UKビザが無事発行されました。なかなか手間のいるプロセスだったので、備忘録的にまとめます(*僕は米国内で取得したので、日本で取得する場合は若干違ってくると思いますのでご注意を)。
まずビザに関する政府提供情報はこちら。そのリンク先の左コラムやQ&A形式で書いてあるページを何度もしっかり読めば何とか取れるようになっていた。
発行されたビザはPBS Tier2 General。嫁さんと娘二人は、それぞれPartner、Childというカテゴリーになった。
PBSとはpoint based systemの略で、ビザ申請の資格を得るのにのに必要な点数が決めれらているビザカテゴリーらしい。その点数の内訳として、
1.職場の確保
2.給料
3.学歴
4.英語力
5.初期の生活費(maintenance)
がありなかなか手強い。
その点数をゲットする資格があることを示す証拠書類をアプリケーションフォームやパスポートなどと一緒に提出する必要があった(以下詳述)。
UKビザゲットまでの大まかなプロセスは
1.UKでジョブをゲット
2.証拠文書をかき集める
3.オンラインでアプライする(同時に申請費を払い、バイオメトリックスキャンの予約をする)
4.バイオメトリックスキャンを受けに行く
5.証拠文書・必要書類が揃った時点でUK大使館へ郵送する
6.UK大使館から処理スタートのメールを受け取る
7.UK大使館からビザ発行のメールを受け取る
8.ビザとパスポートがUPSで送られる
僕の場合、5月上旬からビザ取得に動き出し、3ヶ月弱かかった。一番時間がかかったのは証拠文書の確保で、2ヶ月くらいは見ておくべきな気がする。
ちなみに、書類がすべて受理されてからビザが発行されるまでのプロセス時間はここで最近の状況を統計値として確認でき、PBS Tier2 Generalの場合、大抵5ビジネスデー以内には発行されるようで、僕の場合もそうだった。
ただ、前後の書類郵送期間があるので、UK大使館に書類を送ってからビザを手元にゲットするまで10日は見ておいた方が良さそう。
各論について:
まず、各カテゴリーでポイントをゲットする証拠に何を提出したか?
1.職場の確保
大学に発行してもらったレター
*certificate of sponsorship numberなる番号の明記が必要。
2.給料
大学からのレター(1のレターと同じ)
3.学歴
UK NARICのレター
学位記(筒に入ってる日本語のでかい学位授与証)
学位記の英訳(卒業大学から発行してもらったレターとUSビザ取得時に得た翻訳会社の翻訳文)
4.英語力
TOEIC speaking & writingの結果
TOEIC listening & readingの結果
5.初期の生活費
大学からのレター(1,2と同一)
*migrantに対して800ポンド、家族に対して各533ポンド必要。家族の名前、サポート額などが明記されている必要あり。
家族分は、ポイント制ではないけど、証拠文書として、
・婚姻証明書
・出生証明書
つまりは、migrantとの関係を明らかにできる公的文書が必要だった。
以上の証拠文書を集めたら、migrantに関しては、
1.パスポート
2.オンラインアプリケーションしたら後にダウンロードできるファイルのコピー(サインも)
3. Appendix5(手書きで記入)
4.顔写真(自分でデジカメで撮ってそれをプリントアウトした。こちらに詳細な規定。)
5.バイオメトリックスキャンの予約用紙(事務所でスキャンするとハンコを押してくれた)
6.証拠文書たち(そのコピーも)
partnerに関しては、
1.パスポート
2.オンラインアプリケーションのハードコピー
3.顔写真
4.バイオメトリックスキャンの予約用紙
5.婚姻証明書(そのコピーも)
childに関しては、
1.パスポート
2.オンラインアプリケーションのハードコピー
3.顔写真
4.バイオメトリックスキャンの予約用紙(5歳の長女は必要で、1歳の次女は不要だった)
5.出生証明書(そのコピーも)
を、指定されたUK大使館へ郵送。
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もっと詳しく:
おそらく英語力証明と初期の生活費が難関(?)になると思う。
英語力証明について
僕の場合、英語力証明のためTOEICを受けた。
設定点数は非常に低いから受けさえすればOKなレベルだけど、TOEICは毎日開催されてるわけではないから、試験予約から成績証明を受け取るまで1ヶ月はかかる(あとお金も。。。)。日本にいてたら、他にも選択肢があるもよう。
試験関連の過去エントリーはこちら、こちら、こちら。
初期の生活費について
これは、貧乏人が入国してUK政府からの生活補助を使ってくれるな、という意図があるようだ。なので、リーズナブルな条件だとは思うけど、家族が増えるとこれがいやらしい問題になる。migrantは800ポンド、さらに家族一人につき533ポンド必要だから、僕の場合、約2.4Kポンド(約3.6Kドル)必要だった。
その証拠を示す選択肢はいくつかあるようだけれども、僕の場合、
1.大学のレターでそのサポートを明記してもらう
2.自分の銀行口座のオフィシャルな残高証明を3ヶ月分提出する
が考えられた。
2の条件がこれまたやっかいで、一つの口座で過去3ヶ月そのリミットを下回ってはいけない、という基準を確実には満たしてなかったので(それはそれでウチの財政に問題があるわけだけれども。。。汗)、1の選択肢で行くことにして、大学にお願いした。
ちなみに、学歴証明に関しては、UK NARICなるところに、日本の博士号はUKのPhDと同等だ、という証明書を発行してもらった(あくまで形式的な評価であって、日本の博士号ホントは大した事ない、といった質的な評価はしないから安心して良い)。
ウェブで審査依頼をすると、ファックスで必要書類を送るように指定され、それらを送ると1ヶ月くらいでレターがうちまで送られてきた。この申請時、日本語の学位記を出さなかったら、そのレターの但し書きとして、オリジナルの学位記がいる、とあった。なので、ビザ申請時には、でかい学位記をレターサイズになるよう折り曲げて送った。
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最後に、ビザアプリケーションプロセスの詳細情報を、自分のケースについてまとめると:
まず、証拠文書がほぼ手に入ることが確実になった6月下旬に、オンラインで必要項目を記入しては申請費を払い、バイオメトリックスキャンの予約を入れた(この辺は申請国によって違うみたいなので要注意)。
バイオメトリックスキャンは近場のハッケンサックでやってもらった(他にもいくつか選択肢があって、いろんなところでやっているもよう)
パスポートと予約用紙を持って家族で事務所へ行くと、指紋スキャンと顔写真撮影があり、予約用紙にスタンプとサインをしてくれた。待ち時間はほぼゼロで、担当者も手際と愛想もよくストレスフリーだった。一人5分くらいのプロセス。約1歳の次女はこのプロセスは免除。
必要書類は、家族分まとめてuspsのexpress mailでマンハッタンのUK大使館へ送ったら、数日後に申請書類を受け取ってプロセスに入ったとのメールが来た。さらに数日後、ビザを発行してUPSで送ったとトラッキング番号付きのメールが送られてきた。
そして今日、無事ビザが届いた。パスポートの査証ページにビザが貼られていた(この辺はUSビザと似た感じ)。
USビザと比べると、お金がかかったり、ウェブで見つかる情報が政府提供のものだけだったり、バイオメトリックスキャン以外はオンライン・郵送での処理だったりと、人と接する時間が設定されておらずいろいろ不安な点はあったけど、結果的には政府提供の情報通りプロセスすれば、プロのコンサルタントサービスなしでビザを得ることは可能だった。
ちなみに、ビザの期間は3年間。もう一度更新して5年以上滞在すればグリーンカードの申請資格を得ることができるもよう。
3 コメント:
Shuzoさん。喜多村です。
スコットランドでラボを持たれるとのこと、おめでとうございます!
ビザ取得、大変なんですね。僕はポスドクで行ってたので、英語力とかは全然関係なくて、とにかく給料と身分さえ保証されてれば、あとは大学の人が全部手続きしてくれました(時間だけはやたらとかかりましたが)。更新の時も家族の分までUCLの人が申請手続きをやってくれたんですが、スコットランドとイングランドでは違うんですかね。
永住権取得には、「英国人テスト」にパスする必要があると、Hausserラボの同僚(当時)に聞いたことがあります。
新天地での益々のご活躍をお祈りしてます!!
喜多村さん、ご無沙汰しております。
イングランドとスコットランドは同じはずなのですが、どうやら昨年くらいに大幅に制度が変わって、非常にややこしくなってしまったらしいのです。。。
大学側のスタッフも詳しくなくて、「わからないことがあったら、オフィシャルなコンサルタントサービスに聞いてね」という感じで、自分でかなりの部分やる必要がありました。。。
先日、USビザ取得サービス会社で働かれている知人とお話したところ、企業の人たちもそのあおりを受けて、UKビザを避ける傾向があるとか。。
ある意味、外国人排除の制度でもあるので、中長期的には非常によろしくない気がしています。
それはともかく、スコットランドでも頑張っていきます!9月の神戸の学会には参加しますので、そのときぜひお会いしましょう!
では、神戸で!
KK
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