2014年12月14日

一学期ティーチング まとめ

10月からスタートした一学期のティーチング、ほぼ終わったのでまとめます。

同僚教授のリタイアに伴い、彼女が担当していた分が降りかかってきて、如何に手抜き(良く言えば効率性アップ)するかが大きな課題でした。。

BM101(学生6人)
BMはbiomedical。三桁の最初が学年。なので、biomedicalの学部1年制向けのクラス。
論文の読み方からプレゼンの仕方などかなり一般的なことを身につけるのが目的らしい。
1スタッフあたり6人前後の学生が割り当てられ、お題を与えて学生さんたちが関連論文を読んでエッセイを書き、5分のプレゼンをする、というのが最終目標。

僕は20人くらい担当しているスタッフのうちの一人。今年から担当することに。

僕が与えたお題は「知性はどれくらい遺伝するか?」

負担としては、エッセイの初期の原稿を添削したり、プレゼンのフィードバックを与える、というもの。プレゼンのフィードバックは、one-on-oneでミーティングをする必要があって、1人20分と枠を決めて面接形式でやった(ら、かなりうまくいった)。

明日と明後日、学生さんたちはプレゼンをして採点される。

BM203(3レクチャー)
3年目。昨年度までは二学期だったけれど、今年から一学期へシフト。部門として、レクチャーの量を減らせ、というお達しがあり、2レクチャー減らしてもらう。ということで、2レクチャー+1復習という負担。スライドは使いまわしなので、レクチャーの時間だけの負担だった。

BM408(1レクチャー+2チュートリアル)
4年生向けで、6人位のスタッフで各3コマずつ担当。好きなトピックについて1コマレクチャーをして、論文を読ませながらのチュートリアルを2コマ、という内容。

ということで、僕はoptogeneticsを選んだ。レクチャーのためにスライドを一から用意する必要があったけど、内容が内容だけに負担感はかなり少なかったです。

チュートリアルの担当は初めな上、日本ではこの手の形式になじみがなかったけれど、そこそこ形にはできたか。学生さんたちがそれなりにまじめに取り組んでくれたので助かった。

BM409(4レクチャー)
脳の病気からエイズなどの感染症などいろんな病気をカバーするクラス。僕は統合失調症と依存症のレクチャーを引き継ぐ。もともと5コマだったところ、4コマにしてもらう。

教科書の該当章を一から読み直してスライドもほぼ作りなおしたため、それなりに時間はかかった。が、興味のあるトピックでもあったので、良い勉強になりました。

MP507(学生6人)
MPというのはMPharmつまり薬理。その学生さんの卒業研究。あらかじめ研究プロジェクトをアップして、希望学生さんが配属されるというもの。卒業研究といっても文献調査なので、負担は(比較的)少ない。

今回は5人の学生さんが配属され、もう一人後で移ってきた。トピックはelectroceuticals。MPharmの方がbiomedicalより入るのが難しい分、学生さんのレベルもやや高目で、先日添削した初期レポートもまずまずというものが多かった。

BM卒研(1人)
昨年まで4,5人担当してたけどMPの負担が来たということで、今年は一人だけ。この負担大幅減が実は最も大きかった。というのは、ラボプロジェクトの学生を3人なんか持つと、その指導でかなりの時間を取られていたけど、今年はそれがなかった。

レクチャー、チュートリアルや個別指導的なものまでいろんなスタイルがあって、見た目上の負担も増えたけれども、昨年の一学期より実は研究に費やせる時間が増えたと思われる。

卒研の負担減が一つ。

もう一つはレクチャーの準備の効率化。
今まで、レクチャーのためリハーサルをやってたけど、今年はほぼぶっつけ本番でもそこそこ流せた。あと、レクチャーのスライドも気合を入れて作らないようにしたので、準備時間も削減できた。良いか悪いかはともかく、30~50%のパワーで取り組むよう心がけました。

2014年12月7日

選挙

今日、衆議院議員選挙の在外投票へ。
自民党は「国民をバカにしてる」みたいなことが言われてても、その怒りの受け口として準備ができてない野党はもっと国民をバカにしてる、と思いながら投票。。。日本の政治のロジック、凄すぎます。。。

一方、UKの政治も来年5月の総選挙に向け盛り上がってきてます。
スコットランドに関しては、referendum直後、Alex SalmondはSNPの党首をやめたと思ったら、次の総選挙で出馬するらしい。引退したGordon Brownのシートを奪うべく。おそらくSNP支持者に限らず、多くのスコットランドの人達から彼は支持を集めるだろうから、非常に面白いことになると思われる。彼からはまだ目が離せません。

2週間ほど前にあったもう一つ大きな動きとしては、referendum直前に約束してくれたスコットランドへのパワーの内容がSmith Reportとして明らかに。どう評価すべきか僕にはよくわからないけれど、スコットランドとしては、お金という点で確かにパワーを得ることができ、良い前進なのでは?と思ってます。

政治以外に関して。
米国では黒人への人種差別の問題が大きな話題になっている一方、UKでは、生まれる前の赤ちゃんの人権を問う裁判の結果が少し話題になってました。判決をそのまま解釈すれば、生まれるまで赤ちゃんには人権はなく、母親がヘビー・ドリンカーで赤ちゃんに障害を負わせても責任は問われないらしい。。。どこまでを人と見なすかのボーダーについて生物学的な根拠は法廷でどこまで議論されたんだろう。。。先進国といえどもすごいロジックがまかりとおってます。。。

プライベート関連では、来週16日から日本に一時帰国します。
前半は大学院生を連れての仕事ですが、途中からは家族も合流しプライベートモードに。実は、日本での年越しは国外に住み始めてから初めてで、実に10年ぶり。超ベタに日本らしい正月を満喫したいと思ってます。

ちなみに、今回は19日に名大でトークします。

2014年11月8日

BBSRC 2014年春 まとめ

こちらの続報。今年春にアプライしたBBSRCグラントのまとめです。

結果はsuccessful。

最後のチェア・コミッティー・ミーティングが10月29日に開催され、1週間を過ぎた11月6日にメールが届いた。

チェアミーティングから1週間なんの音沙汰もなかったので、諦めて次を考えないと、と思い始めた矢先だったので、かなり嬉しかったです。

今回のグラントは4月末にアプライし、8月末から9月上旬にかけレフリーのコメントが次々と戻ってきて、9月末にコミッティーミーティング、10月29日にチェアミーティング、という時間経過。

おそらく今月末頃にオファーレターが作成され、いくらもらえるか判明するはず。順当にいけばこれまでの獲得賞金総額が大台に乗ると思われる。

レフリーのコメントは、申請書でリスクとして書いていたところにツッコミが入ったり(揚げ足を取られた)、ごもっとも、という指摘もあったり、良い評価をもらったとはとても言えなかっただけに意外な結果でした。

今回はスペシャルコールで、BBSRCのストライクゾーンに申請書を投げ込んだ点がポジティブに働いたのかもしれない。ラッキー以外何ものでもない。

とにかく頂いたチャンス、頑張ります。

ネタ的には、この2年ほど、非常に地味な仕込みをほそぼそとやっていて、そのリソースを活かすネタ。ここ最近、この業界は、お金がないとビッグラボに太刀打ち出来ない状況になっているので、ニッチネタとして雑草根性丸出しの研究をしようと思ってます。(何とか生き延びないと。。。)

ちなみに、あと2つペンディングのグラントがあって、その結果は年末年始頃に1つ、そして4月頃に残り一つの結果が判明する予定。

2つとも当たれば500K以上獲得で、あれ買って、これ買って、と皮算用をしてみたり。。。

グラントは宝くじみたいなもんで、とりあえず買ってなんぼ。でも、買い方のコツみたいなものがあると思います。

追記(11月13日)
こちらにランキング等の情報がアップされてます。
コミッティーAで24件助成されたうち18位でした。
このあたりのランクだと運が大きく左右すると思われるので、ラッキー以外何でもないです。。

2014年10月4日

特別授業

referendumから2週間以上経ち、あの時の異様な雰囲気はどこへやら?という感じで、新聞なども完全に平常モードに戻ってます。

今週10月に入り新学期がスタート。今年度は、ティーチングの負担が増えてしまい忙しくなりそう。。最近リタイアした教授が担当していた授業を引き継ぐことになり、今更ながら統合失調症やアディクションなどの勉強をしてます(勉強になってますが)。。。

ラボとしては、9月にマスターとPhDの学生がそれぞれThesisをまとめラボを離れ、ポーランドからのPhD学生が今週からラボメンバーに加わりました。

グラントはこの半年くらいで5つアプライし、うちCo-IとしてアプライしていたMRCのプロポーザルが昨日リジェクトの一報。。。Co-Iとしてアプライしてきたプロポーザルは全戦全敗中。。。

そんな中の今日、娘たちが普段お世話になっている補習校で中学生向けの特別授業をさせていただきました。脳のことを話してください、と1ヶ月ほど前に依頼を受け、
・錯視
・記憶
・自由意志
の3トピックで話を。

中学生合同授業という位置づけで中1~3年まで10人くらいの生徒への特別授業。
補習校の国語の授業で、果たして100%科学の話をして良いのだろうか?という不安もありましたが(しかも、国語は大の苦手・キライだった人間が国語の授業で話をするという矛盾も抱えつつ、、、)、生徒たちはそれなりにエンジョイしてくれたと信じてます。

特に自由意志の話題は、中学生の皆さんにいろいろ考えてもらえるきっかけになったのではと思います。「自由意志は錯覚かも?」ということに気付いてしまった後の人生をどう意義のあるものにしていくかそれなりにチャレンジングで、中学生にはちょっとショッキング過ぎたかもしれませんが、知っておくべき重要なことだと思います。

こういういわゆるアウトリーチ的なことは初めてでしたが、準備から授業まで僕自身エンジョイできました。機会を与えてくれた中学部の先生方に感謝です。

2014年9月14日

人の意思決定について思ふ

スコットランド独立ネタです(また)

先週末のYouGovの世論調査ではじめてYes派がリードし、No派はパニックモードに。

この一週間、Cameronさんをはじめ、各党の党首が立て続けにスコットランドを訪れ、UKを維持することの重要性を主張。

さらに、独立が決まったらRoyal Bank of Scotland(RBS)を含むスコットランドの金融大手は本社をロンドンへ移すプランを持っていることがリークされ、RBSはそれを認める。

そして、Asdaなどの大手スーパーなどの多くも、独立後は価格を上げることになりそうだとわかる。

その結果、YouGovの世論調査ではNo派が逆転して盛り返したけれども、他の世論調査の結果を見ると依然拮抗状態で、ナショナリズムのムーブメントはもう止まらない。

決めていない人たちの動向次第でホントにYesが過半数を占めるリスクはある。。。
つまり、残り数日、両陣営ミスは許されないし、18日の国民投票の開票結果を待つまでどうなるかホントわからない、という状況。。。

僕の立場は、変わらず絶対NO。
スコットランドの人たちのためにも絶対NO。

---
Yes派の人たちは独立することでパワーを持てる、とよく主張する。

ホントか?

パワーを行使するにはリソースが必要。NHSはもちろん、世の中、お金がないと希望通りに回らないことがたくさんある。なので、結局、経済問題に目を瞑っていては話が進まない。

その経済。以下のリスクがこないことをYes派は保証できるだろうか?

通貨はポンドを使うとYes派は頑なに主張している。最終的にどういう形態に落ち着くか現時点では不透明だけれども、仮にユーロみたいな形態をとるとする(つまり、通貨は共通、政府は独立)。

Yes派はお金のあてもないのにNHSを予算カットから守るとか謳っている。

それを実現するには、借金するかタックスを増やすといったことが有力な手段なのではないか。北海油田の「ボーナス」が継続的に入ってくることが保証されない限り。。

増税はすぐには難しいだろうから借金が現実的。

それから金融大手がロンドンへ逃げることの意味も考える必要がありそう。例えば、住宅バブルの兆候が見え出すと、おそらくWestminsterサイドから圧力がかかり、スコットランドの人たちへお金を貸さなくなるかもしれない。

それでもバブルが発生し、それが弾けたり、国が借金し続けて臨界期を超えるたりするとどうなるか?

金融危機になると、スコットランドとrUK(the rest of the UK)は、少し前のギリシャとドイツみたいな関係になって、「独立」なんて名ばかりの状態になる。

つまり、rUKから「もっと緊縮財政をひかんとサポートせん」と言われ、スコットランド国民がどんなに文句を言おうが政治家はそのリクエストを飲まざるを得ない状態になる。つまり、今よりひどい状態になる。

若者のジョブを増やすどころか、失業率は数十%にすらなりうる。

せめて、その被害を少しでも軽減するために、自国の通貨は自分でコントロールできるようにしないといけないが、そういう方向ではなさそう。

遠い話ではなく、5~10年単位でこういう状況になってもおかしくないのでは?

住民投票直後はもちろん、通貨形態や借金分配のネゴシエーションの情報が伝わってくるにつれ、マーケットはまずUKに、そして2016年独立した後もさらに無言のプレッシャーをかけてくるだろう。

が、Yes派の恐ろしいところは、そういうつい最近近くの国で起こった出来事から想像できるようなことに聞く耳持たずで、超楽観・ポジティブ思考に陥っていること。まさにナショナリズム。

現実的なリスクより、希望をもたらすことに人は惹かれるから、Yes派はその点強い。

---
Yes派曰く、NHSを守る。ジョブを増やす。

すべてお金の話。お金もないのにどうやって?

Yes派曰く、お金への行使権を持つ。

お金もないのに、パワーもへったくれもない。
しかもお金に関してはrUKに依存することを公然と認める「独立」を主張している。

さらに、No派がそれを指摘しても、その話はもう十分、みたいなブーイング。。。

現状のスコットランドを守るためにNoが最適解だと思うし、独立性の高い経済を回すしっかりしたプランBを持たない限りYesと言うべきではない。

---
とにかく、ヒトの意思決定は合理性から程遠いなぁ、と痛感する今日このごろ。
ヒトは感情でドライブされる。。。

さらに、スコットランド内がYesとNoで二分されてしまったから、無事にNoが勝っても国民感情という点で大変な状況は続くだろう。。。

一方で、多くの人がスコットランドの将来を真剣に考えたという点で、この国民投票は偉大だし、他国の人たちに誇るべき歴史的出来事だと思う。それを、UKに留まったままでWestminsterと闘いポジティブな方向に変えていって欲しい。

2014年8月30日

ディベート、学会

月曜日、BBCでDarlingとSalmondのディベートが放映された。お互い発言を遮るように自分勝手な話を始めたりと、あまり質の高いディベートではなかったけれど、Darlingのパフォーマンスがあまりにも悪く、放映直後の調査ではSalmond圧勝との判定。

実際に僕もそのディベートを見たけれど、Darlingは通貨や北海油田といった、独立のネガティブな面にこだわりすぎ、Noであることの良さが伝わってこなかった。money, riskという言葉を連発し、言葉がもらたらすネガティブインパクトはなかなかのものがあった。

もしも形勢大逆転で、万が一Yes派が過半数を占めようものなら、Darlingは無能政治家として歴史に名を残すだろう。というくらい、No派的にはイタいディベートでした。。。

ちなみに、北海油田ネタに関しては、また収入が0.8Bポンド減ったようで、独立したら、チャイルドケアとかNHSとか、Yes派が主張していることをどれくらい実現できるか、甚だ疑問。

Salmondがディベート中に口を滑らせたように「北海油田はボーナス」として考え、基本収入は微々たるもの、として国を回さないといけないのだろう。。。

学内の予算だけでラボを回す状況に限りなく近い。。(というか回せない。ラボメンバーのケアとかそういうレベルではない)

ところで、昨日はスコティッシュ・ニューロサイエンス・グループ・ミーティングなるスコットランド内の神経科学関係のミニ学会。そして、今日からSheffieldの学会。こちらは内耳ネタに特化してて、勉強しに来てます。先日、大学に招待したセミナーのスピーカーからのお誘いで参加。内耳とは対極の場所を相手にしているけれど、入口の部分はやはり重要なので、最低でも勉強だけはしっかりしておかないといけない。

2014年8月10日

No plan B?

Commonwealth gamesも終わり、スコットランドは独立すべきか?を問う住民投票ネタがさらに盛り上がってきた。

今週、Yes派とNo派それぞれの旗頭Alex SalmondAlistair Darlingがグラスゴーでテレビ討論を行った。

結果的には、Salmondのパフォーマンスが期待されてたほど良くなく、直後の調査でもDarlingが良かったと評価されている。

この討論から数日間話題になっているのは、独立後の通貨について。Salmondはポンドを使い続けることにかなりこだわっていて、plan Bはないらしい。。。

僕は投票権はないけれど、一貫してNo派。個人的な印象は、Yes派の独立というのは精神論が先走っていて、実装的な部分・合理的な部分というかなんというか、独立国としてのスコットランドをどう回していくのか全く伝わってこない。机上の空論ではなく、もう少し説得力のある合理的なプランも提示してくれたら、多くの人がYes派になると思うのだけれども、それができない、ということはそういうことなのだろう。。UKのままでスコットランドの存在感を増す方が合理的のように思えるがどうか。

人を動かすには、特に感情論を味方に出来る場合、合理的な部分でどう肉付けするか、ということが重要なのだろう。

ちなみに、個人的に最も関わりのある科学・技術についても、独立後もRCUKのお金に依存し、「世界クラス」のレベルを維持する、とか言っている。が、独立後、残りのUKがNoといったら、そのプランは破綻するわけで、「独立」ではなく依存以外何ものでもない。。

しかもEUにもすぐ加盟できないとすると、資金源が枯渇するわけで研究難民が続出するのは確実。。。(なので人ごとではない。。)

世論調査は、一時期No派のネガティブキャンペーンが裏目に出て、Yes派が若干盛り返してしまったけれども、これまでのところ一貫してNo派が多い。が、態度を決めてない人たちも依然かなりの割合いてて、残り1ヶ月でNo派が大失態をしようものなら、ひっくり返らないこともない。

次のdebateは8月末にあるらしく、Yes派のリベンジに警戒。
とにかく、9月18日まで祈るばかり。

2014年6月29日

夏と家とFENS

1週間ほど前、グラスゴーでは20度~25度くらいの半袖で過ごせるBBQ日和が続いたけど、夏至くらいを堺に、曇りがちで肌寒い普通の「夏」に逆戻り。。。もう夏は終わり??

ここ最近、プライベートの方でいろいろあり、大きなイベントは、家購入。
今住んでいる地域(というよりスコットランド?)は、レントより買う方がお得ということがよくわかり、2年くらい前から家探しをスタート。が、昨シーズン、3年以上UKに住んでいないと普通にモーゲージが組めないことがわかり、活動休止。。。

昨年夏以降から活動再開も、オファー合戦で連敗が続き、5月頃出た物件でようやくオファー合戦に勝ち(その分、お金を積むことに・・・)、いくつかの事務的な手続きを経て、正式に入居可能に。

場所は、娘たちの学校から徒歩数分と便利なところ。

家購入に関して、当初、この国の仕組みを全くわかってなかったので、本やインターネットで勉強したり(ほとんど嫁に委任・・・)、オファー合戦でのヤクザな世界を垣間見れたりといろいろ社会勉強になった。

日本だと、ヤクザな部分はヤクザっぽくわかりやすい気がするけれど、こちらは、普通の人達が普通にヤクザなことをした。。。恐るべし。

モーゲージは25年なので、これから借金地獄です。。。
後は、スコットランドが独立しないことを祈るばかり。。。

引越しは、今週。

が、週末にはFENSのミーティングがスタートし、その後、家族と合流し10日ほど旅行。さらに7月末にも休暇予定なので、7月中、新居で生活できるのは実質1週間程度。。。

ちなみに、そのFENSのミーティング、イタリア・ミランでの開催で、今回は3つポスターを発表します。ラボメンバーが国際レベルのミーティングで発表するのは、実は今回初。

もしこのブログを読まれている同業者で、参加される方がいたら、ぜひ覗いてやってください。

演題は以下の通りです:
日曜午後
BRAIN STATE DEPENDENCY OF EVOKED SPIKING ACTIVITY IN THE AUDITORY THALAMOCORTICAL SYSTEM


月曜午前

ラボのメインテーマである脳状態関連2題と、病気・疾患(正確には症状)関連1題という構成になってます。

2014年5月24日

9年

昨日で海外生活も丸9年過ぎました。米国5年強+英国4年弱。

日本にいたとしてもそうだったのだろうと思いますが、毎年毎年何らかの変化が起こってます。

仕事に関しては、ようやく大学のロジックというか何というか、今のポジションなりのやり方が見えてきて、どこで手を抜くべきか、どこは我慢して嫌でもやるべきかというのがわかってきたような、まだまだ上手くこなせていないような。。

プライベートに関しては、やはり子供の変化が大きくて、少しずつ少しずつ手がかからなくなりつつあり、これから少しずつ時間の使い方も変えていく必要が出てくるのかもしれません。それから、実はこの数週間で、家探しに大きな進展が見られているので、これから数ヶ月中に大きな変化が起こりそう。

海外ならではのこととしては、やはり英語。
UKに来てから英語を喋る機会が圧倒的に増えたおかげで英語で話すことそのものの苦手意識は年々なくなってきて、むしろ、日本語でしゃべる時にも感じるコミュニケーションの壁みたいな感覚が結局のところの壁なのかなぁ、というのが最近の印象です。相手に応じてネタをどう用意するかとか、そういうところ。

だからといって、英語をしっかり聞き取れペラペラ喋れる、というレベルからは程遠く、未だに映画の英語は聞き取れなかったりするし、むしろ英語でのコミュニケーションのやり方・コツを少しずつ身につけてきた、という感じです。これは口で説明するのはなかなか難しい。。。少なくとも英語で仕事の話をする分には、基本的には誰でも最低限はこなせるか、何とかなるかな、というレベルにはなってきました。(僕のアクセントのフィルタを持ってない人に出くわすとえらくストレスを覚えますが。。)

いろんな価値観も枝葉のところで変わってきましたが、それは日本国外にいたからなのか、それとも年齢によるものなのか、自分でもよくわからないのが正直なところです。。。ただ、日本を外から見て、他の国と比べやすくなって、日本の良い点・悪い点を評価しやすくなったのは確か。

逆に言えば、スコットランドの悪い点にどんどん慣れてきているのかも。。。

そのスコットランドに、少なくとも次の3~5年、下手すると引退まで、さらには引退後もいてる可能性がありますが、今はそれでも良いかな、とも思ってます。とにかく9年も経てば、いろんなものが変わります。

2014年5月4日

BBSRC2013-14

BBSRCのグラントアプリケーションについて、ここ最近の状況をアップデートします。

まず、昨年9月頃にアプライしたBBSRCはリジェクト。。。

レフリーコメントは1月中頃。コミッティーミーテイングは3月。最後のコミッティー・チェアミーティングが4月中旬に開催され、リジェクトの知らせ。

レフリーコメントは全般にポジティブで、リスポンスもしっかりできていたけれど、ダメだった。
おそらくBBSRCの戦略という点で物足りなかったのでは?と思われる。

ちなみに、これはグラスゴー大の人とアプライし、僕はCo-Investigatorで技術的なサポートという立場。僕へのお金の配分は、僕の給料の一部と学会旅費。一緒にアプライした人の生産性は素晴らしいので、過去の業績は基本どうでも良いのだろう。。やはりアプリケーションがどれくらいエキサイティングで戦略に沿っているかという部分が重要だと思われる。

ちなみに、これまでCo-Investigatorとしてアプライしたグラントは全戦全敗。。。全くサポート役に回れてなく申し訳ない。。。

次に、昨年10月末にアプライしたBBSRCのJapan Partnering Awards。こちらはゲット。

このスキームは、BBSRCグラント所持者で海外パートナーとのコラボを手助けするための旅費系のお金をサポートするというもの。日本以外にもヨーロッパなど他の国のスキームもある。

申請書は数ページの簡単なもので、締切の数週間前に余裕を持ってサブミットできた。そもそも日本人がアプライして良いの?という素朴な疑問を持ちながらアプライしたけれど、結果オーライ。BBSRCグラント所持者+日本にコラボパートナーを持つ、という時点で競争率はかなり低くなっていたと思われる。あとは、BBSRCの戦略のストライクゾーンにアプリケーションを書いたのが良かったのかも。ちなみに、このスキームは内部審査だけで意思決定され、一切フィードバックなし。

最後に、先週火曜日にresponsive modeにアプライ。

こちらは、Action on Hearing Lossというチャリティーとのジョイントコール。2段階プロセスで、年明けにまず数ページのアプリケーションを送って、そこから招待されたものだけがアプライ可能、という仕組み。おそらく特別枠があるのだろうけれど、このコールにアプライしたプロポーザルが10件もあれば、success rateは20%前後だろうから、普通にアプライするのと難易度は大して変わらないと思われる。

9月23-4日にコミッティーミーティング。おそらく8月頃にレフリーのコメントが返ってきて、10月に結果がわかる感じか。

とにかく今年は一個は当てにいかないといけません。ということで、次のラウンド(9月末締)にもアプライします。

2014年4月13日

大学院生キャリアを考える際の5要素

たまに大学院生とキャリアの話になることがあるのですが、今の大学院生たちは非常に難しい立場にあると思います。経済的にも、精神的にも非常に不安定で、とにかく将来が見えない。

そんな中でも、科学への情熱を燃やして頑張っている人たちも確かにいれば、一方で、先の見えない状況の中、文字通り暗中模索で苦しんでいる人たちがたくさんいて、後者のタイプがどんどん増えてきているように思います。日本に限らず、UKでもそう。

以下、そんな大学院生たちと接しながら、重要かも?と日頃思ってることを5つ。

目標
何事もどこに行くか決めその準備を早く始めるのが大事。
まずはゴールを設定したい。できるだけ早く。

もちろん、それができないから悩んでいる人たちが多いのだけれども、ゴールがないと、ランダムウォークで人生という時空間を彷徨い続けることになる。ゴールを決めなくて成功した人たちもいるとは思うけれど、成功している人たちの多くは明確なゴールなり夢なりを持っているように思う。

ゴールは無謀なものでも簡単なものでも何でも良い。とにかく持ちたい。
ゴールは後で変わって良い。柔軟性も大事。
ゴールは長期でも中期でも短期なものでも何でも良い。
ゴールがすぐに決まらなくても、そのゴールを決めるための準備をできるだけ早く始めたい。

例えば、大学院が3年という期限付きなら、遅くとも1年目から「大学院後」のことを考え始めた方が良い。気が付いたら、手遅れ、という状況を避けるためにも。

仮に「手遅れ」だと気がついても、気が付かないよりマシ。そこから動き出せば、人生を変えられる(と信じる)。

知識
意思決定をする時、どんな情報を持っているかは重要。

ここでの知識はいろんな意味を含む。自分と敵についての知識に集約されるかもしれない。「敵」は多義的。科学のことだったり、目指しているキャリアのことだったりする。

例えば、アカデミア志望なら、科学そのものの知識量は生き残る上で重要なのはいわずもがな。論文や教科書などをむさぼり読むくらいでないといけない。プロにはなれない。

それに加え、アカデミアで求められるスキルもあるので、そのスキル向上のための知識も必要。そのスキルとは、「コミュニケーションスキル」として集約できるかもしれない。プレゼン力だったり、文章表現力だったり、日々の会話能力だったり。日本人の場合、英語力も重要。トレーニングで向上できる面も多々ある。

他にはcritical thinkingもサイエンスでは非常に重要。で、ないと研究を自分で進められない。知識を身に付けていくうちに自然と身に付いていったりもする。

オールラウンド・プレーヤーになれないなら、自分の強みを見つけて、そこに資源を投入する。自分を徹底的に分析して、アカデミア向きの強みを見つけられないなら、アカデミア志望の理由を自分で問い直す。もしかするとアカデミア以外のキャリアが向いているのかもしれない。信頼できるアカデミアの先輩に、自分は向いているのか、腹を割って話し合ってみるのも良いかもしれない。

非アカデミア志望なら、どんな選択肢があって、選択肢ごとにどんな人材が求められているか、それが自分にあっているか早めに見極める必要がある。

「孫子」ではないけれども、敵と自分を知れば、戦(就活)で生き残れる確率が上がる。

そんな情報をどこから集めるかという情報入手先の同定・選定というプロセスも非常に重要。

キャリア相談については、大学に特別の部署みたいなものがあるかもしれない。
とにかく、自分と敵を知ること。その知識を身に付けるには時間はかかる。

均衡
バランス。ワーク・ライフバランスのこと。

大学院生の場合の「ワーク」はもちろん研究。

「ライフ」はワーク以外。大学院生で結婚している人はまだ少ないけれども、趣味などの時間や、非アカデミア希望の場合、そちらに進むための「ライフ」もある。

どこを均衡点ととるかは人によるので、一概には言えない。けれども、次の「結果」・「過程」もやはり重要なので、「ワーク」に最低限の時間をつぎ込むことは必要なのでは?と思う。そこにコミットできないなら、なぜ大学院に進学しているのか、根本を問い直して欲しい。

UKの場合、とにかく3年在籍してthesisを提出すればPhDが取れる専門学校なので、「ワーク」をとことん減らすという戦略も人によっては最適解であったりもするが。。

結果
大学院での結果は、論文を筆頭に、CVに書けるトピック。
少なくともアカデミアを目指す場合、例えば、ポスドクのポジションにアプライする時に最初に見られるのはCVなので、CVがダメだと苦労する。

ただ、大学院生の場合、仮に論文の数が少なかったり、質が良くなかったりしても、ポスドクになってからでも挽回可能。その場合、次の「過程」がものをいう。

アカデミア外の場合、もし研究関連キャリアなら、大学院の時に何を身につけたかはやはり重要な気がする。

完全に違うキャリアを目指す場合でも、表面的な結果はインタビューで何をやったかアピールする上で重要かも。

過程
大学院3年間なら3年間をどう過ごすか?何を学ぶか?ということ。これは2番目の「知識」とも関わる。

結局、大学院3年間は、その後の人生につながっていくわけだから、その後の人生を左右する。

何を学ぶか、というのは多義的で、研究関連のことはもちろん、将来につながる何かを身につけること。人生経験的なことも含まれる。

後で点と点がつながることも多い。一見結果に直結しないようなことでも、5・10年後に役立つこともある。なので、過程を疎かにしてはいけない。

結局のところ、これは最初のゴール設定とも大いにリンクしてくると思う。ゴールに関わると思って何かを学んだなら、かなりの確率でそれは役に立ってくる。

この「過程」は、いわゆるreference letterの内容になったりもするので、人生を直接左右しうる。手を抜くと、良いreference letterを書いてもらえず、仮に良いCVでも就活に苦労するかもしれない。

以上5つ。

人生は人それぞれなので、おそらく人によってアドバイスする点が違ってくるだろうし、ピンと来ない人も多いと思う。とにかく、自分の人生なので、自分で考えて行動に移さないと、解決策を見いだせない。

2014年4月5日

最近の外食まとめ

ここ一ヶ月ほどプライベート(家族)以外で外食することが多かったので、備忘録として。

BONSAI(3月11日)
エディンバラにあるジャパニーズレストラン。2軒あるうちBroughton Street店へ。平日だったけれどもなかなかの盛況ぶり。メニューも豊富で良い感じでした。

ちなみに、この食事会は、補習校の運営引継呑み会で、アルコールもそれなりに入って、かなり盛り上がりました。グラスゴーでの終バスをミスるほどに。。。(ただのアホ)

総領事公邸(3月19日)
レストランではないですが、在エディンバラ日本国総領事閣下からのご招待で、公邸にてお食事をいただく機会がありました。日本からシェフを連れて来られているそうで、お品書き付き懐石料理でさすがの料理でした。スコットランドであんな日本料理を食べれるなんて夢みたい。。総領事閣下はとても気さくな方で、食事会そのものも非常に盛り上がり、美味しい日本酒もすすみました。

ちなみに、こちらの食事会も補習校関係で、補習校の運営スタッフと先生方への労いという主旨での食事会でした。ありがたいお話です。嫁が妬んだのは言わずもがな。。。

Chaophraya(3月22日)
こちらもエディンバラ。お洒落なタイレストラン。ガラス張りの大テーブルがある個室の窓からは、エディンバラ城を見ることができて素晴らしい。料理も非常に良い感じ。が、デザートとして頼んだココナッツミルク入りバナナは甘すぎて、膨満感が促進されすぎ吐き気すら催した。。レストラン自体はとても良かったです。(一応、フォロー)

ちなみに、こちらも補習校関連の食事会で、卒業式後に、運営関係の皆さんと昼過ぎから打ち上げ食事会。早めに始めて早めに終わったため、グラスゴーには子供たちが寝る前に帰りつけました。

このレストランはグラスゴーにも支店があるもよう。

Mother India(3月24日)
ウェストエンドにあるインド料理屋。2階建てで小奇麗。料理は可もなく不可もなく、という感じ。

今、製薬会社がスポンサーになっている大学院生がいてて、その製薬会社から二人ボストンから来て、あとはうちの研究所とグラスゴー大の関係者での食事会。なぜか、その大学院生は誘われてなかった。。。

Barony Hall(3月31日)
レストランではなく、ストラスクライド大が誇る(?)教会みたいな建物の名前。ホールにはパイプオルガンもあり、ホールの奥は、簡単なパブもあって、かなり豪華。

SU2Pという、スコットランドの一部の大学とスタンフォードとの連携を促進するスキームがあり、その日は関連のシンポジウムがストラスクライド大で開催。チェアでもないのに、僕がスタンフォード大からLuisさんとオックスフォード大からJuanさんを招待することになって、その絡みでシンポジウムに参加。初日、そのバロニーというところで晩餐会。

料理もまずまずで会話も盛り上がり楽しめました。最後に、コモンウェルスゲームのオーガナイザーの人がスピーチした。学長も参加の晩餐会だったので、大学としてかなり気合を入れていたもよう。

ちなみに、そのバロニーは、普段アクセスするのは、試験監督としてだったりするので、その大きなギャップが興味深かった。

Mussel Inn(4月1日)
ファミリーフレンドリーなシーフード・レストラン。ムール貝の鍋を食べれる。味はまずまず。プレシアターのコースを頼めたので、なかなかコストパフォーマンスは高かった。

ちなみに、Luisさんご一家とJuanさん、それから所長Philさんと食事。翌日のワークショップのスピーカー5人のうち4人での食事会。

The Pot Still(4月1日)
たまたま入ったところだったけど、ここは超おすすめのパブ。スコティッシュなパブ。

たくさんのシングルモルトを呑めて、お店の雰囲気は、会話を楽しみやすいノイズレベルと明るめの照明。火曜日の夜遅くだったので、一応テーブルに座ってゆっくり会話とアルコールを楽しめた。

ちなみに、LuisさんとJuanさんとのディナーの2次会として入店し、二人とも気に入ってくれてた。Luisさんは翌日Obanへ家族旅行ということで、Obanのシングルモルトを3人でいただく。

大学からやや遠目ではあるけれど、ディナー前後のお店としてこれからも使えそう。というか、いつも使ってるバス停が近くにあるから、一人でフラッと入るのもあり。。(ホントにやりそうで怖い。。)

Blackfriars(4月4日)
Marchant Cityの近くにあるパブ。店内は広くはなく、金曜日5時過ぎということで、メチャ混んでた。ビールをハーフパイントで2銘柄いただく。

これは、ラボメンバーでのディナーの前座。こちらの人たちは、食前酒(?)として普通にビールをたくさん呑む。もともとビールが安いから、コストパフォーマンスがメチャクチャ高い。。。パブにいくといつもわけのわからん銘柄のビールを呑めるのは良いのだけれども、一夜限り、という感じで、どの銘柄のビールを呑んだのか覚えられない。。

Dakhin(4月4日)
インド出身の大学院生お薦めのインド料理屋ということで、確かに良かった。店は、マーチャントシティの近くで、店構えは安っぽいけれど、2階にあるレストランそのものは小奇麗で、カジュアルなレストラン。インド料理も含め、この辺の見た目に対する感覚は日本人とは違っていて、非常に興味深い。

それはともかく、インド南部の料理が振る舞われ、なかなかスパイシー。大学院生曰く、かなり忠実に再現しているらしい。調子に乗って、スパイスマーク1つ付きの料理を頼んだら、舌が麻痺した。。。

ワインはボトル2本、みんな料理を残すくらいお腹いっぱい食べたけど、プレシアターということで、値段もリーズナブルなレンジでおさまる。

ちなみに、推薦者の大学院生によると、CharcoalsはNGらしい。確かにスパイスという点で物足りないのかもしれない。インド料理恐るべし。。

ちなみに、このディナーは、ラボメンバーでのディナー。3ヶ月間一緒に働いてくれたエラスムス学生の送別会、日本からの二人の新メンバーの歓迎会、そして、大学院生候補者の面接ディナー、すべてが重なったディナー。

2年前だったら、ラボメンバーのディナーというと3人とかだったけれど、今回は2人不参加でも7人と良い感じで盛り上がってきてます。パーティーモードへの閾値は超えたと思われるので、何かにつけて呑み会等を開催するとラボメンバーの交流促進につながって良いかも。今のラボメンバーは、日本、スペイン、インド、スコットランド、イングランド、ドイツと多様性も増してきた。

ちなみに、最近、アルコールが入ると、かなりの確率でスコットランド独立ネタになってます。。。こちらも盛り上がってきました。。。

2014年3月30日

ティーチング2014

今年のティーチングが一段落したのでまとめます。
実は今年、去年の半分以下のdutyでした。

2年連続でサポート的な役割をしてた学生実習、今年は免除に(戦力外通告?)
さらに、去年5コマ任せられたクラスは、ネゴって4コマに。

ということで、今年は
1.細胞分子生物学 4コマ
2.生理学 4コマ
のみ。

1コマ45分なので、年間を通して計6時間。

どちらも学部2年生が対象。
細胞分子生物学では、顕微鏡関連と神経系を含む動物組織について、生理学では感覚系について(専門だから楽)講義。

前者は、5コマから4コマに少なくなった分、スライドを少し変更したけれど、生理学の方は今年で3年目だったからほとんど変更なし。ということで準備にかかった時間も短かったです。

あとは、卒論研究のサポートが5人分ということで、これはこれでそれなりの負担が。。。けど、こちらは、自分の意志で研究に貢献できるようなプロジェクトにできるので、こちらが多い分には何とかなるか。

レクチャーでの今年の変化は二つ。

まず、本年度から大学がPRS(personal response system)というシステムを導入したこと。
各学生が小さいリモコン端末を持っていて、スライドを使って学生に質問。そして、その回答をリアルタイムで集計するシステムのことをPRSと呼ぶ。学生さんもPRSの時間になると元気が出てきて、こちらもレクチャーをどれくらい理解してくれたか確認できるので、とても便利。使い方を工夫すれば、学生さんの集中力を途切れさせずに効果的にメッセージを伝えられそう。

もう一つの変化は英語。
今まで一回は通し練習してたけど、今年は直前にスライドの流れをざっと確認して、あとはぶっつけ本番。この1・2年でそれなりに英語力が上がった(気がする)。英語でトークすることへの抵抗感はかなり減った。英語がうまくなったというより、知ってる英語を引き出しやすくなった、という感覚。なので、小難しい英語は依然使えない。ということで、英語でのレクチャーも3年くらいやれば、それなりにできるようになるもよう。

ちなみに、同僚教授がこの3月でリタイアして「研究教授」という立場になるので、もしかすると、来年度は負担が増える恐れあり。。。

ちなみに、過去のティーチングのまとめは、2012分はこちら、2013分はこちら

2014年3月15日

スタップ細胞仮説から何を学ぶか?

捏造といったたぐいは、どこの国だろうと起こりうる。一方、アメリカやイギリスだったら、違う展開だっただろう、と思いながら、ニュースやソーシャルメディアを毎日フォローしてます。。。

日本ならではと思った点は、やはり最初の加熱報道の異様さ。結果的には、これが今の状態につながったと思われる。良い意味でも、悪い意味でも。

良い側面は、論文発表直後から多くのpost-publication peer reviewが行われ、再現性の欠如だけでなく、論文そのものの問題が比較的短期間にわかり、自浄作用が機能したこと。これに加熱報道が一役買ったのは確かだと思う。

発表から2ヶ月足らずでretraction当確の状態にまでなった論文なんて、少なくとも僕は知らない。

もしこれが10年前だったら、、、
間違った論文を多くの人が信じ続け巨額のお金が動いたりして、物的なネガティブインパクトは相当だったはず。(RIKENはすでに人事で物的な被害を受けてるけれども。。。)

ちなみに、論文発表前に防げなかったの?と家内に聞かれたけど、現状は非常に難しい。。。

もちろん、究極的にはシニア研究者のマネージメント問題だとは思うけれど、今回は、小保方さんが一人でいろいろ手がけて、彼女のprimaryな指導教官・メンター的な人がいたか非常に曖昧な雰囲気。笹井先生の具体的な貢献はよくわからないけれど、もしもネイチャー論文書き、という最後の部分だけの積極サポートが主な貢献だったとすると、差し替えられたデータをそのまま鵜呑みにしてしまう状況に陥られたのかもしれない(あくまで想像)。

ましてや現状のpeer reviewの制度で、レフリーが図の流用に気づくのは不可能。そもそもそんな視点で論文を審査しない。

とにかく学ぶべきことは、共同研究者間peer reviewの強化。

仮に共同研究的な関係であっても、自分のラボ内でやるのと匹敵する厳しい基準で共同研究者のデータを評価しないとだめ、ということなのだろう。甘い時は甘いと言い、元データを大切にすること。そして、自分の名前が論文に載る時はその論文に責任を持つこと。(共同研究者としての関係を崩したくないから、概して甘くなりがちで、あまりうるさいと嫌われそうだが。。。)

が、今の時代、見ても理解できないような元データを出してくれる人と共同研究を進めるケースが非常に多くなっているので、そう簡単な問題ではない。

一方、悪いインパクトは、、、、ニュースを見ての通り。

RIKENブランドが非常に傷つき、BBCでも報道されてるから、日本人研究者全体の信頼低下につながったと思われる。日本国民からだけでなく、世界の科学者からも。しかも関連ニュースは今後も続く。国内外で。

さらに、今後は信頼回復のための過剰な監視制度をひくことで、生産性が低下し、欧米・中国との厳しい競争でますます劣勢な状況に置かれるおそれがある。今の過当競争の状態はひどくなることはあっても、軽減される方向に行くとは思えないから。

とにかくネガティブインパクトは絶大。

小保方さん、もちろん今回の件、ホントに不正をしたんだったら、正直に、できるだけ早くしっかり精算すべき。けど、スタップ細胞仮説を提唱した点だけにおいては、彼女の独創的な発想を非常に買いたい。普通、そんなこと思いつかない。だからみんな熱狂した。

仮にRIKENのポストや博士号を返上しても、また一から出直し、10年後くらいに、やっぱりこの人すごかった、と言われるよう頑張ってほしい。30歳なら、これから10年で復活可能。日本では風当たりが強すぎて居心地が悪かったら、別の国で頑張れば良い。サイエンスの業界はそれができる。自分の意志で。

神経科学の分野でも、ノーベル賞受賞者と一緒に出した論文を後に取り下げ、そのノーベル賞受賞者を怒らせながらも、今は超一流の研究者として活躍している人もいる。

間違いは誰でもする。
そこから何を学んでどのような行動を取るかは人次第。

2014年3月9日

コミュニケーション

以前、デキる大学院生の要素の一つとして「交信」を挙げた。

そのコミュニケーション力に関連して、以下の3タイプについて考察。

1.頻繁タイプ
こちらからデスクに出向かなくても相手から来て直接進捗なり問題の報告を頻繁にしてくれるタイプ。基本的にはこのタイプが一番仕事がやりやすい。些細な事でも、逐一情報をシェアしてくれると、軌道修正もしやすいし、頻繁に情報交換でき最も効率的。

2.メールタイプ
そんなこと直接聞いてくれたら良いのに、と思うことでもメールで様子伺いなり、フィードバックを求めてくるタイプ。性格的に、シャイか遠慮しがちなタイプだと思われる。が、メールをタイプし始め、返事をもらって次のアクションに移るまでの時間と、足を動かし直接聞き、すぐに回答を得て次に移るまで時間の差が、例えば大学院の3年間積み重なると、相当な時間になる。遠慮しすぎるのはどちらにも良くない。

3.沈黙タイプ
そんな重要なこともシェアしてくれないのね、というタイプ。最もやりにくいタイプ。こちらが忙しいと、情報交換するのは週一のレギュラーミーティングだけになったりする。一週間経過した後で、重要なことのアップデートをもらい、何も進んでいない、もしくは誤った方向に行っていたりすると、ショック・ロスは大きい。。

自分が進んでいる方向に余程自信・確信を持っている場合を除いては(仮にそうであったとしても)、1のタイプがチームメンバーとして一番働きやすいです。

2014年3月2日

スコットランド独立について

一時帰国した時、よく聞かれた質問:
「スコットランドって独立するんですか??」

もちろん、現時点ではどっちに転ぶかわからないけれど、約半年後の9月18日の国民投票で結論が下され、もし過半数が”Yes”と言ったら、2016年3月24日にホントに独立してしまう。。。

こちらがオフィシャルな情報。
よくある質問と答えについては、こちらにまとめられている。あくまでスコットランド政府の見解なので、鵜呑みにしてはいけない。。。

wikipediaもある。日本語訳はないから、日本人にとってはほとんど関心のないことだと思われる。

ガーディアンの特設ページのRSSを登録しておけば、常に最新のニュースを知れる。

以下、もう少し具体的に。

誰が投票できる?

こちらにあって、基本、スコットランドに住んでる人たちが対象。今回は16歳以上が対象になる。しかし、CommonwealthやEUとも関係ない僕のような第三国からの移民は対象外。

現在の世論は?

最近の世論調査の結果はこちらこちら
UK全体で見ればもちろんNoが圧倒しているけれど、問題はスコットランド内。

一貫してNoが多いけれど、態度を決めていない人たちもまだたくさんいるので、半年後どうなっているか微妙な情勢。一番怖いのは、8・9月にAlex Salmondが今ある問題点への明確なビジョンなり回答を用意して、世論が大きく動くこと。

つまり、独立するのはunlikelyだけれども余談を許さない。

ヴィジョンの詳細
現時点のビジョンについては、こちらに分厚い冊子がある。ダウンロード可能だし、頼めばタダで送ってくれる。

ディベートネタ
いろんな問題が連日のように議論されていて、僕が理解している限り、以下の初歩的なことすら明確ではない:
・通貨はどうなる?(ポンド?それとも・・・)
・EUに即加盟できる?
・北海油田は誰のもの?
・BBCは?
・科学技術予算は?
などなどなどなど。

通貨については、最近、ジョージ・オズボーンが、ポンド使えるわけねぇじゃん、とcurrency union案を一蹴。pro-unionの人たちも加わってAlex Salmondいじめがスタート。

もしも独立するとしたら、残りのUKとスコットランドで、少なくとも短期的にはloose-looseのdealになるのは確実。

科学関連では、僕の理解が正しければRCUKのお金を当てにしてるらしい。。「独立」とは程遠いプラン。スコットランドは基本的に「応用」関連の投資ばかりしてきているので、独立したら多くの科学者がスコットランドを離れ、ただでさえ乏しい経済の原動力をさらに失うことになると思われる。

僕の立場は、100%No。
が、投票できないのが移民の悲しい性。。。

2014年2月23日

札幌

先週、札幌へ行ってました。
今回はワークショップへの参加。

修士時代に同じ研究室に所属し、その後も連絡を取り合っていた知り合いが今回のワークショップのオーガナイザーで、そのコネで呼んでもらいました。

ワークショップそのものは、いろんな種を使って行動・脳を研究をしている人たちが、日本だけでなく、海外からも呼ばれ、3日にわたって開催。

普段聞けないタコやエイの行動の話などもきけ、スピーカーの人たちとも毎晩食事に行ったりし、非常にエンジョイできた。

今回は、海外からのスピーカーもいて、ワークショップはすべて英語だったので、実は英語の割合がかなり高い日本滞在だった。

17日
日曜日にグラスゴーを発ち、17日午前に関空へ。アムステルダム-関空間の飛行機、隣には窓側から、フランス人おじさん(50~60歳)と日本人女性(学生さん)が座っていて、そのフランス人が日本人女性をナンパしてた。。。

それはともかく、関空ー新千歳の飛行機は吹雪の影響でどうなるか心配だったけれど、「条件付き出発」だった。条件付きとは、もし着陸が無理だったら、羽田か関空に引っ返す、という条件付き。

離陸後のアップデート情報として、天気が回復しているから大丈夫、とのアナウンス。

着陸時、雲に入ったらさすがに揺れ、エンジンのふかし方も普段より大きかった(ように感じた)。雲を抜けるとかなり間近に雑木林があって、結構怖かったけれど、無事着陸。一面銀世界。

空港で、まず花まるへ。板前チックな回転寿司屋で、高めの皿を中心に4皿だけいただく。激うま。

その後、お土産を幾つか買って札幌へ。
ホテルは駅前のアスペンホテル。北大に訪問する時はいつもここを利用させてもらっているけれど、駅前でアクセスもよく部屋も適度のサイズで、インターネットも無料でとても良い。

少し仮眠を取り、7時から約束の食事。場所は卯和というところ。腰から顔の高さまである雪の壁が車道と歩道を隔てている歩道側を、雪の感触を一歩一歩確かめながら、ホテルから10分強で到着。

メンツは、オーガナイザーの知人とNJ時代に知り合って北大で独立している方3人。お店は、お酒が呑めるお洒落な定食屋さん。ほっき刺し身定食をいただく。9時閉店で、しかも二人共ワークショップの準備があったり、車で来ていたりと呑み会という意味ではやや消化不良だったけれども、いろいろ話ができて楽しかった。北大は北大でいろいろ大変なんだなぁ、というのが少しだけれどもわかった。

18日
翌日は、頑張って7時前に起きる。今回も時差ボケ対策は無理やり起きてアクティブに動くことだと実感。

昼前にオーガナイザーのいる建物へ行き、事務処理とラボ見学。建物付属の学食へ行ったけれど、あんなのを毎日食べれるなんてホント羨ましい。。ちなみに、北大には循環バスがあって、正門-北部間の移動に使ったけれど、雪の量が尋常ではなかった。。。

その後、銀行に行って、隣駅にあるイオンへ行って日常品の買い物。

16時からワークショップスタート。

夜はスピーカー全員ですすきのの隠口なる居酒屋へ。コース料理で最後のそばが最高に美味かった。2次会には、近くの居酒屋へ4人で。日本酒を結構呑む。。

19日
若干二日酔い気味で7時頃起き朝食(軽めに)。
ワークショップは、午前最後に僕のトーク。
質問もそれなりに出て、メッセージは伝わったと思われる。

ランチは、北大内のお洒落なレストランでカレーを。レストランの行き帰りNIHからの台湾出身のPIの方といろいろ話をさせていただく。今回、この方と他にも話す機会がいろいろあった。

2日目の日程も終わり、夜は学生さんたちも参加OKの懇親会。場所は雑居ビルに入ってる大衆居酒屋の一室。鍋付きコース。普通に美味しかったです。

2次会には6人でレトロな居酒屋へ。

20日
午前ワークショップでワークショップ終了。
ランチには、一部のスピーカーを混じえて咲か蔵なるレストランへ。海鮮丼をいただく。

この日のディナーはNJ時代の知り合いの呑み会に混ぜてもらい、はちきょうへ。
ちょうどケンブリッジからのお客さんとの懇親パーティーということで、自分がグラスゴーから来たというとUK関連の話題で盛り上がる。つっこ飯も食べて食事が終わり、ホテル方面に向かっていたら、良いアイリッシュパブがあるから、ということで、札幌駅内のアイリッシュパブへ。二次会。

その方、パブが煙草臭くて悲しんでおられた。。
今回、居酒屋の多くで喫煙OKが多かった。。。
歩きタバコは少ないから、その辺は対照的。

21日
6時15分の電車で新千歳に向い成田・アムステルダム経由で再渡英。帰宅したのは21時23時半ごろ。アムステルダムで6時間待ちがあった分、ドアドアで24時間強の旅に。

---
今回観た映画
・Gravity
・Escape Plan
・Skyfall
・Captain Philip
GravityとSkyfallは2回目。何度見ても楽しめる。
Escape Planはシルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツネッガー共演の監獄脱出映画。なかなか楽しめた。
Captain Phillipsはソマリア沖での米国船が海賊にハイジャックされた実話に基づく話。トム・ハンクス主演で船長Phillips役。ハイジャックから救出までの緊張感がよく描かれていた。

---
話は変わるけれど、前回の京都の時にはSTAP細胞の報告で盛り上がっていて、今回の札幌の時にはエラーや再現性に関する記事が。。この一連のイベントを当の日本でリアルタイムで体験して思うことを一つ。

バブルを発生させないためにも、日本のメディアにはとにかくcritical thinkingのトレーニングをもっとして欲しい。他国のまともなメディアのまともな記事では、必ず、セカンドオピニオンを掲載しバランスを取っている。

研究者の記者会見をすべて鵜呑みにしてそれをそのまま報道するスタイルは早くやめて、少なくとも、その研究に直接関わっていないけれど、しっかりした専門知識を持つ第三者科学者にコメントを求めて、それもしっかり報道しないとダメ。

それだけで、まともな国民が振り回されることは少なくなり、結果として、研究者とメディアへの信頼度も増す。

2014年2月9日

京都

1月27日~2月2日の日程で京都へ行ってました。

今回は、ご縁があって京大医学部の大学院関連のイベントに呼んでいただき、まず1泊2日で有馬温泉へ。

そのイベントは、1年生の大学院生たちが研究発表をし、皆でいびる、いや、研究内容などにアドバイスをするという機会。

僕は、そこでトークを任される(keynote speaker?)。茶色の温泉も含め、いろいろ楽しめました。

そのイベント後数日は、招待していただいたラボのメンバーの人達と研究の話をしたり、大学院時代の恩師の先生の研究室にもお邪魔したり、昔のラボメンバーと居酒屋へいったりと、超充実の一週間でした。

今回、大学院生と直接話す機会にも恵まれ、自分で問題解決してプロジェクトを進める、という意気込みを感じられる大学院生と何人か会えて、とても刺激になりました。その点、うちの大学の大学院生は、何となく受け身。。。専門学校化している弊害。

以下、今回の食事などを備忘録的に。

まず食事。
到着した1月28日、銀閣寺近くの「なかひがし」へ。
細部に神が宿る懐石料理屋。ひと品ひと品にストーリーがあり、カウンター席に座ると、店主自ら、それを説明しながら料理を振る舞ってくれた。文字通り五感すべてが刺激された。お値段はかなりはるけれども、それに見合っていた。あんな料理、人生で数度食べれるか食べれないか。

ちなみに、ちょうどNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」の取材班が1ヶ月取材中で、僕の隣には、料理人と思われる人が一人で座り、料理を楽しんでいた。彼はその番組のゲストの一人なのか、取材にも答え、ウンチクを語っていた。一人で悦に入りながら食事していた僕も映るかも??

1月31日、雲心月性という下鴨神社の近くの懐石料理屋へ。
こちらはホストの方たちに連れて行って頂きました。隠れ家的お店らしく、実際、小さい民家を料理屋に改装したような感じ。奥の座敷は、畳か何かの「古い匂い」がしていた。お店の人は素朴な感じで料理も良かった。

2月1日。昼は天一銀閣寺店へ。天一は外せず。。実は、銀閣寺店は初めてだったけれど、普通に美味しかった。

夜は、昔の同僚と京都駅近くの鬼河童という居酒屋で呑み会。4時間半かけてお腹いっぱい食べて、値段もリーズナブルだったか。が、店内喫煙OKだったので、嫌煙家にはNGかも。

次に、機内で観た映画を。
行きは
Fast & Furious 6を観る。途中まで。

帰りは
まずGravityを観る。1時間半と短い単純なストーリだけれども、映像すごすぎ。。。どうやって作ったのか非常に興味あり。

次にLast Vegas。幼なじみのおじいさんたちの話。一人が結婚するということで、ラスベガスでbachelor partyをする、という話。ストーリーはともかく、Michael Douglas、Robert De Niro、Morgan Freemanという豪華キャストでなかなか楽しめた。

次に、Rush。実話に基づいたF1の話ということで、こちらもなかなか楽しめた。Niki LaudaとJames Huntという全然違うタイプの人間がよく描かれていて、人生観という意味でも考えさられる映画。

さらにAll is lost(観過ぎ)。ボートがちょっとした自損事故をきっかけにいろんなトラブルに見舞われ漂流し、文字通りすべてを失う、という話。セリフがほとんどないので、言葉が聞き取れなくてもわかる映画。

続いて、時差ボケについて。
やはり朝から精力的に用事をこなすのがとにかく大事。時差ボケがホントに解消されるのはどうしても時間がかかるので、無理せざるを得ない。再渡英後、特に時差ボケ的なことは感じなかったので、日本の時差には結局適応せずに帰ってきたのかもしれない。

最後に、日本について。
今回感覚的にはっきり気付いたことは、電線が日本の町並みのアナーキーさを助長していること。

ここ最近、帰国するたびに線路近くにたくさんの家が建てらていることに違和感を覚えていたけれど、今回、仮に整然と立て並べられている地区でも美が感じられないと思った。

それは地上にある電線がその整然とした直線を乱していることがよくわかった。前から日本の電線は汚いとは聞いていてわかってはいても、感覚としてはっきり感じたのは今回が初めて。一方で、きれいなところはとことんきれい。この辺のギャップが興味深い。

それはともかく、今回もいろんな出会い・再会があって、いろんな話が出来て、超充実の良い旅行になりました。お世話をしていただいた方々にはホント感謝です。

2014年1月12日

neuroeducation

今週Wellcome TrustEEF(Education Endowment Foundation)とのコラボで、神経科学のエビデンスに基づく教育を創出していくための助成金制度をアナウンスした(こちらも)。

これとシンクロするようにGuardianでも関連記事が掲載されたりと、社会としてのアウェアネスを上げようとしている。

こちらのWellcome Trustのブログでは、一流のサイエンス・ライターが現状を簡潔にまとめている(シリーズものになる雰囲気)。

アカデミックには、いくつか総説なりが出てはいるが(例えばこちらこちら)、分野としてはそこまで盛り上がっていない印象を持っている。

胡散臭さが漂う研究なり、関連ウェブサイトがあるから、なんとなく「ダークサイド」的な雰囲気さえあるのが現状。。。

ただ、個人的には、一神経科学者として、自分が関わっている学問がどう教育に役立つのかという問題には非常に興味がある。神経科学はこの数十年で爆発的に進んできて広がってきた一方で、世間での過去の常識なり俗説はほとんどアップデートされず、mythsとして定着しまっていることがよくある。右脳・左脳や男女脳はその典型として頻繁に挙げられる。その現状を踏まえて、しっかりしたエビデンスに基いて正しい教育の方向を探るのは非常に重要なことだと考える。

なので、今回のWellcome Trustの動きが一つの転換点になって、新しい(正しい)方向が生まれてくることに期待したい。

2014年1月5日

誘致

新年明けましておめでとうございます。

ツイッター経由で知った新聞記事が興味をひいたのでコメント。

文科省は世界レベルの研究者をラボごと誘致する試みをスタートするらしい。京都工繊大と北大で。

この記事以上の詳しい情報はフォローしていないけれど、おそらく世界大学ランキングを上げる実験の一貫だと思われる。個人的には、こういう戦略が一番手っ取り早い方法だと思っているので、動向に注目したい。

もちろん、世界レベルの研究者がホントに日本に来てくるのか(どんな美味しいオファーをしたらそれが実現するのか)、仮に来てくれたとしてそれが日本のアカデミアにどれくらいインパクトをもたらすのか、そもそも大学ランキグを上げることに税金をつぎ込むことがどれほど日本の成長に寄与するのか、などなど、よくわからないところではある。

が、外国人の割合を増やして国際力を高める、といった効果を見込めない戦略よりはマシな戦略。