2009年3月19日

最近の悪いこと、良いこと

先週、ボス不在。イギリスへ一週間ほど行っていた。
9月からのサバチカル関連の用事だったのかもしれない。

ラボの生産性は、ここ1年ほど、決して高いとは言い難いが、ボスがいなくなるとそれに拍車がかかる。。。

9月から一年どうなるんだろう、このラボは。。。

それをボスは気にしているように見えないから、大物だなぁと思う。

それはともかく、今年はやることなすこと裏目ったり、トラブったりしている。

例えば、ビザ更新のための手続きが滞っていることが先週判明。。。

その気になれば1日ほどで終わる事務処理を、文字通り棚上げされると、結構腹が立つ。

信頼できると思ってた人にそういうことをされたりするから、この国は気を緩められんなぁとつくづく思う。

しかも、そういう人ほど自分の非を認めない「うまい言い回し」をするから余計腹が立つ。

怒って仕事をしてくれなくなると困るから、怒るに怒れず、さらに腹が立つ。。。

(だからといってブログをはけ口にするのもどうかとも思うが。。。)

今年は他にも研究以外でトラブっている案件が大中小と少なくとも3件ある。

研究も入れればたくさん。。。

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一方、ハッピーなニュースもあって、昔から親しくしている2人の友人から出産の知らせが立て続けに入った。

あと、昨日、娘が4回目の誕生日を迎えて、家族三人でミニパーティーをした。

彼女は生まれてほとんどの時間をアメリカで過ごしているわけだけども、この1年間の言語の発達は目を見張るものがあった。あと、マインドリーディングの能力も確実に身に付けている。

例えば、車で走っていて、道路に立っている人を見て、その人が道路を渡ろうとしていることを見抜くことは、実はそれなりの能力が必要な気がする。(小さいことのような気もするが)

あと、記憶力がすごい。例えば、一緒に見たDVD。親である僕もかなり楽しみながら観たはずなのに、確実に、親より詳細を覚えていたりする。これって、どういうことなんだろう。。。(オレはホントに脳の研究者か。)

ヒトの脳、子供の脳ってホントにすごい。。。

言語に関しては、毎日プレスクールに通ってるからか、リスニング、スピーキングはそれなりにこなしている模様。というか、RとLの違いをしっかりわかってるみたいで、非常にうらやましい。。。

一人で遊んでいる時、英語でいろいろ言っている姿を見ると、カッコ良くすら見える。

最近、アルファベットの文字も区別できるようになってきて、一部は音声を文字に変換できるようにもなってきた。

一方、日本語の習得は、親とのコミュニケーションにほとんど依存せざるを得ないから、きっと、日本で育っているお子さんに比べたら遅れているのだろうなぁ、と思う。

コミュニケーションは普通にできるけど、「てにをは」や受動・他動の使い分けなどに課題がある。

思うに、英語はアルファベットを覚えたら、あとはそれを組み合わせれば、あらゆる単語を作れ、さらには文章も作れるわけだから、日本語に比べたらなんと簡単な言語なんだろう、と思う。

それだけ、早くからハイレベルな思考をできるようになるのではないか、とさえ思ってしまう。

一方、日本語はひらがな、カタカナ、さらに漢字。ひらがなだけでも濁音とかある。。。
さらに単語同士が助詞などでつながったりする上に、使い方そのものが非常に込み入っている。ネイティブでも、それをきちんと説明できるか、しっかり使い分けられるか、非常に難しい。。。

日本人は、すごい言語を操っているとつくづく思う。

えらく話題が変わってしまった。。。

2009年3月16日

最近(少しだけ)読んだ洋書いっぱい

まだサンプルだけですが、最近読んだ本たちをカテゴリーごとに、備忘録も兼ねてまとめます。

<ビジネス書>
ProBlogger: Secrets for Blogging Your Way to a Six-figure Income
ブログだけで年収一千万円以上を稼ぐ人の話。サンプル版では具体的なノウハウの部分はなかったけど、世の中にはこんなすごい人もいるらしい。



Strengths Finder 2.0
サンプル短すぎ。。。けど、人の良いところを発掘したい場合、この本はいろいろ洞察を与えてくれそう。


The Five Dysfunctions of a Team: A Leadership Fable
チームワークに関するビジネス書。最近、チームのことを実生活も含め、いろいろ考えることがあるから、ついこういう本に手が伸びた。非常に読みやすい。



What Got You Here Won't Get You There
上の本と同様、リーダーシップについて語っているビジネス書。サンプルだけからは全体のポイントは伝わらないけど、何となく読みにくい印象を持った。



Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity
タイムマネージメントや生産性のことを語っている雰囲気のビジネス書。売れてるだけあって、なかなか良さげ。



Buyology: Truth and Lies About Why We Buy
一応、ビジネス書のカテゴリーに入れてみた。ニューロマーケティングの本。タイトルは最低な気もするけど、今後、この手の本はたくさん出るような気がするから、とりあえず読んでみるのは悪くないかも。


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<政治関連>
The Audacity of Hope: Thoughts on Reclaiming the American Dream (Vintage)
オバマ氏の政治思想を知るにはこれ。



Epicenter: Why the Current Rumblings in the Middle East Will Change Your Future
9/11を予言していたことで話題になったThe Last Jihad
の著者の続本。かなり過激な内容もありそうだけど、中東絡みの外交問題を知りたい場合、非常に良いかも。



The Revolution: A Manifesto
昨年の大統領選で共和党候補の一人だったRon Paul。彼が政治思想をまとめているようだ。サンプルを読む限り、The Audacity of hopeの方が心に響いてきたな。。。けど、アメリカの政治を学ぶには良い本かも。




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<脳科学(含む、怪しい「脳の本」)>
How We Decide
意思決定の本で、臨場感あふれる表現はホントひきつけられる。この本は買って読んでみます。



The Brain That Changes Itself: Stories of Personal Triumph from the Frontiers of Brain Science (James H. Silberman Books)
脳に障害(外傷)と可塑性をテーマに、これまたオリバーサックスばりに、実話に基づいて多くの興味深い事例をまとめている。非常に読みやすいし、本のカバーデザインが非常に好き。



Musicophilia: Tales of Music and the Brain
音楽に関わる脳の障害を持つ人たちの話。さすがオリバーサックス。トピックそのものだけでも十分面白いのに、その上、各トピックを物語風に構成する才能はホント天下一品。



Human: The Science Behind What Makes Us Unique
分離脳の研究で超有名なGazzanigaがヒトのユニークさを語った本。さすがな内容の雰囲気。参考文献からしてプロも意識している感じで、じっくり読むといろんなことを学べそう。



This Is Your Brain on Music: The Science of a Human Obsession
音楽と神経科学の関係に興味がある場合、非常に良い本だと思う。ただ、教科書というわけではないので、本のポジションとしては少し中途半端な気もする。教科書という点ではPatelの本
が非常に評判が良い。



My Stroke of Insight: A Brain Scientist's Personal Journey
神経解剖学を教える神経科学者自身が脳梗塞になった体験を綴る貴重な一冊。著者自身、この体験を通して脳をより多く学んだ、と書いている。非常に面白そう。




Thinking in Pictures: And Other Reports from My LIfe with Autism
自閉症の人が自身の内面を語った非常に貴重な本。冒頭、オリバー・サックスが解説的な文章を寄稿している。



*ここから怪し目の本へ。。。

Brain Rules: 12 Principles for Surviving and Thriving at Work, Home, and School
脳をうまく機能させるための12のルールを紹介している。一見やばそうにも見えるけど、ウェブ上で公開している参考文献集などはかなり膨大で、文章そのものもこの手の本にしては非常にバランスが良い気がする。もちろん、プロの中では意見はわかれるかもしれないけども。。。実際、脳を研究している人間でも、みんながみんな、自分が身に付けた脳科学の知識を実生活に役立てているか?と言われると、かなり疑問だから、その意味では、悪くない読み物な気がする。脳本のセイフティーボーダーは(セイフティー側に)越えていると思う。ただ、薦めるか?と言われると、「まだ最後まで読んでないので、待ってください。。。」と答えそう。



The Female Brain
文字通り女性の脳について語っている。専門的に見るといろいろ問題を感じはするけど、楽しむ読み物としては悪くないかもしれない。脳本としてはボーダーライン、という感じか。



Making a Good Brain Great
デンジャー・ゾーンに思いっきり入ってます。。。。日本にもこの手のヤバイ本はたくさんあるけど、アメリカにあった。。。こんな本は買わないでください。。。というか、世の中を悪くするだけなので、書かないでください。。。


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<科学>
Quantum Enigma: Physics Encounters Consciousness
量子力学から見た意識論の一冊。目次を見る限り、意識論は後半。意識論はどうでもいい気もするけど(そもそも脳の本じゃないし。。。)、それまでは量子力学のことを純粋に学ぶのに良いかも。



The Stuff of Thought: Language As a Window into Human Nature
Pinkerの本。安っぽく解説すれば、言語論から思考などの深みを探っていこう、という本か。確かにハイレベルな論考という感じで面白そうではあるけど、読み進めるにはそれなりに時間をかける必要がありそう。



The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference
ブーム・伝染を起こす社会現象についての話。社会科学(ソーシャル・サイエンス)の複雑系といったら良いか。この手の本は他にもありそうだけど、なかなか面白そう。



My Life As a Quant: Reflections on Physics and Finance
quantとして有名な人の本。この分野に興味がある人は読み物として良いかも。



The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, and Societies
チームメンバーの多様性が如何にチームの問題解決能力を上げるかを複雑系科学から語っている本。前から気になっていた本で、実際面白そう。



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<その他>
Act Like a Lady, Think Like a Man: What Men Really Think About Love, Relationships, Intimacy, and Commitment
ベストセラーにランキングされていたから読んでみた。たぶん女性必読書。男とはどんな生き物か理解するのに役に立ちそう。嫁さんにぜひ読ませたい。。。逆バージョンも出ると良いのだけれども。。。



Outliers: The Story of Success
これもしばらくベストセラーランキングに入っている。異端児、とでも訳したら良いか。物語風なので、ポイントを効率的におさえていくにはあまり良いとは思わなかった。



Jazz The Basics
僕がいるキャンパスにJazzのことを教える教授がいた。Jazzのうんちくを語れるようになりたい夢を僕は持っているので、この本はぜひ読んでみたい。。。



The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable
読みにくい文章だと思って、途中でやめた。売れてはいるようだけど、評判はそれほど良くないから、そういうことなのだろう。。。



The Miracle of Mindfulness: An Introduction to the Practice of Meditation
30年以上も前の本。ベトナムの仏教の教え?を英語に翻訳した本らしい。サンプルだけからはアウトラインもわからないけど、非常に気になる一冊。



The Power Of Now: A Guide To Spiritual Enlightenment
開眼した人のスピリチュアルな話?意識の話がたくさん出てきてる感じ。読みながら意識を失った。。。



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と、サンプルだけなら、たいがい読んでます。

これはKindle 2の、特にそのtext-to-speech機能のおかげです。
いままでこれだけの量の本に目を通したことはなかったので、これはホントです。



2009年3月11日

移民分布

アメリカのこれまでの移民分布の変遷情報がこちらにある。

国民別の分布もあって、例えば日本人の分布も知れて楽しい。

それによると、中北部は人口そのものが少ないからか、日本人はかなり少な目となってます。

けど、意外だったのはコロラド州
ウィキペディアの「日本との関連」を読むと、それなりに納得。
(*「つながりがあるで」って、このウィキペディアの記事、中部圏の人が編集したんやろか。。。)

ちなみに、
アメリカ50州を読む地図 (新潮文庫)
という本はアメリカに来る時に買って、勉強になった。

特に、昨年の予備選挙の時。

2009年3月10日

quantsへの道?

金融危機になってからquantsという言葉を初めて知って、最近いろんな記事で目にする。

quantsは、物理的な発想をファイナンスに応用する人、とでもいったら良いのだろうか?ブラック・ショールズ方程式とか、確かに聞いたことはある。


今日のニューヨークタイムズにも関連記事があった。
quantsに対する賛否両論が紹介されている。

前にも長い特集記事があった(長すぎて読んでないけど)。

ボスのケンは物理出身だけど、実際、同僚がたくさんウォール街に就職したらしい。

ファイナンスも究極的には予測可能になるべきだとは僕は思うから、物理系の人たちはこれからもっともっとquantsへ流れるのかもしれないし、むしろそうなって、もっとうまく舵取りをして欲しい。

何となく「ダークサイド」?という気もしてたけど、やっぱり科学より経済が階層は上だな、と最近痛感するし、経済も人間行動の一つだから自然科学の対象になるわけで、物理の素養がある人には非常に魅力的な分野だと思う。

知的にも金銭的にも。

もしかしたら神経経済学を学んだPhDも、ウォール街でジョブを得るようになるやもしれん。

上の新聞記事には正規分布の仮定に関する批判的な意見も紹介されていた。ということは、計算論神経科学でPhDを取って、いまリアルな脳を理解しようとバリバリやっている人も、ひょっとしたらウォール街で活躍できるかもしれない。

物理関係の分野でPhDを取った人は、その人の興味とモチベーションしだいでいろんな可能性が広がってるなぁ、と改めて思う今日この頃。

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最後に、ニューヨークタイムズの記事でも登場するDermanという人の本



Kindle版はこちら。
My Life as a Quant: Reflections on Physics and Finance


Quantsを批判しているNassim Nicholas Talebさんも登場しているので、こちらも。



Kindle版はこちら。
The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable

2009年3月9日

いちばん、スケート

先週末はうちを留守にしたので今週末は家族サービス。

今週末はえらく暖かかった。
月曜日の大雪が一気に解けた。

午前は大学に行ったけど、午後はまず買い物。
夕食には先日行きそびれた外食。

嫁さんの希望でICHIBANへ行く。
スシ、てんぷら、鯖の味噌漬けなどを食す。
日本で同じモノを食べるなら、もっと安上がりなのだろうが、とりあえずうまかった。

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サマータイムに入った今日は、午後からハッケンサックのスケート場へ。
ice houseというところで、実はあの安藤美姫さんのホームリンクらしい。

と言っても目的は、もうすぐ4歳になる娘がスケートをしたいと言うから、娘と一緒に滑ること。
スケートなんて中学生以来やったぞ。

入口で入場チケット代とレンタル代を払って(大人用のチケットクーポンがあったら合計16ドル也)、スケート靴を借りる。しっかり子供用も用意されていた。

おぼつかない足取りで、しかも娘の両腕を支えながら3時間くらい滑った。
娘は初スケートで、さすがにはじめビビッていたが、すっかり気に入ったらしく、帰ったらまた行きたいと。。。

こういうのを継続して、良いコーチを見つけたりと親も気合いをいれれば、それこそ安藤美姫とはいわないまでも、そういう道を歩んでいくのかも、と思うと何となく不思議な気もする。。。

それはともかく、終始前傾姿勢だったから腰にきた。。。

2009年3月6日

キンドルのムシ

キンドルにハマってます(新しいオモチャを与えられたサルみたいなもんです)。

Kindle 2: Amazon's New Wireless Reading Device (Latest Generation)


キンドル版として発売されている本には無料サンプルがあって、気になる本を見つけてはそのサンプルを手当たりしだい読んでいる。。。

2日だけで10以上ダウンロードした。。。(もちろん、半分も読んでいない)

一部の本はサンプルの時点ですでに挫折したけど、一部に続きを読みたくなる面白そうなものがある。

例えば、
How We Decide
は非常に面白そう。
神経科学でいうところの意思決定を扱った本なのだけれども、臨場感あふれる表現が非常にすばらしい。なんか一流サイエンスライターって感じ。こういう本を書ける人は科学者としてもすばらしく良い論文を書けるんだろうなぁ、という気がする。このJonah Lehrerという人、コネクトミクスという神経科学で今ホットな分野の記事をネイチャーにも書いていた。なんか若くてイケ面やし。。。世の中にはすごい人間がいるもんだ。




The Brain That Change Itself
も面白そうで、システムレベルでの「可塑性」をテーマに、オリバーサックスばりの実話に基づくストーリーを紹介している。



やっぱり「脳本」は面白いな。。。

大きくトピックが変わって
The Yankee Years
トーリ元監督の「暴露本」として日本でも少し前ニュースになってた本。
ヤンキースファンだしとりあえず、、、という感じで、サンプルをダウンロードしてみた。先日、ニューアークから飛行機に乗る時、この本(かなり分厚い)を抱えている人を数人見かけた。この本を読むか否か、まるでヤンキースファンかどうかを区別する踏み絵のような強迫観念を感じる。。。(けど、まだ読んでない)




Kafka on the Shore
Haruki Murakami
ちょっと読んでストップ。やっぱり日本語で読みたい。。。日本語の本もキンドル版として発売して欲しい。アメリカでは、日本の本はヤクザに高く売られているから、読みたい本はあっても読めない(買えない)。。。アマゾンにその壁を破って欲しい。




The Audacity of Hope
ミーハーぶり炸裂ではあるけど、Prefaceを読んでいたく感動(単純)。日本の政治屋のみなさんに、ぜひ「勉強会」でも開いて欲しい。どうせ空白状態が続いてんだし、みんなで1ヶ月くらい合宿でもして、一文一文、徹底的に吟味・議論して欲しい。。。明日の日本のために。。。(かなり本気)



あとF. Scott Fitzgerald
Tales of the Jazz Age
がタダだったりすることにも気づいた。
昔の著作権が切れた本はデジタルとしてタダで読める時代なのか。。。




他にも、前から欲しいと思っていた本がキンドル版として発売予定だったりして、購入閾値が一気に下がりそう。。。(完全にアマゾンの戦略にハマッてる気もするが。)

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ちなみにスピーチ機能大活躍で、文字だけ、音声だけ、ではフォローできてなかったであろう部分が、それなりのスピードでこなしても意味が入ってきてくれる。こういうことはやったことなかったけど、入力チャンネル数を増やすのは、やっぱり良いのだなぁと実感。

あと、デジタル出版的なことをアマゾンもはじめているらしい。

確かにキンドルが普及すれば、まるでブログの延長として誰でも本を出版できるのだろう。日本だと携帯で小説を、というのがあるけど、それにある意味近いボトムアップな感じかも。

電子ブックって、キンドルを買うまで懐疑的だったけど、使ってみると意外と将来性があるのかもしれない(洗脳された。。。)。実際、Barnes & Nobleもこの市場に参戦して盛り上がりそうだし。日本のIT企業なんかでも積極的に検討しているところがあったりするのだろうか。

できれば、ハードの機能として、本をパラパラめくる感じで、前後を行ったり来たりしやすくなると、デジタル本支持者がもっと増える気がする。というか、それができたら、アナログ本はレコード化していくかもしれない。。。

2009年3月4日

Kindle 2

アマゾンから届いた。
*追記10/13:インターナショナル版が出てこれを買えば日本からでも本をダウンロードできるようですこちらのエントリーでも使い勝手についてコメントしてます。




大抵はカバーも購入するだろうから、400ドル弱の買い物となる。
決して安いとは言えない。

それでも、買った理由は、
1.デザイン
2.新聞代削減
3.PDFの変換サービス
4.スピーチ機能

まだ2日だけだけど、触ってみた感想を。

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まず、1のデザインについて。

非常に良い。
厚みの割にズッシリ感はあるけど、持ち運びには非常に便利なサイズ。操作性も非常に良い。

旅行の時にどの本を持っていくか悩む必要はないか。必要とあれば、3Gネットワーク(ウィスパーネットとか言うらしい)経由で現地調達もできる。

ディスプレーはiPhoneを縦横それぞれ1.5倍くらいのサイズか。
小さい単行本程度。

ただ、文字サイズを変化させられはするけど、1ページあたりの最大文字数、情報量は少ない。(できれば、もっと文字サイズを小さくできるようにしてほしかった。解像度の問題なのだろうか。)

けど、ディスプレーそのものは非常に見やすくて目の疲れはPC画面を眺めるよりは少なそう。(文字の写り方が違っている)

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2の新聞代について。

僕はThe New York Timesを読んでいて、ホームデリバリーだと月40ドル強かかっていた。が、kindle経由で読めば13ドル程度で、1年ほど読めばkindle代が浮く勘定。

電子版新聞を読むメリットとデメリットを。

メリット
1.大量の紙の浪費を抑えられる(地球にやさしい?)
2.インクで手が黒くならない(身体にやさしい?)
3.すべての記事をチェックできる(今まで如何に手抜きして読んでいたかわかる)
4.安い(ホームデリバリーに比べ)
5.読み疲れたら、スピーチモードに切り替えられる
6.新聞を広げる必要がないから、スペースを確保する必要がない(電車通勤などには便利かも)
7.朝kindleをオンにしたら、その日の新聞が勝手に届く。
8.配達人のミスで届かないことはない(年末のチップも払わなくて良い)

デメリット
1.写真が白黒で、おそらく一部の写真はカットされている(良い写真が多いだけにイタい)
2.スキャンしてめぼしい記事をパッと見つけるには不向き(メリット3とのトレードオフ)
3.天気予報、テレビ欄、広告欄など一切なし。(よく利用していたから、ちと淋しい)
4.13ドル強とお金がかかる(インターネットなら、その気になれば、ただで全く同じ情報を手に入れられる)

といった感じ。
もしホームデリバリーを取っていた人にはメリットがデメリットを上回る気はする。けど、ウェブで十分だった人にはデメリット、特に4番目が足を引っ張りそう。




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3のPDF変換サービスについて。

これは最も注目していた機能の一つ。
何を期待していたかというと、論文PDFをkindleで読めば、プリント量を削減でき、暇な時にいつでも論文を読めそう、と思っていた。が、やはり論文として出版された形式にはかなわない。

変換後どういう風になるかというと、ちょうど「論文原稿」みたいな感じ。(論文原稿が出版形式に変身した時に味わう感動、のちょうど逆、といえば、わかる人にはわかるか)

読みにくい。
まるで論文レビューをしている感じ。変換される時、一番ひどいのは図表。図のパネルを小刻みにして表示されたりする。原稿よりひどい見難さ。

なので、kindleで論文を読むには少し慣れがいりそう。か、向いていない。

本末転倒かもしれないが、ハードコピーを用意しておいて、次に紹介する「スピーチ機能」を使って、聴覚情報を入れることに利用するのは悪くないかもしれない。実際、使えそう。

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そして、スピーチ機能(text-to-speech)。

これはすばらしい。
機械的なものかと思ったら、なかなか実用的。英語は流暢で、スピードを3段階選べる。

僕は、車のラジオ代わりに使ったり、気合を入れて読みたい記事などはスピーチ機能の併用で理解の手助けをするように使い始めている。視聴覚の二つのインプットを利用するのはおそらく脳的にも高効率な気がする。

それから、ネイティブスピーカーでない人間にとっては、リスニングトレーニングとして十分な機能を発揮する。

ただ、段落が変わるとき「point」などと言って、次の段落へ途切れなく移ったりする。そのバグ?は直して欲しいところ。

あと、さすがに作家からの反発があったそうで、この機能を使える本と使えない本がそのうち出てきそう。。。

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上記以外のデメリットをさらにフェアに二つ。

参考書はやはり紙の媒体が絶対に良さそう。
なぜなら、本をパラパラめくって、情報を発掘することは不向き、というかできないから。なので、新聞、小説など(特に結論を知るのは後回しが良いような本)を読むには良いけど、インスピレーション・ベースで読む(眺める)ことがある本の場合、その弱点を露呈するかもしれない。

もう一つの弱点はアメリカでしか実質使えないこと。
もちろん、日本に持って行っても読めはする。けど、アマゾンの提供する3Gネットワークの範囲外になり、新しく本などをダウンロードすることはムリ。なので、アメリカ生活を終える日は、kindleを手放す日になりそう。

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update(3/28)
注文した本、新聞などは、ウェブ上のアカウント経由でいつでもPCにダウンロードできる。なので、まずPCにダウンロードして、それから付属のUSBケーブルでファイルをkindleへ読み込めば良い。なので、必ずしも手放す必要はなさそう。
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日本語版kindle、出せば売れる気もするけど、スピーチ機能がうまく働くのかは不明。日本語の文章をスムースな音声に変換するのはかなり難しそう。ただ、イギリスなど英語圏ではそのまま使えるような気がするから、すぐに発売されても全く不思議ではない。

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と、まだまだ改善の余地はたくさんあるけど、本を買えば買うほど、使いこなせば使いこなすほど、お金と時間の効率性を高められるような気もする。将来の電子ブックの姿を占う上では、それほど高い買い物ではない気がした。

あと、今日からiPhoneやiPod touchで同様のサービスを提供し始めたらしい
画面の小ささがどれくらいクリティカルかわからないけど、もしiPhoneをすでに持っている人には試しに使ってみるのも良いかも。

ちなみにkindleのバッテリー時間は驚異的です。

ソルト・レーク・シティー

先週木曜日からコサインというミーティングのため、ソルト・レーク・シティーへ行った。

またスキー。

といきたかったけど、今回は経済情勢を考慮の上、スキー(ワークショップ)は見送って、メインミーティングのみ参加。

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初日

朝9時くらいの飛行機でNJ州を経ち、ヒューストン経由でソルトレークシティー入り。

ヒューストン国際空港、ブッシュの名がついているだけに使えんかった。。。

一部のターミナルに行くのにシャトルバスに乗るという不便さ。
ターミナル数は尋常ではないから莫大な金を投入しているのだろうけれど、肝心な部分は利用者を考慮に入れていない感じ。まさに、ブッシュを象徴するような空港だった。。。

そのヒューストンからソルトレークシティーには小型ジェットで移動。
着陸時えらく揺れた。。。

ソルトレークシティーは山に囲まれた盆地?みたいなところだった。
ユタ州とNJ州との時差は2時間。

意外と暖かかった。
ホテルまでのシャトルバスの運転手によると、平年より暖かめと言っていた。
そのシャトルバスでは、同じミーティングに参加するという中国人の女性もいて少しだけ話をする。

ホテルはRadisson
ミーティング会場のマリオットから2ブロックほどの距離で、少し安めだったためここにした。ワイヤレスインターネットがフリーでなかなか快適なホテルだった。

初日はレセプション、ノーベル賞受賞者のトーク、ポスターという予定。
レセプションまで時間があったので、ホテルで少し休憩。

レセプション中、正直、知っている人がほとんどいなくて、時間をもてあそびそうになったけど、あさりさんと会って二人で近況などを話す。

フライト疲れか、アクセルさんのトークが始まる時はかなり調子悪かった。。。
が、そのトーク中に何とか快復し、ポスターも一通り見て回る。

レセプションは6時スタートで、ポスターは8時半頃から日付が変わるくらいまで予定が組まれていた。
なかなかインテンスなミーティング。

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2日目

朝7時半から朝食が出るので行く。
スタバが提供してくれているのか、おいしいパンとフルーツ、そしてコーヒーなどがフリー。
ラボメート、アルフォンソと会って、いろいろ話を。

ランチでは、ヴラディミアと会ってランチに行こうと話していたら、たろうさんたちと会って、6人でジャパニーズレストランへ。

ホテルの前にあって、ランチの値段は良心的、味もまずまずで良かった。

ディナーは、ポルトガルへ移られたむらかみさんと会って、そのお友達二人の合計4人で「バーチック」なレストランへ。

そのうち一人はアレン・インスティチュートの研究員の人だった。
意外と超基礎研究的なプロジェクトもやっているようで少し意外だった。

夜19時半からポスター発表。
はじめかなり暇で閑古鳥が鳴いていたけど、途中から人が継続的に来てくれて、結局日付が変わるまで発表し続けた。

データを詰め込めるだけ詰め込んでいたので、データ量に関しては評価してくれたか。
「質」はともかく。。。

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3日目

朝食の時、前日ポスターに来てくれたいいださんという修士学生の方と一緒に話をする。

ランチはパス。

ディナーは、またまたたろうさんとそのお友達の計6人でメキシカンレストランへ。たろうさんは外人の友達が多くて顔が広い。

レストランは非常に良い雰囲気でおいしかった。土曜日ということで、店内もかなり賑わっていた。

ディナー中、ジョブ探しのネタをしたり、あとインド人のポスドクの人とスパースコーディングという専門的な話をしたり。。。

食後、ポスターの時間まで少しあったので、ホテルのロビーでたろうさんと二人で話をする。
ポスターを一通り見て撤収。

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最終日

疲れがたまってきた。。。
前日までは時差ぼけだったのか6時台には目が覚めていたけど、この日は目覚ましをセットした7時まで寝ていた。

朝食はオルガの旦那さんと話を。

ランチは、こむらさんと。
少し歩いたところにモールがあり、そこのタイレストランへ。

4時ごろにミーティングが終了し、多くの人はワークショップのためスノーバードへ。
前日話をしたいいださんはワークショップには不参加ということで、いいださんを誘って一緒に観光とディナー。

テンプル・スクエアというところに、きれいな教会などがあった。
敷地内に入るとおじさんやお姉さんたちが声をかけてきてくれ、ガイドしますよ、と。

フリーらしかったが、遠慮。
どうもそこはモルモン教の施設らしいことがわかり納得。

もちろん悪い人ではないだろうが、あまりのフレンドリーさにややひいた。

それにしても立派な建物がいくつも建っていた。

その後、モールへ行きレストランへ。
アメリカンなレストランへ行った。

ピザとパンみたいなアペタイザーを注文したけどうまかった。
いいださんと日本の将来について熱く語る。。。

久々に元気の良い日本人大学院生に会った気がした。

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翌朝、7時にシャトルにピックアップしてもらい空港へ。

またヒューストン経由。
ヒューストンについてうちに電話したら、NJはすごい雪とのこと。。。

ということで、当初は嫁さんに迎えに来てもらう予定だったけど、
電車とバスで帰ります
と伝えニューアーク行きの飛行機へ。

と言っても、離陸が1時間遅れた。
これも雪の影響らしかった。

飛行機は国際線で乗るようなジャンボジェット。
各シートにモニターが付いていた。

終始安定していて、やはりジャンボジェットは良い。
夜9時に着いて、電車でまずマンハッタンへ行ってバスでNJ州へ、というルート。

11時半ごろにうちに着いた。
しかし、疲れた。

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さて、今回始めて行ったソルト・レーク・シティー。

白人が非常に多く、ダウンタウンもごみごみしてなくて、比較的安全な町なのかなぁ、という印象を受けた。モルモン教の人はフレンドリーだったし。。。オリンピックバブルのおかげか、きれいな建物があったりして町もきれいだった。

気候は数日しか滞在しなかったからよくわからんけど、今シーズンのNJ州と寒さ的にはあまり変わらないのかもしれない。同じユタ州には国立公園もいくつかあったりするし、スキー場は1時間弱だったりするから、ホリデーをエンジョイするなら悪くないところかもしれない。

ただ、住みたいか?と言われるとそれは別問題ではある。

日本人はもちろん、アジア人はどれくらいいるのだろうか?安全とはいえ(これはあくまで印象からの仮定だが)、白人ばかりだとすると、それはそれで住むにはいろいろと「壁」があるのかもしれないなぁ、と何となくそんなことを感じた。

スキー

更新がすっかりご無沙汰になってしまいました。

生きてます。(たぶん)

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この2週間で起こったイベントはスキーとミーティング。
このエントリーではスキーについて。

1週間前の日曜日に行った。

ごいちさんカップルとたいじゅさんの4人でHunterというスキーリゾートへ行った。

天気予報は雪で、その通り、山が近づいてきたら雪が降り出したのだけれども、道路状況は悪くなく、運転は大丈夫だった。車で2時間強という近さ。

HunterはNY州内でも有名なリゾートらしく、確かに建物はきれいだった。コースそのものは昨年行ったスキー場とそれほど変わらない印象を持った。

むしろ、有名なだけに人も多くリフト、ゲレンデともに若干混み気味だった。

ゲレンデコンディションは、その直前まで暖かい日が続いて雪が溶け、その上に新雪が積もった感じ。なので、新雪と思って調子をこくと、アイスバーンでズルッといく、一番苦手なパターン(しかも雪が降ってて視界不良だったし。。。)

と、スキーそのものはもう一つだったけど、日帰りスキーそのものはたいじゅさんやごいちカップルのおかげで楽しいものに。会話のネタは、研究の話もあれば、政治の濃い話も。。。

ちなみに、リフト券などはオンラインであらかじめ買っておいたら昼食代は浮いた。


夕食、うちから近くの美味しい中華屋さんへ行った。
相変わらずうまかった。

今シーズン、あと一回くらい行きたいところ。