへ行ってた。。。みんなもとから働く気はなかったもよう。。。

金曜。長女の学校でNativityが開催された。長女がいてるP1のクラスは、衣装をきて5曲くらい関連曲を歌う役。P2の子はセリフ付きだったから、来年は長女も何か喋ることになるもよう。

土曜。日本語学校の2学期終了。縦割り授業という全校生合同の授業で、オクラホマミキサーと盆踊りをやるという企画。学校の後、近くにあるショッピングセンターへ。モールとアウトレットが併設されてて、規模的にはかなりのものだった。クリスマス直前ということですごい人手だった。我が家も、VATが上がる前にいろいろ買いたいものがあったのでいくつか物品購入。しかし、ショッピングは疲れる。。。

グラント書きの方は、1つ目が大詰め。2つ目のグラント用のアイデアを掘り下げて検討開始。これら二つのグラントで書くネタを当面の柱にしたいところ。とにかく「独立した」ということを一日でも早く示すことが当面の最優先課題です。

2010年12月12日

クローズ、学長ランチ

月曜日は大雪で、普段1時間のところ2.5時間以上かかり帰った。火・水・木と大学はclose。

火曜は在宅勤務で水・木は出勤。水曜日はマイナス15度近くまで下がって、メチャ寒かった。。。

今回の寒波、雪というより、グラスゴーの雪に対する備えのなさにえらくビビッた。
それだけ普段は雪が降らないということの裏返しと信じたい。

木曜日なんて、これでクローズするんかとかなり驚いた。この国の人たちは「リスク」「リスク」と言って、行動をとらないリスクをケアした方が良いんではないか。。。

木曜日、予定通り学長とのランチイベントが開催された。
JARLというイニシアティブのもと採用されたスタッフが招待され、10人くらい+学長+副学長3人が参加。

良いもん喰えた。。。

学長がヴィジョンを語ってくれ、JARLの採用プロセスと採用後の体験などについてフィードバックを我々からきいてくれた。工科大学として成功したいという情熱は非常に伝わった。中には学長のビジョンに批判的な人もいてるけど、僕は今の学長みたいなタイプは好き。なぜなら、メッセージはわかりやすいし、ハッタリすらいわず平凡なシステムに甘んじてるリーダーより絶対ましだから。あと、僕みたいな底辺のスタッフの声を聴く機会を作って、現場とのリンクも大事にしている。

金曜日は研究キャリア絡みのコース最終日。

1月下旬にアサインメントを提出する必要があるけど、退屈なレクチャーは終わり。2日目のソーシャル系のトピック以外、ほとんど身がなかった。。

仕事の方は、グラント書きメイン。結構ボリュームがあるので結構時間がかかる。

実験セットアップの方は、物品購入の懸案事項はだいぶ解決して配送待ちという感じ。

あと、今週パーソナルライセンスが正式に届いた。プロジェクトライセンスは、現在最終添削待ちで、それが終わったらいよいよHOへサブミット。

進んでないことはないけど、相変わらずの超スローペース。

2010年12月5日

リスク・アセスメント

今週は雪・雪・雪の一週間。氷点下の日々が続いてメチャ寒かった。

グラスゴー、確かに毎日雪が降ったけど、いわゆるドカ雪という感じではなかった。けど、まだ寒い日は続きそうだし、普段から降水確率は高いところだから雪がなくなることはしばらくないのだろう。

ちなみに、今回の寒波でUKの多くの部分はもろさを露呈してたもよう。学校が休みになったり、空港が閉鎖されたり。

木・金と大事なコースを受ける予定だったけれど、寒波の煽りでUK南部からグラスゴーまでのアクセスが遮断されコース主催者がこれなくなったとかで前日にキャンセル。。。かなりイタい。

研究所内で予定されてたセミナーも一部キャンセルになってた。まぁ、それはどうでも良い。

グラスゴーの他の大学から招待された人のイベントまでキャンセルされてた。そりゃ、サボりやろ。。。

今週、リスクアセスメント関連の講習会を受けた。

日本にいた時も安全講習会が毎年開かれてたし、それと同じ感覚か。ただ、UKの場合、それが無駄にしっかりしてて、半日がかりの講習会だった。結局学んだことは1時間くらいに圧縮できるもので、参加したみんなコンプレインしてた。。。しかも、コースは小規模だから内職できる状況じゃなかったし。。。

リスクアセスメント、あらかじめ「想定」できるリスクに備えておくという姿勢はもちろん大事ではあるけれど、リスクそのものは、モノだけでなく、扱う人が変わっただけで大きく変化しうる。それにリスク評価そのものが主観的。それに「想定できないことが起る」ことだって想定可能なわけで、限界がある。リスクアセスメントを法律として厳格化してるのはUKらしいけど、結局、今回の寒波のように「想定外」のリスクにはメチャ弱い。。。

無駄なペーパーワークだけ増やしてホントのリスクに備えることを怠ってる。。。

アメリカの場合、住む前は「アメリカはリスクに強い」ときいていた。が、実際住んでみると、リスクに対してあまり備えてるようには思えなかった。実際、災害とかには弱いというか復旧すらできないくらいだったり(ニューオリンズとか)、建物(前いた研究所)はリスクの塊で、天井から水漏れしてPCが壊れるなんて、リスクアセスメント以前の問題だったりもした。

思うに、UKや日本はリスクを0にしよう、という無理なことを願望していて、アメリカはごくたまに起ることはリスクではく「アクシデント」であって、それなりのlikelihoodをもってるイベントをリスクとしてみなして対応しようか、という感じなのかもしれない。そういう意味では、「アメリカは合理的」なのかもしれない。テキトーとも言えるのだろうけど。

とにかく、限界のあることに対してペーパーワークを増やし、みんなの時間を浪費するのだけはやめて欲しいと思ったリスク・アセスメントのコースだった。ペーパーワークは、その必要性をとなえるなら、理念だけでなく、そのペーパーワークが実際どれくらいの効果を生んだのかを根拠にしないと意味がない。