2009年3月4日

Kindle 2

アマゾンから届いた。
*追記10/13:インターナショナル版が出てこれを買えば日本からでも本をダウンロードできるようですこちらのエントリーでも使い勝手についてコメントしてます。




大抵はカバーも購入するだろうから、400ドル弱の買い物となる。
決して安いとは言えない。

それでも、買った理由は、
1.デザイン
2.新聞代削減
3.PDFの変換サービス
4.スピーチ機能

まだ2日だけだけど、触ってみた感想を。

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まず、1のデザインについて。

非常に良い。
厚みの割にズッシリ感はあるけど、持ち運びには非常に便利なサイズ。操作性も非常に良い。

旅行の時にどの本を持っていくか悩む必要はないか。必要とあれば、3Gネットワーク(ウィスパーネットとか言うらしい)経由で現地調達もできる。

ディスプレーはiPhoneを縦横それぞれ1.5倍くらいのサイズか。
小さい単行本程度。

ただ、文字サイズを変化させられはするけど、1ページあたりの最大文字数、情報量は少ない。(できれば、もっと文字サイズを小さくできるようにしてほしかった。解像度の問題なのだろうか。)

けど、ディスプレーそのものは非常に見やすくて目の疲れはPC画面を眺めるよりは少なそう。(文字の写り方が違っている)

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2の新聞代について。

僕はThe New York Timesを読んでいて、ホームデリバリーだと月40ドル強かかっていた。が、kindle経由で読めば13ドル程度で、1年ほど読めばkindle代が浮く勘定。

電子版新聞を読むメリットとデメリットを。

メリット
1.大量の紙の浪費を抑えられる(地球にやさしい?)
2.インクで手が黒くならない(身体にやさしい?)
3.すべての記事をチェックできる(今まで如何に手抜きして読んでいたかわかる)
4.安い(ホームデリバリーに比べ)
5.読み疲れたら、スピーチモードに切り替えられる
6.新聞を広げる必要がないから、スペースを確保する必要がない(電車通勤などには便利かも)
7.朝kindleをオンにしたら、その日の新聞が勝手に届く。
8.配達人のミスで届かないことはない(年末のチップも払わなくて良い)

デメリット
1.写真が白黒で、おそらく一部の写真はカットされている(良い写真が多いだけにイタい)
2.スキャンしてめぼしい記事をパッと見つけるには不向き(メリット3とのトレードオフ)
3.天気予報、テレビ欄、広告欄など一切なし。(よく利用していたから、ちと淋しい)
4.13ドル強とお金がかかる(インターネットなら、その気になれば、ただで全く同じ情報を手に入れられる)

といった感じ。
もしホームデリバリーを取っていた人にはメリットがデメリットを上回る気はする。けど、ウェブで十分だった人にはデメリット、特に4番目が足を引っ張りそう。




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3のPDF変換サービスについて。

これは最も注目していた機能の一つ。
何を期待していたかというと、論文PDFをkindleで読めば、プリント量を削減でき、暇な時にいつでも論文を読めそう、と思っていた。が、やはり論文として出版された形式にはかなわない。

変換後どういう風になるかというと、ちょうど「論文原稿」みたいな感じ。(論文原稿が出版形式に変身した時に味わう感動、のちょうど逆、といえば、わかる人にはわかるか)

読みにくい。
まるで論文レビューをしている感じ。変換される時、一番ひどいのは図表。図のパネルを小刻みにして表示されたりする。原稿よりひどい見難さ。

なので、kindleで論文を読むには少し慣れがいりそう。か、向いていない。

本末転倒かもしれないが、ハードコピーを用意しておいて、次に紹介する「スピーチ機能」を使って、聴覚情報を入れることに利用するのは悪くないかもしれない。実際、使えそう。

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そして、スピーチ機能(text-to-speech)。

これはすばらしい。
機械的なものかと思ったら、なかなか実用的。英語は流暢で、スピードを3段階選べる。

僕は、車のラジオ代わりに使ったり、気合を入れて読みたい記事などはスピーチ機能の併用で理解の手助けをするように使い始めている。視聴覚の二つのインプットを利用するのはおそらく脳的にも高効率な気がする。

それから、ネイティブスピーカーでない人間にとっては、リスニングトレーニングとして十分な機能を発揮する。

ただ、段落が変わるとき「point」などと言って、次の段落へ途切れなく移ったりする。そのバグ?は直して欲しいところ。

あと、さすがに作家からの反発があったそうで、この機能を使える本と使えない本がそのうち出てきそう。。。

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上記以外のデメリットをさらにフェアに二つ。

参考書はやはり紙の媒体が絶対に良さそう。
なぜなら、本をパラパラめくって、情報を発掘することは不向き、というかできないから。なので、新聞、小説など(特に結論を知るのは後回しが良いような本)を読むには良いけど、インスピレーション・ベースで読む(眺める)ことがある本の場合、その弱点を露呈するかもしれない。

もう一つの弱点はアメリカでしか実質使えないこと。
もちろん、日本に持って行っても読めはする。けど、アマゾンの提供する3Gネットワークの範囲外になり、新しく本などをダウンロードすることはムリ。なので、アメリカ生活を終える日は、kindleを手放す日になりそう。

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update(3/28)
注文した本、新聞などは、ウェブ上のアカウント経由でいつでもPCにダウンロードできる。なので、まずPCにダウンロードして、それから付属のUSBケーブルでファイルをkindleへ読み込めば良い。なので、必ずしも手放す必要はなさそう。
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日本語版kindle、出せば売れる気もするけど、スピーチ機能がうまく働くのかは不明。日本語の文章をスムースな音声に変換するのはかなり難しそう。ただ、イギリスなど英語圏ではそのまま使えるような気がするから、すぐに発売されても全く不思議ではない。

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と、まだまだ改善の余地はたくさんあるけど、本を買えば買うほど、使いこなせば使いこなすほど、お金と時間の効率性を高められるような気もする。将来の電子ブックの姿を占う上では、それほど高い買い物ではない気がした。

あと、今日からiPhoneやiPod touchで同様のサービスを提供し始めたらしい
画面の小ささがどれくらいクリティカルかわからないけど、もしiPhoneをすでに持っている人には試しに使ってみるのも良いかも。

ちなみにkindleのバッテリー時間は驚異的です。

2 コメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
Kindleが好評のようですね。
>ネイティブスピーカーでない人間にとっては、
>リスニングトレーニングとして十分な機能を発揮する

日本の英語学習者のリスニングトレーニングの一助にでもなればとのおもいから、次のサイトを開設しているsなかと申します。
http://spreadsheets.google.com/ccc?key=p3G3JGWcrtP4BZbRlMIA2AA

text-to-speechの技術には以前(1990年代)から関心があったのですが当時はまだ平板な読み上げしかできず、人間の朗読レコーディングには適わないという認識でいました。

最新のTTSは試したことがないのですが、Kindleに採用されているTTSによる読み上げは、抑揚とか、息継ぎ・間の取り方とか、感情を込めた読み方なども含め、人間の朗読にとってかわれるレベルまで進化しているのでしょうか?

ps:
ご承知かもしれませんが、Kindleのような読書専用器ではありませんが、日本で新しく発売された電子辞書でもテキストファイルを読んだり、mp3ファイルを再生したりすることができるのが何機種かあり、そのひとつを上記サイトへの訪問者に紹介しておきました(FYI only):
http://takaojimba.blog.so-net.ne.jp/2009-02-09-1

Shuzo さんのコメント...

sなかさん、コメントありがとうございました。

> 人間の朗読にとってかわれるレベルまで進化しているのでしょうか?

私はこのような技術のことは全然知らなかったので他の技術と比べることはできないですが、そこ(人間)までは進化していません。

例えば、
1.疑問文が全然ダメ(尻上りのアクセントとして読まない)
2.段落のつながりがおかしいことがある。(立て続けに読まれて混乱する)
3.単語が大文字で書かれていると、それを何かの略号と認識して、アルファベットを読み上げる。
などは非常に気になっています。
(もちろん、私が読む英語よりははるかに良い英語で話してくれるので、その意味では人間以上、とは言えますが。。。)

リスニング単独で文章を理解する場合、少し苦労するかもしれませんね。

あと、私の数日の経験だけではありますが、実際のテキストを眺めながら聞く分には非常に役立っているのは確かで、単なるリスニングトレーニング以上の効果を期待しています。
(本を読むスピードと精度の両方が上がっている感覚があります)

日本でもこの市場、もしかしたらホットになる気がしますから、ぜひkindleよりクレバーな製品を、
日本発として開発して欲しいと期待してます。
実際に使ってみて、まだまだ改善余地はたくさんある気がしてますので、つけこむなら今のうちです。